コラム
いつまで川原で石を売るのですか?(1)
(2005年6月23日メルマガより)
■仕事がら、販路開拓の依頼をよくいただきます。
最近、ますます増えてきました。
まさに、販路開拓こそ、現代のキーワード。それぐらい、巨大な需要を感じ
ます。
■私も営業コンサルタントを自認しておりますので、どんな依頼も、とりあ
えずはお聞きします。
その際、私が依頼企業にする質問はシンプルです。
「何を、だれに、どうやって売るつもりですか?」
■はっきり言って、99%の企業がこの質問に答えられません。
■一番多いのが「うちの商品はすばらしいから、なるべく多くの人に売りた
いんだ」という類の答えです。
ランチェスターファンの方なら、おわかりですよね。
これこそ、戦略がないっていう状態です。
■弱者の基本戦略は「差別化」です。
差別化とは、商品、対象顧客、販売方法などにおいて、強者と違うこと(も
の)をすること。
これを忘れないでください。
人と違うことをしなければならないのに、「うちの商品はすばらしい」こと
を言い訳に、考えたり工夫をすることを放棄していませんか?
(そうです。商品のすばらしさを言い逃れの材料にしているのです)
■しかも実際には、「差別化」できているすばらしい商品にお目にかかるこ
とはめったにありません。
■経営者から話を聞くとき、ほとんどの時間が商品へのこだわり話に費やさ
れます。
なぜこの商品を思いついたのか。
製造上、どのような困難があって、それを克服したのか。
コストを犠牲にしていかに品質にこだわったか…
■私はいつも「川原で石を売っているようなもんだ」と感じます。
そのあたりで拾ってきた石を川原に並べて売っている状況を想像してくださ
い。
誰がそれを買いますか?
■経営者は怒るでしょうが、大抵の商品は「川原の石」です。
そんな商品へのこだわりは、石についた凹凸程度のものです。
「こんないい商品が売れないはずがない」と言う前に、「この商品では差別
化しきれなかった」現実を直視すべきです。
■その上、すばらしい商品でも売れないのは以前に書いた通りです。
■商品で差別化しきれなかったのなら、他の部分で差別化すればいいわけで
す…
■次号に続く。