コラム
例外に注目せよ
(2005年10月13日メルマガより)
■ちょっと古い話ですが、衆院総選挙では、小泉旋風が吹き荒れましたねえ。
評論家の三宅久之が「小泉は帝王になった。あの傲岸不遜な片山虎之助が
平伏していた」と言っておりました(^^)
でも、ほんの5,6年前までは、小泉純一郎は「変人」でした。郵政大臣な
のに郵政民営化を唱えたり、勝ち目のない総裁選に出馬したり。。政界では
トリックスターのような存在でしたね。
■トリックスターとは、はみ出し者、変わり者、イチビリといった存在です。
やはり、ちょっと古いですが、ホリエモンなんかも、トリックスターですね。
良識ある人にとっては眉をしかめたくなるような言動をするのですが、それ
は常識を打ち破ろうとする意思の表れでもあります。
彼らの信念や行動が、常識の壁を突き破れば、社会を変革するような大きな
パワーとなります。
ただし、中途半端であれば、ただの迷惑ないたずら小僧です。
■話は飛びますが、営業コンサルをしているとき、私はこのトリックスター
のような存在にも注目します。
コンサルティングを依頼する企業は「営業成績が伸びない」「どうも営業が
効率的ではない」という悩みを抱えているわけです。
ただ、全体の成績を見ていても、突破口は見えません。
「あーー、成績が下がってるなあ」「いっぱいいるのに、売れてないなあ」
と思うぐらいです。
■そんな時は、一人一人の成績の状況を一覧表にしてみます。(普通は、分
布図にします)
コンサルティングのパターンの1つですね。
すると、必ず「変なの」がいるのです。
■例えば、入ったばかりなのに、やたらに売っているやつ。
逆に、ベテラン営業マンなのに、全然だめなやつ。
顧客のところによく訪問しているのに、成績が伸びないやつ。
逆に、会社にずーーといるのに、成績がいいやつ。
たまに、びっくりするような成績を上げるやつ。
春だけ、成績がいいやつ。
■こういう変なやつを見つければ、しめたもんです。
成績がいい、悪いには、何らかの原因があります。
特に異常値を示す場合には、普通では思いつかないクリエイティブな原因が
潜んでいたりします。
それが、その会社の営業組織改革の大きなヒントになります。
(こちらから、新たな策を提案するより、企業内に答を見つけることが、成
功確率が高いですから)
■変に成績がいい人は、「弱者の戦略」をうまく活用していることが多いで
すね。
「おいしい」お客さんを見つけてそこに集中しているとか、楽な「狩場」を知っているとか、何らかの勝ちパターンを作っています。
ただ「変なやつ」は、なかなか秘密を漏らさなかったりするのが厄介です
けどね。
あるいは、自分では気づいていない原因で、成功している場合もあります。
それを抽出して、誰にでも使えるようにするのが、コンサルタントの仕事で
す。
■ちなみに私も営業マン時代は、「変なやつ」の1人でした。
賞金のかかった営業コンテストの間だけ、成績を上げるという…
反省しております。