コラム
「営業力」があるという勘違い
■営業力があると自称する人の中に、営業交渉の巧みさを頼みにする人がいます。
その中身は、話の中での切り返しの上手さや、話題の転換の巧みさなど。要するにとっさの頭の回転の速さと表現力を誇るタイプです。
一般にも、こういうタイプは、営業力があると思われるのではないでしょうか。
■こう書けば言いたいことはお分かりでしょうが、営業交渉というのは、営業力の一部でしかないし、実は、話のうまさなど、さらに営業交渉の一部でしかない。
確かに、こういうタイプは頭がよく、本質をつかむことにも長けた人が多いから、きちんと勉強すれば、高い営業力を持つことができるかも知れません。
しかし、今のままでは、単なる調子のいい奴でしかない。
■また、いい加減なのも多い。口先でごまかせるので、原理原則にてらすことを怠ってきた人も多い。
ろくに準備しないぶっつけ本場でも、なんとかしのいでしまう。準備しない方がひらめきが冴えるとか言って、開き直ってもいる。
新人の頃はそれでいいかも知れないが、ある程度のベテランになると、相手は納得してくれません。
また、相手がよほど純朴な人ならごまかせるかも知れないが、冷静な人をごまかしきることはできない。
若いときに優秀だといわれていたのに、壁に当たる人は、こういうタイプが多いのではないでしょうか。
■まさに私がこういうタイプだったから、よく分かるのです^^;
はっきり言って、そのままでは通用しないと感じました。
道は2つでした。
1.社内での地位を固めて、できる人を演じ続ける。現場にはなるべく出ない。社内の製造や経理の連中ぐらいならごまかし続けることはできる。
2.もう一度、営業とは何かを原理原則から学び直す。
■1のような上司が増えると、会社全体の営業力は間違いなく下がっていきます。
部下にとっても、本人にとっても、会社全体にとっても不幸なことです。大きく言うと、社会的にも不幸です。
技術力を糧にするメーカーなどに、こういう営業チームが多いと思いますね。
■独立すると、実力が表れます。裸の王様みたいな人もいますね。本人だけが営業力があると思っている^^私もそうかも知れないので、偉そうに言うことではありませんが^^;
■営業力は「戦略・管理・実践」(SMP)のバランスの上にあるというのが私の持論です。
だから、営業力は天性のものではありません。ほとんどは努力で身につけることができるスキルです。
原理原則を学ぶことがいかに重要かを省みたいと思います。
さらに言うと、学び続けないとだめなんです。