コラム
儲けるための仕組みを作ろう
(2008年7月31日メルマガより)
■『やっぱり「仕組み」を作った人が勝っている』という本を読みました。
「仕組み」とは、「自分ではさほど動くことなく、自動的に収入が入ってく
るシステム」のこと。
うまく「仕組み」を作ることで、収入を自動化した個人の事例を掲載してい
ます。
世の中にはそういう人がいるんですなーーー
まさに「楽して儲けたい」という根源的な欲望を刺激する本です^^
■昔「金持ち父さん、貧乏父さん」という本が流行りましたが、その系譜に
属する本だと言えます。
馬車馬のように働いてやっと収入を得ている私からすれば、自動的に儲かる
なんて羨ましい話です^^
そんな楽したら人間ダメになるぞーーなんて負け惜しみを言っておりますが。。。
■ただこの本は結構真面目に作られています。単に射幸心を煽る本ではない
ようです。
じっくり読むと、示唆に富む部分が結構あります。
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■『やっぱり「仕組み」を作った人が勝っている』は、面白い本です。
上にも書きましたが、仕組みとは、「自分ではさほど動くことなく、自動的
に収入が入ってくるシステム」のこと。
その仕組みを作って、収入を自動化した個人の成功ストーリーを中心に組み
立てられています。
事例が中心なので、興味を尽きさせません。
■インターネットのアフィリエイトで、毎月1000万円をコンスタントに稼ぐ
人の話。
情報を販売して、年商5億の人の話。
サラリーマンをしながら、複数の飲食店のオーナーとなった人の話。
大きな資金もないのに1年で複数の不動産収入を得るようになった人の話。
通販で不動産を販売して5億の年商を得る人の話。。。
なんか怪しげなマジックのようですが、全部リアルな話のようですね。
■しかも、著者はいたって真面目な姿勢で書いています。
著者自身が純粋に驚き、感心し、彼らの成功の秘密を解き明かそうとしてい
ます。
その秘密を「仕組み」という言葉に集約しているわけです。
とりあえず、一般人を羨ましがらせ、射幸心を煽って、一儲けしようとして
いるのではないようですな^^;
だから「仕組み作りはそう簡単ではない」と言っています。
「楽して儲かる」類の本ではないという主張ですね。
■実はこの本、1年前に出た『結局「仕組み」を作った人が勝っている』と
いう本の続編です。
前作は、殆ど純粋に著者の驚きだけで構成されている感がありましたが、今
回のは、仕組みの構造を分析しようとしているところが特徴です。
前作で「仕組み」に目覚めた著者が「自分もビジネスの仕組みを考えたので、
これから構築する」と言っていたのに、今作では「実はまだ仕組みは出来て
いません」と正直に吐露するところがカワイイですな^^
ちなみに私は前作が出た時に「中小企業にとって仕組みとは」というテーマ
でメルマガを書いていますので、参照ください。
■この本が言う仕組み思考の要素は「複製、他力、多面、継続、分身、標準、
法則、即行、論理」であるということです。
詳しい説明は避けますが、私なりに解釈するとすれば「ビジネスのコアな要
素を中心にシンプルなプロセスを組み立て、誰でもできるレベルまで標準化
し、拡大あるいは横展開できる雛形を作る」ということです。
例えば、この本に登場するある保険代理店は、テレアポの手法を標準化する
ことで、コンスタントに契約する仕組みを作っています。
セールストークを数パターン用意して、最も効果の高いトークを採用し繰り
返すだけです。
このやり方を他事業のテレアポにも応用して事業拡大を続けています。
これって、特別な秘訣などではありません。
ビジネスの基本的な要素の1つです。
■私は、ビジネスに必要なものは「戦略・管理・実践」であると主張してい
ます。
戦略とは、将来的に生き残っていける方向性を決めること。儲かりそうな市
場に狙いを定めることです。
管理とは、仕組みを作ってそれを回すこと。狙った市場で儲かるための仕組
みを作ってそれが回るように管理することです。
実践とは、具体的な活動のことです。PDCAを回します。
つまり「仕組み」は、管理のフェーズに入ります。未来永劫といかなくても、
実直に繰り返していれば2,3年は儲かるというのが仕組みです。
■企業も、創業間もない頃はともかく、ある一定のレベルになると、儲かる
ための仕組みを持っています。
市場の情報をいち早くキャッチするための仕組み。顧客ニーズを商品開発に
活かす仕組み。他社よりも低価格で売るための仕組み。間違いなく回収する
ための仕組み。人を育てやる気にさせる仕組み。継続的な収益を得る仕組み。
仕組みがあるから生き残っているのです。
だから実際には、仕組みがあるということは、何ら特別なものではありませ
ん。
■ただ、この本がいいのは、仕組みの話に集中していることです。
採り上げているのは、ニッチなビジネスばかり。殆ど個人事業と言ってもい
いでしょう。
敢えて言えば、いつ消えてもおかしくない小さな市場でのビジネス展開です。
大きなビジネスは、それだけ大きな社会的ニーズに応えているわけですが、
小さなビジネスは社会のニーズに応えているとは言いがたい。
要するに、無くなっても社会に影響のないレベルのビジネスですね。
だからこそ、仕組みの話に純化されるわけです。
大きな企業ならば、要素がどうしても複雑になってしまいます。
成功要因が多岐に渡ることも少なくなく、どれがキーとなっているのかが掴
みにくい。
しかし小さな事業ならば、仕組みのことに純化して話すことが可能となりま
す。
■私は、結構、この本から気づきを貰いました。
創業者が事業をまず安定させるためには、この冷徹な仕組みづくりがキーと
なるでしょう。
仕組みを作って、その事業を他人に任せることができないと、事業を安定さ
せ、発展させることはできません。
これを早期に作って、自動化することができないと、経営者が戦略面を見る
ことができなくなってしまいます。
■恐らく、この本のような視点で大きな企業を見ると、きっと違った構造が
見えてくると思います。
「しょうもない事業ばかり並べやがって」と思う方もいるかも知れませんが、
偏見を無くして素直に見てみると、きっと気づきがあると思いますよ。
■もっとも、まずは私が仕組みを自分のものとしないといけませんね。
相変わらずラットレースをクルクル回る今日この頃ですから。。。