常識を少しずらすとチャンスが生まれる

2005.09.29


(2005年9月29日メルマガより)

■来週「ビジネスアイデア創出法」セミナーをさせていただきます。

そこで、今回は、その内容に関連したことをお話しします。(セミナーでは、
同内容はやりませんが)


■新しい発想は、ちょっとした視点の変更で生まれます。

「常識を疑ってみる」というやつです。

ただ、いきなり「常識を疑え」なんて言っても、ピンと来ないのが普通の人
ではないでしょうか。

やはり、常識を疑うためにも、発想のパターンがあります。

1つは「こういうふうに決まっている」というものを見つけて、あえて「そ
うじゃない」ことを想像してみることです。

■例えば...

消費財を扱っている方なら、商品分類の方法で
「最寄品」「買回品」「専門品」という分類の方法をご存知ですね。

消費財を扱っていなくてもご存知ですかな?

「最寄品」とは、購買頻度が高く、価格がどこでも大差なく、ありふれた商
品のこと。生活必需品、日用品など。

「買回品」とは、比較的高価格で、購買のために情報収集を行う商品。家電
製品など。

「専門品」とは、価格がかなり高く、購買頻度がきわめて低く、購入決定ま
で多くの時間と手間をかけて検討する商品。住宅、宝石など。


■これは、なんでそうなってるの?というわけではなく、「そういうふうに
決まっている」のです。(というか、そういうふうに分類したのです)

中小企業診断士の教科書にも、販売士の教科書にも載っているので、私には
馴染み深い概念です。

こういう、教科書に載っているぐらい常識的なことこそ、発想法の訓練には
最適です。


■「最寄品」とは具体的にどういうものを指すのでしょうか。
どこででも買えるものだから、コンビニとか、スーパーに売っているもので
す。
ペットボトルのお茶とか、スナック菓子とか、カップラーメン、パン、シャ
ンプー、リンス、簡単な文房具。。。

1000円以内で買える比較的安いものばかりです。よく考えずに、いつも通り
買うものですね。

■「専門品」とは、めったに買わないものです。家とか車とか高級な宝石と
かいったものです。いわゆる高級ブランド品もこれに入るのでしょうか。普
通は衝動買いというわけにはいきません。大げさに言うと、一生ものの買い
物ですね。

■「買回品」とは、その中間に位置するものです。そこそこ高いし、それな
りに調べて購入するものです。家電品などが代表ですね。最近、私は、液晶
テレビを購入しましたが、あまり考えずに買いました。買った後に「カカク
コム」を見てショックを受けた次第です(T_T)

余談ですが「カカクコム」は、まさに「買回品」を対象としています。大勢
の人が、情報を求めてリサーチするのが「買回品」ですから。


■ところが、この「買回品」が、安い値段で、どこでも買えるようになった
らいかがでしょうか。
例えば、液晶テレビが、コンビニで2,3千円で買えるとしたら、皆さんは
買いますか?

私なら、10個ぐらい買って、各部屋に設置しますね。私の家は10LDK
ですから。(嘘です)

そんなSFみたいなこと考えても仕方がないですか?

しかし、実際に、それを経営ビジョンに掲げた名経営者がいました。

「経営の神様」松下幸之助の『水道哲学』は、そういう意味ではないでしょ
うか?

水道哲学とは「家電製品を大量に作り続けると、いつかは、水道の水のよう
に安い値段になって、誰もが購入できるようになる。そんな世の中にしよう」
という壮大なビジョンです。

実際には「専門品」であった家電製品を「買回品」になるまでにしました。
日本人の殆どがテレビや冷蔵庫や洗濯機を所有するようになったのです。ま
さに社会を変えた経営ビジョンです。

このように技術革新や流通革新によって「専門品」を「買回品」に、「買回
品」を「最寄品」にすることができれば、大きなビジネスチャンスが生まれ
ます。間違いありません。


■もっとも、これは、中小企業には難しい所作ですね。

では逆を考えてみましょう。

■「最寄品」を「買回品」にすることはできませんか?

「そんなアホな。わざわざ安いもんを高く売ることあるかいな」というのは、
頭の固い意見ですよ。

私の家の近くには、1000円の食パンを売る店があります。たまにしか販売し
ないのですが、販売日には1時間待ちの行列ができるそうです。
(実は何にこだわった食パンなのかよく知りません。。多分、おいしいんで
しょう)
これなど、食パンという「最寄品」を「買回品」にした好例です。

インターネットでは、天然素材を謳った高価な石鹸やシャンプー、リンスが
目白押しです。

お米はスーパーで売っていますが、会員にならないと手に入れられないブラ
ンド米もありますね。○○に効くとか、噂が流れていたりします。

化粧品はコンビニでも売っていますが、通販では何万円もする高級化粧品が
売られています。

180円のラーメンがあると思えば、1000円以上するラーメンも平気でありま
す。

100円マックがあるかと思えば、モスバーガーは1000円のハンバーガーを限
定発売しています。これは一度食べてみたいもんです。


■お察しの通り、「最寄品」から「買回品」に転換するには、技術革新では
なく、"こだわり"が必要です。

ランチェスター法則でいえばE(武器効率)です。ランチェスター戦略をご
存知の方には馴染み深い概念ですね。

経済合理性を逸脱するぐらいの"こだわり"があれば、中小・零細企業にも
勝ち目が出てくるというのが、私の考えです。優秀な大企業は、経済合理性
を外すわけにはいかないからです(話が逸脱しそうなので、このあたりで止
めておきましょう)


■いかがですか?

スーパーやコンビニで売っているものを「買回品」にできないか想像してく
ださい。

チューイングガムを1000円に出来ませんか?

探し回っても買いたいスナック菓子はありませんか?


■そういえば「アラブの国では、水は石油より高い」と珍しがっていたのは、
20年前のことです。今、コンビニでは、ペットボトルの水が、石油よりよほ
ど高い値段で平気で販売されていますね。

常識なんてすぐに変化するのです。


■これは発想法のほんの一例です。

セミナーでは、もっと体系として考えていきましょう。。


(2005年9月29日メルマガより)

■来週「ビジネスアイデア創出法」セミナーをさせていただきます。

そこで、今回は、その内容に関連したことをお話しします。(セミナーでは、
同内容はやりませんが)


■新しい発想は、ちょっとした視点の変更で生まれます。

「常識を疑ってみる」というやつです。

ただ、いきなり「常識を疑え」なんて言っても、ピンと来ないのが普通の人
ではないでしょうか。

やはり、常識を疑うためにも、発想のパターンがあります。

1つは「こういうふうに決まっている」というものを見つけて、あえて「そ
うじゃない」ことを想像してみることです。

■例えば...

消費財を扱っている方なら、商品分類の方法で
「最寄品」「買回品」「専門品」という分類の方法をご存知ですね。

消費財を扱っていなくてもご存知ですかな?

「最寄品」とは、購買頻度が高く、価格がどこでも大差なく、ありふれた商
品のこと。生活必需品、日用品など。

「買回品」とは、比較的高価格で、購買のために情報収集を行う商品。家電
製品など。

「専門品」とは、価格がかなり高く、購買頻度がきわめて低く、購入決定ま
で多くの時間と手間をかけて検討する商品。住宅、宝石など。


■これは、なんでそうなってるの?というわけではなく、「そういうふうに
決まっている」のです。(というか、そういうふうに分類したのです)

中小企業診断士の教科書にも、販売士の教科書にも載っているので、私には
馴染み深い概念です。

こういう、教科書に載っているぐらい常識的なことこそ、発想法の訓練には
最適です。


■「最寄品」とは具体的にどういうものを指すのでしょうか。
どこででも買えるものだから、コンビニとか、スーパーに売っているもので
す。
ペットボトルのお茶とか、スナック菓子とか、カップラーメン、パン、シャ
ンプー、リンス、簡単な文房具。。。

1000円以内で買える比較的安いものばかりです。よく考えずに、いつも通り
買うものですね。

■「専門品」とは、めったに買わないものです。家とか車とか高級な宝石と
かいったものです。いわゆる高級ブランド品もこれに入るのでしょうか。普
通は衝動買いというわけにはいきません。大げさに言うと、一生ものの買い
物ですね。

■「買回品」とは、その中間に位置するものです。そこそこ高いし、それな
りに調べて購入するものです。家電品などが代表ですね。最近、私は、液晶
テレビを購入しましたが、あまり考えずに買いました。買った後に「カカク
コム」を見てショックを受けた次第です(T_T)

余談ですが「カカクコム」は、まさに「買回品」を対象としています。大勢
の人が、情報を求めてリサーチするのが「買回品」ですから。


■ところが、この「買回品」が、安い値段で、どこでも買えるようになった
らいかがでしょうか。
例えば、液晶テレビが、コンビニで2,3千円で買えるとしたら、皆さんは
買いますか?

私なら、10個ぐらい買って、各部屋に設置しますね。私の家は10LDK
ですから。(嘘です)

そんなSFみたいなこと考えても仕方がないですか?

しかし、実際に、それを経営ビジョンに掲げた名経営者がいました。

「経営の神様」松下幸之助の『水道哲学』は、そういう意味ではないでしょ
うか?

水道哲学とは「家電製品を大量に作り続けると、いつかは、水道の水のよう
に安い値段になって、誰もが購入できるようになる。そんな世の中にしよう」
という壮大なビジョンです。

実際には「専門品」であった家電製品を「買回品」になるまでにしました。
日本人の殆どがテレビや冷蔵庫や洗濯機を所有するようになったのです。ま
さに社会を変えた経営ビジョンです。

このように技術革新や流通革新によって「専門品」を「買回品」に、「買回
品」を「最寄品」にすることができれば、大きなビジネスチャンスが生まれ
ます。間違いありません。


■もっとも、これは、中小企業には難しい所作ですね。

では逆を考えてみましょう。

■「最寄品」を「買回品」にすることはできませんか?

「そんなアホな。わざわざ安いもんを高く売ることあるかいな」というのは、
頭の固い意見ですよ。

私の家の近くには、1000円の食パンを売る店があります。たまにしか販売し
ないのですが、販売日には1時間待ちの行列ができるそうです。
(実は何にこだわった食パンなのかよく知りません。。多分、おいしいんで
しょう)
これなど、食パンという「最寄品」を「買回品」にした好例です。

インターネットでは、天然素材を謳った高価な石鹸やシャンプー、リンスが
目白押しです。

お米はスーパーで売っていますが、会員にならないと手に入れられないブラ
ンド米もありますね。○○に効くとか、噂が流れていたりします。

化粧品はコンビニでも売っていますが、通販では何万円もする高級化粧品が
売られています。

180円のラーメンがあると思えば、1000円以上するラーメンも平気でありま
す。

100円マックがあるかと思えば、モスバーガーは1000円のハンバーガーを限
定発売しています。これは一度食べてみたいもんです。


■お察しの通り、「最寄品」から「買回品」に転換するには、技術革新では
なく、"こだわり"が必要です。

ランチェスター法則でいえばE(武器効率)です。ランチェスター戦略をご
存知の方には馴染み深い概念ですね。

経済合理性を逸脱するぐらいの"こだわり"があれば、中小・零細企業にも
勝ち目が出てくるというのが、私の考えです。優秀な大企業は、経済合理性
を外すわけにはいかないからです(話が逸脱しそうなので、このあたりで止
めておきましょう)


■いかがですか?

スーパーやコンビニで売っているものを「買回品」にできないか想像してく
ださい。

チューイングガムを1000円に出来ませんか?

探し回っても買いたいスナック菓子はありませんか?


■そういえば「アラブの国では、水は石油より高い」と珍しがっていたのは、
20年前のことです。今、コンビニでは、ペットボトルの水が、石油よりよほ
ど高い値段で平気で販売されていますね。

常識なんてすぐに変化するのです。


■これは発想法のほんの一例です。

セミナーでは、もっと体系として考えていきましょう。。

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代表者・駒井俊雄が発行するメルマガ「営業は売り子じゃない!」
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