ユニクロは、無印良品と提携せよ

2015.08.13

(2015年8月13日メルマガより)


■良くも悪くも、ユニクロが転機を迎えているようです。


ひとつは、セブン&アイホールディングスの提携です。

参考:ファストリ、セブンと提携 海外攻略へアクセル 販路や物流網に着目(日本経済新聞・有料記事)
https://id.nikkei.com/lounge/auth/password/proxy/post_response.seam?cid=9439209

上記記事によると、ユニクロを運営するファーストリテイリングの2015年8月期の連結売上高(国際会計基準)は前期比19.3%増の1兆6500億円の見込みです。

絶好調ですな。

ただそれでも、ZARAやH&Mとの差は縮まっていません。

「2020年に5兆円を達成する」という柳井正会長兼社長のホラを現実のものにするためには、セブン・イレブンという「売り場」を確保しておきたいということなのでしょう。

■セブンとの提携は、アジア市場を見据えてのものだと思います。

これからアジア進出を本格化するセブン・イレブンとしても、アジアで人気の高いユニクロの商品を扱えるのは魅力的です。

利益をどう分けるのかが気になるところですが、それは別の話としましょう。

■ユニクロが絶好調なのは、海外の売上が伸びているからです。

ところが、日本国内では、良くない兆候が表れてきています。

参考:ユニクロに変調、「一転して独り負け」の深層 既存店売上高は2カ月連続で前年割れに(東洋経済オンライン)
http://toyokeizai.net/articles/-/79583

なんと今年6月7月とも前年割れを起こしています。

ユニクロ側は天候不順が要因といっているようですが、他のアパレル店が好調を維持していることを思えば、それは言い訳にはなりません。

ユニクロだけが負けているという構図となります。

■なぜここにきて、ユニクロは国内で失速したのか?

端的にいうと、値段が高くなったからでしょう。

長引く円安により、いま、海外の人たちから見れば、日本国内は安いものばかり。だから、中国人観光客の爆買いが起こります。

逆にいうと、日本人にとって海外品は高いものばかりです。

ユニクロは海外生産品ですので、われわれからすれば海外品の値段です。

あくまで相対的な問題なのですが、そうしたことがユニクロの価格政策に影響しています。

■ユニクロといえば、品質がいいのに安いことが最大の特長でした。

品質がいいのだから、少しぐらい高くても買うだろう。と柳井氏は考えたのでしょうか。

だとすれば、あてが外れたということです。

われわれはあくまで、安いけど品質がいい。と見ています。

高くなれば、品質が良くて当たり前。

わざわざ、高いユニクロに行く意味が薄れてしまいます。

このあたり企業側と消費者のイメージにギャップがありそうです。

ユニクロがあくまで品質や機能で勝負するというならば、新たな機能性商品を出さなければなりません。

ところが、そうそうヒートテックのように斬新な機能性商品は出てこないのでしょう。

それなのに、海外に比べれば日本のユニクロは安いじゃないか。といって、値上げを続ければ、国内売上はますます低迷していきそうです。

■なんだか、このあたり、マクドナルドや和民に通じるところがありますね。

マクドもワタミも、デフレ下の絶好調銘柄でした。

「安い」けど、そこそこいいやん。というやつです。

ところが、デフレが終わり、円安になり、値段を上げようとすると、失速しました。

一度ついた「安い」という看板イメージは容易に変えることができないということです

価格戦略の難しさがここにありますな。

■ユニクロも同じ轍にはまってしまったのか。

ジーユーを作ることで、さらなる低価格化は避けたものの、ユニクロという看板が高級イメージになったわけではありませんでした。

同じ看板で、値段を上げ下げすることは、影響が大きいという教訓がここにあります。

これは、覚えておきましょう。

■ちなみに私は、ユニクロが結構好きです。

ユニクロの商品ではなく、柳井正会長兼社長の考え方が好きなわけですが。

「ファッションブランドはありもしないライフスタイル、いわば虚像を売っているようなもの」

「(既存のアパレル産業は)まず能書きとか自分たちに都合のいい情報をつくってお客を誘導するような商売でしょ」

柳井氏のこういう発言を聞くと、既存のアパレル業界に対する反骨心が見受けられます。

だからユニクロは、アパレルから品質・機能以外の要素をはぎ取って、工業製品としてのアパレル品を目指しました。

日用品だから、デザインはシンプルに。流行もないから、売り切り処分もない。それが、ユニクロの安さの秘密です。

ところが、その虚像や能書きがないために、価格設定ののりしろがなかったわけですよ。

■柳井氏の言葉に逆らうようですが、「機能」も能書きの一つです。

ヒートテックやエアリズムには、実体以上のワクワク感があったはずです。

ユニクロが海外で売れているのは、「機能」という能書きで表現される「ひとつ上の生活」だと私は考えています。

だから実際には、ユニクロも「ありもしないライフスタイル」を売っているのです。

■ここでユニクロがやるべきは、ユニクロの世界観の再確認とその表現方法の再設計です。

ユニクロが「ありもしないライフスタイル」を売らないというのであれば、それは徹底して、シンプルで自然で楽でてらいのないものでなければなりません。

「素」の追求。

イメージでいえば、最も親和性の高いのは無印良品のようなブランドです。

それならば、無印良品と提携すればいい。(できれば買収)

なんで2社は一緒にならないんだろうと、前々から思っているんですけどね...

ユニクロは自らの商品を「ライフウエア」と位置付けていますが、その「ライフ」とはどういうものなのか?

それが結局は「ありもしないライフスタイル」だったとしても、ユニクロが実現しようとする世界をはっきりした形で打ち出すことが必要だと考えます。

■いま、ユニクロのホームページは、安売りチラシのようです。

http://www.uniqlo.com/jp/

せっかくの高級機能品を持ちながら、その意味合いを訴求せずに、価格提示に終始するというのはもったいない限りです。

これでは、安売りの店だと宣言しているようなものじゃないですか。

いや、安売りの店でもいいんですよ。でも、それならば値上げしたらダメでしょう。

■現実的には、別ブランド店を立ち上げて、そこで様々なポジショニングを実験していくことになるのでしょうね。

高級品ばかりを扱った店。

ニッチな機能を追求した店。

デザイン性を追求した店。

雑貨を中心とした店。

本来のユニクロのイメージからずれていても実験としてあえてやってみる。

その中で、育ったものを柱の一つにしていくというやり方です。

今はグループ内でユニクロの存在感が大きすぎるので、なんとかバランスを取らなければなりません。

■それとは別に、国内の既存店舗も改革していかなければなりません。

まずは世界観を再設計すること。

私ならば、「素材の機能」を中心に、シンプルで自然で楽な「ライフスタイル」を提供する店とします。

だったら、アパレルだけでなく、雑貨も食品も置けばいい。

無印良品と組めば、店舗の価値を高めていけると思うんですけどね。

ユニクロ側が、雑貨品のマネジメントが無理というならば、良品計画側にやってもらえばいいんですよ。

アパレルは無印良品の一部門という位置付でもいい。

本来、柳井氏は、それぐらい懐の深い経営者のはずですからね。

日本で作った価値を世界に発信していく。

なんともワクワクする仕組みではないですか。

(2015年8月13日メルマガより)


■良くも悪くも、ユニクロが転機を迎えているようです。


ひとつは、セブン&アイホールディングスの提携です。

参考:ファストリ、セブンと提携 海外攻略へアクセル 販路や物流網に着目(日本経済新聞・有料記事)
https://id.nikkei.com/lounge/auth/password/proxy/post_response.seam?cid=9439209

上記記事によると、ユニクロを運営するファーストリテイリングの2015年8月期の連結売上高(国際会計基準)は前期比19.3%増の1兆6500億円の見込みです。

絶好調ですな。

ただそれでも、ZARAやH&Mとの差は縮まっていません。

「2020年に5兆円を達成する」という柳井正会長兼社長のホラを現実のものにするためには、セブン・イレブンという「売り場」を確保しておきたいということなのでしょう。

■セブンとの提携は、アジア市場を見据えてのものだと思います。

これからアジア進出を本格化するセブン・イレブンとしても、アジアで人気の高いユニクロの商品を扱えるのは魅力的です。

利益をどう分けるのかが気になるところですが、それは別の話としましょう。

■ユニクロが絶好調なのは、海外の売上が伸びているからです。

ところが、日本国内では、良くない兆候が表れてきています。

参考:ユニクロに変調、「一転して独り負け」の深層 既存店売上高は2カ月連続で前年割れに(東洋経済オンライン)
http://toyokeizai.net/articles/-/79583

なんと今年6月7月とも前年割れを起こしています。

ユニクロ側は天候不順が要因といっているようですが、他のアパレル店が好調を維持していることを思えば、それは言い訳にはなりません。

ユニクロだけが負けているという構図となります。

■なぜここにきて、ユニクロは国内で失速したのか?

端的にいうと、値段が高くなったからでしょう。

長引く円安により、いま、海外の人たちから見れば、日本国内は安いものばかり。だから、中国人観光客の爆買いが起こります。

逆にいうと、日本人にとって海外品は高いものばかりです。

ユニクロは海外生産品ですので、われわれからすれば海外品の値段です。

あくまで相対的な問題なのですが、そうしたことがユニクロの価格政策に影響しています。

■ユニクロといえば、品質がいいのに安いことが最大の特長でした。

品質がいいのだから、少しぐらい高くても買うだろう。と柳井氏は考えたのでしょうか。

だとすれば、あてが外れたということです。

われわれはあくまで、安いけど品質がいい。と見ています。

高くなれば、品質が良くて当たり前。

わざわざ、高いユニクロに行く意味が薄れてしまいます。

このあたり企業側と消費者のイメージにギャップがありそうです。

ユニクロがあくまで品質や機能で勝負するというならば、新たな機能性商品を出さなければなりません。

ところが、そうそうヒートテックのように斬新な機能性商品は出てこないのでしょう。

それなのに、海外に比べれば日本のユニクロは安いじゃないか。といって、値上げを続ければ、国内売上はますます低迷していきそうです。

■なんだか、このあたり、マクドナルドや和民に通じるところがありますね。

マクドもワタミも、デフレ下の絶好調銘柄でした。

「安い」けど、そこそこいいやん。というやつです。

ところが、デフレが終わり、円安になり、値段を上げようとすると、失速しました。

一度ついた「安い」という看板イメージは容易に変えることができないということです

価格戦略の難しさがここにありますな。

■ユニクロも同じ轍にはまってしまったのか。

ジーユーを作ることで、さらなる低価格化は避けたものの、ユニクロという看板が高級イメージになったわけではありませんでした。

同じ看板で、値段を上げ下げすることは、影響が大きいという教訓がここにあります。

これは、覚えておきましょう。

■ちなみに私は、ユニクロが結構好きです。

ユニクロの商品ではなく、柳井正会長兼社長の考え方が好きなわけですが。

「ファッションブランドはありもしないライフスタイル、いわば虚像を売っているようなもの」

「(既存のアパレル産業は)まず能書きとか自分たちに都合のいい情報をつくってお客を誘導するような商売でしょ」

柳井氏のこういう発言を聞くと、既存のアパレル業界に対する反骨心が見受けられます。

だからユニクロは、アパレルから品質・機能以外の要素をはぎ取って、工業製品としてのアパレル品を目指しました。

日用品だから、デザインはシンプルに。流行もないから、売り切り処分もない。それが、ユニクロの安さの秘密です。

ところが、その虚像や能書きがないために、価格設定ののりしろがなかったわけですよ。

■柳井氏の言葉に逆らうようですが、「機能」も能書きの一つです。

ヒートテックやエアリズムには、実体以上のワクワク感があったはずです。

ユニクロが海外で売れているのは、「機能」という能書きで表現される「ひとつ上の生活」だと私は考えています。

だから実際には、ユニクロも「ありもしないライフスタイル」を売っているのです。

■ここでユニクロがやるべきは、ユニクロの世界観の再確認とその表現方法の再設計です。

ユニクロが「ありもしないライフスタイル」を売らないというのであれば、それは徹底して、シンプルで自然で楽でてらいのないものでなければなりません。

「素」の追求。

イメージでいえば、最も親和性の高いのは無印良品のようなブランドです。

それならば、無印良品と提携すればいい。(できれば買収)

なんで2社は一緒にならないんだろうと、前々から思っているんですけどね...

ユニクロは自らの商品を「ライフウエア」と位置付けていますが、その「ライフ」とはどういうものなのか?

それが結局は「ありもしないライフスタイル」だったとしても、ユニクロが実現しようとする世界をはっきりした形で打ち出すことが必要だと考えます。

■いま、ユニクロのホームページは、安売りチラシのようです。

http://www.uniqlo.com/jp/

せっかくの高級機能品を持ちながら、その意味合いを訴求せずに、価格提示に終始するというのはもったいない限りです。

これでは、安売りの店だと宣言しているようなものじゃないですか。

いや、安売りの店でもいいんですよ。でも、それならば値上げしたらダメでしょう。

■現実的には、別ブランド店を立ち上げて、そこで様々なポジショニングを実験していくことになるのでしょうね。

高級品ばかりを扱った店。

ニッチな機能を追求した店。

デザイン性を追求した店。

雑貨を中心とした店。

本来のユニクロのイメージからずれていても実験としてあえてやってみる。

その中で、育ったものを柱の一つにしていくというやり方です。

今はグループ内でユニクロの存在感が大きすぎるので、なんとかバランスを取らなければなりません。

■それとは別に、国内の既存店舗も改革していかなければなりません。

まずは世界観を再設計すること。

私ならば、「素材の機能」を中心に、シンプルで自然で楽な「ライフスタイル」を提供する店とします。

だったら、アパレルだけでなく、雑貨も食品も置けばいい。

無印良品と組めば、店舗の価値を高めていけると思うんですけどね。

ユニクロ側が、雑貨品のマネジメントが無理というならば、良品計画側にやってもらえばいいんですよ。

アパレルは無印良品の一部門という位置付でもいい。

本来、柳井氏は、それぐらい懐の深い経営者のはずですからね。

日本で作った価値を世界に発信していく。

なんともワクワクする仕組みではないですか。

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