衰退市場でトップを張る宝島社の戦略

2012.12.27

(2012年12月27日メルマガより)


■成熟市場でどのように売るのか。ということが、
日本のあらゆる業界でのテーマとなって
います。

その典型となる業界が、アマゾン・キンドル襲来に揺れる出版業界ですね。

電子書籍が日本で流行る流行らないという議論以前に、日本の書籍は、成熟~衰退期に入って
います。

参考:「書籍の発行点数と販売部数の推移」
http://www.1book.co.jp/003191.html

上のデータをみると、日本の新刊発行数は、1959年以来、ずっと増え続けていますが、
販売部数は、1988年をピークに下がり続けています。

出版業界は、販売数の落ち込みを新刊発行数で食い止めている状況であり、これは成熟市場
の典型的な姿であると思います。

■ついでにもう一つデータを。

参考:「今世紀の雑誌販売動向をグラフ化してみる(「出版月報」編)」
http://www.garbagenews.net/archives/1885876.html

こちらは2000年代になってからの雑誌に関するデータですが、やはり販売部数は下がり続
けています。

少子高齢化とか、インターネット情報の氾濫など理由はいろいろあるようですが、ともか
くも書籍以上に厳しい事態です。

大変な業界であることが分かっていただけると思います。

■その業界にあって、後発出版社ながら、ファッション誌でトップに立ち、発行部数を
増加させるなど健闘を見せているのが、宝島社です。

ビジネス誌でも取り上げられているので、ご存じの方も多いでしょうね。

私も何度か目にしました。

ただ、宝島社というと、「おまけつきの雑誌」や「変動価格販売」など戦術面ばかり取り
上げられて、参考にならないなーーと思っていたところ、じっくりと調べて書かれた記事
がありましたので紹介いたします。

参考:「ファッション誌トップシェア、宝島社の女性誌マーケティングの秘密(上)」
東洋経済オンラインより。(中)(下)もあり。
http://toyokeizai.net/articles/-/9583

■宝島社は、もともと自治体向けのPR誌などを委託制作する会社だったそうですね。

それは知りませんでした。

1974年に「宝島」という雑誌の版権を取得して、出版業界に参入します。

私の覚えている雑誌「宝島」は、ちょっと過激な切り口でサブカルチャーを扱うことが多
い若者向けの雑誌だったような気がします。

変な看板や誤植などを集めた「VOW」というコーナーって知ってますかね?面白かった
なあ^^

週刊文春のある号に載った「訂正文」が、VOWに取り上げられているのですが、わけが
分からないのに面白い→http://bit.ly/Tj0vTp

それはともかく「宝島」という雑誌は、その後、ビジネス誌にシフトチェンジします。思
うところがあったのでしょうね。

サブカルチャーのテーマは、「別冊宝島」というシリーズに引き継がれ、これも一世を風靡
したと記憶しています。(カルト宗教やヤクザ社会や性産業や、タブーとされるテーマ
に鋭く深く切り込む内容が斬新でした)

過激で独特の切り口といい、思い切りの良すぎるシフトチェンジといい実に面白い出版社
ですよね。

■そんな宝島社が、今やファッション雑誌のトップになっていたとは。

昔を知る身とすれば確かに意外なことですが、これまでの変遷をみるとさもありなんと思
えてくるから面白い。

記事によると、日本のカジュアルファッション誌の先駆けとなったティーンズ向け
「CUTiE」に始まり、その分野の20歳代の顧客層に向けた「SPRiNG」、30
歳代に向けた「InRed」、40歳代に向けた「GLOW」と、段階的に得意分野を
攻略していることが分かります。

その他にも、「steady.」、「リンネル」、「smart」、「sweet」など、
後発らしい差別化された雑誌を手掛け、人気雑誌に育てています。

特に「sweet」は、ナンバーワン雑誌として、「20代の購買行動に最も影響を与える
雑誌」と言われているそうです。

■記事によると、宝島社のアプローチは、過去の過激で悪乗りに近い印象とは裏腹に、極
めて戦略的に思えます。

戦略は、端的にいうと、

1.現状分析することで、自社が勝てる市場を選ぶ

2.選択した市場の中で、勝てる方策を決める

3.決めたことをとことんやりぬいて、効果を検証する

というプロセスで行われます。

この中で、最も重要なプロセスは1の「勝てる市場を選ぶ」というところです。

ここがなければいくら戦術を工夫しても大きな成果は見込めません

繰り返しになりますが、宝島社の場合、自社が勝てる市場として、当時他社が手掛けてい
なかった「カジュアルファッション誌」という分野を選びました。

この選択はすこぶる重要です。

なぜなら、他社が手掛けていないということは、需要があるかどうか分からないというこ
とです。

手つかずの分野は、ブルーオーシャンであるかもしれないし、、需要のない砂漠地帯であ
るかもしれない。

それをあえてターゲットにするということは、前例のない独自の販売方法を自ら組み立て
ていかなければならないということですから、相当勇気のいる決断です。

■では、その市場の中で、どのように勝ち抜くのか。

宝島社は、ファッション雑誌に進出するにあたって、「自社の業務フローをバリューチェ
ーンに落とし込み、企画、編集、制作、営業、販促からアフターケアに至るまでの業務プ
ロセスを詳しく分析」したとあります。

これは、現状分析の1つである自社分析にあたります。

ここで分かったことは、宝島社に限らず雑誌を制作する組織は「編集と営業」に負荷がか
かっていること。

業界では当たり前のことなんでしょうが、同社はここに勝機を見出します。

具体的にいうと、一般に雑誌社は「販促・プロモーション」に力を入れていない。それなら、
ここに力を入れることによって、これまでにないような販売ができると考えたのです。

■ちなみにマーケティング手段には、「販促・プロモーション」だけではなく、「商品」
「価格」「チャネル」などがあります。

宝島社の例でいうと

商品:先行する雑誌とはターゲットと切り口を変えた差別化されたコンテンツを提供する。
(従来、どの雑誌社もコンテンツには力を入れており、それぞれが独自色を出すために
切磋琢磨しているわけですが)

価格:雑誌の定価を決めず、企画内容によって価格を変える。

チャネル:書店チャネルを最大限活用する。

ということになります。

■さて、宝島社の販促・プロモーションですが、大きく読者向けのそれと書店向けのそれ
に分けることができます。

読者向けの販促として、派手なイベント開催や、定期的なプレゼント企画があげられます。
こういうことは他の雑誌もやっていると思っていたのですが、記事を読む限り、他社はこ
れほど頻繁にはやっていないようですね。

それと、同社の雑誌を一躍有名にした「付録」の存在。これは、企画内容に合わせて、店舗
では売っていないバッグやポーチなど、およそ付録の概念を逸脱したような逸品をつける
ことを旨にしています。(同社は、付録ではなく、ブランドアイテムと呼んでいます)

ここまでくると、もはや付録ではなく、コンテンツそのものです。

現在は、海外の有名ブランドなどが、同社の雑誌の価値(販促効果)を認めて、提携を
申し出てくるほどになっているというから大したものです。

■この「付録」の存在が強烈すぎて、付録さえつければ売れる雑誌になるのかと思われる
きらいがありますが、それは同社の戦術の1つに過ぎません。

同社がなぜ雑誌に付録をつけたのかというと、「これまで雑誌に興味のなかった顧客層」
にどのようにして雑誌を購入してもらうのかを考えた末、「一流ブランドのちょっとした
グッズが雑誌価格で手に入る」という価値を提供するという方法を選んだからです。

つまり、これは他社の顧客を奪うのではなく、これまで雑誌を手に取らなかった顧客
(いわゆるブルーオーシャン)をターゲットにする、というところから出発しているのです。

戦略を学ぶ者は、ここを忘れてはならないと思います。

■もう一つは、書店に対する販促です。

「書店応援キャンペーン」なるものを同社は手掛けているといいます。これは、主要書店
を会社に招待したり、イベントで交流したりとかいったことのようです。

あるいは書店内に宝島社だけのコーナーを作って、(たぶん)出版社が陳列をするという
試みをしているのでしょう。

私は、昔、消費財の営業をしていたので、上のような販売店に対する販促活動などは当たり前に
やっていましたが、文化事業的な側面のある出版業界では、こうした活動は珍しいので
しょうかね。

だとすれば、まだまだ営業活動の余地は残されていると感じますね。

■あと細かいことをいうと、コンビニで目立つために、雑誌の表紙の上部に主要情報を
詰め込むなどのことを工夫したそうです。(棚に並べられると、上の部分しか見えないため)

が、こうした分かりやすいことは、すぐに真似されてしまうので、今はどの雑誌も表紙の
構成を工夫していますが。

そうした些細なことに限らず、目に見える差別化は、他社に真似される運命にあります。

「付録」という手段も、今では多くの雑誌が取り入れているようですから、宝島社だけの
専売特許ではありません。

他社が真似できないのは、容易に見ることのできない「戦略」の部分です。

つまり、宝島社のターゲット顧客であったり、書店に対する販促活動内容であったり、次
の販促企画を生み出すための考え方であったり、どこに労力をかけるのかという配分の考
え方であったり。

こうしたことは、他社からはわかりにくく、しかも蓄積されていくので、他社が真似しよ
うとした時には、追いつけないレベルにまで高められているはずです。

目に見える手法やノウハウに頼らないで活動することが、長生きするための秘訣だと考え
ます。

■宝島社に感心するのは、そのターゲット設定の志の高さです。

すなわち、長期的な成熟~衰退期にある雑誌業界で長生きするために、「今、雑誌を読ま
ない人たちを顧客にしよう」と考えたことです。

以前書きましたが、ソース業界ではおたふくソースがその志を持っていました。

参考:「顧客を創造するということ」
http://www.createvalue.biz/column2/post-218.html

あるいは、昔、私が所属していた会社も、今見向きもしてくれない人たちをターゲットに
することで、世界一の魔法瓶会社になりました。http://www.thermos.jp/

トップ企業、あるいはトップを狙う企業は、その志を持たなければならない。

逆にいうと、その志を持った者だけがトップに立てるのです。

(2012年12月27日メルマガより)


■成熟市場でどのように売るのか。ということが、
日本のあらゆる業界でのテーマとなって
います。

その典型となる業界が、アマゾン・キンドル襲来に揺れる出版業界ですね。

電子書籍が日本で流行る流行らないという議論以前に、日本の書籍は、成熟~衰退期に入って
います。

参考:「書籍の発行点数と販売部数の推移」
http://www.1book.co.jp/003191.html

上のデータをみると、日本の新刊発行数は、1959年以来、ずっと増え続けていますが、
販売部数は、1988年をピークに下がり続けています。

出版業界は、販売数の落ち込みを新刊発行数で食い止めている状況であり、これは成熟市場
の典型的な姿であると思います。

■ついでにもう一つデータを。

参考:「今世紀の雑誌販売動向をグラフ化してみる(「出版月報」編)」
http://www.garbagenews.net/archives/1885876.html

こちらは2000年代になってからの雑誌に関するデータですが、やはり販売部数は下がり続
けています。

少子高齢化とか、インターネット情報の氾濫など理由はいろいろあるようですが、ともか
くも書籍以上に厳しい事態です。

大変な業界であることが分かっていただけると思います。

■その業界にあって、後発出版社ながら、ファッション誌でトップに立ち、発行部数を
増加させるなど健闘を見せているのが、宝島社です。

ビジネス誌でも取り上げられているので、ご存じの方も多いでしょうね。

私も何度か目にしました。

ただ、宝島社というと、「おまけつきの雑誌」や「変動価格販売」など戦術面ばかり取り
上げられて、参考にならないなーーと思っていたところ、じっくりと調べて書かれた記事
がありましたので紹介いたします。

参考:「ファッション誌トップシェア、宝島社の女性誌マーケティングの秘密(上)」
東洋経済オンラインより。(中)(下)もあり。
http://toyokeizai.net/articles/-/9583

■宝島社は、もともと自治体向けのPR誌などを委託制作する会社だったそうですね。

それは知りませんでした。

1974年に「宝島」という雑誌の版権を取得して、出版業界に参入します。

私の覚えている雑誌「宝島」は、ちょっと過激な切り口でサブカルチャーを扱うことが多
い若者向けの雑誌だったような気がします。

変な看板や誤植などを集めた「VOW」というコーナーって知ってますかね?面白かった
なあ^^

週刊文春のある号に載った「訂正文」が、VOWに取り上げられているのですが、わけが
分からないのに面白い→http://bit.ly/Tj0vTp

それはともかく「宝島」という雑誌は、その後、ビジネス誌にシフトチェンジします。思
うところがあったのでしょうね。

サブカルチャーのテーマは、「別冊宝島」というシリーズに引き継がれ、これも一世を風靡
したと記憶しています。(カルト宗教やヤクザ社会や性産業や、タブーとされるテーマ
に鋭く深く切り込む内容が斬新でした)

過激で独特の切り口といい、思い切りの良すぎるシフトチェンジといい実に面白い出版社
ですよね。

■そんな宝島社が、今やファッション雑誌のトップになっていたとは。

昔を知る身とすれば確かに意外なことですが、これまでの変遷をみるとさもありなんと思
えてくるから面白い。

記事によると、日本のカジュアルファッション誌の先駆けとなったティーンズ向け
「CUTiE」に始まり、その分野の20歳代の顧客層に向けた「SPRiNG」、30
歳代に向けた「InRed」、40歳代に向けた「GLOW」と、段階的に得意分野を
攻略していることが分かります。

その他にも、「steady.」、「リンネル」、「smart」、「sweet」など、
後発らしい差別化された雑誌を手掛け、人気雑誌に育てています。

特に「sweet」は、ナンバーワン雑誌として、「20代の購買行動に最も影響を与える
雑誌」と言われているそうです。

■記事によると、宝島社のアプローチは、過去の過激で悪乗りに近い印象とは裏腹に、極
めて戦略的に思えます。

戦略は、端的にいうと、

1.現状分析することで、自社が勝てる市場を選ぶ

2.選択した市場の中で、勝てる方策を決める

3.決めたことをとことんやりぬいて、効果を検証する

というプロセスで行われます。

この中で、最も重要なプロセスは1の「勝てる市場を選ぶ」というところです。

ここがなければいくら戦術を工夫しても大きな成果は見込めません

繰り返しになりますが、宝島社の場合、自社が勝てる市場として、当時他社が手掛けてい
なかった「カジュアルファッション誌」という分野を選びました。

この選択はすこぶる重要です。

なぜなら、他社が手掛けていないということは、需要があるかどうか分からないというこ
とです。

手つかずの分野は、ブルーオーシャンであるかもしれないし、、需要のない砂漠地帯であ
るかもしれない。

それをあえてターゲットにするということは、前例のない独自の販売方法を自ら組み立て
ていかなければならないということですから、相当勇気のいる決断です。

■では、その市場の中で、どのように勝ち抜くのか。

宝島社は、ファッション雑誌に進出するにあたって、「自社の業務フローをバリューチェ
ーンに落とし込み、企画、編集、制作、営業、販促からアフターケアに至るまでの業務プ
ロセスを詳しく分析」したとあります。

これは、現状分析の1つである自社分析にあたります。

ここで分かったことは、宝島社に限らず雑誌を制作する組織は「編集と営業」に負荷がか
かっていること。

業界では当たり前のことなんでしょうが、同社はここに勝機を見出します。

具体的にいうと、一般に雑誌社は「販促・プロモーション」に力を入れていない。それなら、
ここに力を入れることによって、これまでにないような販売ができると考えたのです。

■ちなみにマーケティング手段には、「販促・プロモーション」だけではなく、「商品」
「価格」「チャネル」などがあります。

宝島社の例でいうと

商品:先行する雑誌とはターゲットと切り口を変えた差別化されたコンテンツを提供する。
(従来、どの雑誌社もコンテンツには力を入れており、それぞれが独自色を出すために
切磋琢磨しているわけですが)

価格:雑誌の定価を決めず、企画内容によって価格を変える。

チャネル:書店チャネルを最大限活用する。

ということになります。

■さて、宝島社の販促・プロモーションですが、大きく読者向けのそれと書店向けのそれ
に分けることができます。

読者向けの販促として、派手なイベント開催や、定期的なプレゼント企画があげられます。
こういうことは他の雑誌もやっていると思っていたのですが、記事を読む限り、他社はこ
れほど頻繁にはやっていないようですね。

それと、同社の雑誌を一躍有名にした「付録」の存在。これは、企画内容に合わせて、店舗
では売っていないバッグやポーチなど、およそ付録の概念を逸脱したような逸品をつける
ことを旨にしています。(同社は、付録ではなく、ブランドアイテムと呼んでいます)

ここまでくると、もはや付録ではなく、コンテンツそのものです。

現在は、海外の有名ブランドなどが、同社の雑誌の価値(販促効果)を認めて、提携を
申し出てくるほどになっているというから大したものです。

■この「付録」の存在が強烈すぎて、付録さえつければ売れる雑誌になるのかと思われる
きらいがありますが、それは同社の戦術の1つに過ぎません。

同社がなぜ雑誌に付録をつけたのかというと、「これまで雑誌に興味のなかった顧客層」
にどのようにして雑誌を購入してもらうのかを考えた末、「一流ブランドのちょっとした
グッズが雑誌価格で手に入る」という価値を提供するという方法を選んだからです。

つまり、これは他社の顧客を奪うのではなく、これまで雑誌を手に取らなかった顧客
(いわゆるブルーオーシャン)をターゲットにする、というところから出発しているのです。

戦略を学ぶ者は、ここを忘れてはならないと思います。

■もう一つは、書店に対する販促です。

「書店応援キャンペーン」なるものを同社は手掛けているといいます。これは、主要書店
を会社に招待したり、イベントで交流したりとかいったことのようです。

あるいは書店内に宝島社だけのコーナーを作って、(たぶん)出版社が陳列をするという
試みをしているのでしょう。

私は、昔、消費財の営業をしていたので、上のような販売店に対する販促活動などは当たり前に
やっていましたが、文化事業的な側面のある出版業界では、こうした活動は珍しいので
しょうかね。

だとすれば、まだまだ営業活動の余地は残されていると感じますね。

■あと細かいことをいうと、コンビニで目立つために、雑誌の表紙の上部に主要情報を
詰め込むなどのことを工夫したそうです。(棚に並べられると、上の部分しか見えないため)

が、こうした分かりやすいことは、すぐに真似されてしまうので、今はどの雑誌も表紙の
構成を工夫していますが。

そうした些細なことに限らず、目に見える差別化は、他社に真似される運命にあります。

「付録」という手段も、今では多くの雑誌が取り入れているようですから、宝島社だけの
専売特許ではありません。

他社が真似できないのは、容易に見ることのできない「戦略」の部分です。

つまり、宝島社のターゲット顧客であったり、書店に対する販促活動内容であったり、次
の販促企画を生み出すための考え方であったり、どこに労力をかけるのかという配分の考
え方であったり。

こうしたことは、他社からはわかりにくく、しかも蓄積されていくので、他社が真似しよ
うとした時には、追いつけないレベルにまで高められているはずです。

目に見える手法やノウハウに頼らないで活動することが、長生きするための秘訣だと考え
ます。

■宝島社に感心するのは、そのターゲット設定の志の高さです。

すなわち、長期的な成熟~衰退期にある雑誌業界で長生きするために、「今、雑誌を読ま
ない人たちを顧客にしよう」と考えたことです。

以前書きましたが、ソース業界ではおたふくソースがその志を持っていました。

参考:「顧客を創造するということ」
http://www.createvalue.biz/column2/post-218.html

あるいは、昔、私が所属していた会社も、今見向きもしてくれない人たちをターゲットに
することで、世界一の魔法瓶会社になりました。http://www.thermos.jp/

トップ企業、あるいはトップを狙う企業は、その志を持たなければならない。

逆にいうと、その志を持った者だけがトップに立てるのです。

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