マイケル・ポーターの戦略はもう通用しないのか?

2013.03.07

(2013年3月7日メルマガより)




■「世界の経営学者はいま何を考えているのか」
という本が出ています。
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4862761097/lanchesterkan-22/ref=nosim

著者は入山章栄氏。アメリカのビジネススクールで活躍する若手経営学者ということです。

それにしても、この本の帯は刺激的ですね。

「ドラッカーなんて誰も読まない!?ポーターはもう通用しない!?」だそうですよ。

宣伝文なので挑発的にしたのでしょうが、トンデモ本スレスレのコピーですね^^;

でも中身は、示唆に富んで面白かったです。おすすめいたします。

■要するに、この本は、世界というかアメリカにおける経営理論の潮流を分かりやすく
解説したものです。

ドラッカーもポーターもはるか昔の人ですから、経営理論も進まなければなりません。

特にアメリカは、経営を「科学的に」見る傾向が強く、理論も緻密になってきています。

その成果をかいつまんで紹介してくれています。

英語が苦手な私にとってはありがたい本でした。

■ただ、ドラッカーとそれら科学的な理論を比較するのはちょっとフェアではないかも
知れません。

ドラッカーの著作には、抽象的な言い回しが多く、多分に直感的で、科学的な検証を経た
理論を提示しているわけではありません。

ドラッカー自身も「自分は著作者だ」と称し、経営学者ではないと言っています。

だからといって彼の価値が下がるとは思いません。抽象的なだけに、本質的なことを語る
に長け、多くの気づきを得ることができます。

経営学者とは、最初から土俵が違うわけですね。

ドラッカーこそ経営の神様だ。などと持ち上げる日本の風潮もいき過ぎているのかも知れ
ませんが。

■経営理論の難しさは、その対象の複雑怪奇さにあります。

経営は人間がするものですし、会社は人間の集まりです。一人一人の考えや行動は千差万別
なので、ひとくくりの理論で捉えようとすれば、どうしても抽象的になってしまいます。

具体的にしようとすればするほど、個別事例になってしまって、普遍性がなくなってしま
います。

よくできた「経験論」や「実践ノウハウ集」「ビジネス小説」は、ディテールが具体的で
臨場感に溢れていますが、そこからヒントを得て自分のビジネスに活用するためには応用力
(抽象的な思考能力)が必要になります。

そもそも抽象的な理論を敬遠する人が、実践ノウハウ集を見て、自分のビジネスに応用
できるようになるとは思えません。

具体的かつ普遍性のある理論構築は、非常に難しいものなのです。

■この本によると、アメリカの経営理論は、主に(1)経済学(2)認知心理学
(3)社会学の理論を活用する形で発展しようとしているそうです。

だから複雑な数式や実験と検証、統計的手法などが経営の現場に持ち込まれようとしてい
ます。

ただややこしいのは、(1)(2)(3)とも、それぞれ流派があって、学者同士の交流
や意見交換が盛んにおこなわれているわけではないという事情があります。

専門性の高い学問なので、流派に分かれてしまうのは仕方ないのでしょうかね。

いつかガウスとかニュートン級の天才が現われて、ばらばらになった理論を統合してくれ
るのかも知れませんが、今のところは我々が、それぞれの理論を知って、自分なりに組み
合わせて使うしかないようです。

■さて、この本の中で、当メルマガに関係ありそうなところは、「ポーターの戦略だけで
はもう通用しない」という章ですかね。

ご存じマイケル・ポーターは、経営理論の世界に競争という概念を持ち込んだ人で、
「競争戦略論」の創始者と目されています。

(それ以前に田岡信夫氏が「ランチェスター販売戦略」を発表しているわけですが、今回
は黙っておきます)

ポーターの理論を大雑把に言うと、「企業の利益は、競合他社や取引先との力関係で決ま
る。だからできるだけ有利な立場になりたい。そのためには、圧倒的な低価格を実現して
市場全体を押さえてしまうか、差別化や集中をすることで特殊な市場を押さえてしまうと
よい」というものです。

いわゆる「ポジショニング・アプローチ」といわれるもので、ランチェスター戦略も似た
考え方をしています。

■ところがこの理論は、ある業界内で。という制限がかけられています。

今は、異業種間競争が激しい時代なので、業界内だけを見ていたのでは、攻撃も防御も出
来ません。

あるいは業界そのものがなくなってしまうかも知れません。

富士フィルムなど、フィルム業界が消滅してしまったために、医療業界や化粧品業界に
進出せざるを得ませんでした。それでも進出して生き残ったのだから偉いものです。大抵は、
拠って立つ業界が縮小すれば、企業も縮小かあるいは消滅してしまいます。

つまり、ポーターの理論を使うだけでは、今日の競争状況に対応できないということです。

■今日の状況を分析したのが、ロバート・ウィギンズとティモシー・ルエフリという学者
です。

研究の結果、彼らは「持続的な競争優位は存在しない」という結論を出します。

どんなに優秀な企業でも激しい競争にさらされる中で、ライバル会社より収益を落とす
場面が出てきます。

ところが優秀な企業は、また高収益に返り咲くのも早いという結果が出来ました。

つまり、優秀な企業とは、競争優位を永続的に保ち続けるのではなく、落ち込んでも、
再度返り咲く回復力に優れた企業であるという結論です。

ポーターの理論を無力にしてしまうような衝撃的な研究結果ですが、その後、多くの
学者が研究した結果も同じでした。

要点をいうと、「企業の競争優位が維持できる時間は短くなっている」「企業が生き残る
ためには、次の競争優位を生まなければならない」「積極的な競争行動をとる企業の方が
業績が高い」ということです。

ちなみに積極的な競争行動とは、低価格競争を仕掛けたり、プロモーションを行ったり、
営業人員を増やしたりといったことです。

ただし、ライバル会社が多数いる場合に、積極的な競争行動をとれば、相手を刺激してし
まってさらに競争が激化します。

著者は、私見だとして「積極的な競争行動が効果を発揮するのは、競争が激しくない場面」
だとしています。

要するに、差別化や集中などで競争を避けて、そこで優位性を発揮することが生き残り策
だということですから、ポーターの理論をうまく現代に応用した内容となっています。

■以上の内容をランチェスター戦略の視点から見てみましょう。

ランチェスター戦略も、ポーターの理論と同じく、ポジショニング・アプローチの範疇です。

やはり市場の枠を決めて、その中で強者と弱者を規定します。

強者とは市場シェア1位の企業。それ以外は弱者です。

弱者は、強者と差別化することで、独自路線を進み、競争に晒されないように工夫しなけ
ればなりません。

逆に強者は、弱者のマネをして、競争状態に巻き込みます。

それぞれのポジションで、違う戦略をとらなければならないというのが基本です。

■ところが、今日は、市場の枠組みが簡単に外れてしまいます。あるいは市場が急激に
縮小してしまったりします。

強者が、市場を固定したものと考えていたら、明日にはどうなってしまうか分かりません。

だから、強者は、今の立場を守るだけではなく、次の競争優位を作るために、別の市場で
弱者の戦略をとることが生き残りの秘訣になるということです。

■富士フィルムがいい事例ですし、牛丼の吉野家も事例になりますね。

吉野家は、狂牛病騒ぎの前までは、牛丼市場のトップ企業でしたが、アメリカから輸入肉
が入ってこないという非常事態に為すすべなく1位から転落してしまいました。

代わって1位になったのが、豪州産牛肉を採用していたすき家でした。

全く持って不運である。といってしまえばそれまでですが、トップ企業の地位を守ること
に気をとられ、次の競争優位を作ることを怠った結果であるとも言えます。

そういえば、堀場製作所や村田製作所など京都の部品企業は、ニッチな分野でトップを
とっても、次の分野に進出するための研究を怠らないと聞きます。

これなど、百年以上続く企業が多い京都ならではの知恵なんでしょうか。

■ところで、戦略には、ポジショニング・アプローチだけではなく、経営資源を強化する
という「資源アプローチ」という方法があります。

参考「オール・ザット・競争戦略」
http://www.createvalue.biz/column2/post-73.html

実際のコンサルティングの現場では、ポジショニング・アプローチと資源アプローチを
双方行わなければなりません。

私の場合は、(1)まずポジショニングを決めます。

端的にいうと、強者なのか、弱者なのか。顧客やライバル企業にとってどういう立場で
あるのか。などです。

その立場による戦略を立てて、その方向性で、仕組みを作ります。

仕組みとは、日常業務をすることで、戦略目標を達成できるような仕事のやり方やルール
などです。

後は、ひたすら実行していただきます。

実行、検証、再実行の繰り返しです。

■ただし、それだけでは足りません。

ポジションはいずれは模倣されるなり、市場が変化するなりして劣化してしまうからです。

常に最適なポジションに修正しなければならないのはもちろんですが、それ以上に、戦略
を立案し実行するサイクルの中で、(2)資源を強化することが必要です。

資源とは、人材の能力であったり、知的財産であったり、何らかの強みとなるもののこと
です。

限られた市場で優位な戦いをしている間に、新たな強みを作っておかなければ、次の競争
優位がなくなってしまうからです。

■だから、有利なポジション取りだけではダメ。組織を成長させるだけでもダメ。両方を
満足させなければなりません。

私の場合は、(1)→(2)→(1)→(2)と順次、繰り返していくイメージです。

繰り返しになりますが、もう一度言います。

強い営業組織を作るには

(1)現在の強み(武器)で勝つことのできるポジションをとって戦います。

(2)その中で、強み(武器)をさらに強化し、あるいは新たな強みを作ります。

(3)新たな強み(武器)をもって勝つことのできるポジションをとって戦います。

(4)その繰り返し。勝てる市場で戦う→新たな武器を持つ→さらに勝てる市場で戦う。

というサイクルをとることです。

■組織は生き物です。だから戦略も生き物です。

常にダイナミックに動くものです。

その困難な生き物の生態に、科学のメスを入れようとする試みがなされているということ
を冒頭の著書は教えてくれます。

企業経営に携わる者として心強い限りですね。

私もその成果を出来る限り取り入れながら、自分の理論を進化・発展させていきます。

その内容をこのメルマガで書いていきたいと思いますので、これからもお付き合いくださ
いね。

(2013年3月7日メルマガより)




■「世界の経営学者はいま何を考えているのか」
という本が出ています。
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4862761097/lanchesterkan-22/ref=nosim

著者は入山章栄氏。アメリカのビジネススクールで活躍する若手経営学者ということです。

それにしても、この本の帯は刺激的ですね。

「ドラッカーなんて誰も読まない!?ポーターはもう通用しない!?」だそうですよ。

宣伝文なので挑発的にしたのでしょうが、トンデモ本スレスレのコピーですね^^;

でも中身は、示唆に富んで面白かったです。おすすめいたします。

■要するに、この本は、世界というかアメリカにおける経営理論の潮流を分かりやすく
解説したものです。

ドラッカーもポーターもはるか昔の人ですから、経営理論も進まなければなりません。

特にアメリカは、経営を「科学的に」見る傾向が強く、理論も緻密になってきています。

その成果をかいつまんで紹介してくれています。

英語が苦手な私にとってはありがたい本でした。

■ただ、ドラッカーとそれら科学的な理論を比較するのはちょっとフェアではないかも
知れません。

ドラッカーの著作には、抽象的な言い回しが多く、多分に直感的で、科学的な検証を経た
理論を提示しているわけではありません。

ドラッカー自身も「自分は著作者だ」と称し、経営学者ではないと言っています。

だからといって彼の価値が下がるとは思いません。抽象的なだけに、本質的なことを語る
に長け、多くの気づきを得ることができます。

経営学者とは、最初から土俵が違うわけですね。

ドラッカーこそ経営の神様だ。などと持ち上げる日本の風潮もいき過ぎているのかも知れ
ませんが。

■経営理論の難しさは、その対象の複雑怪奇さにあります。

経営は人間がするものですし、会社は人間の集まりです。一人一人の考えや行動は千差万別
なので、ひとくくりの理論で捉えようとすれば、どうしても抽象的になってしまいます。

具体的にしようとすればするほど、個別事例になってしまって、普遍性がなくなってしま
います。

よくできた「経験論」や「実践ノウハウ集」「ビジネス小説」は、ディテールが具体的で
臨場感に溢れていますが、そこからヒントを得て自分のビジネスに活用するためには応用力
(抽象的な思考能力)が必要になります。

そもそも抽象的な理論を敬遠する人が、実践ノウハウ集を見て、自分のビジネスに応用
できるようになるとは思えません。

具体的かつ普遍性のある理論構築は、非常に難しいものなのです。

■この本によると、アメリカの経営理論は、主に(1)経済学(2)認知心理学
(3)社会学の理論を活用する形で発展しようとしているそうです。

だから複雑な数式や実験と検証、統計的手法などが経営の現場に持ち込まれようとしてい
ます。

ただややこしいのは、(1)(2)(3)とも、それぞれ流派があって、学者同士の交流
や意見交換が盛んにおこなわれているわけではないという事情があります。

専門性の高い学問なので、流派に分かれてしまうのは仕方ないのでしょうかね。

いつかガウスとかニュートン級の天才が現われて、ばらばらになった理論を統合してくれ
るのかも知れませんが、今のところは我々が、それぞれの理論を知って、自分なりに組み
合わせて使うしかないようです。

■さて、この本の中で、当メルマガに関係ありそうなところは、「ポーターの戦略だけで
はもう通用しない」という章ですかね。

ご存じマイケル・ポーターは、経営理論の世界に競争という概念を持ち込んだ人で、
「競争戦略論」の創始者と目されています。

(それ以前に田岡信夫氏が「ランチェスター販売戦略」を発表しているわけですが、今回
は黙っておきます)

ポーターの理論を大雑把に言うと、「企業の利益は、競合他社や取引先との力関係で決ま
る。だからできるだけ有利な立場になりたい。そのためには、圧倒的な低価格を実現して
市場全体を押さえてしまうか、差別化や集中をすることで特殊な市場を押さえてしまうと
よい」というものです。

いわゆる「ポジショニング・アプローチ」といわれるもので、ランチェスター戦略も似た
考え方をしています。

■ところがこの理論は、ある業界内で。という制限がかけられています。

今は、異業種間競争が激しい時代なので、業界内だけを見ていたのでは、攻撃も防御も出
来ません。

あるいは業界そのものがなくなってしまうかも知れません。

富士フィルムなど、フィルム業界が消滅してしまったために、医療業界や化粧品業界に
進出せざるを得ませんでした。それでも進出して生き残ったのだから偉いものです。大抵は、
拠って立つ業界が縮小すれば、企業も縮小かあるいは消滅してしまいます。

つまり、ポーターの理論を使うだけでは、今日の競争状況に対応できないということです。

■今日の状況を分析したのが、ロバート・ウィギンズとティモシー・ルエフリという学者
です。

研究の結果、彼らは「持続的な競争優位は存在しない」という結論を出します。

どんなに優秀な企業でも激しい競争にさらされる中で、ライバル会社より収益を落とす
場面が出てきます。

ところが優秀な企業は、また高収益に返り咲くのも早いという結果が出来ました。

つまり、優秀な企業とは、競争優位を永続的に保ち続けるのではなく、落ち込んでも、
再度返り咲く回復力に優れた企業であるという結論です。

ポーターの理論を無力にしてしまうような衝撃的な研究結果ですが、その後、多くの
学者が研究した結果も同じでした。

要点をいうと、「企業の競争優位が維持できる時間は短くなっている」「企業が生き残る
ためには、次の競争優位を生まなければならない」「積極的な競争行動をとる企業の方が
業績が高い」ということです。

ちなみに積極的な競争行動とは、低価格競争を仕掛けたり、プロモーションを行ったり、
営業人員を増やしたりといったことです。

ただし、ライバル会社が多数いる場合に、積極的な競争行動をとれば、相手を刺激してし
まってさらに競争が激化します。

著者は、私見だとして「積極的な競争行動が効果を発揮するのは、競争が激しくない場面」
だとしています。

要するに、差別化や集中などで競争を避けて、そこで優位性を発揮することが生き残り策
だということですから、ポーターの理論をうまく現代に応用した内容となっています。

■以上の内容をランチェスター戦略の視点から見てみましょう。

ランチェスター戦略も、ポーターの理論と同じく、ポジショニング・アプローチの範疇です。

やはり市場の枠を決めて、その中で強者と弱者を規定します。

強者とは市場シェア1位の企業。それ以外は弱者です。

弱者は、強者と差別化することで、独自路線を進み、競争に晒されないように工夫しなけ
ればなりません。

逆に強者は、弱者のマネをして、競争状態に巻き込みます。

それぞれのポジションで、違う戦略をとらなければならないというのが基本です。

■ところが、今日は、市場の枠組みが簡単に外れてしまいます。あるいは市場が急激に
縮小してしまったりします。

強者が、市場を固定したものと考えていたら、明日にはどうなってしまうか分かりません。

だから、強者は、今の立場を守るだけではなく、次の競争優位を作るために、別の市場で
弱者の戦略をとることが生き残りの秘訣になるということです。

■富士フィルムがいい事例ですし、牛丼の吉野家も事例になりますね。

吉野家は、狂牛病騒ぎの前までは、牛丼市場のトップ企業でしたが、アメリカから輸入肉
が入ってこないという非常事態に為すすべなく1位から転落してしまいました。

代わって1位になったのが、豪州産牛肉を採用していたすき家でした。

全く持って不運である。といってしまえばそれまでですが、トップ企業の地位を守ること
に気をとられ、次の競争優位を作ることを怠った結果であるとも言えます。

そういえば、堀場製作所や村田製作所など京都の部品企業は、ニッチな分野でトップを
とっても、次の分野に進出するための研究を怠らないと聞きます。

これなど、百年以上続く企業が多い京都ならではの知恵なんでしょうか。

■ところで、戦略には、ポジショニング・アプローチだけではなく、経営資源を強化する
という「資源アプローチ」という方法があります。

参考「オール・ザット・競争戦略」
http://www.createvalue.biz/column2/post-73.html

実際のコンサルティングの現場では、ポジショニング・アプローチと資源アプローチを
双方行わなければなりません。

私の場合は、(1)まずポジショニングを決めます。

端的にいうと、強者なのか、弱者なのか。顧客やライバル企業にとってどういう立場で
あるのか。などです。

その立場による戦略を立てて、その方向性で、仕組みを作ります。

仕組みとは、日常業務をすることで、戦略目標を達成できるような仕事のやり方やルール
などです。

後は、ひたすら実行していただきます。

実行、検証、再実行の繰り返しです。

■ただし、それだけでは足りません。

ポジションはいずれは模倣されるなり、市場が変化するなりして劣化してしまうからです。

常に最適なポジションに修正しなければならないのはもちろんですが、それ以上に、戦略
を立案し実行するサイクルの中で、(2)資源を強化することが必要です。

資源とは、人材の能力であったり、知的財産であったり、何らかの強みとなるもののこと
です。

限られた市場で優位な戦いをしている間に、新たな強みを作っておかなければ、次の競争
優位がなくなってしまうからです。

■だから、有利なポジション取りだけではダメ。組織を成長させるだけでもダメ。両方を
満足させなければなりません。

私の場合は、(1)→(2)→(1)→(2)と順次、繰り返していくイメージです。

繰り返しになりますが、もう一度言います。

強い営業組織を作るには

(1)現在の強み(武器)で勝つことのできるポジションをとって戦います。

(2)その中で、強み(武器)をさらに強化し、あるいは新たな強みを作ります。

(3)新たな強み(武器)をもって勝つことのできるポジションをとって戦います。

(4)その繰り返し。勝てる市場で戦う→新たな武器を持つ→さらに勝てる市場で戦う。

というサイクルをとることです。

■組織は生き物です。だから戦略も生き物です。

常にダイナミックに動くものです。

その困難な生き物の生態に、科学のメスを入れようとする試みがなされているということ
を冒頭の著書は教えてくれます。

企業経営に携わる者として心強い限りですね。

私もその成果を出来る限り取り入れながら、自分の理論を進化・発展させていきます。

その内容をこのメルマガで書いていきたいと思いますので、これからもお付き合いくださ
いね。

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