営業を知らない人ほど怪しげな営業をしてしまうのはなぜか?

2020.04.02

(2020年4月2日メルマガより)

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営業について知識のない人の中には「営業マンというのは、テクニックを使って、買いたくないものまで買わせてしまう人だ」という印象を持っている人がいるようです。

もちろん間違いです。

昨年も、どこかの郵便局が、高齢者を相手にむちゃくちゃな営業をしていたという事件がありましたから、そのイメージが増幅されているのかもしれませんね。でも、本来営業はそのような不埒なものではありません。

通常、ビジネスは1回きりではありません。一度取引した顧客とは長い関係を続けたいものですから、道理に外れたことをしていいはずがありません。

まともな営業は、顧客に対して、ビジネスに対して、誠実であろうとします。必要でないものまで買ってもらうのは、顧客のためになりません。そんなことをすれば、大切な得意客や自身の評判を失ってしまいます。

それがわからない営業は、二流、三流です。彼らは、目先の契約をとりたいがあまり、ごまかしやウソをついてしまうという安易な道に流れてしまうのですな。そういう人は、営業として長生きできません。間違いなく消えていきます。


営業ができる人は、どんな仕事でもできる

実に残念だなあ、と思うのは、本来営業でない人が営業的なことをする際に、見様見真似で三流営業みたいなことをしてしまうことです。

私は創業塾の講師もやっていますので、たくさんの創業者、創業志望者と会う機会があります。

創業においては、営業経験がある方が有利です。これは間違いありません。

ただ、こういうことを言うと「営業テクニックがあるから有利なんだ」と誤解されてしまうかもしれませんね。

もちろんビジネスにおいて売り上げを作ることは重要ですから、営業力は必要です。が、営業力を単なる「契約させる技術」ととらえられたら困ります。

私が大切だと思うのは、もっと基本的なことです。

営業は顧客に誠実でなければならない。

顧客の悩みや課題を解決するのが営業の仕事だ。

供給側の都合を押し付けてはならない。

こうした基本的な理を経験的に理解していることが、大切です。

私が「営業を極めた者はどんなビジネスでもできる」というのは、この基本的な部分を身に着けている者は、どんなビジネスでもできるという意味です。


営業を理解していない人が営業すると


先日も残念なことがありました。

ある知り合から商品の提案を受けました。詳しくは言いませんが、ありものの商品ではなく、個々のカスタマイズが必要な商品です。

私は、その方が自分のビジネスにプライドを持っていることを知っていました。

だから話を聞いてみようと思ったのですが、最初の提案は、単なる商品見積もりだけでした。

このご時勢だから売り上げに困っていたのかもしれませんね。ただ、商品見積もりだけ持ってこられても応えようがありません。

そこで、私はその方に「自分がいま、何に悩んでいて、解決したい課題は何か」を説明しました。必要ならば買うという意味です。

すると、今度は、オプションをいっぱいつけた5割増しぐらいの商品見積もりが届きました。

事前の「課題解決してほしい」という問いかけには全く応えていないのです。

まあ、営業を理解してない人はこんな感じなのかなあ、また説明が必要だなあと思って聞いていたのですが、そのあとがいけません。

その方は「何日までに契約いただくと、何割引きにしますから」と契約を迫ってきたのです。

この安易なクロージングにはほとほと呆れてしまいました。

この方に再度説明する気力は失せて、お断りすることになりました。


浅はかな理解が営業行動に表れる


本当に残念です。

その方が、自分の事業分野に関して強いこだわりと、高い見識を持っていることを知っていました。

だから密かに尊敬の念を抱いていたものですし、期待もしていました。

ところが、営業となると、素人もいいところです。

いや、素人でも構わないのですが、営業に対する浅い理解が、行動に表れてしまっています。

結局、営業とはそんな安直で浅はかなものだとしか思っていなかったのですね。

がっかりしましたし、情けない思いでした。

私が営業に多少は詳しいことを知っていたはずなのに、何をもって、私に提案しようと思ったのでしょうか?

結局、営業なんて、適当に餌を巻いて食いつかせればいいんだろ、なんて思っていたということなのでしょうか。

だとすれば、私が感じていた高い見識やプライドといったものも、独りよがりで浅いものではなかったのかと疑わざるを得ない始末です。


自分が扱うモノの価値をいちばん理解していないのはあなた


ともかく、営業経験のない人は気を付けてください。

提案が受け入れられない時、顧客のことを「値段ばかり気にしてモノの価値を理解していないやつだ」なんて思っていませんか?

それは責任転嫁というものです。あなたは自分が扱うモノの価値を伝えきれていません。

なぜなら、顧客の悩みや課題をあなたは全く理解していないからです。

あなたは、この商品を作るのにこれだけ苦労したとか、これだけ時間をかけたとかが価値だと思っているかもしれませんが、そんなもの何の価値でもありません。

顧客にとって、自分の悩みや課題を解決することこそが価値です。

その商品が自分の課題を解決する、ということが理解でき、実感できてから、値段への検討が始まります。

たいていは、値段の検討に行く前にはねられています。

つまり、モノの価値をいちばん理解していないのは、あなただということです。


小手先のテクニックは害悪でしかない


営業を知らない人の中には、営業力のことを小手先のテクニックだと勘違いしている人がいるようです。

全然違います。

期限を切ったり、最初に高い値段を提示してわざとらしい値引きをしたり、非論理的な二者択一を迫ったり、複数人で小芝居して飴と鞭を使ったり...そんなもの自分の評判を落とすための行為でしかありません。

営業を理解していない人がテクニックを知りたがるのは、楽できると思うからなんでしょうな。しかし、魔術じゃないんですから。テクニックでごまかせるほど営業は安易なものではありません。

そんなことをするぐらいなら、顧客にとっての価値を正確に理解し、顧客のためになることをひたすら考えてください。

これは営業の基本です。教科書の1ページ目に載っていることを理解して、実践すること。それだけで充分です。

大道廃れて仁義あり。慧智出でて大偽あり。(老子)

何事もいちばん大切なのは基本です。何よりも基本を学び、その根幹を理解するようにしてください。


(2020年4月2日メルマガより)

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営業について知識のない人の中には「営業マンというのは、テクニックを使って、買いたくないものまで買わせてしまう人だ」という印象を持っている人がいるようです。

もちろん間違いです。

昨年も、どこかの郵便局が、高齢者を相手にむちゃくちゃな営業をしていたという事件がありましたから、そのイメージが増幅されているのかもしれませんね。でも、本来営業はそのような不埒なものではありません。

通常、ビジネスは1回きりではありません。一度取引した顧客とは長い関係を続けたいものですから、道理に外れたことをしていいはずがありません。

まともな営業は、顧客に対して、ビジネスに対して、誠実であろうとします。必要でないものまで買ってもらうのは、顧客のためになりません。そんなことをすれば、大切な得意客や自身の評判を失ってしまいます。

それがわからない営業は、二流、三流です。彼らは、目先の契約をとりたいがあまり、ごまかしやウソをついてしまうという安易な道に流れてしまうのですな。そういう人は、営業として長生きできません。間違いなく消えていきます。


営業ができる人は、どんな仕事でもできる

実に残念だなあ、と思うのは、本来営業でない人が営業的なことをする際に、見様見真似で三流営業みたいなことをしてしまうことです。

私は創業塾の講師もやっていますので、たくさんの創業者、創業志望者と会う機会があります。

創業においては、営業経験がある方が有利です。これは間違いありません。

ただ、こういうことを言うと「営業テクニックがあるから有利なんだ」と誤解されてしまうかもしれませんね。

もちろんビジネスにおいて売り上げを作ることは重要ですから、営業力は必要です。が、営業力を単なる「契約させる技術」ととらえられたら困ります。

私が大切だと思うのは、もっと基本的なことです。

営業は顧客に誠実でなければならない。

顧客の悩みや課題を解決するのが営業の仕事だ。

供給側の都合を押し付けてはならない。

こうした基本的な理を経験的に理解していることが、大切です。

私が「営業を極めた者はどんなビジネスでもできる」というのは、この基本的な部分を身に着けている者は、どんなビジネスでもできるという意味です。


営業を理解していない人が営業すると


先日も残念なことがありました。

ある知り合から商品の提案を受けました。詳しくは言いませんが、ありものの商品ではなく、個々のカスタマイズが必要な商品です。

私は、その方が自分のビジネスにプライドを持っていることを知っていました。

だから話を聞いてみようと思ったのですが、最初の提案は、単なる商品見積もりだけでした。

このご時勢だから売り上げに困っていたのかもしれませんね。ただ、商品見積もりだけ持ってこられても応えようがありません。

そこで、私はその方に「自分がいま、何に悩んでいて、解決したい課題は何か」を説明しました。必要ならば買うという意味です。

すると、今度は、オプションをいっぱいつけた5割増しぐらいの商品見積もりが届きました。

事前の「課題解決してほしい」という問いかけには全く応えていないのです。

まあ、営業を理解してない人はこんな感じなのかなあ、また説明が必要だなあと思って聞いていたのですが、そのあとがいけません。

その方は「何日までに契約いただくと、何割引きにしますから」と契約を迫ってきたのです。

この安易なクロージングにはほとほと呆れてしまいました。

この方に再度説明する気力は失せて、お断りすることになりました。


浅はかな理解が営業行動に表れる


本当に残念です。

その方が、自分の事業分野に関して強いこだわりと、高い見識を持っていることを知っていました。

だから密かに尊敬の念を抱いていたものですし、期待もしていました。

ところが、営業となると、素人もいいところです。

いや、素人でも構わないのですが、営業に対する浅い理解が、行動に表れてしまっています。

結局、営業とはそんな安直で浅はかなものだとしか思っていなかったのですね。

がっかりしましたし、情けない思いでした。

私が営業に多少は詳しいことを知っていたはずなのに、何をもって、私に提案しようと思ったのでしょうか?

結局、営業なんて、適当に餌を巻いて食いつかせればいいんだろ、なんて思っていたということなのでしょうか。

だとすれば、私が感じていた高い見識やプライドといったものも、独りよがりで浅いものではなかったのかと疑わざるを得ない始末です。


自分が扱うモノの価値をいちばん理解していないのはあなた


ともかく、営業経験のない人は気を付けてください。

提案が受け入れられない時、顧客のことを「値段ばかり気にしてモノの価値を理解していないやつだ」なんて思っていませんか?

それは責任転嫁というものです。あなたは自分が扱うモノの価値を伝えきれていません。

なぜなら、顧客の悩みや課題をあなたは全く理解していないからです。

あなたは、この商品を作るのにこれだけ苦労したとか、これだけ時間をかけたとかが価値だと思っているかもしれませんが、そんなもの何の価値でもありません。

顧客にとって、自分の悩みや課題を解決することこそが価値です。

その商品が自分の課題を解決する、ということが理解でき、実感できてから、値段への検討が始まります。

たいていは、値段の検討に行く前にはねられています。

つまり、モノの価値をいちばん理解していないのは、あなただということです。


小手先のテクニックは害悪でしかない


営業を知らない人の中には、営業力のことを小手先のテクニックだと勘違いしている人がいるようです。

全然違います。

期限を切ったり、最初に高い値段を提示してわざとらしい値引きをしたり、非論理的な二者択一を迫ったり、複数人で小芝居して飴と鞭を使ったり...そんなもの自分の評判を落とすための行為でしかありません。

営業を理解していない人がテクニックを知りたがるのは、楽できると思うからなんでしょうな。しかし、魔術じゃないんですから。テクニックでごまかせるほど営業は安易なものではありません。

そんなことをするぐらいなら、顧客にとっての価値を正確に理解し、顧客のためになることをひたすら考えてください。

これは営業の基本です。教科書の1ページ目に載っていることを理解して、実践すること。それだけで充分です。

大道廃れて仁義あり。慧智出でて大偽あり。(老子)

何事もいちばん大切なのは基本です。何よりも基本を学び、その根幹を理解するようにしてください。


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