利益を上げるための最もシンプルな方法

2012.03.08

(2012年3月8日メルマガより)


■企業が生きていくためには、利益が必要です。


これは当たり前ですね。

逆に言えば、利益さえ出し続けていれば、企業は生きていけます。

理念があろうとなかろうと、戦略があろうとなかろうと、たとえ行き当たり
ばったりの経営であっても、利益さえあれば生きていける。これは、厳然た
る事実です。

ビジネス誌に掲載されるような有名企業や特徴のある企業でなくても、手堅
い地味な運営で利益を出して、したたかに生き残り続ける企業は数多く存在
します。

だからビジネスの世界は奥深く、面白い^^

■ではどうすれば利益は出るのか?

これも単純に考えれば、利益=売上-費用ですから、費用より大きな売上を
上げればよいことです。

売上を上げる、費用を抑える、これが経営の黄金律です。

だから、生き残っている企業は、全て、この条件を満たしているはずです。

(税金対策としか思えないような子会社は除きますが...)

特に何十年も存続している老舗企業は、利益を出し続けるための何らかのパ
ターンを持っているはずです。

どうやって利益を出し続けるのかというパターンのことを俗に「ビジネスモ
デル」と呼びます。

■「経営分析のリアル・ノウハウ」という新書が出ています。
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4569800785/lanchesterkan-22/ref=nosim

企業再生の現場経験が豊富なコンサルタントによって書かれた経営分析に関
する著作ですが、私は経営分析のノウハウよりも、ビジネスモデルについて
書かれた本として面白く読ませていただきました。

一般的な経営分析の本に書かれているような指標を覚えたところで、現場で
は殆ど役に立たないと、著者は言います。

実際には、産業ごと、業界ごとに、利益を出すためのパターンが違うのだか
ら、それを理解した上で、分析しなければならないというのが著者の主張です。

確かにその通りです。メーカーと卸を同じ指標で比べても何の意味もありま
せん。

一般にメーカーは固定費が大きいのですぐには利益は出ませんが、一定量を
越えた場合はレバレッジが効いて、大きな利益を見込むことができます。

一方、卸売業は、固定費はそれほど掛けなくてもいいのですぐに利益を出す
ことができますが、一個売るための費用が大きいので、量を売ればいいやと
いうどんぶり勘定では赤字になってしまいます。

利益を出す方法が異なるのです。

■ちなみに、この著作では、利益を出す代表パターンとして、「規模の経済」
「範囲の経済」「密度の経済」をあげています。

■一般に、固定費のかかるメーカーが利益を出す拠り所とするのが、「規模
の経済」といわれるものです。

固定費とは、工場の土地建物や大型設備、人件費などにかかる費用ですから、
売上が大きくても小さくても一定の額がかかります。

だから生産量が大きくなればなるほど、一個あたりに負担させるべき費用は
小さくなっていきます。

つまり、固定費分を超える売上を上げないと利益など出ませんが、それを超
える売上になると、青天井と思えるほど利益が出ます。

というわけで、メーカーは、M&Aも取り入れながら、売上規模を上げるこ
とに力を注ぐことになります。

だったら卸売業も扱い量を増やせば規模の経済が効くじゃないか。と思いが
ちですが、実際には、量が増えるごとに、管理や調整にかかる費用も増えて
いくので、単純にはいきません。下手をすれば「規模の不経済」になってし
まう恐れもあります。

ビジネスの形態により規模の経済が効くか効かないかは変わってしまうとい
うことです。

■しかし、近年、地域卸が淘汰されて、全国規模の卸が増えてきています。

これはどういうことか?

実は、これは卸の販売先である小売が、全国チェーン化しており、彼らが管
理コストを減らすために、卸にも全国一律対応を求めるためです。

販売先の要求に応じて規模を拡大するわけですから、卸側とすれば、経済合
理性に沿った行為ではありません。

かくして、全国規模の卸は、規模の不経済を克服するために、ITを活用し
ながら、業務効率化を進めることになりました。

■規模の経済に対して「範囲の経済」というものがあります。

例えば、今お付き合いしている販売先に、別のジャンルの商品を販売するな
どで、固定費負担を薄めようとするやり方です。

コンビニでいえば、日用品を販売するだけではなく、公共料金や郵便の取り
扱い、銀行決済機能なども行う方法です。

これなら卸売業でも、比較的簡単に展開することができます。

■ただし、こちらも、机上の計算通りにはいかないことが多いようです。

というのも、営業にしろ店舗にしろ、運営に関わるのは人間なので、突然違
う商品を販売せよといわれても、指示通りに動けるわけではありません。

私も自身のコンサルティング現場で経験していますが、ちょっと工夫すれば
出来ると思えるものでも、現場の抵抗感は凄まじいものがあります。

「おれはそんなものを売りたくない」「どうせすぐに撤退するんだろ」など
とうそぶく保守的な営業は実に多いのです。

(著者は、計算上のシナジーが現実化することは殆どないと言っています)

■だから範囲の経済が成功するには、強烈なリーダーシップで有無を言わせ
ず新しい販売にチャレンジさせるか、あるいは、時間をかけてメンバーの意
識を変えていくか、しなければなりません。

ちなみに20世紀最高の経営者といわれるジャック・ウェルチは、元家電メー
カーだったGEにソリューションビジネス(単に商品販売するのではなく、
顧客の問題解決を支援するビジネス)を導入するために、「言うことを聞か
ないやつはクビにする!」という強権と、「出来るまで時間をかけて教える」
という徹底した人材育成を同時に行いました。

超人的な忍耐力の持ち主だったジャック・ウェルチは、それを数十年に渡っ
て粘り強く続けることによって、GEを超高収益企業に変貌させました。

範囲の経済というビジネスモデルはシンプルでも、それを実現するためには、
それだけの執念が必要になるということです。

■今、世の中で最も機能していると考えられるのが「密度の経済」です。

コンビニなどは、全国に出店したローソンよりも、地域を絞って集中的に出
店したセブンイレブンの方が、経済合理性が高かったことが証明されています。

店舗間移動や配送コストの面で、地域範囲が狭い方が有利だからです。

これは、小売、卸、飲食、サービス業に広く当てはまる法則です。

いわゆる地域密着を志向する事業が多いのは、顧客を獲得し、維持するため
に有利であるからですが、単点経営から複数店舗を持った際には、さらに配
送コストや中央管理コストにおいて規模の経済が働くために、優位性を持つ
ようになります。

■ただし、地域における需要は限られているので、あまり多く出店してしま
うと逆に食い合いして利益が出なくなってしまいます。

密度の経済の特徴は、地域の需要量によって、適正規模があるということです。

適正規模があるということは、逆に言えば、ある程度集中して出店してしま
えば、ライバル店は入り込めないということです。

だからローカル企業であっても、地域でナンバーワンの地位を占めてしまう
と、大手企業が進出してきたとしても、守り切ることが可能となります。

ローカルな市場があったとしても、その市場を奪うためのコストの方が、得
られる利益よりも大きいと思われる場合、わざわざ侵攻しようと考えません
から、小さな企業は自分に適正サイズの市場を見つけて、そこを押さえてし
まうことが生き残りのための秘訣となります。

和歌山におけるチェーンストアオークワの状況がいい事例となります)

■ちなみにランチェスター戦略にいう「局地戦」が機能するのは、まさに密
度の経済性が発揮できるからでもあります。

この著書では、密度の経済をエリア集中と捉えていますが、ランチェスター
戦略では、顧客需要層や商品群で集中するという方法も局地戦のバリエーシ
ョンだと考えます。

ニッチ市場という局面に、小さな山城を立てて、それを守りきる。これが、
局地における先手必勝のイメージです。

【オンラインセミナー】ランチェスター戦略入門編
http://goo.gl/ka0BBL

■なお「経営分析のリアル・ノウハウ」には、この他にも、稼働率を上げる
ことで利益を出すビジネス、経験曲線理論、垂直統合型メーカーと水平分業
型メーカーが有利な市場環境などに書かれており、面白く読めます。

お気づきかも知れませんが、この著作に書かれているのは、利益=売上-費
用という計算式の中の、費用の部分です。

ランチェスター戦略やマーケティング戦略が範囲とするのは、むしろ売上を
いかに上がるかという部分ですから、また違った切り口の話になっていきます。

「ビジネスモデル」とは、どのような仕組みで利益を出すのかということで
すから、今回のような費用削減の話に、売上向上のための仕組みを組み合わ
せることが必要となります。

ビジネスモデルにご興味のある方は、あらゆるビジネスモデルを研究しよう
とした名著「プロフィットゾーン経営戦略」をお勧めいたします。
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4478372667/lanchesterkan-22/ref=nosim

■というわけで今回は、利益を出すための最も簡単な考え方について書かせ
ていただきました。

ノウハウに迷うことなく、根幹を捉えるのが、私の仕事ですから、いつもこ
うしたシンプルな考え方を心がけています。

こうした考え方にたまには触れてみようという方は、今後も、2週間に1回
のこのメルマガを続けてお読みくださいね^^

(2012年3月8日メルマガより)


■企業が生きていくためには、利益が必要です。


これは当たり前ですね。

逆に言えば、利益さえ出し続けていれば、企業は生きていけます。

理念があろうとなかろうと、戦略があろうとなかろうと、たとえ行き当たり
ばったりの経営であっても、利益さえあれば生きていける。これは、厳然た
る事実です。

ビジネス誌に掲載されるような有名企業や特徴のある企業でなくても、手堅
い地味な運営で利益を出して、したたかに生き残り続ける企業は数多く存在
します。

だからビジネスの世界は奥深く、面白い^^

■ではどうすれば利益は出るのか?

これも単純に考えれば、利益=売上-費用ですから、費用より大きな売上を
上げればよいことです。

売上を上げる、費用を抑える、これが経営の黄金律です。

だから、生き残っている企業は、全て、この条件を満たしているはずです。

(税金対策としか思えないような子会社は除きますが...)

特に何十年も存続している老舗企業は、利益を出し続けるための何らかのパ
ターンを持っているはずです。

どうやって利益を出し続けるのかというパターンのことを俗に「ビジネスモ
デル」と呼びます。

■「経営分析のリアル・ノウハウ」という新書が出ています。
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4569800785/lanchesterkan-22/ref=nosim

企業再生の現場経験が豊富なコンサルタントによって書かれた経営分析に関
する著作ですが、私は経営分析のノウハウよりも、ビジネスモデルについて
書かれた本として面白く読ませていただきました。

一般的な経営分析の本に書かれているような指標を覚えたところで、現場で
は殆ど役に立たないと、著者は言います。

実際には、産業ごと、業界ごとに、利益を出すためのパターンが違うのだか
ら、それを理解した上で、分析しなければならないというのが著者の主張です。

確かにその通りです。メーカーと卸を同じ指標で比べても何の意味もありま
せん。

一般にメーカーは固定費が大きいのですぐには利益は出ませんが、一定量を
越えた場合はレバレッジが効いて、大きな利益を見込むことができます。

一方、卸売業は、固定費はそれほど掛けなくてもいいのですぐに利益を出す
ことができますが、一個売るための費用が大きいので、量を売ればいいやと
いうどんぶり勘定では赤字になってしまいます。

利益を出す方法が異なるのです。

■ちなみに、この著作では、利益を出す代表パターンとして、「規模の経済」
「範囲の経済」「密度の経済」をあげています。

■一般に、固定費のかかるメーカーが利益を出す拠り所とするのが、「規模
の経済」といわれるものです。

固定費とは、工場の土地建物や大型設備、人件費などにかかる費用ですから、
売上が大きくても小さくても一定の額がかかります。

だから生産量が大きくなればなるほど、一個あたりに負担させるべき費用は
小さくなっていきます。

つまり、固定費分を超える売上を上げないと利益など出ませんが、それを超
える売上になると、青天井と思えるほど利益が出ます。

というわけで、メーカーは、M&Aも取り入れながら、売上規模を上げるこ
とに力を注ぐことになります。

だったら卸売業も扱い量を増やせば規模の経済が効くじゃないか。と思いが
ちですが、実際には、量が増えるごとに、管理や調整にかかる費用も増えて
いくので、単純にはいきません。下手をすれば「規模の不経済」になってし
まう恐れもあります。

ビジネスの形態により規模の経済が効くか効かないかは変わってしまうとい
うことです。

■しかし、近年、地域卸が淘汰されて、全国規模の卸が増えてきています。

これはどういうことか?

実は、これは卸の販売先である小売が、全国チェーン化しており、彼らが管
理コストを減らすために、卸にも全国一律対応を求めるためです。

販売先の要求に応じて規模を拡大するわけですから、卸側とすれば、経済合
理性に沿った行為ではありません。

かくして、全国規模の卸は、規模の不経済を克服するために、ITを活用し
ながら、業務効率化を進めることになりました。

■規模の経済に対して「範囲の経済」というものがあります。

例えば、今お付き合いしている販売先に、別のジャンルの商品を販売するな
どで、固定費負担を薄めようとするやり方です。

コンビニでいえば、日用品を販売するだけではなく、公共料金や郵便の取り
扱い、銀行決済機能なども行う方法です。

これなら卸売業でも、比較的簡単に展開することができます。

■ただし、こちらも、机上の計算通りにはいかないことが多いようです。

というのも、営業にしろ店舗にしろ、運営に関わるのは人間なので、突然違
う商品を販売せよといわれても、指示通りに動けるわけではありません。

私も自身のコンサルティング現場で経験していますが、ちょっと工夫すれば
出来ると思えるものでも、現場の抵抗感は凄まじいものがあります。

「おれはそんなものを売りたくない」「どうせすぐに撤退するんだろ」など
とうそぶく保守的な営業は実に多いのです。

(著者は、計算上のシナジーが現実化することは殆どないと言っています)

■だから範囲の経済が成功するには、強烈なリーダーシップで有無を言わせ
ず新しい販売にチャレンジさせるか、あるいは、時間をかけてメンバーの意
識を変えていくか、しなければなりません。

ちなみに20世紀最高の経営者といわれるジャック・ウェルチは、元家電メー
カーだったGEにソリューションビジネス(単に商品販売するのではなく、
顧客の問題解決を支援するビジネス)を導入するために、「言うことを聞か
ないやつはクビにする!」という強権と、「出来るまで時間をかけて教える」
という徹底した人材育成を同時に行いました。

超人的な忍耐力の持ち主だったジャック・ウェルチは、それを数十年に渡っ
て粘り強く続けることによって、GEを超高収益企業に変貌させました。

範囲の経済というビジネスモデルはシンプルでも、それを実現するためには、
それだけの執念が必要になるということです。

■今、世の中で最も機能していると考えられるのが「密度の経済」です。

コンビニなどは、全国に出店したローソンよりも、地域を絞って集中的に出
店したセブンイレブンの方が、経済合理性が高かったことが証明されています。

店舗間移動や配送コストの面で、地域範囲が狭い方が有利だからです。

これは、小売、卸、飲食、サービス業に広く当てはまる法則です。

いわゆる地域密着を志向する事業が多いのは、顧客を獲得し、維持するため
に有利であるからですが、単点経営から複数店舗を持った際には、さらに配
送コストや中央管理コストにおいて規模の経済が働くために、優位性を持つ
ようになります。

■ただし、地域における需要は限られているので、あまり多く出店してしま
うと逆に食い合いして利益が出なくなってしまいます。

密度の経済の特徴は、地域の需要量によって、適正規模があるということです。

適正規模があるということは、逆に言えば、ある程度集中して出店してしま
えば、ライバル店は入り込めないということです。

だからローカル企業であっても、地域でナンバーワンの地位を占めてしまう
と、大手企業が進出してきたとしても、守り切ることが可能となります。

ローカルな市場があったとしても、その市場を奪うためのコストの方が、得
られる利益よりも大きいと思われる場合、わざわざ侵攻しようと考えません
から、小さな企業は自分に適正サイズの市場を見つけて、そこを押さえてし
まうことが生き残りのための秘訣となります。

和歌山におけるチェーンストアオークワの状況がいい事例となります)

■ちなみにランチェスター戦略にいう「局地戦」が機能するのは、まさに密
度の経済性が発揮できるからでもあります。

この著書では、密度の経済をエリア集中と捉えていますが、ランチェスター
戦略では、顧客需要層や商品群で集中するという方法も局地戦のバリエーシ
ョンだと考えます。

ニッチ市場という局面に、小さな山城を立てて、それを守りきる。これが、
局地における先手必勝のイメージです。

【オンラインセミナー】ランチェスター戦略入門編
http://goo.gl/ka0BBL

■なお「経営分析のリアル・ノウハウ」には、この他にも、稼働率を上げる
ことで利益を出すビジネス、経験曲線理論、垂直統合型メーカーと水平分業
型メーカーが有利な市場環境などに書かれており、面白く読めます。

お気づきかも知れませんが、この著作に書かれているのは、利益=売上-費
用という計算式の中の、費用の部分です。

ランチェスター戦略やマーケティング戦略が範囲とするのは、むしろ売上を
いかに上がるかという部分ですから、また違った切り口の話になっていきます。

「ビジネスモデル」とは、どのような仕組みで利益を出すのかということで
すから、今回のような費用削減の話に、売上向上のための仕組みを組み合わ
せることが必要となります。

ビジネスモデルにご興味のある方は、あらゆるビジネスモデルを研究しよう
とした名著「プロフィットゾーン経営戦略」をお勧めいたします。
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4478372667/lanchesterkan-22/ref=nosim

■というわけで今回は、利益を出すための最も簡単な考え方について書かせ
ていただきました。

ノウハウに迷うことなく、根幹を捉えるのが、私の仕事ですから、いつもこ
うしたシンプルな考え方を心がけています。

こうした考え方にたまには触れてみようという方は、今後も、2週間に1回
のこのメルマガを続けてお読みくださいね^^

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