一流の営業になるために絶対に避けられない道

2012.07.12

(2012年7月12日メルマガより)


■私事ですが、自分の仕事から精神論的な要素をなるべく排除しようとしてきました。こ
れは独立当初の頃からです。

あの頃(10年前)は、どういうわけか精神論全盛の時代でした。

「誠実」とか「感謝」とか「挑戦」とか、耳障りのいい言葉で引き付けておいて、自分に
都合のいい行動をとらせようとする輩がいっぱいいました。

端的にいうと、あいだみつおの詩なんかを引用しながら、人に感謝してひたすら誠意を持
ってやり続ければいつかは大金持ちになれる!と刷り込ませて、怪しげな壺を売らせるよ
うな商売です。ブラック企業そのままですね。

そういう輩を散々見てきましたので。。。

だから未だにあいだみつおの詩を見ると、反射的に警戒してしまいます^^;

■営業手法においても同じです。私がコンサルタントとして独立した当初は、根性論的な
営業指導が主流でした。

新人営業はまず飛び込み営業をする。営業知識もテクニックも教えずに、自分で工夫して
注文がとれるまで帰社を許さない。

そもそも教えることなどありません。仕事は現場で覚えろ。皆がそうやって覚えてきたか
らです。正直に言うと何を教えていいか分からない。全員横並びになって大声で叫ぶ、な
んて冗談のような営業研修が本当にありました。

中には問題意識を持って、指導法を工夫しようとする人もいますが、大抵は面倒くさいの
で、突き放すことになります。それでも食いついてくるやつは見込みがある。脱落するや
つは見込みはないと決めてしまう。

自分で育つ者は認めるが、育たない者は認めない。あいつは営業に向いていない、とレッ
テルを貼って、そのうち内勤に配置換えになるのを待ちます。

人事部とすればせっかく採用した人材を潰されて迷惑この上ない話ですが、営業は特殊な
センスを持った者しか勤まらないとうそぶくので文句が言いにくい

■私は、このような状況に違和感を持ち、自分なりの営業理論を体系化しようとしてきま
した。

信念は「営業は科学である」ということ。

営業の理論と活動は、論理的に体系立て、実証できるもの。したがってまとめることも分
解することも出来ます。

それは、体系を理解しようという意欲さえあれば誰でも理解し、再現できるものです。

私のコンサルティングが、技術系の方に受け入れられやすいのは、こういう論理性や実証
性にあるのだと考えます。

■ところが、独立から10年も経つと、かなり状況が変わってきました。

私と同じような違和感を持った人は多かったらしく、論理的に営業を捉えようとするコン
サルタントが出てきて、書籍も増えてきました。

営業の見える化、プロセス化というのは、まさに営業を製造ラインのように科学的に捉え
ようとする試みです。

今、雄叫びを上げさせるような営業研修はあまりないでしょうね。すっかり駆逐されてし
まいました。

つまり、今は、営業を科学的に捉えようとする方が普通です。一般の会社は新人研修で、
マーケティングやプロセス営業を教えるので、私の言葉は違和感なく受け入れられます。

楽ちんですが、違う角度から見ると、私の特殊性が打ち出しにくくなってしまった。ゆゆ
しき事態ですな^^;

■それはともかく、現場を預かるコンサルタントとして、最近まずいなーーと思うことが
あります。

10年前とは逆の問題です。

というのは、新人営業が、あまりにも賢くなってしまって、行動が伴わない。

「ちょっとは根性出せやーー!」と怒鳴りたくなります^^;

■私だって、本音のところでは、根性論をすべて否定しているわけではありません。

卑近な例で申し訳ないですが、中小企業診断士という資格があります。私はそれを持って
います。

この資格試験がまた無駄に難しい。こんなに難しい意味が分からない。あれだけ勉強した
ことを果たして活かしている人がどれだけいるのだろうか?

このことは試験勉強中に気づきます。はて、こんなに毎日頑張って勉強する意味があるだ
ろうか?

実際のところ、難易度と資格の価値が合致していません。資格を持っているからといって、
独立して楽々食えるようになるわけではありません。

賢い人なら、ある程度勉強したところで、やめるんでしょうね^^

しかし私は惰性で勉強を続けました。モチベーションは最悪でしたが、ある資格学校の講
師の言葉に目が覚めました。

講師は「合格するには、地獄のように勉強せんといかんぞ」と言ったのです。

そうか。と気づきました。迷っていたらだめだ。やるからには、理屈も何もなく、やり続
けないとだめなんだ。

私がマシーンのように勉強するきっかけとなった言葉でした。

だから、中小企業診断士試験は、ある程度アホじゃないと合格しないんですよ、きっと。

中小企業診断士制度の意義とか、歴史とか、現政権における位置づけとか、そういうこと
を考えてたらだめですよ。

■「1万時間の法則」をご存じでしょうか?

以前、メルマガで書いたことがありますね。

参考「それぞれの1万時間を過ごそう」
http://www.createvalue.biz/column2/post-63.html

簡単にいうと「ある分野で一流と言われる人たちは、例外なく、過去その分野のことに1
万時間以上集中してきた」というものです。

イチローにしろ、ビートルズにしろ、モーツァルトにしろ、最初から天才性を発揮したの
ではなく、1万時間の訓練時間があったらしい。

もっともこれは科学的に実証された法則かと言えば眉唾ものです。どちらかというと「魔
法の言葉」の類です。

それでも私はこの法則の信奉者です。そこに一面の真実があると思うからです。

■営業でいうと、営業力は、営業の能力×行動量で表すことができます。

例えば、営業力を「営業実績を上げることのできる力」と考えましょう。

ということは、営業能力とは「受注確率を上げる力」であり、行動量とは「受注に結び付
く行動の量」です。

「受注確率を上げる力」とは何か?

私なりの考えでは、営業経験、カン、製品や業界の知識、人間関係の構築力、標的顧客設
定、その他スキルやテクニック、営業センス。。。などです。

これに対して「受注に結び付く行動の量」とは、訪問件数、キーマンとの接触数、ヒアリ
ング数、企画提案数。。。などです。

実績を上げるためには、まずどこに手をつけるべきでしょうか?

■お分かりだと思いますが、最も簡単にできるのが訪問件数を上げること、次にキーマン
と接触することです。

まずは顧客と接触しなければ何も始まりません。

これに対して、営業経験やカンなどは事前に身に着けようがありません。営業センスは天
性のものがあるかもしれませんが、その他スキルやテクニック、人間関係の構築力、知識
などは、事前の学習に加えて実地で経験して覚えていくものです。

つまり、顧客と接触して、実際に営業活動を行ってみないと、身につかないものが殆どな
のです。

■ここで1万時間の法則を当てはめてみてください。顧客と接触する時間を1万時間過ご
せば、一流の営業になれると考えましょう。

営業は顧客と接することが仕事とはいえ、何時間、過ごせるものでしょうか。恐らく正味
時間は2時間ぐらいのものではないでしょうか。

年間に270日営業に出られるとして、1年で540時間。1万時間達成するためには、
18年半かかります。

18年といえば相当のベテランです。18年間、一所懸命に仕事してきたものだけが一流
になれる。あながち的外れな考えでもありませんよね。

■ところが、最近の新人営業は、理論や戦略をよくご存じなので、そのような非効率な活
動には素直に乗りません。

そもそも標的顧客が間違っていれば、営業活動の努力が無断なると考えます。だから、無
暗に行動するよりも、まずは可能性の高い顧客を見つけようとします。

それ自体、間違った考えではありません。私も、精神論中心の時代には「むやみに行動し
てもだめだ。考えて行動せよ」とずっと言ってきました。

ところが、それが普通になった今、行動量が著しく少ない営業マンの言い訳になっている
のではないかと懸念します。

■話は飛躍するようですが、先日、日本の家電メーカーが韓国のメーカーに勝つためには
どうすればいいのかをテーマにしたインタビュー記事が日経新聞に載っていました。

参考「日本の家電企業が勝つ方法」
http://plaza.rakuten.co.jp/createvalue/diary/201207080000/

その処方箋はここでは繰り返しませんが、一般的な欧米・韓国企業の特徴と日本企業の特
徴がよく出ていました。

欧米や韓国企業は、リーダーシップに優れ、決断が早く、戦略が明確です。

だから、成長市場を掴むのがうまい。儲かると思えば、躊躇なく投資し、集中します。

ただし、儲からないと判断すれば、撤退も早い。傷が浅いうちに手を引きます。

これに対して日本は合議制なので決断が遅い。戦略も不明確です。

新たな成長分野には出遅れることが多い。経営にスピードがないからです。

ただし、一度進出したところからは容易に手を引きません。粘ります。傷を大きくしてし
まうこともありますが、粘りに粘って、ものにしてしまうこともあります。

要するに欧米・韓国企業は、儲かる市場を見つけて一気取りが得意です。これに対して日
本企業は、ノウハウやスキルをじっくりと蓄積して、一見儲からない市場でも儲かるよう
にしてしまうことが得意です。

競争戦略論的にいえば欧米・韓国企業は「ポジショニングアプローチ」、日本企業は「資
源アプローチ」です。(「ストーリーとしての競争戦略」より)
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4492532706/lanchesterkan-22/ref=nosim

■もちろんどちらが優れているというわけではありません。また日本企業の中にも、ポジ
ショニングアプローチが得意な企業もあります。

ただここで言いたいのは、中途半端に「ポジションング」的になってしまえば、日本企業
の特徴である「資源」(人材の持つ経験やノウハウ、スキルなど)を蓄積する機会を失う
のではないかということです。

当然ならが、戦略も資源も両方が必要です。両方を意識しなければ、どちらも失うことに
なりかねません。

■特に若い営業に言いたいのは、行動量を馬鹿にしてはいけないということです。

実際、営業指導で端的に効果を上げるのは、行動量を増やすことです。その意味では、地
獄の特訓や、大声を出すモチベーションアップ研修も効果を生みます。(ただし短期的な
効果しかないと思うので、精神論一辺倒の営業指導には頷けませんが)

営業マネージャークラスになると、戦略やマネジメントを理解し、把握していることが長
期的な業績のために必要になりますが、その際に、行動量を落とさないようにすること。

そうしないと、戦略はまさに机上の空論になってしまいます。

営業で一流になりたいと思う人は、ぜひとも、1万時間を目指して頑張ってください。そ
れが、私から送る「魔法の言葉」です。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■どんな営業チームでも、行動量を増やすと実績は上がります。

これは間違いない。営業コンサルタントは、まずここに手を付けるはずです。

小さな成功がなければ、後が続きませんからね。

■量は、質に変わっていきます。

行動量は、経験になり、訓練の機会となり、知識蓄積の場となります。行動量を増やせば
増やすほど、営業の質も向上するはずです。もちろんセンスという個人差はあるものの、
平均的に、技術力が向上します。

だからまずは、行動量を増やすことに意識を向けよう。それが今日の内容でした。

■ただし、営業マネージャーたるものは、それで終わってはだめです。

マネージャークラスは、営業の全体像をとらえ、フォーカスすべき部分をとらえ、効率化
の方法を自分なりにつかんでおかなければなりません。

そのためには、戦略を学ぶこと。

これが私の一貫した主張です。何ら変わっておりませんよ^^




(2012年7月12日メルマガより)


■私事ですが、自分の仕事から精神論的な要素をなるべく排除しようとしてきました。こ
れは独立当初の頃からです。

あの頃(10年前)は、どういうわけか精神論全盛の時代でした。

「誠実」とか「感謝」とか「挑戦」とか、耳障りのいい言葉で引き付けておいて、自分に
都合のいい行動をとらせようとする輩がいっぱいいました。

端的にいうと、あいだみつおの詩なんかを引用しながら、人に感謝してひたすら誠意を持
ってやり続ければいつかは大金持ちになれる!と刷り込ませて、怪しげな壺を売らせるよ
うな商売です。ブラック企業そのままですね。

そういう輩を散々見てきましたので。。。

だから未だにあいだみつおの詩を見ると、反射的に警戒してしまいます^^;

■営業手法においても同じです。私がコンサルタントとして独立した当初は、根性論的な
営業指導が主流でした。

新人営業はまず飛び込み営業をする。営業知識もテクニックも教えずに、自分で工夫して
注文がとれるまで帰社を許さない。

そもそも教えることなどありません。仕事は現場で覚えろ。皆がそうやって覚えてきたか
らです。正直に言うと何を教えていいか分からない。全員横並びになって大声で叫ぶ、な
んて冗談のような営業研修が本当にありました。

中には問題意識を持って、指導法を工夫しようとする人もいますが、大抵は面倒くさいの
で、突き放すことになります。それでも食いついてくるやつは見込みがある。脱落するや
つは見込みはないと決めてしまう。

自分で育つ者は認めるが、育たない者は認めない。あいつは営業に向いていない、とレッ
テルを貼って、そのうち内勤に配置換えになるのを待ちます。

人事部とすればせっかく採用した人材を潰されて迷惑この上ない話ですが、営業は特殊な
センスを持った者しか勤まらないとうそぶくので文句が言いにくい

■私は、このような状況に違和感を持ち、自分なりの営業理論を体系化しようとしてきま
した。

信念は「営業は科学である」ということ。

営業の理論と活動は、論理的に体系立て、実証できるもの。したがってまとめることも分
解することも出来ます。

それは、体系を理解しようという意欲さえあれば誰でも理解し、再現できるものです。

私のコンサルティングが、技術系の方に受け入れられやすいのは、こういう論理性や実証
性にあるのだと考えます。

■ところが、独立から10年も経つと、かなり状況が変わってきました。

私と同じような違和感を持った人は多かったらしく、論理的に営業を捉えようとするコン
サルタントが出てきて、書籍も増えてきました。

営業の見える化、プロセス化というのは、まさに営業を製造ラインのように科学的に捉え
ようとする試みです。

今、雄叫びを上げさせるような営業研修はあまりないでしょうね。すっかり駆逐されてし
まいました。

つまり、今は、営業を科学的に捉えようとする方が普通です。一般の会社は新人研修で、
マーケティングやプロセス営業を教えるので、私の言葉は違和感なく受け入れられます。

楽ちんですが、違う角度から見ると、私の特殊性が打ち出しにくくなってしまった。ゆゆ
しき事態ですな^^;

■それはともかく、現場を預かるコンサルタントとして、最近まずいなーーと思うことが
あります。

10年前とは逆の問題です。

というのは、新人営業が、あまりにも賢くなってしまって、行動が伴わない。

「ちょっとは根性出せやーー!」と怒鳴りたくなります^^;

■私だって、本音のところでは、根性論をすべて否定しているわけではありません。

卑近な例で申し訳ないですが、中小企業診断士という資格があります。私はそれを持って
います。

この資格試験がまた無駄に難しい。こんなに難しい意味が分からない。あれだけ勉強した
ことを果たして活かしている人がどれだけいるのだろうか?

このことは試験勉強中に気づきます。はて、こんなに毎日頑張って勉強する意味があるだ
ろうか?

実際のところ、難易度と資格の価値が合致していません。資格を持っているからといって、
独立して楽々食えるようになるわけではありません。

賢い人なら、ある程度勉強したところで、やめるんでしょうね^^

しかし私は惰性で勉強を続けました。モチベーションは最悪でしたが、ある資格学校の講
師の言葉に目が覚めました。

講師は「合格するには、地獄のように勉強せんといかんぞ」と言ったのです。

そうか。と気づきました。迷っていたらだめだ。やるからには、理屈も何もなく、やり続
けないとだめなんだ。

私がマシーンのように勉強するきっかけとなった言葉でした。

だから、中小企業診断士試験は、ある程度アホじゃないと合格しないんですよ、きっと。

中小企業診断士制度の意義とか、歴史とか、現政権における位置づけとか、そういうこと
を考えてたらだめですよ。

■「1万時間の法則」をご存じでしょうか?

以前、メルマガで書いたことがありますね。

参考「それぞれの1万時間を過ごそう」
http://www.createvalue.biz/column2/post-63.html

簡単にいうと「ある分野で一流と言われる人たちは、例外なく、過去その分野のことに1
万時間以上集中してきた」というものです。

イチローにしろ、ビートルズにしろ、モーツァルトにしろ、最初から天才性を発揮したの
ではなく、1万時間の訓練時間があったらしい。

もっともこれは科学的に実証された法則かと言えば眉唾ものです。どちらかというと「魔
法の言葉」の類です。

それでも私はこの法則の信奉者です。そこに一面の真実があると思うからです。

■営業でいうと、営業力は、営業の能力×行動量で表すことができます。

例えば、営業力を「営業実績を上げることのできる力」と考えましょう。

ということは、営業能力とは「受注確率を上げる力」であり、行動量とは「受注に結び付
く行動の量」です。

「受注確率を上げる力」とは何か?

私なりの考えでは、営業経験、カン、製品や業界の知識、人間関係の構築力、標的顧客設
定、その他スキルやテクニック、営業センス。。。などです。

これに対して「受注に結び付く行動の量」とは、訪問件数、キーマンとの接触数、ヒアリ
ング数、企画提案数。。。などです。

実績を上げるためには、まずどこに手をつけるべきでしょうか?

■お分かりだと思いますが、最も簡単にできるのが訪問件数を上げること、次にキーマン
と接触することです。

まずは顧客と接触しなければ何も始まりません。

これに対して、営業経験やカンなどは事前に身に着けようがありません。営業センスは天
性のものがあるかもしれませんが、その他スキルやテクニック、人間関係の構築力、知識
などは、事前の学習に加えて実地で経験して覚えていくものです。

つまり、顧客と接触して、実際に営業活動を行ってみないと、身につかないものが殆どな
のです。

■ここで1万時間の法則を当てはめてみてください。顧客と接触する時間を1万時間過ご
せば、一流の営業になれると考えましょう。

営業は顧客と接することが仕事とはいえ、何時間、過ごせるものでしょうか。恐らく正味
時間は2時間ぐらいのものではないでしょうか。

年間に270日営業に出られるとして、1年で540時間。1万時間達成するためには、
18年半かかります。

18年といえば相当のベテランです。18年間、一所懸命に仕事してきたものだけが一流
になれる。あながち的外れな考えでもありませんよね。

■ところが、最近の新人営業は、理論や戦略をよくご存じなので、そのような非効率な活
動には素直に乗りません。

そもそも標的顧客が間違っていれば、営業活動の努力が無断なると考えます。だから、無
暗に行動するよりも、まずは可能性の高い顧客を見つけようとします。

それ自体、間違った考えではありません。私も、精神論中心の時代には「むやみに行動し
てもだめだ。考えて行動せよ」とずっと言ってきました。

ところが、それが普通になった今、行動量が著しく少ない営業マンの言い訳になっている
のではないかと懸念します。

■話は飛躍するようですが、先日、日本の家電メーカーが韓国のメーカーに勝つためには
どうすればいいのかをテーマにしたインタビュー記事が日経新聞に載っていました。

参考「日本の家電企業が勝つ方法」
http://plaza.rakuten.co.jp/createvalue/diary/201207080000/

その処方箋はここでは繰り返しませんが、一般的な欧米・韓国企業の特徴と日本企業の特
徴がよく出ていました。

欧米や韓国企業は、リーダーシップに優れ、決断が早く、戦略が明確です。

だから、成長市場を掴むのがうまい。儲かると思えば、躊躇なく投資し、集中します。

ただし、儲からないと判断すれば、撤退も早い。傷が浅いうちに手を引きます。

これに対して日本は合議制なので決断が遅い。戦略も不明確です。

新たな成長分野には出遅れることが多い。経営にスピードがないからです。

ただし、一度進出したところからは容易に手を引きません。粘ります。傷を大きくしてし
まうこともありますが、粘りに粘って、ものにしてしまうこともあります。

要するに欧米・韓国企業は、儲かる市場を見つけて一気取りが得意です。これに対して日
本企業は、ノウハウやスキルをじっくりと蓄積して、一見儲からない市場でも儲かるよう
にしてしまうことが得意です。

競争戦略論的にいえば欧米・韓国企業は「ポジショニングアプローチ」、日本企業は「資
源アプローチ」です。(「ストーリーとしての競争戦略」より)
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4492532706/lanchesterkan-22/ref=nosim

■もちろんどちらが優れているというわけではありません。また日本企業の中にも、ポジ
ショニングアプローチが得意な企業もあります。

ただここで言いたいのは、中途半端に「ポジションング」的になってしまえば、日本企業
の特徴である「資源」(人材の持つ経験やノウハウ、スキルなど)を蓄積する機会を失う
のではないかということです。

当然ならが、戦略も資源も両方が必要です。両方を意識しなければ、どちらも失うことに
なりかねません。

■特に若い営業に言いたいのは、行動量を馬鹿にしてはいけないということです。

実際、営業指導で端的に効果を上げるのは、行動量を増やすことです。その意味では、地
獄の特訓や、大声を出すモチベーションアップ研修も効果を生みます。(ただし短期的な
効果しかないと思うので、精神論一辺倒の営業指導には頷けませんが)

営業マネージャークラスになると、戦略やマネジメントを理解し、把握していることが長
期的な業績のために必要になりますが、その際に、行動量を落とさないようにすること。

そうしないと、戦略はまさに机上の空論になってしまいます。

営業で一流になりたいと思う人は、ぜひとも、1万時間を目指して頑張ってください。そ
れが、私から送る「魔法の言葉」です。
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■どんな営業チームでも、行動量を増やすと実績は上がります。

これは間違いない。営業コンサルタントは、まずここに手を付けるはずです。

小さな成功がなければ、後が続きませんからね。

■量は、質に変わっていきます。

行動量は、経験になり、訓練の機会となり、知識蓄積の場となります。行動量を増やせば
増やすほど、営業の質も向上するはずです。もちろんセンスという個人差はあるものの、
平均的に、技術力が向上します。

だからまずは、行動量を増やすことに意識を向けよう。それが今日の内容でした。

■ただし、営業マネージャーたるものは、それで終わってはだめです。

マネージャークラスは、営業の全体像をとらえ、フォーカスすべき部分をとらえ、効率化
の方法を自分なりにつかんでおかなければなりません。

そのためには、戦略を学ぶこと。

これが私の一貫した主張です。何ら変わっておりませんよ^^




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代表者・駒井俊雄が発行するメルマガ「営業は売り子じゃない!」
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