とるに足りない80%

2006.03.30


(2006年3月30日メルマガより)

■これまでの経験から、最も"使える"法則は何かと言われたら「8-2の
法則」をあげたいと思います。

これは「ある集合の20%が常に結果の80%を支配する」という単純な法
則です。

しかし、これほど役に立つ法則はないと言っても過言ではありません。


■例えば「クレームの80%は、20%の原因から引き起こされている」と
いうのは、製造現場でよく知られた現象です。

つまり、クレームを減らそうとすれば、とりあえず20%の原因を取り除く
ことに集中すればいいわけです。


■あるいは「売上の80%は、20%の得意先で占められている」というこ
とも言えます。

短期的に売上を上げようと思えば、20%の上顧客に集中してフォローすれ
ば効果はテキメンです。

私は、セールスコンテストの期間中には、20%の顧客を選んで営業活動を
集中させました。

他の得意先には、まったく行かないという方針です。

なんで他の営業マンはこれをしないんだろうかと不思議に思っていたもので
す^^


■8-2の法則は「売上の80%は、20%の商品で占められている」とか、
「売上の80%は、20%の営業マンがあげている」とか「仕事の80%の
時間は、20%の要素に使われる」などといろんなものに応用することがで
きるから便利です。

ぜひ、応用されるようにお勧めいたします。


■ところで、残りの80%に目を向けることは、非効率だとされてきました。

実際に非効率なことは、これを利用してきた私が実感しています。


■しかし、この「とるに足らない残りの80%」こそ、弱者が相手にすべき
要素であることも事実です。

なぜなら、強者や大企業は「とるに足らない80%」をわざわざ相手にする
ことはありません。

大企業は、固定費も大きいものですから、儲からない顧客相手に細かい営業
活動を行うことは非現実的です。

やはり、大企業が儲からないからと避けた顧客を拾うことが、中小企業の生
きる道でしょう。


■といっても、そこには限度があります。

中小企業と言えども、固定費はかかっているのですから、本当に儲からない
ビジネスをするわけにはいきません。

実際には、大企業が「とるに足らない80%」だと捨てた顧客の中から、さ
らに「重要な20%」を選ぶ作業がついてまわることになります。


■このように、ビジネスには常に「適正な市場の選択」と「効率性の追求」
が求められます。

「弱者の戦略」と「強者の戦略」は、全く別個に存在するものではなく、ひ
とつの企業が接する局面によって、どちらの戦略を選ぶ可能性もあるという
ものなのです。


■それはさておき。。

最近、急速にビジネスの前提が変わってきたことにお気づきでしょうか。


■IT技術の普及により、企業が必要とする固定費が劇的に減少していると
いうことです。

たとえば、顧客を1人獲得するために、営業が1人必要なビジネスならば、営
業マン1人にかかる費用が固定費としてカウントされます。

それをIT技術を使うことによって、営業が1人で10人の顧客を獲得できる
ようになるという事例が数多く見受けられます。

ビジネスの種類によっては、ホームページを工夫することで、自動的に顧客
を獲得するということもありえます。

すると、固定費は限りなくゼロに近づいていきます。


■つまり、IT技術をうまく利用したビジネスは、「とるに足らない80%」
をまるまる顧客にすることができるのです。


■例えば、アマゾン.コムなどは、その典型です。

アマゾンで本を購入すると、自動推奨サービスで「お勧め本」が提案される
ことはご存知でしょう。

町の本屋さんが常連客にするような細かな営業をすべての顧客に自動的に行
っているわけです。


■もちろんそれだけではありません。アマゾンは、見込み客を獲得する方法
を「アフィリエイト・システム」を利用することで、恐るべき低価格ででき
るようにしています。

アフィリエイト・システムとはWebサイトやメールマガジンにアマゾンのサ
イトや商品のリンクを張り、ユーザーがそこを経由して商品を購入したりす
ると、サイトやメールマガジンの管理者に少額の報酬が支払われるという仕
組みのこと。

例えば、下記のリンクを通じて本を購入すると、我々のもとに報酬(1冊あ
たり数円)が入ることになります。

少額ながら、こうしてリンクを貼り付けるだけで手数料が入る仕組みがある
ことによって、多くのwebサイトやメルマガの管理者が、アマゾンの広報
役を買って出ることになっています。


■それどころか「アマゾン・マーケットプレイス」では、ユーザーが古本を
出品できるようになっています。

ユーザーは、手持ちの本を登録し、買手が現れると送付します。アマゾンは、
決済を受け持つことで、15%の定数料を受取ります。

要するに、仕入と販売を顧客が勝手に行うという仕組みにして、アマゾンは、
まさに寝ていても儲かる状況を作り上げているということです。


■通常の本屋なら、売れる商品をどれだけ多く並べるかで勝負しなければな
りませんが、アマゾンは「ほとんど売れない商品」を並べることでビジネス
を組み立てることができます。

この「ほとんど売れない商品」のことを「ロングテール」といいます。

売れる順番に棒グラフを作っていくと、売れない本が延々続く、その形が恐
竜の長い尻尾のように見えるからだということです。

アマゾンの売上の実に1/3が「ほとんど売れない商品」で占められている
ということです。


■ヤフーオークションは言うに及ばず、このメルマガを配信している「まぐ
まぐ」なども、IT技術を利用して「ロングテール」を顧客にすることに成
功したビジネスです。


■皆、ビジネスの前提が変わったことにいち早く気づいた企業です。

IT技術を使う時に「とるに足りない80%」が、未開拓の広大な土地に姿
を変える可能性があることに気づいた企業です。

さすがですねーー。


■この「ロングテール」をさらに巧妙に、本質的にビジネスにしているのが、
グーグルです。

が、長くなりそうなので、グーグルについては、次回またお話したいと思い
ます。


(2006年3月30日メルマガより)

■これまでの経験から、最も"使える"法則は何かと言われたら「8-2の
法則」をあげたいと思います。

これは「ある集合の20%が常に結果の80%を支配する」という単純な法
則です。

しかし、これほど役に立つ法則はないと言っても過言ではありません。


■例えば「クレームの80%は、20%の原因から引き起こされている」と
いうのは、製造現場でよく知られた現象です。

つまり、クレームを減らそうとすれば、とりあえず20%の原因を取り除く
ことに集中すればいいわけです。


■あるいは「売上の80%は、20%の得意先で占められている」というこ
とも言えます。

短期的に売上を上げようと思えば、20%の上顧客に集中してフォローすれ
ば効果はテキメンです。

私は、セールスコンテストの期間中には、20%の顧客を選んで営業活動を
集中させました。

他の得意先には、まったく行かないという方針です。

なんで他の営業マンはこれをしないんだろうかと不思議に思っていたもので
す^^


■8-2の法則は「売上の80%は、20%の商品で占められている」とか、
「売上の80%は、20%の営業マンがあげている」とか「仕事の80%の
時間は、20%の要素に使われる」などといろんなものに応用することがで
きるから便利です。

ぜひ、応用されるようにお勧めいたします。


■ところで、残りの80%に目を向けることは、非効率だとされてきました。

実際に非効率なことは、これを利用してきた私が実感しています。


■しかし、この「とるに足らない残りの80%」こそ、弱者が相手にすべき
要素であることも事実です。

なぜなら、強者や大企業は「とるに足らない80%」をわざわざ相手にする
ことはありません。

大企業は、固定費も大きいものですから、儲からない顧客相手に細かい営業
活動を行うことは非現実的です。

やはり、大企業が儲からないからと避けた顧客を拾うことが、中小企業の生
きる道でしょう。


■といっても、そこには限度があります。

中小企業と言えども、固定費はかかっているのですから、本当に儲からない
ビジネスをするわけにはいきません。

実際には、大企業が「とるに足らない80%」だと捨てた顧客の中から、さ
らに「重要な20%」を選ぶ作業がついてまわることになります。


■このように、ビジネスには常に「適正な市場の選択」と「効率性の追求」
が求められます。

「弱者の戦略」と「強者の戦略」は、全く別個に存在するものではなく、ひ
とつの企業が接する局面によって、どちらの戦略を選ぶ可能性もあるという
ものなのです。


■それはさておき。。

最近、急速にビジネスの前提が変わってきたことにお気づきでしょうか。


■IT技術の普及により、企業が必要とする固定費が劇的に減少していると
いうことです。

たとえば、顧客を1人獲得するために、営業が1人必要なビジネスならば、営
業マン1人にかかる費用が固定費としてカウントされます。

それをIT技術を使うことによって、営業が1人で10人の顧客を獲得できる
ようになるという事例が数多く見受けられます。

ビジネスの種類によっては、ホームページを工夫することで、自動的に顧客
を獲得するということもありえます。

すると、固定費は限りなくゼロに近づいていきます。


■つまり、IT技術をうまく利用したビジネスは、「とるに足らない80%」
をまるまる顧客にすることができるのです。


■例えば、アマゾン.コムなどは、その典型です。

アマゾンで本を購入すると、自動推奨サービスで「お勧め本」が提案される
ことはご存知でしょう。

町の本屋さんが常連客にするような細かな営業をすべての顧客に自動的に行
っているわけです。


■もちろんそれだけではありません。アマゾンは、見込み客を獲得する方法
を「アフィリエイト・システム」を利用することで、恐るべき低価格ででき
るようにしています。

アフィリエイト・システムとはWebサイトやメールマガジンにアマゾンのサ
イトや商品のリンクを張り、ユーザーがそこを経由して商品を購入したりす
ると、サイトやメールマガジンの管理者に少額の報酬が支払われるという仕
組みのこと。

例えば、下記のリンクを通じて本を購入すると、我々のもとに報酬(1冊あ
たり数円)が入ることになります。

少額ながら、こうしてリンクを貼り付けるだけで手数料が入る仕組みがある
ことによって、多くのwebサイトやメルマガの管理者が、アマゾンの広報
役を買って出ることになっています。


■それどころか「アマゾン・マーケットプレイス」では、ユーザーが古本を
出品できるようになっています。

ユーザーは、手持ちの本を登録し、買手が現れると送付します。アマゾンは、
決済を受け持つことで、15%の定数料を受取ります。

要するに、仕入と販売を顧客が勝手に行うという仕組みにして、アマゾンは、
まさに寝ていても儲かる状況を作り上げているということです。


■通常の本屋なら、売れる商品をどれだけ多く並べるかで勝負しなければな
りませんが、アマゾンは「ほとんど売れない商品」を並べることでビジネス
を組み立てることができます。

この「ほとんど売れない商品」のことを「ロングテール」といいます。

売れる順番に棒グラフを作っていくと、売れない本が延々続く、その形が恐
竜の長い尻尾のように見えるからだということです。

アマゾンの売上の実に1/3が「ほとんど売れない商品」で占められている
ということです。


■ヤフーオークションは言うに及ばず、このメルマガを配信している「まぐ
まぐ」なども、IT技術を利用して「ロングテール」を顧客にすることに成
功したビジネスです。


■皆、ビジネスの前提が変わったことにいち早く気づいた企業です。

IT技術を使う時に「とるに足りない80%」が、未開拓の広大な土地に姿
を変える可能性があることに気づいた企業です。

さすがですねーー。


■この「ロングテール」をさらに巧妙に、本質的にビジネスにしているのが、
グーグルです。

が、長くなりそうなので、グーグルについては、次回またお話したいと思い
ます。

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