「孫子の兵法」でみる2014年ワールドカップ日本代表の戦い

2014.06.26

(2014年6月26日メルマガより)


■2014年サッカーワールドカップ(ブラジル大会)は、
いよいよ決勝ラウンドに移行しようとしています。

宴たけなわというところですかね。

ただし、わが日本代表の戦いは終焉を迎えました。

1分け2敗。

つい2週間前までは、ベスト16は固い。目標はベスト8。ベスト4の可能性もある!という論調がありましたっけ。

あれは何だったのでしょうか...

■1分け2敗という結果は、惨敗なのでしょうか。

それとも実力通りの順当な結果なのでしょうか。

同じく、スペインやイタリア、イングランドといった強豪国が、一次リーグで敗退することが決まりました。

あるいは南米の気候は、ヨーロッパの国には不利だったのかも知れない。これらの優勝経験国は、その持てる力を十分には発揮できませんでした。

ただし、こうした強豪国でさえ実力を発揮できなかったのだから、日本代表も実力を発揮できないこともあるさ。などと安易に言っては発展性がありません。

日本代表の3試合と、他の国の試合を見て、多くの方がその実力の違いに気づいたことでしょう。

結局、日本は弱かった。順当に負けたということです。

■負けたのは仕方ない。問題はその負け方です。

今回、気になったのは、選手にしろ、マスコミにしろ「日本らしいサッカー」という言葉をよく使っていたことです。

日本らしいサッカーって何だ?

どうもその論調からいって、攻撃的なサッカーを指すらしい。

アジアカップで優勝し、親善試合でも効果を発揮したのが、その攻撃的なサッカーです。

ところがワールドカップではどうだったのか。

全く通用しませんでした。

選手たちは自分たちのサッカーができなかった。と語っていますが、そうじゃないでしょう。

敵に、自分たちのサッカーをやらせてもらえなかったんでしょうが。

最も重要だと位置づけられていた第1戦のコートジボワール戦を見てみましょう。

日本代表のストロングポイントである左サイドの攻撃を無力化するためにコートジボワールがとった戦術は、そのサイドに攻撃陣を集中させることでした。

攻撃の要である左サイドを逆に攻撃された日本は、防御におわれて、攻め上がることができなくなりました。

つまり、同じサイドでガチンコで戦った結果、完全に負けてしまって、2点をとられてしまったのです。

これを実力差だといわずして何というのでしょうか。

■戦いは常に相手との兼ね合いです。

いくら自分の強みが左サイドだといっても、相手の右サイドがもっと強ければ、それは強みでもなんでもありません。

もしこれを「自分たちのサッカー」というのであれば、それはかなり独りよがりなサッカーです。

孫子には「兵の形は水にかたどる」という言葉があります。

水とは無形。敵の陣形にあわせて自在に形を変え、強いところを避けて弱いところに攻撃を集中することが、巧みな戦い方です。

三国志に登場する天才軍師諸葛孔明は、無数ともいえる陣形を自在に操ることで、敵を散々に翻弄したと言われています。

サッカーにおいては、フォーメーションが陣形です。

現代のサッカーは、フォーメーションをいかに操るのかが戦術です。

左サイドでひたすら押し込む。その他のオプションがない。というのは、あまりにも稚拙な戦術であると言わざるを得ません。

■そうしてみると、日本代表とザッケローニ監督は、いかにも現代のサッカーの時流に遅れた存在だったということです

そもそも個の力に劣る日本が、戦術で勝てなくて、どこで勝とうというのでしょうか?

仮に、日本のストロングポイントが左サイドの攻撃だとしても、強豪国相手の場合、それは陽動作戦にしかなりません。

つまり、強豪国は、こちらのストロングポイントをまともに潰そうとしてくるでしょう

すると日本がすべきことは、左サイドをおとりに使って、他の部分で点をとりにいくという作戦です。

陽動作戦とは、偽の情報でかく乱させること。

今の日本の実力では、左サイドの攻撃は、おとり情報にしかなりません。

■本田の存在も同じです。

今大会、本田は本調子ではありませんでした。それでも、他の選手よりよほどしっかりと実力を発揮していました。

当然、敵は唯一怖い存在である本田を潰しにかかります。

コートジボワール戦では、ひたすら本田を疲れさせるためのボール回しを執拗に行われていました。

そのため、後半は、バテて、動けなくなっていました。

それなのに、日本の攻撃陣は、約束事のように本田にボールを集めるものですから、敵の守りが予測しやすいものになってしまっていました。

ここも、あまりにもわかりやすい本田という起点があるならば、それをおとりとして使う工夫がないと世界では通用しません。

■結局、日本が負けるべくして負けたというのは、そのオプション選択数があまりにもなかったことでした。

同じく孫子に「戦いは、正を以て合い、奇を以て勝つ」という言葉があります。

戦いは常に相対的なものです。

正攻法ばかりでは戦いになりません。

正攻法で向かい合ったとしても、勝負を決するのは奇策です。

その奇策というオプションを少しでも多く用意しておくこと。

それが試合巧者というもの。これからの日本代表が持つべき方向性だと考えます。

(2014年6月26日メルマガより)


■2014年サッカーワールドカップ(ブラジル大会)は、
いよいよ決勝ラウンドに移行しようとしています。

宴たけなわというところですかね。

ただし、わが日本代表の戦いは終焉を迎えました。

1分け2敗。

つい2週間前までは、ベスト16は固い。目標はベスト8。ベスト4の可能性もある!という論調がありましたっけ。

あれは何だったのでしょうか...

■1分け2敗という結果は、惨敗なのでしょうか。

それとも実力通りの順当な結果なのでしょうか。

同じく、スペインやイタリア、イングランドといった強豪国が、一次リーグで敗退することが決まりました。

あるいは南米の気候は、ヨーロッパの国には不利だったのかも知れない。これらの優勝経験国は、その持てる力を十分には発揮できませんでした。

ただし、こうした強豪国でさえ実力を発揮できなかったのだから、日本代表も実力を発揮できないこともあるさ。などと安易に言っては発展性がありません。

日本代表の3試合と、他の国の試合を見て、多くの方がその実力の違いに気づいたことでしょう。

結局、日本は弱かった。順当に負けたということです。

■負けたのは仕方ない。問題はその負け方です。

今回、気になったのは、選手にしろ、マスコミにしろ「日本らしいサッカー」という言葉をよく使っていたことです。

日本らしいサッカーって何だ?

どうもその論調からいって、攻撃的なサッカーを指すらしい。

アジアカップで優勝し、親善試合でも効果を発揮したのが、その攻撃的なサッカーです。

ところがワールドカップではどうだったのか。

全く通用しませんでした。

選手たちは自分たちのサッカーができなかった。と語っていますが、そうじゃないでしょう。

敵に、自分たちのサッカーをやらせてもらえなかったんでしょうが。

最も重要だと位置づけられていた第1戦のコートジボワール戦を見てみましょう。

日本代表のストロングポイントである左サイドの攻撃を無力化するためにコートジボワールがとった戦術は、そのサイドに攻撃陣を集中させることでした。

攻撃の要である左サイドを逆に攻撃された日本は、防御におわれて、攻め上がることができなくなりました。

つまり、同じサイドでガチンコで戦った結果、完全に負けてしまって、2点をとられてしまったのです。

これを実力差だといわずして何というのでしょうか。

■戦いは常に相手との兼ね合いです。

いくら自分の強みが左サイドだといっても、相手の右サイドがもっと強ければ、それは強みでもなんでもありません。

もしこれを「自分たちのサッカー」というのであれば、それはかなり独りよがりなサッカーです。

孫子には「兵の形は水にかたどる」という言葉があります。

水とは無形。敵の陣形にあわせて自在に形を変え、強いところを避けて弱いところに攻撃を集中することが、巧みな戦い方です。

三国志に登場する天才軍師諸葛孔明は、無数ともいえる陣形を自在に操ることで、敵を散々に翻弄したと言われています。

サッカーにおいては、フォーメーションが陣形です。

現代のサッカーは、フォーメーションをいかに操るのかが戦術です。

左サイドでひたすら押し込む。その他のオプションがない。というのは、あまりにも稚拙な戦術であると言わざるを得ません。

■そうしてみると、日本代表とザッケローニ監督は、いかにも現代のサッカーの時流に遅れた存在だったということです

そもそも個の力に劣る日本が、戦術で勝てなくて、どこで勝とうというのでしょうか?

仮に、日本のストロングポイントが左サイドの攻撃だとしても、強豪国相手の場合、それは陽動作戦にしかなりません。

つまり、強豪国は、こちらのストロングポイントをまともに潰そうとしてくるでしょう

すると日本がすべきことは、左サイドをおとりに使って、他の部分で点をとりにいくという作戦です。

陽動作戦とは、偽の情報でかく乱させること。

今の日本の実力では、左サイドの攻撃は、おとり情報にしかなりません。

■本田の存在も同じです。

今大会、本田は本調子ではありませんでした。それでも、他の選手よりよほどしっかりと実力を発揮していました。

当然、敵は唯一怖い存在である本田を潰しにかかります。

コートジボワール戦では、ひたすら本田を疲れさせるためのボール回しを執拗に行われていました。

そのため、後半は、バテて、動けなくなっていました。

それなのに、日本の攻撃陣は、約束事のように本田にボールを集めるものですから、敵の守りが予測しやすいものになってしまっていました。

ここも、あまりにもわかりやすい本田という起点があるならば、それをおとりとして使う工夫がないと世界では通用しません。

■結局、日本が負けるべくして負けたというのは、そのオプション選択数があまりにもなかったことでした。

同じく孫子に「戦いは、正を以て合い、奇を以て勝つ」という言葉があります。

戦いは常に相対的なものです。

正攻法ばかりでは戦いになりません。

正攻法で向かい合ったとしても、勝負を決するのは奇策です。

その奇策というオプションを少しでも多く用意しておくこと。

それが試合巧者というもの。これからの日本代表が持つべき方向性だと考えます。

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