戦術は現状を効率的にする。戦略は現状を破壊する

2012.05.17

(2012年5月17日メルマガより)


■GE(ゼネラル・エレクトリック)の前CEOジャック・
ウェルチは、
2000年、全従業員に「2週間以内に、インターネットで自分の事業を破壊す
る方法を考えよ」という宿題を出したそうです。

いかにも20世紀最高の経営者と称されるジャック・ウェルチらしいエピソード
です。

ここから分るのは、ウェルチが、相当のスピード感でビジネスを考えていた
こと。

および極めて戦略的に頭を働かせており、従業員にもそれを求めたことです。

■2000年当時、インターネットを使ったビジネスが勃興していました。

古いタイプのビジネスを手がける会社のCEOとしては危機感を抱かないは
ずはありません。

そこで、インターネット関連ビジネスに対抗する手段を考えよ。と指示した
のではなく、インターネットで今の事業を破壊せよ。としたところが、ウェ
ルチらしい^^

そこまで裏返して考えないと、会社を存続させる方策など出てこないでしょう。

■今回は私の反省の念もこめて書いています。

私の仕事は、経営戦略立案コンサルティングです。その中でも営業戦略立案
をメインにしています。

私が中小企業診断士になり、独立しようとした際に、先輩から助言されたの
が「戦略では食えないからやめとけ」というものでした。

元来ひねくれていたのか、あるいはランチェスター戦略の示す通り、他人が
しないことにこそ道があると考えたのか...

戦略というものを中心に据えて、自分のコンテンツを整えてきました。

■その先輩が「戦略では食えない」と言ったことも今では理解できます。

なぜなら3年後、5年後、20年後の行く末を考える戦略などというものは
企業にとって緊急性の低いものです。

そんなものにお金を出す企業は少ない。余剰資金の乏しい中小企業は尚更です。

○○するだけで利益がみるみる上がる、という魔法のノウハウの方が、食い
つきはいいはずです。

私が起業指導する際には、この「緊急性」をチェックします。「いますぐに
欲しい」「いますぐ必要」こうした要素のない商品やビジネスは、離陸さえ
うまくいかず、計画が画に描いた餅に終わってしまう可能性が大きいからです。

すぐにリターンがあるビジネスを持っていることは、起業者が生き残ること
の必要条件となります。

参考「緊急性にフォーカスせよ」
http://www.createvalue.biz/column2/post-80.html

■ところが、緊急性だけでは、目先のお金を拾い続けるようなもので、自転
車操業から抜け出せません。

「売る」ことにばかり神経を使って、顧客への提供価値やビジネスの仕組み
作りに無頓着であったために、早晩退場してしまった先輩たちの何と多かっ
たことか。

私自身、ある時期から、自分のコンテンツから煽りやインパクトの強い要素
を取り除いてきました。

ありていに言うと、こけおどしで集客するようなことはすまいと考えたわけ
です。

その方が、長生きできると思うからです。

■企業の営業組織のコンサルティングをしていても、同じような課題に突き
当たります。

現場をよく知る営業マンは、実践ノウハウの塊です。だから、現場にどのよ
うに適合するかというスキルに溢れています。

彼らがコンサルタントに求めるのは、さらに凄いノウハウであり、インパク
トを出すためのスキルを伝授してもらうことです。

現場をうまくわたっていくための目に見える武器が欲しいわけです

もちろん私が、それを伝授することはありません。

戦略とは、実践ノウハウでもインパクトのあるスキルでも、目に見える武器
でもないからです。

■私が伝えるのは、いわば「そのようなノウハウやスキルがなくても、ビジ
ネスがうまく進む方法」です。

それが戦略だからです。

こういう言葉があります。

戦術は、今の仕事を効率的にする。戦略は、今の仕事を無くしてしまう。

今の仕事を効率的にすることで、少しずつ、業績を上げることができるかも
知れません。いや、確実に業績は上がるでしょう。

しかし、いくら今の仕事を改善したところで、全く違うやり方にはなりません。

全く違う発想、全く違う方法は、改善からは生まれません。全く違う思考方
法が必要となります。

戦略立案とは、その全く違う方法を編み出すための思考方法です。

■ところが、これはなかなか理解されません。

全く新しい方法などといっても、現場の人間の肌感覚に合わないものは、本
気でやる気になりません。

肌感覚に合わないものは机上の空論だと捉えられてしまいます。

かといって、肌感覚に合うものばかりで構成すると、それは現状の上塗りや
改善に止まってしまいます。

そのあたりのさじ加減が難しい。

■ソニーという優秀な企業があります。今はちょっと苦しんでいますが...

この会社の歴史を見ていると、極めて、戦術的な姿勢が目立ちます。

私は技術的なことは分かりませんから、ソニーの技術がいかに革新的で創造
性に溢れたものであるかは知りません。それは横に置いておいてください。

あくまで顧客目線から見ると、ソニーは歴史上、何度か強烈なヒット商品を
生み出しています。

トランジスタラジオ、ウォークマン、平面ブラウン管テレビ、ゲーム機。

ところが、市場で絶対的な地位を得たにも関わらず、その座を次の商品に明
け渡すことが多いのは、どうやら新しい分野の商品への対応が遅れるからの
ようです。

ソニーはその技術的優秀さゆえに、現状の商品の改善効率化には非常な能力
を発揮します。

ところがある時期に、全く新しい技術や商品が他社から生み出され、ソニー
の商品は市場から追いやられてしまいます。

そんな新しい商品を発想するのはソニーではなく、他の会社です。古い技術
にどっぷり入り込んでいるソニーからは、そのような発想が出てこないのです。

■典型的なのは、ウォークマンにおけるiPodです。

あれほど市場を押さえていたにも関わらず、楽曲オンライン配信の仕組みと、
感覚的な使い勝手を持つiPodに、あっさりと市場を明け渡してしまいま
した。

技術や素材は、すべて持っていたにも関わらず、それが出来なかったのは、
「CDやMDを使わなくても好きな音楽が聞ける仕組み」を本気で発想する
ことができなかったからです。

あるいは「商品のこの部分にボタンがなくても機能する仕組み」を考えなか
ったからです。

音楽を聴くには、CDやMDを使うもの。ボタンは要るもの。という前提の
もとに考えられていたようです。

■営業コンサルティングの話に戻ります。

コンサルティングが難しいのは、戦略は実行されなければならないというこ
とです。

だから、メンバーが実行しないような戦略は何の価値もありません。

そこで、私の場合は、時間がかかっても、メンバーと一緒に戦略作りに取り
組みます。

極端な話、稚拙な戦略でも、実行されないよりはずっとマシだと思います。

かといって、実行してもらうことに気を使うあまり、現状の後追いのような
戦略を作るのは無意味です。

戦略というのは、現状を否定する要素を持ちますので、現場に適合している
メンバーからすれば、自分を否定されているような気がするのでしょう。普
通に進めれば、激しい抵抗に合ってしまう。

戦略をメンバーの肌感覚に合うようにしていくには応分の時間がかかるのです。

■ここだけの話、私が楽をしようと思えば、現状の後追いのような戦略めい
た戦術を作っておけばいいのです。

戦術でも、皆がやる気になれば、それなりに成果は上がります。

メンバーには恨まれないわ、業績はそれなりに良くなるわ、とりあえずは面
目を保てます。

だけど、それでは、私の職業的倫理観が許しません。

戦術をいくら積み上げたところで、それは衰える時期を少し先延ばししたよ
うなものだと思えるからです。

企業が、今のステージを脱して、さらなる飛躍を遂げるためには、戦略が必
要不可欠なのです。

■抵抗が激しすぎれば、戦略は画に描いた餅になってしまう。抵抗がなけれ
ば、単なる戦術になってしまう。

そのバランスをとることが、いわば、コンサルタントの腕の見せ所となるの
でしょう。

思えば、私もここに苦労して、様々な工夫を開発してきました。ここでは詳
しく言いませんが、それなりのノウハウを身に着けてきました。10年近く
やっていますからね^^

■一度、戦略作りに取り組み、成果を上げる経験をした人は、現状を否定す
ることに怖れを感じません。

むしろ、現状を否定し、破壊しないことには、ゆるやかに死んでいくことだ
けだと知っているはずです。

出来のいい戦略は、突き抜けるような飛翔をもたらします。

「V字回復の経営」という本がありますが、あれは決して絵空事ではありま
せん。
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4532193427/lanchesterkan-22/ref=nosim

まともに戦略に取り組むコンサルタントなら、あのような状況を一度は経験
しているはずです。

企業におられる方も、戦略というものの力を信じて、取り組んでいただきた
いと思います。

大きな未来に向かって、進んでいきましょう。

(2012年5月17日メルマガより)


■GE(ゼネラル・エレクトリック)の前CEOジャック・
ウェルチは、
2000年、全従業員に「2週間以内に、インターネットで自分の事業を破壊す
る方法を考えよ」という宿題を出したそうです。

いかにも20世紀最高の経営者と称されるジャック・ウェルチらしいエピソード
です。

ここから分るのは、ウェルチが、相当のスピード感でビジネスを考えていた
こと。

および極めて戦略的に頭を働かせており、従業員にもそれを求めたことです。

■2000年当時、インターネットを使ったビジネスが勃興していました。

古いタイプのビジネスを手がける会社のCEOとしては危機感を抱かないは
ずはありません。

そこで、インターネット関連ビジネスに対抗する手段を考えよ。と指示した
のではなく、インターネットで今の事業を破壊せよ。としたところが、ウェ
ルチらしい^^

そこまで裏返して考えないと、会社を存続させる方策など出てこないでしょう。

■今回は私の反省の念もこめて書いています。

私の仕事は、経営戦略立案コンサルティングです。その中でも営業戦略立案
をメインにしています。

私が中小企業診断士になり、独立しようとした際に、先輩から助言されたの
が「戦略では食えないからやめとけ」というものでした。

元来ひねくれていたのか、あるいはランチェスター戦略の示す通り、他人が
しないことにこそ道があると考えたのか...

戦略というものを中心に据えて、自分のコンテンツを整えてきました。

■その先輩が「戦略では食えない」と言ったことも今では理解できます。

なぜなら3年後、5年後、20年後の行く末を考える戦略などというものは
企業にとって緊急性の低いものです。

そんなものにお金を出す企業は少ない。余剰資金の乏しい中小企業は尚更です。

○○するだけで利益がみるみる上がる、という魔法のノウハウの方が、食い
つきはいいはずです。

私が起業指導する際には、この「緊急性」をチェックします。「いますぐに
欲しい」「いますぐ必要」こうした要素のない商品やビジネスは、離陸さえ
うまくいかず、計画が画に描いた餅に終わってしまう可能性が大きいからです。

すぐにリターンがあるビジネスを持っていることは、起業者が生き残ること
の必要条件となります。

参考「緊急性にフォーカスせよ」
http://www.createvalue.biz/column2/post-80.html

■ところが、緊急性だけでは、目先のお金を拾い続けるようなもので、自転
車操業から抜け出せません。

「売る」ことにばかり神経を使って、顧客への提供価値やビジネスの仕組み
作りに無頓着であったために、早晩退場してしまった先輩たちの何と多かっ
たことか。

私自身、ある時期から、自分のコンテンツから煽りやインパクトの強い要素
を取り除いてきました。

ありていに言うと、こけおどしで集客するようなことはすまいと考えたわけ
です。

その方が、長生きできると思うからです。

■企業の営業組織のコンサルティングをしていても、同じような課題に突き
当たります。

現場をよく知る営業マンは、実践ノウハウの塊です。だから、現場にどのよ
うに適合するかというスキルに溢れています。

彼らがコンサルタントに求めるのは、さらに凄いノウハウであり、インパク
トを出すためのスキルを伝授してもらうことです。

現場をうまくわたっていくための目に見える武器が欲しいわけです

もちろん私が、それを伝授することはありません。

戦略とは、実践ノウハウでもインパクトのあるスキルでも、目に見える武器
でもないからです。

■私が伝えるのは、いわば「そのようなノウハウやスキルがなくても、ビジ
ネスがうまく進む方法」です。

それが戦略だからです。

こういう言葉があります。

戦術は、今の仕事を効率的にする。戦略は、今の仕事を無くしてしまう。

今の仕事を効率的にすることで、少しずつ、業績を上げることができるかも
知れません。いや、確実に業績は上がるでしょう。

しかし、いくら今の仕事を改善したところで、全く違うやり方にはなりません。

全く違う発想、全く違う方法は、改善からは生まれません。全く違う思考方
法が必要となります。

戦略立案とは、その全く違う方法を編み出すための思考方法です。

■ところが、これはなかなか理解されません。

全く新しい方法などといっても、現場の人間の肌感覚に合わないものは、本
気でやる気になりません。

肌感覚に合わないものは机上の空論だと捉えられてしまいます。

かといって、肌感覚に合うものばかりで構成すると、それは現状の上塗りや
改善に止まってしまいます。

そのあたりのさじ加減が難しい。

■ソニーという優秀な企業があります。今はちょっと苦しんでいますが...

この会社の歴史を見ていると、極めて、戦術的な姿勢が目立ちます。

私は技術的なことは分かりませんから、ソニーの技術がいかに革新的で創造
性に溢れたものであるかは知りません。それは横に置いておいてください。

あくまで顧客目線から見ると、ソニーは歴史上、何度か強烈なヒット商品を
生み出しています。

トランジスタラジオ、ウォークマン、平面ブラウン管テレビ、ゲーム機。

ところが、市場で絶対的な地位を得たにも関わらず、その座を次の商品に明
け渡すことが多いのは、どうやら新しい分野の商品への対応が遅れるからの
ようです。

ソニーはその技術的優秀さゆえに、現状の商品の改善効率化には非常な能力
を発揮します。

ところがある時期に、全く新しい技術や商品が他社から生み出され、ソニー
の商品は市場から追いやられてしまいます。

そんな新しい商品を発想するのはソニーではなく、他の会社です。古い技術
にどっぷり入り込んでいるソニーからは、そのような発想が出てこないのです。

■典型的なのは、ウォークマンにおけるiPodです。

あれほど市場を押さえていたにも関わらず、楽曲オンライン配信の仕組みと、
感覚的な使い勝手を持つiPodに、あっさりと市場を明け渡してしまいま
した。

技術や素材は、すべて持っていたにも関わらず、それが出来なかったのは、
「CDやMDを使わなくても好きな音楽が聞ける仕組み」を本気で発想する
ことができなかったからです。

あるいは「商品のこの部分にボタンがなくても機能する仕組み」を考えなか
ったからです。

音楽を聴くには、CDやMDを使うもの。ボタンは要るもの。という前提の
もとに考えられていたようです。

■営業コンサルティングの話に戻ります。

コンサルティングが難しいのは、戦略は実行されなければならないというこ
とです。

だから、メンバーが実行しないような戦略は何の価値もありません。

そこで、私の場合は、時間がかかっても、メンバーと一緒に戦略作りに取り
組みます。

極端な話、稚拙な戦略でも、実行されないよりはずっとマシだと思います。

かといって、実行してもらうことに気を使うあまり、現状の後追いのような
戦略を作るのは無意味です。

戦略というのは、現状を否定する要素を持ちますので、現場に適合している
メンバーからすれば、自分を否定されているような気がするのでしょう。普
通に進めれば、激しい抵抗に合ってしまう。

戦略をメンバーの肌感覚に合うようにしていくには応分の時間がかかるのです。

■ここだけの話、私が楽をしようと思えば、現状の後追いのような戦略めい
た戦術を作っておけばいいのです。

戦術でも、皆がやる気になれば、それなりに成果は上がります。

メンバーには恨まれないわ、業績はそれなりに良くなるわ、とりあえずは面
目を保てます。

だけど、それでは、私の職業的倫理観が許しません。

戦術をいくら積み上げたところで、それは衰える時期を少し先延ばししたよ
うなものだと思えるからです。

企業が、今のステージを脱して、さらなる飛躍を遂げるためには、戦略が必
要不可欠なのです。

■抵抗が激しすぎれば、戦略は画に描いた餅になってしまう。抵抗がなけれ
ば、単なる戦術になってしまう。

そのバランスをとることが、いわば、コンサルタントの腕の見せ所となるの
でしょう。

思えば、私もここに苦労して、様々な工夫を開発してきました。ここでは詳
しく言いませんが、それなりのノウハウを身に着けてきました。10年近く
やっていますからね^^

■一度、戦略作りに取り組み、成果を上げる経験をした人は、現状を否定す
ることに怖れを感じません。

むしろ、現状を否定し、破壊しないことには、ゆるやかに死んでいくことだ
けだと知っているはずです。

出来のいい戦略は、突き抜けるような飛翔をもたらします。

「V字回復の経営」という本がありますが、あれは決して絵空事ではありま
せん。
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4532193427/lanchesterkan-22/ref=nosim

まともに戦略に取り組むコンサルタントなら、あのような状況を一度は経験
しているはずです。

企業におられる方も、戦略というものの力を信じて、取り組んでいただきた
いと思います。

大きな未来に向かって、進んでいきましょう。

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