「営業の仕組み」を身に着ければ、目標達成に苦しまなくなる

2016.02.25

(2016年2月25日メルマガより)



■昨年上梓した拙著『「廃業寸前」
が世界トップ企業になった奇跡の物語』に関するセミナーや研修を行う機会が増えています。
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4827209693/lanchesterkan-22/ref=nosim

ありがたいことです。感謝しております。

そこで「あの本に書いてあることはどこまで事実なんですか」とよく質問されます。

実在の会社を扱った話なので、気になるところなのでしょうか。

お答えすると、あの本に書かれたエピソードは、ほぼ実際にあったことをもとにしています。(若干、ドラマチックにするために脚色していますが)

ただ人物は一人を除いてすべてフィクションです。モデルはいません。

私が体験し、見聞した事実を、それぞれの登場人物に振り分けて書いたものです。

■あの本で評価いただくのは「細部がリアルだ」ということだそうです。

それはそうですね。全部、あったことですから^^

だからお読みになられた方は、安心してください。

あそこに書かれた営業手法なども、全部、実践で使ったことです。

ぜひヒントにしてください^^

■たとえば、担当先を絞ること。

低迷していた私が、なんとか一人前の成績を残せるようになったのは、ターゲットを絞ったからでした。

新人の頃は何事もまじめに考えますから、割り振られた担当先はすべてケアしようとしてしまいます。

しかもまんべんなく伸ばそうと頑張ってしまいます。

ところが本当にそんなことやってしまったら、労力は使うわ、時間はなくなるわ、成績は伸びないわで、往生してしまいますよ。

人間の時間は有限です。熱量も有限です。

忙しすぎてフラフラになって顧客に対するより、集中力の高い状態で向き合う方が、お互い有益です。

だから自分が持っている時間ややる気をどこに割り振るか。

言い換えれば「現状維持でいいや」「売上が下がってもいいや」という担当先はどこかを決めることが重要です。

■ふつうの上司はそんなこと言ってくれません。

建前として、担当先はすべて大切だ、というでしょう。

絶対達成しろ!取りこぼしするな!すぐに対応しろ!ムラを出すな!

って、アンタできてんのか!?って思うことも平気で言われますから。

だから、自分の身は自分で守ることです。

力を入れる得意先、入れない得意先を自分で決めなければなりません。

自分が「勝てる局面」で戦うことが、勝つための絶対条件です。

メリハリをつけて営業に取り組むことが、目標達成の道となります。

どの得意先に注力することで、目標達成するのか。絵を描くことが、営業がやるべき最初の仕事です。

■顧客に提案する時は差別化を意識すること。

これも営業がやるべき重要な仕事です。

そもそも価格競争になってしまうのは、商品やサービスが他社と似たようなものだからです。

違うものを提供しているなら、価格競争になる要素が一つ減ります。

かといって、すべての商品に希少価値があったり、差別化されたりしているわけではありません。

むしろ顧客から見て、似たような商品やサービスばかりになってしまうことも多いでしょう。

こういう時、最後の砦になるのは、営業のプレゼンテーションです。

いかに他社と違うか。どのように差別化されているのか。

それを顧客にわかっていただくのが、営業の仕事です。

■実際、私たちは、商品を研究し、他社との違いを説明することに尽力しました。

最初は、些細な違いを大げさにいいやがってと苦笑いされました。

が、繰り返すうちに、些細な違いも目立つようになってきます。一度、違うと認識すると、同じに見えなくなるものです。

その「違う」ことが、商品の価値となります。

どこで営業が価値を作るといえば、そこになります。

だから営業が「他社と似たようなものです」なんて発言するのは、もってのほか。

そんな営業は、会社の価値を棄損していると言ってもいいでしょう。

一度買っていただいた顧客にもう一度買ってもらうための活動も営業の仕事です。

顧客からリピーターへ。リピーターからファンへ。

そうなれば、その顧客は、営業にとって「基盤顧客」となります。

基盤顧客とは、私の造語です。自社(自分)と信頼関係があり、一定の売上が計算できる顧客のことをそう呼んでいます。

基盤顧客は、手間がそれほどかからないのに売上予測が立つというありがたい存在です。

成績のいい営業は、安定した基盤顧客を一定量持っています。

基盤顧客がないと、コンスタントに営業目標を達成することなどできないでしょう。

いわば、営業にとっての一つのゴール(中間ゴール)が、基盤顧客を作ることになります。

■サーモスの事例では、新潟工場にバイヤーを呼ぶことが、ファンを作るための活動でした。

第一フェーズ:顧客先で企画提案を行う。

第二フェーズ:自社に呼んで企画提案を行う。

第三フェーズ:新潟工場に呼んで企画提案を行う。

顧客にとっては、距離も時間も奪われるフェーズに移行していくわけですが、第三フェーズに行く頃には、相当親密な関係になっているはずです。

新潟に行くということは、もちろん懇親会も含みますので、親密さが増すというものです。

実際に、この方法は効果がありました。だから、私たちは皆、大事な顧客は新潟に呼ぶことを目標にしていました。

もちろん、これはサーモスの方法であって、他社にはまた違う方法があるでしょう。

大事なのは、最終的なファンを作るための仕組みがあるということです。

■この顧客基盤を作る仕組みのことを「営業プロセス」と呼んでいます。

もうこのメルマガで何回も言ってますよね。

すべての営業は「顧客選択」「営業活動」「アフターフォロー」の三段階で成り立っています。

おそらくこのフォームは万能です。どの業種にも当てはまるはず。

私の著書でも、営業プロセスにあてはめてみると、サーモスが低迷からV字回復した理由がわかります。

■すなわち

・顧客を選ぶこと。

・差別化すること。

・ファンを作る活動をすること。

単純化していますが、それぞれが「顧客選択」「営業活動」「アフターフォロー」に属するものです。

これを仕組みとして行うことが、組織としての営業力を底上げすることになりました。

それが、サーモスが世界トップになった後も、トップであり続けながら成長し続けている要因です。

■営業というのは自由度が高い仕事です。

自由だけに、個人差が出やすい。

ある者は、常に120点。

逆にある者は、いつまでたっても40点しか取れない。

そういう仕事です。

■そんな中、営業プロセスは、誰もが60点(及第点)をとれるようにするものです。

そこに個人の努力や工夫で20点、30点の積み上げを行うと、凡庸な営業でも80点、90点をつねに取れるようになります。

仕組みは、とびぬけた能力やセンスがない個人でも、トップ営業になれる秘訣となります。

誰もがまず基本フォームを身に着けること。

それだけで、営業がすごく楽になるはずです。目標が達成できずに毎月苦しむ、なんてことが少なくなりますから。

ぜひとも「営業の仕組み」を身に着けてください。

営業で苦しむ人が一人でも少なくなりますように。

そう願っています。

(2016年2月25日メルマガより)



■昨年上梓した拙著『「廃業寸前」
が世界トップ企業になった奇跡の物語』に関するセミナーや研修を行う機会が増えています。
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4827209693/lanchesterkan-22/ref=nosim

ありがたいことです。感謝しております。

そこで「あの本に書いてあることはどこまで事実なんですか」とよく質問されます。

実在の会社を扱った話なので、気になるところなのでしょうか。

お答えすると、あの本に書かれたエピソードは、ほぼ実際にあったことをもとにしています。(若干、ドラマチックにするために脚色していますが)

ただ人物は一人を除いてすべてフィクションです。モデルはいません。

私が体験し、見聞した事実を、それぞれの登場人物に振り分けて書いたものです。

■あの本で評価いただくのは「細部がリアルだ」ということだそうです。

それはそうですね。全部、あったことですから^^

だからお読みになられた方は、安心してください。

あそこに書かれた営業手法なども、全部、実践で使ったことです。

ぜひヒントにしてください^^

■たとえば、担当先を絞ること。

低迷していた私が、なんとか一人前の成績を残せるようになったのは、ターゲットを絞ったからでした。

新人の頃は何事もまじめに考えますから、割り振られた担当先はすべてケアしようとしてしまいます。

しかもまんべんなく伸ばそうと頑張ってしまいます。

ところが本当にそんなことやってしまったら、労力は使うわ、時間はなくなるわ、成績は伸びないわで、往生してしまいますよ。

人間の時間は有限です。熱量も有限です。

忙しすぎてフラフラになって顧客に対するより、集中力の高い状態で向き合う方が、お互い有益です。

だから自分が持っている時間ややる気をどこに割り振るか。

言い換えれば「現状維持でいいや」「売上が下がってもいいや」という担当先はどこかを決めることが重要です。

■ふつうの上司はそんなこと言ってくれません。

建前として、担当先はすべて大切だ、というでしょう。

絶対達成しろ!取りこぼしするな!すぐに対応しろ!ムラを出すな!

って、アンタできてんのか!?って思うことも平気で言われますから。

だから、自分の身は自分で守ることです。

力を入れる得意先、入れない得意先を自分で決めなければなりません。

自分が「勝てる局面」で戦うことが、勝つための絶対条件です。

メリハリをつけて営業に取り組むことが、目標達成の道となります。

どの得意先に注力することで、目標達成するのか。絵を描くことが、営業がやるべき最初の仕事です。

■顧客に提案する時は差別化を意識すること。

これも営業がやるべき重要な仕事です。

そもそも価格競争になってしまうのは、商品やサービスが他社と似たようなものだからです。

違うものを提供しているなら、価格競争になる要素が一つ減ります。

かといって、すべての商品に希少価値があったり、差別化されたりしているわけではありません。

むしろ顧客から見て、似たような商品やサービスばかりになってしまうことも多いでしょう。

こういう時、最後の砦になるのは、営業のプレゼンテーションです。

いかに他社と違うか。どのように差別化されているのか。

それを顧客にわかっていただくのが、営業の仕事です。

■実際、私たちは、商品を研究し、他社との違いを説明することに尽力しました。

最初は、些細な違いを大げさにいいやがってと苦笑いされました。

が、繰り返すうちに、些細な違いも目立つようになってきます。一度、違うと認識すると、同じに見えなくなるものです。

その「違う」ことが、商品の価値となります。

どこで営業が価値を作るといえば、そこになります。

だから営業が「他社と似たようなものです」なんて発言するのは、もってのほか。

そんな営業は、会社の価値を棄損していると言ってもいいでしょう。

一度買っていただいた顧客にもう一度買ってもらうための活動も営業の仕事です。

顧客からリピーターへ。リピーターからファンへ。

そうなれば、その顧客は、営業にとって「基盤顧客」となります。

基盤顧客とは、私の造語です。自社(自分)と信頼関係があり、一定の売上が計算できる顧客のことをそう呼んでいます。

基盤顧客は、手間がそれほどかからないのに売上予測が立つというありがたい存在です。

成績のいい営業は、安定した基盤顧客を一定量持っています。

基盤顧客がないと、コンスタントに営業目標を達成することなどできないでしょう。

いわば、営業にとっての一つのゴール(中間ゴール)が、基盤顧客を作ることになります。

■サーモスの事例では、新潟工場にバイヤーを呼ぶことが、ファンを作るための活動でした。

第一フェーズ:顧客先で企画提案を行う。

第二フェーズ:自社に呼んで企画提案を行う。

第三フェーズ:新潟工場に呼んで企画提案を行う。

顧客にとっては、距離も時間も奪われるフェーズに移行していくわけですが、第三フェーズに行く頃には、相当親密な関係になっているはずです。

新潟に行くということは、もちろん懇親会も含みますので、親密さが増すというものです。

実際に、この方法は効果がありました。だから、私たちは皆、大事な顧客は新潟に呼ぶことを目標にしていました。

もちろん、これはサーモスの方法であって、他社にはまた違う方法があるでしょう。

大事なのは、最終的なファンを作るための仕組みがあるということです。

■この顧客基盤を作る仕組みのことを「営業プロセス」と呼んでいます。

もうこのメルマガで何回も言ってますよね。

すべての営業は「顧客選択」「営業活動」「アフターフォロー」の三段階で成り立っています。

おそらくこのフォームは万能です。どの業種にも当てはまるはず。

私の著書でも、営業プロセスにあてはめてみると、サーモスが低迷からV字回復した理由がわかります。

■すなわち

・顧客を選ぶこと。

・差別化すること。

・ファンを作る活動をすること。

単純化していますが、それぞれが「顧客選択」「営業活動」「アフターフォロー」に属するものです。

これを仕組みとして行うことが、組織としての営業力を底上げすることになりました。

それが、サーモスが世界トップになった後も、トップであり続けながら成長し続けている要因です。

■営業というのは自由度が高い仕事です。

自由だけに、個人差が出やすい。

ある者は、常に120点。

逆にある者は、いつまでたっても40点しか取れない。

そういう仕事です。

■そんな中、営業プロセスは、誰もが60点(及第点)をとれるようにするものです。

そこに個人の努力や工夫で20点、30点の積み上げを行うと、凡庸な営業でも80点、90点をつねに取れるようになります。

仕組みは、とびぬけた能力やセンスがない個人でも、トップ営業になれる秘訣となります。

誰もがまず基本フォームを身に着けること。

それだけで、営業がすごく楽になるはずです。目標が達成できずに毎月苦しむ、なんてことが少なくなりますから。

ぜひとも「営業の仕組み」を身に着けてください。

営業で苦しむ人が一人でも少なくなりますように。

そう願っています。

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代表者・駒井俊雄が発行するメルマガ「営業は売り子じゃない!」
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