ビジョンは営業チームを一丸にする

2014.02.06

(2014年2月6日メルマガより)


■前回のメルマガで、
営業がイキイキと楽しく仕事をする最大の秘訣が「チームで営業をすることだ」ということを書きました。

いわゆる「チーム営業」は、一人一人のモチベーションを高めるだけではなく、人数以上の力を発揮することにつながります。

1+1=2ではなく、3、4、5といった力になります。

つまりチーム営業に取り組むことは、組織の実績向上につながるのです。

■では、どうすれば、チームが一体となって営業に取り組むことができるのだろうか。ということが今回のテーマです。

これは私も日々頭を悩ませる部分です。

コンサルティングの現場において、戦略を作ることで困ることはあまりありません。

ある程度、勉強した人ならば、たぶん誰が作っても、同じような戦略になるはずです。

それより、難しいのは、チームのメンバーに戦略に従って行動してもらうことです。

なにしろメンバー一人一人が個性を持った人間ですから厄介です。

外部から来たコンサルのいうことを素直に聞いて、行動するとは限りません。

いや、ほとんどの場合、反発して、動くことを拒否したり、違う動きをしようとします。

営業に限らず、あらゆる人間は、現状を変えることを本能的に嫌う保守的な存在ですからね。

■厄介なのは、バラバラに動く営業組織だからといって、団結しないというわけではないということです。

どんな組織でも準拠集団としての居心地の良さや仲間意識は存在します。

会社生活を通じて一緒にいる時間が長いわけですから、外部の人間よりも信頼できる存在であることは間違いありません。

バラバラに動くというのは、それが居心地いいからです。(言い換えれば、都合がいいからです)

メンバーは「営業はバラバラでいいやんけ」という意識で団結しているわけです。

■居心地のいい「現状」という強固な壁を崩して、未来に向かうためには、ある程度の強いインパクトが必要になります。

人間が団結するのは、何かを共有している時です。

現状では記憶。同じチームの人間として一定の時間を共有しているメンバーは、団結心で結ばれています。

たとえ「このままでいいや」「なるべくラクしようぜ」という怠惰な姿勢だとしても、団結しています。

それを超えるような新たな団結を生むにはどうすればいいのか。

■一つは、もっと印象深い時間を共有することです。

私がコンサルティングにおいて、しばしば「合宿」という形式をとるのは、印象的な記憶を新たに作ってもらいたいという狙いがあります。

一晩泊まって、夜中まで議論して、酒を飲んで、寝不足で早朝からまた議論して。という経験は、それまでの日常的とは異質なものですから、新たな記憶として残ります。

合宿なんて古典的な方法だとして怪訝な目で見られたりしますが、実は効果絶大です。

■その印象的な時間に何をするのかというと、もう一つのインパクトである「危機感」の醸成です。

「このままでは危険だ」という意識は、メンバーを一致団結させます。

様々な角度から現状を理解し、このままの姿勢を続けていると、近い将来危機的状況になるかも知れないことを知っていただくのです。

健全な危機感を持つことは、チームを一丸にすることに有効です。

■危機感を植え付けるという手法は、よく使われます。

手っ取り早いのは、仮想敵を作ることですね。

特定の会社や人を「競合」や「抵抗勢力」と設定し、彼らへの警戒感や対抗心によって一丸となる方法は、安易ですが、効果的です。

スポーツ競技の応援が盛り上がるのは、仮想敵を設定しやすいからだと思います。

あるいは、力のある政治家などは、うまく抵抗勢力を設定して、自分への支持をとりつけようとします。

ただ安易だけにやりすぎると下品です。特定の人を悪者にして、自分たちを正義であるかのように考えるようになると、短絡的に過ぎるので、あくまでも健全な危機感という範囲にとどめておくべきです。

■さらに、もう一つのインパクトは「夢や目標」を持つことです。

皆が、イメージ豊かに感情移入できるような夢や目標を持つことができれば、団結心は強固になること間違いありません。

いわゆるビジョンですね。

この段階の目標は、細かな売り上げ数値などではなく、抽象的でもイメージできるようなものが望ましいです。

たとえば、この分野で世界一になる。でもいいですし、地域でナンバーワンになる。でもいい。従業員が誇りに思うチームになる。なんてのもいいでしょう。

抽象的だとそのイメージがメンバーによってバラバラになる恐れはありますが、その分、「世界一とはどういうことだろう」「地域ナンバーワンとはどういう状態だろう」と討議するテーマにすればいいのです。

なにしろ、成果を上げる秘訣は、成果とは何かを知ることです。

ここがイメージできていれば、実績向上が簡単になります。

■ちなみに、私は、ビジョンのことを「あるべき姿」と呼んでいます。

だから抽象的なものをイメージで描くようにしてもらいます。

そのうえで、そのあるべき姿が実現したというのはどういう状態なのかを検証する数値を設定します。

たとえば、地域ナンバーワンというには、市場シェアが40%以上になっていること。

世界一というからには、ある商品分野の出荷量が2位よりも大きいこと。

従業員が誇りに思う会社というからには、従業員満足度が90%以上であること。

などと、客観的に確認できる数値を設定することです。

さらには、いつまでにそれを達成するのか、という期限も設定します。

それで目標の完成です。

■そういえば欧米の経営理論には「ミッション」という言葉が出てきます。

使命などと訳されたりしますが、これは宗教用語ですから、日本人には理解しにくいものです。

意訳すれば「神との約束」とでもいうのでしょうかね。

だから日本人にはわかりにくくても、人格形成に宗教が深くかかわっている欧米人にとって、非常に重い概念であるようです。

たとえばグーグルのミッションは「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」です。

マイクロソフトのミッションは「世界中のすべての人々とビジネスの持つ可能性を最大限に引き出すための支援をすること」です。

ナイキのミッションは「人々の生活を豊かにする製品やサービスを通じて、株主の利益を最大化すること」です。

抽象的に思えるかもしれませんが、彼らにとって、それは神との約束ですから、やるやらないという議論の余地のないものです。

経営にはこのように理屈を超越した要素があるのです。

ですから私はビジョンの設定の部分に、なるべくイメージやストーリー的要素を入れることで、理屈だけで説明できない部分を表現しようと思っています。

■元に戻りますが、合宿という非日常な時間と空間は、ビジョンを作るうえで、とても有効です。

ビジョン作りをだらだらやるべきではありません。

それが日常になってしまえば、効果は薄れてしまいます。

一気に作るには、合宿のような形式がいいのです。

合宿が無理だとしても、集まって一気に作ってしまうことが重要です。

そうすれば、チームが一丸となりやすく、一定方向への勢いを持つことができます。

この勢いがとても重要なのです。

■孫子には「善く戦う者は、これを勢(せい)に求めて、人に責(もと)めず」という言葉があります。

勢とは、一定方向への流れ、勢いを表します。

つまり、巧みに戦う者は、個人の能力に頼るのではなく、全体の流れや勢いを重視するという意味です。

これは企業経営においてもあてはまります。

実績を上げるのに個々の働きに頼っているようではマネージャー失格です。

個々のメンバーが、一方向へ向いて行動するようにマネジメントするのが、優秀なマネージャーです。

そのためには、個別の事象にあれこれ注文をつけるよりも、まずはビジョンをしっかりと設定し、チームに浸透させて、勢いや雰囲気を作ること。

それなくして実績の向上はあり得ません。

(2014年2月6日メルマガより)


■前回のメルマガで、
営業がイキイキと楽しく仕事をする最大の秘訣が「チームで営業をすることだ」ということを書きました。

いわゆる「チーム営業」は、一人一人のモチベーションを高めるだけではなく、人数以上の力を発揮することにつながります。

1+1=2ではなく、3、4、5といった力になります。

つまりチーム営業に取り組むことは、組織の実績向上につながるのです。

■では、どうすれば、チームが一体となって営業に取り組むことができるのだろうか。ということが今回のテーマです。

これは私も日々頭を悩ませる部分です。

コンサルティングの現場において、戦略を作ることで困ることはあまりありません。

ある程度、勉強した人ならば、たぶん誰が作っても、同じような戦略になるはずです。

それより、難しいのは、チームのメンバーに戦略に従って行動してもらうことです。

なにしろメンバー一人一人が個性を持った人間ですから厄介です。

外部から来たコンサルのいうことを素直に聞いて、行動するとは限りません。

いや、ほとんどの場合、反発して、動くことを拒否したり、違う動きをしようとします。

営業に限らず、あらゆる人間は、現状を変えることを本能的に嫌う保守的な存在ですからね。

■厄介なのは、バラバラに動く営業組織だからといって、団結しないというわけではないということです。

どんな組織でも準拠集団としての居心地の良さや仲間意識は存在します。

会社生活を通じて一緒にいる時間が長いわけですから、外部の人間よりも信頼できる存在であることは間違いありません。

バラバラに動くというのは、それが居心地いいからです。(言い換えれば、都合がいいからです)

メンバーは「営業はバラバラでいいやんけ」という意識で団結しているわけです。

■居心地のいい「現状」という強固な壁を崩して、未来に向かうためには、ある程度の強いインパクトが必要になります。

人間が団結するのは、何かを共有している時です。

現状では記憶。同じチームの人間として一定の時間を共有しているメンバーは、団結心で結ばれています。

たとえ「このままでいいや」「なるべくラクしようぜ」という怠惰な姿勢だとしても、団結しています。

それを超えるような新たな団結を生むにはどうすればいいのか。

■一つは、もっと印象深い時間を共有することです。

私がコンサルティングにおいて、しばしば「合宿」という形式をとるのは、印象的な記憶を新たに作ってもらいたいという狙いがあります。

一晩泊まって、夜中まで議論して、酒を飲んで、寝不足で早朝からまた議論して。という経験は、それまでの日常的とは異質なものですから、新たな記憶として残ります。

合宿なんて古典的な方法だとして怪訝な目で見られたりしますが、実は効果絶大です。

■その印象的な時間に何をするのかというと、もう一つのインパクトである「危機感」の醸成です。

「このままでは危険だ」という意識は、メンバーを一致団結させます。

様々な角度から現状を理解し、このままの姿勢を続けていると、近い将来危機的状況になるかも知れないことを知っていただくのです。

健全な危機感を持つことは、チームを一丸にすることに有効です。

■危機感を植え付けるという手法は、よく使われます。

手っ取り早いのは、仮想敵を作ることですね。

特定の会社や人を「競合」や「抵抗勢力」と設定し、彼らへの警戒感や対抗心によって一丸となる方法は、安易ですが、効果的です。

スポーツ競技の応援が盛り上がるのは、仮想敵を設定しやすいからだと思います。

あるいは、力のある政治家などは、うまく抵抗勢力を設定して、自分への支持をとりつけようとします。

ただ安易だけにやりすぎると下品です。特定の人を悪者にして、自分たちを正義であるかのように考えるようになると、短絡的に過ぎるので、あくまでも健全な危機感という範囲にとどめておくべきです。

■さらに、もう一つのインパクトは「夢や目標」を持つことです。

皆が、イメージ豊かに感情移入できるような夢や目標を持つことができれば、団結心は強固になること間違いありません。

いわゆるビジョンですね。

この段階の目標は、細かな売り上げ数値などではなく、抽象的でもイメージできるようなものが望ましいです。

たとえば、この分野で世界一になる。でもいいですし、地域でナンバーワンになる。でもいい。従業員が誇りに思うチームになる。なんてのもいいでしょう。

抽象的だとそのイメージがメンバーによってバラバラになる恐れはありますが、その分、「世界一とはどういうことだろう」「地域ナンバーワンとはどういう状態だろう」と討議するテーマにすればいいのです。

なにしろ、成果を上げる秘訣は、成果とは何かを知ることです。

ここがイメージできていれば、実績向上が簡単になります。

■ちなみに、私は、ビジョンのことを「あるべき姿」と呼んでいます。

だから抽象的なものをイメージで描くようにしてもらいます。

そのうえで、そのあるべき姿が実現したというのはどういう状態なのかを検証する数値を設定します。

たとえば、地域ナンバーワンというには、市場シェアが40%以上になっていること。

世界一というからには、ある商品分野の出荷量が2位よりも大きいこと。

従業員が誇りに思う会社というからには、従業員満足度が90%以上であること。

などと、客観的に確認できる数値を設定することです。

さらには、いつまでにそれを達成するのか、という期限も設定します。

それで目標の完成です。

■そういえば欧米の経営理論には「ミッション」という言葉が出てきます。

使命などと訳されたりしますが、これは宗教用語ですから、日本人には理解しにくいものです。

意訳すれば「神との約束」とでもいうのでしょうかね。

だから日本人にはわかりにくくても、人格形成に宗教が深くかかわっている欧米人にとって、非常に重い概念であるようです。

たとえばグーグルのミッションは「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」です。

マイクロソフトのミッションは「世界中のすべての人々とビジネスの持つ可能性を最大限に引き出すための支援をすること」です。

ナイキのミッションは「人々の生活を豊かにする製品やサービスを通じて、株主の利益を最大化すること」です。

抽象的に思えるかもしれませんが、彼らにとって、それは神との約束ですから、やるやらないという議論の余地のないものです。

経営にはこのように理屈を超越した要素があるのです。

ですから私はビジョンの設定の部分に、なるべくイメージやストーリー的要素を入れることで、理屈だけで説明できない部分を表現しようと思っています。

■元に戻りますが、合宿という非日常な時間と空間は、ビジョンを作るうえで、とても有効です。

ビジョン作りをだらだらやるべきではありません。

それが日常になってしまえば、効果は薄れてしまいます。

一気に作るには、合宿のような形式がいいのです。

合宿が無理だとしても、集まって一気に作ってしまうことが重要です。

そうすれば、チームが一丸となりやすく、一定方向への勢いを持つことができます。

この勢いがとても重要なのです。

■孫子には「善く戦う者は、これを勢(せい)に求めて、人に責(もと)めず」という言葉があります。

勢とは、一定方向への流れ、勢いを表します。

つまり、巧みに戦う者は、個人の能力に頼るのではなく、全体の流れや勢いを重視するという意味です。

これは企業経営においてもあてはまります。

実績を上げるのに個々の働きに頼っているようではマネージャー失格です。

個々のメンバーが、一方向へ向いて行動するようにマネジメントするのが、優秀なマネージャーです。

そのためには、個別の事象にあれこれ注文をつけるよりも、まずはビジョンをしっかりと設定し、チームに浸透させて、勢いや雰囲気を作ること。

それなくして実績の向上はあり得ません。

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