温泉旅館を蘇らせるには

2011.04.07

(2011年3月24日メルマガより)


■先日、久しぶりにランチェスター戦略勉強会を開催しました。

たぶん、3か月ぶりぐらいではないでしょうか。

原因はひとえに私の不手際によるものです。

個人の仕事と勉強会の日程が重なる日が多く、延期が続いてしまいました。

ご迷惑をおかけして申し訳ございませんm(_ _)m

本来なら、私が参加できなくても、誰かがファシリテーター役を代わって、
開催すべきなのでしょうが、この会の性質上、それも適わず。

早急に体制を整備しなければならないと反省しております。

■さて、その久しぶりの勉強会のテーマが「温泉旅館の再生」でした。

日経ビジネスオンラインの記事を題材にしました。

実を言うと、私は、旅館業のことは殆ど知りません。コンサルティングの経
験もありません。

ただ、いつも参加してくださるメンバーの中に、旅館の再生を数多く手掛け
た大ベテランのコンサルタントがおられたので、その方から詳しいお話を聞
くことができました。

これは、異業種交流の様相を呈した当勉強会の醍醐味でしょうね。どんな題
材をもってしても、誰かが精通しているんですね。

私としても、非常に面白い勉強会でした。

久しぶりに開催した甲斐があったというものです^^

■このメルマガでは、その時の話を私なりに整理してみたいと思います。

整理好きな私は^^今回の話を、「ヒト、モノ、カネ、情報」という4つの
視点にまとめてみました。

■まずカネ。財務の視点です。

旅館業は装置産業であることをまず念頭に置く必要があります。

ことに温泉旅館を作るためには莫大な費用がかかりますから、宿命的に、固
定費がかかるビジネスです。

ただし、固定費を超える収入さえあれば、非常に儲かります。

だから旅館業を成功させるポイントは「損益分岐点を超える収入を得る」こ
とに尽きます。

当たり前やないけ!と突っ込む声が聞こえてきそうですね^^

でもまずここを押さえなければ決して成功できません。

■そこで、旅館を経営する者は、固定費を下げることに尽力します。

まずは、建築費。いかにコストを掛けずに顧客が納得するようなものを建築
できるか。

あまりにチープなのは、興醒めしてしまうのでバランスが難しいですが。

もっとも「再生案件」では、既に回収できないぐらいの固定費に喘いでいる
ところが殆どです。

さらに固定費を掛けるのは難しい。むしろ出血を止めるために、金融機関と
交渉することが、コンサルタントの最初の仕事となるようです。

■人件費の圧縮も大きなテーマです。

こちらもバランスが難しい。というのも、旅館にとって「おもてなし」は、
顧客の満足度に直結するからです。

単純に人減らしをしてしまえば、サービスが低下してしまいます。

ところが、実際には、多くの成功した旅館がこの難題に取り組んでいるよう
です。

驚いたのは、日本で最も満足度が高く「おもてなし」の極致をいくような和
倉温泉の「加賀屋」でさえも、人件費の問題には積極的に取り組んでいると
いうことが事例に書かれていたことです。

加賀屋では、ITの仕組みを使って、顧客の個人情報を集中管理して要望に
対応(料理の微調整や、カラオケの手配など)し、接客員はひたすら顧客に
接してサービスに徹するようにしているそうです。

これは人件費を削減するというよりも、人件費を最も効果的に使用する方法
を追求しているということです。

■次にモノの視点。

出血を止めただけでは旅館は再生しません。延命措置を施しただけです。

その旅館が赤字という病気から立ち直り、再び健康体になるためには、収入
を増やさなければなりません。

金融機関も、収入のあてもないのに、返済計画交渉に応じるはずがありませ
んしね。

そこで、どのようなサービスを提供し、収入を増やしていくのかという計画
を示す必要があります。

そもそも、再生案件ではなくても、損益分岐点を明確にするためには、どの
ようなサービスを提供するのかを決めておかねばなりません。

そのためには、誰を顧客にするのかというターゲットを決める必要があります。

個人向けの高級サービスでいくのか、団体客向けの一般的なサービスを提供
するのかでは、固定費のかけ方が変わってくるでしょうから。

■温泉旅館の魅力とは何でしょうか。

温泉そのもの。

旅館の立地によるロケーション。

部屋。

料理。

接客サービス。

こういったところでしょうか。

■やはり、基本は温泉そのものとロケーションでしょうか。

「○○温泉で、一番、眺めのいい露天風呂」

「○○温泉で、一番、広い大浴場」

こうした差別化が可能であれば、十分な武器になります。

もっとも、このような差別化ができるのは恵まれた一部の旅館に限られます。

今から、眺望のいい露天風呂を作ろう、とか言っていたら、さらに莫大な費
用がかかってしまいます。

部屋の改装もそれなりに費用がかかる。

ということで、多くの旅館は、料理と接客サービスに活路を求めます。

■特に個人客を相手にする場合、料理と接客サービスは生命線となります。

料理が不味くて、接客態度が悪い店には二度と行かないばかりか、2ちゃん
ねるに悪口を書き込むかもしれません^^;

やはりその土地の旬のものを美味しく調理されたものを出していただきたい
ものです。

■ざっとターゲットと適合サービスを挙げてみると、こうなりますか。

団体客→大浴場。大露天風呂。宴会場。カラオケ。

家族客→大浴場。アミューズメント施設。

女性客→料理。清潔な部屋。露天風呂。眺望。エステ。アロマ。

カップル→部屋風呂。貸切露天風呂。料理。風情のある部屋。

極端な話、大浴場、大宴会場、眺望のいい露天風呂があれば、料理はバイキ
ングでも構わないわけです。そうすると、低コストでサービス提供が可能に
なるので、団体客や家族客をターゲットにすることができます。

これに対して、ロケーションにも恵まれず、大掛かりな施設も無理だという
旅館は、女性客やカップルなど個人客をターゲットに絞り込まれたサービス
を競う「弱者の戦略」を強いられることになります。

■先ほど、料理と接客サービスは生命線であるといいましたが、実際には、
これらは不満足要因であっても、満足要因ではないのではないかと懸念します。

分りやすく言うと、料理が不味ければ怒りますが、料理が美味しくても「当
然だよ」という反応にしかならないのではないか。

あるいは「すごく美味しかったからまた来たいね」というレベルの料理だっ
たとしても、それはリピーターを呼ぶことにつながったとしても、集客には
つながらないのではないか。

例えば「幻の天然クエ料理が食べられる」「北海の蟹が食べ放題」「ヤシガ
ニを丸ごと堪能料理」とか打ち出すことができれば、集客に有効かも知れま
せんが、「海の幸三昧」「旬の山の幸料理」ぐらいでは、オプションの一つ
としてしか訴求力を持たないのではないか。

ということで、ここはやはりランチェスター戦略のいう「弱者の戦略」を丹
念に組み立てていく必要がありそうです。

(最も興味あるところでしょうが、この項は省略しますので^^)

■次に情報。ここでは販売情報とします。

どうすれば「差別化戦略」で打ち出そうと決めた「売り」を顧客に訴求する
ことができるのか。

正直にいって、ここはよく分りませんでした。

普通に考えれば「旅行代理店」や「旅行専門誌」への売り込み・訴求が基本
になるのだと思います。

それに加えて企業団体や組合、大企業の総務部などが直接営業の対象になる
のでしょう。

ただ、その世界を知らない私には、営業プロセスを組み立てることが出来ま
せんでした。営業コンサルタントとしていい加減なことはいえませんからね。

webサイトやtwitter、facebookを使ったインターネットを利用した方法に期
待をする向きがあるかも知れませんが、顧客接点としては未知数です。

むしろwebサイトやメールDMなどのツールは、個人客へのアフターフォロ
ーに有効に機能しそうです。実際にコンサルティングする際には、仕組みと
して構築するようにしたいですが、今のところ、やったことがないので何と
も言えません。

専門分野ゆえの奥ゆかしさとご了承ください。

■次にヒト。ここでは接客員です。

こちらも料理と同じく不満足要因だと私は思っていますが、接客サービスは
旅館の基礎部分ですから、ないがしろにすることはできません。

旅館業に対するコンサルティングをされている方に聞くと、コンサルタント
の仕事の多くが人材教育に関わるものなのだそうです。

なにしろ赤字に陥った旅館は、接客員の士気が低く、接客がぞんざい→リピ
ート客が来ない→さらに赤字→さらに士気が低下、というネガティブなスパ
イラルにはまっています。

これを立て直すには、基礎的なマナーや接遇を教えるだけでは十分ではあり
ません。

ここで参考になるのは、リッツカールトンやディズニーランドの人材育成の
あり方です。

参考:「リッツ・カールトン 超一流サービスの教科書」
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4532316847/lanchesterkan-22/ref=nosim

参考:「9割がバイトでも最高のスタッフに育つ ディズニーの教え方 」
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4806138894/lanchesterkan-22/ref=nosim

ごく単純にいうと「ビジョンや理念」を明確に打ち出して、その浸透を徹底
します。

時間がかかるように思えますが、それが最も確実なやり方であると、こうし
た従業員の士気の高い企業の事例が教えてくれます。

赤字にもがく多くの企業が、ビジョンや理念を「そんなもんでメシは食えん」
と小馬鹿にしていることが、なんとも残念です。

実際には「それでメシが食えるようになるまで徹底しよう」と思わなければ
ならないのです。

再生コンサルティングは、スピードが要求されますが、それでも接客員教育
だけは、端折ることができない部分だといいます。

ここは営業力の強化と同じです。

■というわけで、財務の問題から始まり、サービスをどうするのか、どのよ
うに販売していくのか、そして基盤となる人材をどう育成するのか、という
流れで書いてきました。

4つの視点に分けましたが、それぞれが密接につながっていることもご理解
いただけたのではないでしょうか。

ものすごくシンプルですが、これが温泉旅館を蘇らせるための方向性である
と、私は考えます。

■日本は温泉大国ですから、多くの温泉旅館があります。

しかも、その多くが、苦しんでいるようです。

なにしろ、レジャーの選択肢が拡がった上に、人口も少なくなっていくので、
供給過多の状況なのです。

その中で生き残る術は、戦略なくしてはあり得ません。

今回、挙げた内容は、そのエリアでナンバーワンの旅館になるという通常の
戦略に沿っています。

ただ、今の状況は、エリアそのものが衰退していっている状況です。

つまり、もう池の水が干上がっているのに、その中でナンバーワンだと言っ
ていても仕様がない。

そこで、エリア全体で差別化策を打ち出して再生していこうという試みが随
所で行われています。

その成功例が熊本県の黒川温泉です。

参考:「黒川温泉のドン後藤哲也の「再生」の法則」
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4022579897/lanchesterkan-22/ref=nosim

この本は、たった一人のビジョンと執念が、エリア全体を再生させたという
驚くべき話ですが、具体的かつ詳細で示唆に富んでいます。

ただし、この本の話については、また別の機会にお話したいと思います。

----------------------------------------------------------------------------------------------------

■われわれコンサルタントは、何らかのフレームワークを頭に持っています。

それが全体を見渡す視点となるからです。

いくら博学な人でも、全体像を見ることが出来なければ、些末事に囚われて
本質を見誤るかも知れません。

目につくところから解決していくという無勝手流のコンサルタントはいませ
ん。いたとしても、そんなのは信用してはいけません。

■今回使用したのは、「ヒト、モノ、カネ、情報」という非常に古典的です
がパワフルなフレームワークです。

結構使えますよ。

ただし、フレームワークは決して万能ではありません。

必ず例外として漏れ出てしまう事柄はあります。

だから、フレームワークに囚われすぎても本質を見誤る怖れがあります。

それを十分に理解した上で、使用しなければなりません。

私も気を付けますので。


(2011年3月24日メルマガより)


■先日、久しぶりにランチェスター戦略勉強会を開催しました。

たぶん、3か月ぶりぐらいではないでしょうか。

原因はひとえに私の不手際によるものです。

個人の仕事と勉強会の日程が重なる日が多く、延期が続いてしまいました。

ご迷惑をおかけして申し訳ございませんm(_ _)m

本来なら、私が参加できなくても、誰かがファシリテーター役を代わって、
開催すべきなのでしょうが、この会の性質上、それも適わず。

早急に体制を整備しなければならないと反省しております。

■さて、その久しぶりの勉強会のテーマが「温泉旅館の再生」でした。

日経ビジネスオンラインの記事を題材にしました。

実を言うと、私は、旅館業のことは殆ど知りません。コンサルティングの経
験もありません。

ただ、いつも参加してくださるメンバーの中に、旅館の再生を数多く手掛け
た大ベテランのコンサルタントがおられたので、その方から詳しいお話を聞
くことができました。

これは、異業種交流の様相を呈した当勉強会の醍醐味でしょうね。どんな題
材をもってしても、誰かが精通しているんですね。

私としても、非常に面白い勉強会でした。

久しぶりに開催した甲斐があったというものです^^

■このメルマガでは、その時の話を私なりに整理してみたいと思います。

整理好きな私は^^今回の話を、「ヒト、モノ、カネ、情報」という4つの
視点にまとめてみました。

■まずカネ。財務の視点です。

旅館業は装置産業であることをまず念頭に置く必要があります。

ことに温泉旅館を作るためには莫大な費用がかかりますから、宿命的に、固
定費がかかるビジネスです。

ただし、固定費を超える収入さえあれば、非常に儲かります。

だから旅館業を成功させるポイントは「損益分岐点を超える収入を得る」こ
とに尽きます。

当たり前やないけ!と突っ込む声が聞こえてきそうですね^^

でもまずここを押さえなければ決して成功できません。

■そこで、旅館を経営する者は、固定費を下げることに尽力します。

まずは、建築費。いかにコストを掛けずに顧客が納得するようなものを建築
できるか。

あまりにチープなのは、興醒めしてしまうのでバランスが難しいですが。

もっとも「再生案件」では、既に回収できないぐらいの固定費に喘いでいる
ところが殆どです。

さらに固定費を掛けるのは難しい。むしろ出血を止めるために、金融機関と
交渉することが、コンサルタントの最初の仕事となるようです。

■人件費の圧縮も大きなテーマです。

こちらもバランスが難しい。というのも、旅館にとって「おもてなし」は、
顧客の満足度に直結するからです。

単純に人減らしをしてしまえば、サービスが低下してしまいます。

ところが、実際には、多くの成功した旅館がこの難題に取り組んでいるよう
です。

驚いたのは、日本で最も満足度が高く「おもてなし」の極致をいくような和
倉温泉の「加賀屋」でさえも、人件費の問題には積極的に取り組んでいると
いうことが事例に書かれていたことです。

加賀屋では、ITの仕組みを使って、顧客の個人情報を集中管理して要望に
対応(料理の微調整や、カラオケの手配など)し、接客員はひたすら顧客に
接してサービスに徹するようにしているそうです。

これは人件費を削減するというよりも、人件費を最も効果的に使用する方法
を追求しているということです。

■次にモノの視点。

出血を止めただけでは旅館は再生しません。延命措置を施しただけです。

その旅館が赤字という病気から立ち直り、再び健康体になるためには、収入
を増やさなければなりません。

金融機関も、収入のあてもないのに、返済計画交渉に応じるはずがありませ
んしね。

そこで、どのようなサービスを提供し、収入を増やしていくのかという計画
を示す必要があります。

そもそも、再生案件ではなくても、損益分岐点を明確にするためには、どの
ようなサービスを提供するのかを決めておかねばなりません。

そのためには、誰を顧客にするのかというターゲットを決める必要があります。

個人向けの高級サービスでいくのか、団体客向けの一般的なサービスを提供
するのかでは、固定費のかけ方が変わってくるでしょうから。

■温泉旅館の魅力とは何でしょうか。

温泉そのもの。

旅館の立地によるロケーション。

部屋。

料理。

接客サービス。

こういったところでしょうか。

■やはり、基本は温泉そのものとロケーションでしょうか。

「○○温泉で、一番、眺めのいい露天風呂」

「○○温泉で、一番、広い大浴場」

こうした差別化が可能であれば、十分な武器になります。

もっとも、このような差別化ができるのは恵まれた一部の旅館に限られます。

今から、眺望のいい露天風呂を作ろう、とか言っていたら、さらに莫大な費
用がかかってしまいます。

部屋の改装もそれなりに費用がかかる。

ということで、多くの旅館は、料理と接客サービスに活路を求めます。

■特に個人客を相手にする場合、料理と接客サービスは生命線となります。

料理が不味くて、接客態度が悪い店には二度と行かないばかりか、2ちゃん
ねるに悪口を書き込むかもしれません^^;

やはりその土地の旬のものを美味しく調理されたものを出していただきたい
ものです。

■ざっとターゲットと適合サービスを挙げてみると、こうなりますか。

団体客→大浴場。大露天風呂。宴会場。カラオケ。

家族客→大浴場。アミューズメント施設。

女性客→料理。清潔な部屋。露天風呂。眺望。エステ。アロマ。

カップル→部屋風呂。貸切露天風呂。料理。風情のある部屋。

極端な話、大浴場、大宴会場、眺望のいい露天風呂があれば、料理はバイキ
ングでも構わないわけです。そうすると、低コストでサービス提供が可能に
なるので、団体客や家族客をターゲットにすることができます。

これに対して、ロケーションにも恵まれず、大掛かりな施設も無理だという
旅館は、女性客やカップルなど個人客をターゲットに絞り込まれたサービス
を競う「弱者の戦略」を強いられることになります。

■先ほど、料理と接客サービスは生命線であるといいましたが、実際には、
これらは不満足要因であっても、満足要因ではないのではないかと懸念します。

分りやすく言うと、料理が不味ければ怒りますが、料理が美味しくても「当
然だよ」という反応にしかならないのではないか。

あるいは「すごく美味しかったからまた来たいね」というレベルの料理だっ
たとしても、それはリピーターを呼ぶことにつながったとしても、集客には
つながらないのではないか。

例えば「幻の天然クエ料理が食べられる」「北海の蟹が食べ放題」「ヤシガ
ニを丸ごと堪能料理」とか打ち出すことができれば、集客に有効かも知れま
せんが、「海の幸三昧」「旬の山の幸料理」ぐらいでは、オプションの一つ
としてしか訴求力を持たないのではないか。

ということで、ここはやはりランチェスター戦略のいう「弱者の戦略」を丹
念に組み立てていく必要がありそうです。

(最も興味あるところでしょうが、この項は省略しますので^^)

■次に情報。ここでは販売情報とします。

どうすれば「差別化戦略」で打ち出そうと決めた「売り」を顧客に訴求する
ことができるのか。

正直にいって、ここはよく分りませんでした。

普通に考えれば「旅行代理店」や「旅行専門誌」への売り込み・訴求が基本
になるのだと思います。

それに加えて企業団体や組合、大企業の総務部などが直接営業の対象になる
のでしょう。

ただ、その世界を知らない私には、営業プロセスを組み立てることが出来ま
せんでした。営業コンサルタントとしていい加減なことはいえませんからね。

webサイトやtwitter、facebookを使ったインターネットを利用した方法に期
待をする向きがあるかも知れませんが、顧客接点としては未知数です。

むしろwebサイトやメールDMなどのツールは、個人客へのアフターフォロ
ーに有効に機能しそうです。実際にコンサルティングする際には、仕組みと
して構築するようにしたいですが、今のところ、やったことがないので何と
も言えません。

専門分野ゆえの奥ゆかしさとご了承ください。

■次にヒト。ここでは接客員です。

こちらも料理と同じく不満足要因だと私は思っていますが、接客サービスは
旅館の基礎部分ですから、ないがしろにすることはできません。

旅館業に対するコンサルティングをされている方に聞くと、コンサルタント
の仕事の多くが人材教育に関わるものなのだそうです。

なにしろ赤字に陥った旅館は、接客員の士気が低く、接客がぞんざい→リピ
ート客が来ない→さらに赤字→さらに士気が低下、というネガティブなスパ
イラルにはまっています。

これを立て直すには、基礎的なマナーや接遇を教えるだけでは十分ではあり
ません。

ここで参考になるのは、リッツカールトンやディズニーランドの人材育成の
あり方です。

参考:「リッツ・カールトン 超一流サービスの教科書」
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4532316847/lanchesterkan-22/ref=nosim

参考:「9割がバイトでも最高のスタッフに育つ ディズニーの教え方 」
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4806138894/lanchesterkan-22/ref=nosim

ごく単純にいうと「ビジョンや理念」を明確に打ち出して、その浸透を徹底
します。

時間がかかるように思えますが、それが最も確実なやり方であると、こうし
た従業員の士気の高い企業の事例が教えてくれます。

赤字にもがく多くの企業が、ビジョンや理念を「そんなもんでメシは食えん」
と小馬鹿にしていることが、なんとも残念です。

実際には「それでメシが食えるようになるまで徹底しよう」と思わなければ
ならないのです。

再生コンサルティングは、スピードが要求されますが、それでも接客員教育
だけは、端折ることができない部分だといいます。

ここは営業力の強化と同じです。

■というわけで、財務の問題から始まり、サービスをどうするのか、どのよ
うに販売していくのか、そして基盤となる人材をどう育成するのか、という
流れで書いてきました。

4つの視点に分けましたが、それぞれが密接につながっていることもご理解
いただけたのではないでしょうか。

ものすごくシンプルですが、これが温泉旅館を蘇らせるための方向性である
と、私は考えます。

■日本は温泉大国ですから、多くの温泉旅館があります。

しかも、その多くが、苦しんでいるようです。

なにしろ、レジャーの選択肢が拡がった上に、人口も少なくなっていくので、
供給過多の状況なのです。

その中で生き残る術は、戦略なくしてはあり得ません。

今回、挙げた内容は、そのエリアでナンバーワンの旅館になるという通常の
戦略に沿っています。

ただ、今の状況は、エリアそのものが衰退していっている状況です。

つまり、もう池の水が干上がっているのに、その中でナンバーワンだと言っ
ていても仕様がない。

そこで、エリア全体で差別化策を打ち出して再生していこうという試みが随
所で行われています。

その成功例が熊本県の黒川温泉です。

参考:「黒川温泉のドン後藤哲也の「再生」の法則」
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4022579897/lanchesterkan-22/ref=nosim

この本は、たった一人のビジョンと執念が、エリア全体を再生させたという
驚くべき話ですが、具体的かつ詳細で示唆に富んでいます。

ただし、この本の話については、また別の機会にお話したいと思います。

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■われわれコンサルタントは、何らかのフレームワークを頭に持っています。

それが全体を見渡す視点となるからです。

いくら博学な人でも、全体像を見ることが出来なければ、些末事に囚われて
本質を見誤るかも知れません。

目につくところから解決していくという無勝手流のコンサルタントはいませ
ん。いたとしても、そんなのは信用してはいけません。

■今回使用したのは、「ヒト、モノ、カネ、情報」という非常に古典的です
がパワフルなフレームワークです。

結構使えますよ。

ただし、フレームワークは決して万能ではありません。

必ず例外として漏れ出てしまう事柄はあります。

だから、フレームワークに囚われすぎても本質を見誤る怖れがあります。

それを十分に理解した上で、使用しなければなりません。

私も気を付けますので。


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