良いモノを作りさえすれば売れるのか

2007.11.08


(2007年11月8日メルマガより)

■最近、営業系のセミナーや研修をする時は、「マーケティングセンステス
ト」なるものをしてもらうようにしています。

センスといえばなにやら怪しげですが、要するに、営業に対する姿勢や考え
方、感じ方を見るわけです。

その第1問目が「商品がよければ必ず売れると思いますか?」

いわば、例題みたいなもんです。こういう問題が出ますよーという。

ところがこの例題にいきなりひっかかる人が未だにいます。それも結構の人
数で@_@;

「商品がよくても売れるとは限りませんよ!」
「商品が良いことと、売れることとは因果関係がないといってもいいぐらいだ!」
言い続けて苦節4年。。。まだまだ言い足りないようですな。

■もっともそう発言する営業マンの多くは、営業実績が上がらないのを商品
のせいにしようとする逃避的思考の結果ですから、まあいいでしょう。(よ
くないですけど)

問題は、本気で「商品さえよければ売れるはずだ」と考えている人がいるこ
とです。これは、製造業の社長などに多い。。。未だに多いようです。

■日経ベンチャー11月号に雪国まいたけの社長の話が載っています。

雪国まいたけといえば、まいたけの大量生産に成功し、後に、えりんぎ、し
めじ、もやしなどの事業化を進めて、いまや売上高200億円を超える東証
2部上場企業です。

そんな雪国まいたけが、もやしの開発を達成した時の話。

同社は、他の商品の製造過程で出る廃棄物を利用して、もやしの製造をする
ことを思いつき、そのために従来の半分の価格で提供できる製品を開発しま
した。

高級品である根切りタイプのもやしが半額で!
(といってもそれがどれだけすごいのか私には分かりませんが...)
ともかくすごいんでしょう。

「こんないい商品だから絶対に売れる!」社長がそう思ったとしても無理は
ありません。

ところが、ビジネスはそう単純なものではない。いいものが売れたら、それ
は相当ラッキーです。そんなラッキーに同社は見舞われなかったようです。

「なんでこんないい商品が売れないんだーー」というわけです。

■実はこういうことはよくあります。

世界一の商品が売れるとは限らない。実際、世界一すばらしい商品が歴史の
中に埋もれていることも多いでしょう。

逆説的に言うと、売れないんだから、それはいい商品でも何でもなかったわ
けです。
こういう皮肉な言い方は好きじゃないですけどね。。

■ビジネスが成立するためには、最低4つ要素が必要です。

お客さん、商品、販売方法、ライバルとの違いです。

商品はその1つでしかない。

それを欲しいと思うお客さんがいてはじめて商品の評価が下されるわけです
から、「売れないのはいい商品ではない」という言い方もあながち皮肉ばか
りではありませんね。

この雪国もやしの場合、「いいものが安いんだからお客さんは欲しがるだろ
う」という推測のもとに成り立っています。

大抵は、この消費者に対する勝手な思い込みの時点で間違いを犯しています。

■もっともこの場合は、間違いではありませんでした。実際に、消費者はそ
んないいものが安いなら欲しいと思っていたようです。では、なぜ売れない
のか。

実は、流通業者が売るのを嫌がったのです。

ここに「お客さんが欲しがるものは流通業者は扱うはずだ」という誤解があ
ります。

誤解です。実際には、この時、流通業者は自社の売上と利益を最優先してい
ました。

だからそんなに安い商品を市場に導入されたら困るわけです。

■雪国まいたけの社長はこの"からくり"に気がつき、乾坤一擲の策に出ます。

テレビCMの製作です。

いくら上場企業といっても、テレビCM制作の莫大な投資コストは痛い出費
です。

しかし同社は、テレビCMによる消費者の認知度アップ→流通業に対するプ
レシャー→商品を扱わざるを得ないように持っていく、というシナリオを描
きました。

これは、流通業者に対するアピールだったんですね。

■そのCMが、かの有名な、はなわが歌う「雪国まいたけのもやしは、高い
から買うなー」というやつです。高いどころか、半値の商品を高いという逆
説CMです。

すごいインパクトで話題沸騰したのは記憶に新しいのではありませんか?
(もっとも関西では一部しか流れなかったのかも知れませんが)

あの逆説CMばかりがクローズアップされてしまい、プロモーション手段の
成功事例であると安易に捉えてもらっては困るんですが、実際には流通業者
の壁を破ろうという目的があったわけですね。

■この話を聞いて思い出すのが、食品メーカーフジッコの事例です。

同社も当初からフジッコブランドの商品を全国で販売していたわけではあり
ません。

売りたくても売れません。というのは、小売店に大きな影響力を持っている
卸業者は、既存メーカーに押さえられてしまい入り込む余地がありません。

今なら直接販売するためのインフラも整備されているのですが、当時はそう
はいきません。問屋さんの力がどうしても必要だったのです。

■そこでフジッコがとった手段は、「小売店に無料配布する」という方法で
す。

営業マンが、どぶ板営業的に、商品を無料配布して回ったわけです。「食べ
てください。よければそのまま売ってくれても結構です」と言いながら。

問屋が扱わないならただで配ってやる。思い切った手段ですね。

フジッコのシナリオは、小売店がただでもらったものを店で販売する→売れ
たら仕入れたくなり、問屋にプレッシャーをかける→問屋からフジッコに分
けてくれと言わせる、というものです。

商品力に自信があるからこそとれた手段です。

しかし、フジッコといい、雪国まいたけといい相当の投資です。勇気ある決
断ですね。
リスクなければリターンなしという好事例です。

■「商品がよければ必ず売れる」という社長は、実は、こうした販売に対す
る投資を考えてもいないのではないか、私はそう疑っています。

実際には、販売には開発と同じかそれ以上のコストがかかります。

雪国まいたけの社長も、良いモノを作りさえすれば売れるほど世の中は単純
ではないことを「経営者人生32年目にして痛感した」と告白しています。


(2007年11月8日メルマガより)

■最近、営業系のセミナーや研修をする時は、「マーケティングセンステス
ト」なるものをしてもらうようにしています。

センスといえばなにやら怪しげですが、要するに、営業に対する姿勢や考え
方、感じ方を見るわけです。

その第1問目が「商品がよければ必ず売れると思いますか?」

いわば、例題みたいなもんです。こういう問題が出ますよーという。

ところがこの例題にいきなりひっかかる人が未だにいます。それも結構の人
数で@_@;

「商品がよくても売れるとは限りませんよ!」
「商品が良いことと、売れることとは因果関係がないといってもいいぐらいだ!」
言い続けて苦節4年。。。まだまだ言い足りないようですな。

■もっともそう発言する営業マンの多くは、営業実績が上がらないのを商品
のせいにしようとする逃避的思考の結果ですから、まあいいでしょう。(よ
くないですけど)

問題は、本気で「商品さえよければ売れるはずだ」と考えている人がいるこ
とです。これは、製造業の社長などに多い。。。未だに多いようです。

■日経ベンチャー11月号に雪国まいたけの社長の話が載っています。

雪国まいたけといえば、まいたけの大量生産に成功し、後に、えりんぎ、し
めじ、もやしなどの事業化を進めて、いまや売上高200億円を超える東証
2部上場企業です。

そんな雪国まいたけが、もやしの開発を達成した時の話。

同社は、他の商品の製造過程で出る廃棄物を利用して、もやしの製造をする
ことを思いつき、そのために従来の半分の価格で提供できる製品を開発しま
した。

高級品である根切りタイプのもやしが半額で!
(といってもそれがどれだけすごいのか私には分かりませんが...)
ともかくすごいんでしょう。

「こんないい商品だから絶対に売れる!」社長がそう思ったとしても無理は
ありません。

ところが、ビジネスはそう単純なものではない。いいものが売れたら、それ
は相当ラッキーです。そんなラッキーに同社は見舞われなかったようです。

「なんでこんないい商品が売れないんだーー」というわけです。

■実はこういうことはよくあります。

世界一の商品が売れるとは限らない。実際、世界一すばらしい商品が歴史の
中に埋もれていることも多いでしょう。

逆説的に言うと、売れないんだから、それはいい商品でも何でもなかったわ
けです。
こういう皮肉な言い方は好きじゃないですけどね。。

■ビジネスが成立するためには、最低4つ要素が必要です。

お客さん、商品、販売方法、ライバルとの違いです。

商品はその1つでしかない。

それを欲しいと思うお客さんがいてはじめて商品の評価が下されるわけです
から、「売れないのはいい商品ではない」という言い方もあながち皮肉ばか
りではありませんね。

この雪国もやしの場合、「いいものが安いんだからお客さんは欲しがるだろ
う」という推測のもとに成り立っています。

大抵は、この消費者に対する勝手な思い込みの時点で間違いを犯しています。

■もっともこの場合は、間違いではありませんでした。実際に、消費者はそ
んないいものが安いなら欲しいと思っていたようです。では、なぜ売れない
のか。

実は、流通業者が売るのを嫌がったのです。

ここに「お客さんが欲しがるものは流通業者は扱うはずだ」という誤解があ
ります。

誤解です。実際には、この時、流通業者は自社の売上と利益を最優先してい
ました。

だからそんなに安い商品を市場に導入されたら困るわけです。

■雪国まいたけの社長はこの"からくり"に気がつき、乾坤一擲の策に出ます。

テレビCMの製作です。

いくら上場企業といっても、テレビCM制作の莫大な投資コストは痛い出費
です。

しかし同社は、テレビCMによる消費者の認知度アップ→流通業に対するプ
レシャー→商品を扱わざるを得ないように持っていく、というシナリオを描
きました。

これは、流通業者に対するアピールだったんですね。

■そのCMが、かの有名な、はなわが歌う「雪国まいたけのもやしは、高い
から買うなー」というやつです。高いどころか、半値の商品を高いという逆
説CMです。

すごいインパクトで話題沸騰したのは記憶に新しいのではありませんか?
(もっとも関西では一部しか流れなかったのかも知れませんが)

あの逆説CMばかりがクローズアップされてしまい、プロモーション手段の
成功事例であると安易に捉えてもらっては困るんですが、実際には流通業者
の壁を破ろうという目的があったわけですね。

■この話を聞いて思い出すのが、食品メーカーフジッコの事例です。

同社も当初からフジッコブランドの商品を全国で販売していたわけではあり
ません。

売りたくても売れません。というのは、小売店に大きな影響力を持っている
卸業者は、既存メーカーに押さえられてしまい入り込む余地がありません。

今なら直接販売するためのインフラも整備されているのですが、当時はそう
はいきません。問屋さんの力がどうしても必要だったのです。

■そこでフジッコがとった手段は、「小売店に無料配布する」という方法で
す。

営業マンが、どぶ板営業的に、商品を無料配布して回ったわけです。「食べ
てください。よければそのまま売ってくれても結構です」と言いながら。

問屋が扱わないならただで配ってやる。思い切った手段ですね。

フジッコのシナリオは、小売店がただでもらったものを店で販売する→売れ
たら仕入れたくなり、問屋にプレッシャーをかける→問屋からフジッコに分
けてくれと言わせる、というものです。

商品力に自信があるからこそとれた手段です。

しかし、フジッコといい、雪国まいたけといい相当の投資です。勇気ある決
断ですね。
リスクなければリターンなしという好事例です。

■「商品がよければ必ず売れる」という社長は、実は、こうした販売に対す
る投資を考えてもいないのではないか、私はそう疑っています。

実際には、販売には開発と同じかそれ以上のコストがかかります。

雪国まいたけの社長も、良いモノを作りさえすれば売れるほど世の中は単純
ではないことを「経営者人生32年目にして痛感した」と告白しています。

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