「三国志」の戦いで勝敗が決する要因とは?

2014.07.10

(2014年7月10日メルマガより)



■ゆえあって「三国志」を再読しています。


何を隠そう、私は三国志のファンです。

フリークとまではいかないかな...

とにかく、若い頃から三国志関連の本には馴染んできました。

きっかけは、吉川英治版の「三国志」でした。
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4062761866/lanchesterkan-22/ref=nosim

面白かったなーー

それからは、三国志と名のつくものには一通り目を通さずにはいられませんでした。

■今回、再読しているのは、横山光輝の漫画版「三国志」です。
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4267890013/lanchesterkan-22/ref=nosim

これがまた面白い^^

漫画だと侮ってはいけません。

文庫版で全30巻(単行本は全60巻)

実に詳細にこの壮大な物語を描き切っています。

■ちなみに「三国志」とは、中国の後漢末期から晋建国までを描いた歴史書です。

扱う時代は、西暦180年~280年。

日本は弥生時代から邪馬台国のあたりですね。

中国では400年続いた漢の力が衰えて、各地に戦乱が起こります。

群雄の中からたち現れた3つの国(魏・蜀・呉)の趨勢を百年のスパンで描いたのが、壮大な「三国志」の世界です。

作者は、晋の官吏であった陳寿。自分の父親が三国志に登場するそうです。

ちなみに邪馬台国の記述があることで有名な「魏志倭人伝」は、この「三国志」の中の「魏志」の中に書かれているものです。

■その1200年後、明の時代に書かれたのが「三国志演義」です。

これは、いわば、歴史を面白おかしく構成しなおした小説です。

作者の羅貫中は「事実七分、虚構三分」と称していますが、確かに登場人物のキャラクター設定に恣意的なものが目立ちます。

例えば、劉備玄徳の「いい人化」、曹操の「悪人化」、孔明の「神格化」などです。

ただし、作者の考えでキャラクター設定したというよりは、巷間の言い伝えや民話の類を集積して作られているという方が正しいようです。

当時の中国の人々にも、敗者である劉備や孔明を応援する判官びいきの気持ちが強かったのでしょう。

もっとも歴史書という位置づけの「三国志」も、事実そのままではないといわれています。

というのも、作者の陳寿自身が当事者であるし、晋の官吏でもあるため、いろいろと制約のある中で書かざるを得ないからです。

歴史書といっても鵜呑みにできません。

■この「三国志演義」を小説化したのが我が国の吉川英治です。(昭和18年完成)

といっても、単なる翻訳本ではなく、吉川英治なりの脚色が大胆に施された「吉川版三国志」です。

これが、とにかく面白い!

まあ、騙されたと思って読んでみてください。

絶対にはまりますから^^

日本人が三国志に思い描くイメージは、ほぼ吉川英治の小説に書かれたイメージに外なりません。

だから日本で三国志がこれほど人気なのは、ひとえに吉川英治の小説が面白かったからだということでしょう。

今回、私が読んでいる横山光輝の漫画版も、吉川英治の小説の影響化で書かれています。

こちらも面白いですよーー

■今回その横山光輝の漫画「三国志」を読み返してみて、気づいたことがあります。

「三国志」という物語は、個性の強い英雄たちが大活躍する冒険活劇ではありません。

それは、全編を通じて、リアルな権謀詐術の物語です。

確かに、関羽や張飛、諸葛孔明といった強烈な英雄は数多く登場しますし、彼らの活躍の場面が多く設けられています。

張飛は一人で軍隊を押しとどめる活躍をしますし、呂布という無敵の武将も登場します。

ただし、彼らが個人のパワーで勝敗を決する場面は殆どありません。

いくら英雄でも、兵力数が足りなければ勝てませんし、城にこもる敵を一撃で倒すこともできません。

勝敗が決まるのは、油断している敵に奇襲をかけた時、おとりの軍を使って敵をおびき出し、伏兵が後ろから叩く時。

あるいは、調略で敵の部下を寝返らせて、力を削いだ時など。

人々は、自分の命が危なくなれば裏切っても長らえようとするし、それが当たり前の世界だとして描かれます。

実にリアルな現実を描いた物語なのですね。

■私が「三国志」を繰り返し読んでも飽きないのは、まさにこの一点です。

たとえ「三国志演義」が、物語として面白おかしく脚色されていたとしても、やはりそれは現実を描いているのです。

たとえ主人公の劉備玄徳が必要以上に忠義の人として描かれていようと、諸葛孔明が幻術師のように描かれていようと、登場人物の殆どは血の通った人間として描かれているのです。

たとえ関羽や張飛が千人力の超人として描かれようと、力任せに戦って勝つことはないのです。

■これはまさに「孫子」の描いた戦争の現実です。

参考:孫子の兵法を学ぶ
http://www.createvalue.biz/news/post-204.html

戦いに勝っても、自軍の損害が大きければ、喜ばしいことではありません。

できれば戦わずに無傷で生き延びたいというのが、当事者の本音です。

「百戦百勝は善の善なる者にあらざるなり。戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり」(孫子「謀攻篇」)

百回戦って全て勝ったとしてもそれはベストではありません。戦わずに、相手を屈服させることがベストです。

では、戦わずに相手を屈服させるにはどうすればいいのか?

相手に、とても敵わないから屈服しようと思わせるためにはどうすればいいのか?

■その鍵は情報を操れるかどうかです。

「三国志」でも、戦いの際に必ず登場するのが、間者(スパイ)です。

「孫子」では、一章(用間篇)のほぼ丸々使って、スパイの重要性について書かれています。

そこには5種類の間者について紹介されています。

郷間:敵国の領民を使った間者。

内間:敵の役人を買収した間者。

反間:敵の間者を買収した間者。

死間:敵国に侵入し偽の情報をバラまく間者。

生間:敵国から情報を持って帰る間者。

こうした間者からもたらされる情報によって、莫大な費用がかかる戦争を回避したりもできます。

あるいは偽の情報を流すことで戦わずして屈服させることも可能になるのです。

■とにかく「孫子」には情報の重要性が繰り返し書かれています。

「彼を知り、己を知れば、百戦してあやうからず」という有名な言葉もそうです。

別のところには、間者に支払う報酬をケチるような君主はダメだ、などと書かれています。

戦争に勝つも負けるも情報が鍵です。

それ以前の生き残るための処し方も情報がなければ判断しようがありません。

■この話は、そのまま会社経営に当てはまりますね。

経営においても、市場や競合の情報を正確に知ることは、この上もなく重要です。

そもそも情報もなしに、あてずっぽうで経営していたら、危ういことこの上なし。

経営者たるもの情報を自在に操ることで、経営を軌道に乗せることができるのです。

ビジネスにおいて間者の役割を果たすべきはなにか?

それは営業担当者に外なりません。

このメルマガのタイトル通り、営業はただの「売り子」ではありません。

営業は、顧客やライバル会社の情報を収集して自社に持ち帰り、また自社の情報をある意図をもって顧客やライバル会社に伝えるべき存在なのです。

売るというのは、その延長線上にある行為です。

ただの売るだけの営業など、木偶でできた人形ぐらいの価値しかない、と私は考えています。

そうじゃないと、企業は現場の反射神経のみで生きる存在となり、いつまでたっても情報は蓄積されず、戦略も売る仕組みを作ることができません。

■だから優秀な営業は、知るべき情報を的確に知っています。

特に経営者が期待するのは、現場に訪問しないと得られない一次情報です。

インターネットや調査会社が調べられるような情報は、1年以上遅れた情報のはず。

業績、財務内容、人材などの情報は、レアでないと意味がありません。

あるいは、顧客のニーズやウォンツ。悩み、課題。

競合会社の動きや戦略方向性。

こうした現場にいる者でしか得られないような情報があるからこそ、タイムリーな戦略や戦術を作ることができるわけです。

少なくとも、自分が担当する顧客に関しては、レアな情報を集めて報告するという癖をつけたいものです。

そんなの当たり前だーと言われそうですね。しかし、これは根の深い問題ですよ。

売るだけにしか意識が向かないというのは、営業を一面的に見ているということです。

全体の構造を全く見ていない。

そんな見識で会社の看板を背負って営業してもらっては困るのではないでしょうか。

■どうもこうした営業の基本的な姿勢に関しては、分からない、分かろうとしない人に対して、理解してもらうことは非常に難しいものです。

前回のお話しともつながりますが、売るだけにしか意識がない営業は、マネージャーにはなってはダメです。

なってもロクなものにはなりませんし。

「三国志」の世界なら、情報を軽視する将軍はすぐに死んでしまうでしょうから、言うまでもないことなのですが、ビジネスの世界では死ぬことはないので厄介です^^;

業績の悪い組織は、こうした能力のないマネージャーが全体の中に紛れてしまっています。

全体の業績が上がれば、彼らはあぶりだされてくるのですが、そもそも彼らが多勢である組織は業績が低迷してしまいます。

卵が先か、鶏が先か。みたいなもので厄介ですな。

いっそのこと、根本的に組織を治療しないと手遅れになってしまいますね。

(2014年7月10日メルマガより)



■ゆえあって「三国志」を再読しています。


何を隠そう、私は三国志のファンです。

フリークとまではいかないかな...

とにかく、若い頃から三国志関連の本には馴染んできました。

きっかけは、吉川英治版の「三国志」でした。
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4062761866/lanchesterkan-22/ref=nosim

面白かったなーー

それからは、三国志と名のつくものには一通り目を通さずにはいられませんでした。

■今回、再読しているのは、横山光輝の漫画版「三国志」です。
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4267890013/lanchesterkan-22/ref=nosim

これがまた面白い^^

漫画だと侮ってはいけません。

文庫版で全30巻(単行本は全60巻)

実に詳細にこの壮大な物語を描き切っています。

■ちなみに「三国志」とは、中国の後漢末期から晋建国までを描いた歴史書です。

扱う時代は、西暦180年~280年。

日本は弥生時代から邪馬台国のあたりですね。

中国では400年続いた漢の力が衰えて、各地に戦乱が起こります。

群雄の中からたち現れた3つの国(魏・蜀・呉)の趨勢を百年のスパンで描いたのが、壮大な「三国志」の世界です。

作者は、晋の官吏であった陳寿。自分の父親が三国志に登場するそうです。

ちなみに邪馬台国の記述があることで有名な「魏志倭人伝」は、この「三国志」の中の「魏志」の中に書かれているものです。

■その1200年後、明の時代に書かれたのが「三国志演義」です。

これは、いわば、歴史を面白おかしく構成しなおした小説です。

作者の羅貫中は「事実七分、虚構三分」と称していますが、確かに登場人物のキャラクター設定に恣意的なものが目立ちます。

例えば、劉備玄徳の「いい人化」、曹操の「悪人化」、孔明の「神格化」などです。

ただし、作者の考えでキャラクター設定したというよりは、巷間の言い伝えや民話の類を集積して作られているという方が正しいようです。

当時の中国の人々にも、敗者である劉備や孔明を応援する判官びいきの気持ちが強かったのでしょう。

もっとも歴史書という位置づけの「三国志」も、事実そのままではないといわれています。

というのも、作者の陳寿自身が当事者であるし、晋の官吏でもあるため、いろいろと制約のある中で書かざるを得ないからです。

歴史書といっても鵜呑みにできません。

■この「三国志演義」を小説化したのが我が国の吉川英治です。(昭和18年完成)

といっても、単なる翻訳本ではなく、吉川英治なりの脚色が大胆に施された「吉川版三国志」です。

これが、とにかく面白い!

まあ、騙されたと思って読んでみてください。

絶対にはまりますから^^

日本人が三国志に思い描くイメージは、ほぼ吉川英治の小説に書かれたイメージに外なりません。

だから日本で三国志がこれほど人気なのは、ひとえに吉川英治の小説が面白かったからだということでしょう。

今回、私が読んでいる横山光輝の漫画版も、吉川英治の小説の影響化で書かれています。

こちらも面白いですよーー

■今回その横山光輝の漫画「三国志」を読み返してみて、気づいたことがあります。

「三国志」という物語は、個性の強い英雄たちが大活躍する冒険活劇ではありません。

それは、全編を通じて、リアルな権謀詐術の物語です。

確かに、関羽や張飛、諸葛孔明といった強烈な英雄は数多く登場しますし、彼らの活躍の場面が多く設けられています。

張飛は一人で軍隊を押しとどめる活躍をしますし、呂布という無敵の武将も登場します。

ただし、彼らが個人のパワーで勝敗を決する場面は殆どありません。

いくら英雄でも、兵力数が足りなければ勝てませんし、城にこもる敵を一撃で倒すこともできません。

勝敗が決まるのは、油断している敵に奇襲をかけた時、おとりの軍を使って敵をおびき出し、伏兵が後ろから叩く時。

あるいは、調略で敵の部下を寝返らせて、力を削いだ時など。

人々は、自分の命が危なくなれば裏切っても長らえようとするし、それが当たり前の世界だとして描かれます。

実にリアルな現実を描いた物語なのですね。

■私が「三国志」を繰り返し読んでも飽きないのは、まさにこの一点です。

たとえ「三国志演義」が、物語として面白おかしく脚色されていたとしても、やはりそれは現実を描いているのです。

たとえ主人公の劉備玄徳が必要以上に忠義の人として描かれていようと、諸葛孔明が幻術師のように描かれていようと、登場人物の殆どは血の通った人間として描かれているのです。

たとえ関羽や張飛が千人力の超人として描かれようと、力任せに戦って勝つことはないのです。

■これはまさに「孫子」の描いた戦争の現実です。

参考:孫子の兵法を学ぶ
http://www.createvalue.biz/news/post-204.html

戦いに勝っても、自軍の損害が大きければ、喜ばしいことではありません。

できれば戦わずに無傷で生き延びたいというのが、当事者の本音です。

「百戦百勝は善の善なる者にあらざるなり。戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり」(孫子「謀攻篇」)

百回戦って全て勝ったとしてもそれはベストではありません。戦わずに、相手を屈服させることがベストです。

では、戦わずに相手を屈服させるにはどうすればいいのか?

相手に、とても敵わないから屈服しようと思わせるためにはどうすればいいのか?

■その鍵は情報を操れるかどうかです。

「三国志」でも、戦いの際に必ず登場するのが、間者(スパイ)です。

「孫子」では、一章(用間篇)のほぼ丸々使って、スパイの重要性について書かれています。

そこには5種類の間者について紹介されています。

郷間:敵国の領民を使った間者。

内間:敵の役人を買収した間者。

反間:敵の間者を買収した間者。

死間:敵国に侵入し偽の情報をバラまく間者。

生間:敵国から情報を持って帰る間者。

こうした間者からもたらされる情報によって、莫大な費用がかかる戦争を回避したりもできます。

あるいは偽の情報を流すことで戦わずして屈服させることも可能になるのです。

■とにかく「孫子」には情報の重要性が繰り返し書かれています。

「彼を知り、己を知れば、百戦してあやうからず」という有名な言葉もそうです。

別のところには、間者に支払う報酬をケチるような君主はダメだ、などと書かれています。

戦争に勝つも負けるも情報が鍵です。

それ以前の生き残るための処し方も情報がなければ判断しようがありません。

■この話は、そのまま会社経営に当てはまりますね。

経営においても、市場や競合の情報を正確に知ることは、この上もなく重要です。

そもそも情報もなしに、あてずっぽうで経営していたら、危ういことこの上なし。

経営者たるもの情報を自在に操ることで、経営を軌道に乗せることができるのです。

ビジネスにおいて間者の役割を果たすべきはなにか?

それは営業担当者に外なりません。

このメルマガのタイトル通り、営業はただの「売り子」ではありません。

営業は、顧客やライバル会社の情報を収集して自社に持ち帰り、また自社の情報をある意図をもって顧客やライバル会社に伝えるべき存在なのです。

売るというのは、その延長線上にある行為です。

ただの売るだけの営業など、木偶でできた人形ぐらいの価値しかない、と私は考えています。

そうじゃないと、企業は現場の反射神経のみで生きる存在となり、いつまでたっても情報は蓄積されず、戦略も売る仕組みを作ることができません。

■だから優秀な営業は、知るべき情報を的確に知っています。

特に経営者が期待するのは、現場に訪問しないと得られない一次情報です。

インターネットや調査会社が調べられるような情報は、1年以上遅れた情報のはず。

業績、財務内容、人材などの情報は、レアでないと意味がありません。

あるいは、顧客のニーズやウォンツ。悩み、課題。

競合会社の動きや戦略方向性。

こうした現場にいる者でしか得られないような情報があるからこそ、タイムリーな戦略や戦術を作ることができるわけです。

少なくとも、自分が担当する顧客に関しては、レアな情報を集めて報告するという癖をつけたいものです。

そんなの当たり前だーと言われそうですね。しかし、これは根の深い問題ですよ。

売るだけにしか意識が向かないというのは、営業を一面的に見ているということです。

全体の構造を全く見ていない。

そんな見識で会社の看板を背負って営業してもらっては困るのではないでしょうか。

■どうもこうした営業の基本的な姿勢に関しては、分からない、分かろうとしない人に対して、理解してもらうことは非常に難しいものです。

前回のお話しともつながりますが、売るだけにしか意識がない営業は、マネージャーにはなってはダメです。

なってもロクなものにはなりませんし。

「三国志」の世界なら、情報を軽視する将軍はすぐに死んでしまうでしょうから、言うまでもないことなのですが、ビジネスの世界では死ぬことはないので厄介です^^;

業績の悪い組織は、こうした能力のないマネージャーが全体の中に紛れてしまっています。

全体の業績が上がれば、彼らはあぶりだされてくるのですが、そもそも彼らが多勢である組織は業績が低迷してしまいます。

卵が先か、鶏が先か。みたいなもので厄介ですな。

いっそのこと、根本的に組織を治療しないと手遅れになってしまいますね。

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代表者・駒井俊雄が発行するメルマガ「営業は売り子じゃない!」
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