小さな市場でヒットを飛ばす

2006.09.28


(2006年9月28日メルマガより)

■先日、ベトナムを視察してきた方の話を聞くことができました。

ベトナムというのは、まさに高度経済成長期にあるようですね。

その方は工場を回って、話を聞いてきたのですが、その活力たるや凄まじい
ものだそうです。

とにかく工場がだだっ広い。なんでこんなに広いのかと聞くと「そのうちい
っぱいになるから」というそうです^^

だから、かの国の経営者の悩みは設備投資の資金をどこから調達するか。そ
の一点に尽きます。

■それに、営業という概念がない。「営業?なんだそれ。そんなものなくて
も、いくらでも売れる」ということです。

うらやましい。

ただ、日本も33年前までは、そういう状況だったんでしょうね。

今はそうは行きませんよ。。。

☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆

■「伸びない市場で稼ぐ!」というのは、エイドリアン・スライウォツキーの
優れた著作の題名ですが、アメリカだけではなく、あらゆる先進国の企業
は、この命題を突きつけられています。

日本もまさにそうですね。殆どのビジネスが、これ以上、何をしたら売れる
んだ!と言いたくなる市場で闘っています。

ランチェスター戦略が「小さな市場を選べ」というのは、それに対する1つ
の解答です。

■そんな小さな市場、しかも将来拡大する見込みのない市場でビジネスを展
開し、しかも2009年には株式上場を目指している会社の事例が「週刊ダイヤ
モンド」(2006年9月16日号)に掲載されています。今日は、その会社をと
りあげてみたいと思います。

その会社の名前は、デバイスタイルホールディングス(創業4年、売上高約
10億円、従業員28人)オーディオメーカーのケンウッドで商品企画の仕事を
行い、業界では有名だったという鈴木多賀雄氏が立ち上げた会社です。

■この会社、ワインセラー、エスプレッソマシーン、トースターなど、決し
て旬とは言えない商品分野に進出し、高い市場シェアを獲得しています。

旬などではとてもない。ありていに言えば、一度は死にかかっていた商品分
野です。

なぜ、そんな商品分野に目をつけたのか?

■1つは趣味性の高さです。ワインセラーやエスプレッソマシーンには、こ
だわりの強い顧客が存在します。だから、値崩れがおきにくい。

おそらく、この社長も、商品に強いこだわりを持っているのだと思います。
節約をしながらも、納得するものや趣味のものには費用をかけるというのが、
現代の消費者ですから、何でも安ければいいというものではない。高くても
売れるものに目をつけたというわけです。

また、古い商品だから、基本特許が切れており、開発に費用がかからないと
いう事情もあるようです。

■さらに商品分野を細かく見ていくと、意外にスキマがあることが分かりま
す。ワインセラーでいうと、殆どが業務用である大型製品ばかり。地下に大
きな部屋でもない限り、個人が持つことはできません。日本の住宅事情にあ
った小型製品はありませんでした。

そこで同社は「オーディオの横に置く」というコンセプトで小型ワインセラ
ー開発したそうです。これぞ、食事時に飲むハウスワインではなく、音楽で
も聴きながら嗜む高級ワインをイメージした開発コンセプトです。だから、
デザインは冷蔵庫然とせずに。音や振動がない。というテーマで製品づくり
をしたわけです。

■もちろん、ニッチなニーズを捉えたからといってビジネスが成功するわけ
ではありません。

(アイデア勝負で商品づくりをして在庫を抱え苦しんでいる企業をイヤとい
うほど見ていますから...)

ビジネスを行うためには、システムを考えなければなりません。

単純にいうと、企画開発→調達→製造→在庫→販売→配送→回収という流れ
があって初めてビジネスは成立します。

アイデア倒れになる起業家は、このビジネスシステムを組み立てることがで
きません。起業が成功するかしないかは、このシステムづくりができるかど
うかにかかっていると言えます。

従業員28人の同社は、ビジネスシステムを組み立てた上で、商品企画と営業
以外をアウトソーシングする道を選んでいます。

営業を自社でする体制をつくったことが、この会社の成功要因の1つです。
顧客情報の的確な把握なくしては、売れる商品は作ることができませんから
ね。

■この会社は、自社のワインセラーを冷蔵庫売り場には置かないという方針
で臨みました。おそらくオーディオ売り場やワイン売り場に置いたのでしょ
う。またマニアにPRするために専門誌や著名ソムリエによるビデオなどを
活用しています。いかに開発コンセプトが貫かれていたかを表しています。

■ニッチな市場を的確にイメージする。

そこへ向けた明確な製品コンセプトを作る。

自社の資源に応じたビジネスシステムを組み立てる。

コンセプトに則った販売施策を貫く。

こういったことが、この会社の成功要因ですね。

■さて、デバイスタイルホールディングスは今後どうするのでしょうか。

ワインセラーやエスプレッソマシーンでヒットを飛ばしたが、市場はそれほ
ど大きいものではありませんからすぐに成熟してしまいます。

さらに、2匹目のドジョウはそんなにいるものではありませんから、新たな
商品でヒットを連続する(高打率を維持する)のは難しいと言わざるを得ま
せん。

事業の関連性を保ちつつどのように品揃えを増やしていくのかが鍵になりま
すが、経営の梶取りは難しいでしょうね。。

記事によると、同社は、ワインセラーの欧州への輸出を検討しているようで
す。新市場開拓を志向しているわけです。

どのように会社を維持していくのかは興味のあるテーマですが、今回はこれ
までとします。

☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆

■ベトナムの話などを聞くと、郷愁に駆られますね。

いくらでも売れた。作れば作るほど売れた。どんどん工場を拡張しよう。

そういう時代に日本も生きてきたわけです。

■今はそうではない。

それを理解するのに、30年以上かかっている方も多いんですね。

覚悟してビジネスしていきましょうね。




(2006年9月28日メルマガより)

■先日、ベトナムを視察してきた方の話を聞くことができました。

ベトナムというのは、まさに高度経済成長期にあるようですね。

その方は工場を回って、話を聞いてきたのですが、その活力たるや凄まじい
ものだそうです。

とにかく工場がだだっ広い。なんでこんなに広いのかと聞くと「そのうちい
っぱいになるから」というそうです^^

だから、かの国の経営者の悩みは設備投資の資金をどこから調達するか。そ
の一点に尽きます。

■それに、営業という概念がない。「営業?なんだそれ。そんなものなくて
も、いくらでも売れる」ということです。

うらやましい。

ただ、日本も33年前までは、そういう状況だったんでしょうね。

今はそうは行きませんよ。。。

☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆

■「伸びない市場で稼ぐ!」というのは、エイドリアン・スライウォツキーの
優れた著作の題名ですが、アメリカだけではなく、あらゆる先進国の企業
は、この命題を突きつけられています。

日本もまさにそうですね。殆どのビジネスが、これ以上、何をしたら売れる
んだ!と言いたくなる市場で闘っています。

ランチェスター戦略が「小さな市場を選べ」というのは、それに対する1つ
の解答です。

■そんな小さな市場、しかも将来拡大する見込みのない市場でビジネスを展
開し、しかも2009年には株式上場を目指している会社の事例が「週刊ダイヤ
モンド」(2006年9月16日号)に掲載されています。今日は、その会社をと
りあげてみたいと思います。

その会社の名前は、デバイスタイルホールディングス(創業4年、売上高約
10億円、従業員28人)オーディオメーカーのケンウッドで商品企画の仕事を
行い、業界では有名だったという鈴木多賀雄氏が立ち上げた会社です。

■この会社、ワインセラー、エスプレッソマシーン、トースターなど、決し
て旬とは言えない商品分野に進出し、高い市場シェアを獲得しています。

旬などではとてもない。ありていに言えば、一度は死にかかっていた商品分
野です。

なぜ、そんな商品分野に目をつけたのか?

■1つは趣味性の高さです。ワインセラーやエスプレッソマシーンには、こ
だわりの強い顧客が存在します。だから、値崩れがおきにくい。

おそらく、この社長も、商品に強いこだわりを持っているのだと思います。
節約をしながらも、納得するものや趣味のものには費用をかけるというのが、
現代の消費者ですから、何でも安ければいいというものではない。高くても
売れるものに目をつけたというわけです。

また、古い商品だから、基本特許が切れており、開発に費用がかからないと
いう事情もあるようです。

■さらに商品分野を細かく見ていくと、意外にスキマがあることが分かりま
す。ワインセラーでいうと、殆どが業務用である大型製品ばかり。地下に大
きな部屋でもない限り、個人が持つことはできません。日本の住宅事情にあ
った小型製品はありませんでした。

そこで同社は「オーディオの横に置く」というコンセプトで小型ワインセラ
ー開発したそうです。これぞ、食事時に飲むハウスワインではなく、音楽で
も聴きながら嗜む高級ワインをイメージした開発コンセプトです。だから、
デザインは冷蔵庫然とせずに。音や振動がない。というテーマで製品づくり
をしたわけです。

■もちろん、ニッチなニーズを捉えたからといってビジネスが成功するわけ
ではありません。

(アイデア勝負で商品づくりをして在庫を抱え苦しんでいる企業をイヤとい
うほど見ていますから...)

ビジネスを行うためには、システムを考えなければなりません。

単純にいうと、企画開発→調達→製造→在庫→販売→配送→回収という流れ
があって初めてビジネスは成立します。

アイデア倒れになる起業家は、このビジネスシステムを組み立てることがで
きません。起業が成功するかしないかは、このシステムづくりができるかど
うかにかかっていると言えます。

従業員28人の同社は、ビジネスシステムを組み立てた上で、商品企画と営業
以外をアウトソーシングする道を選んでいます。

営業を自社でする体制をつくったことが、この会社の成功要因の1つです。
顧客情報の的確な把握なくしては、売れる商品は作ることができませんから
ね。

■この会社は、自社のワインセラーを冷蔵庫売り場には置かないという方針
で臨みました。おそらくオーディオ売り場やワイン売り場に置いたのでしょ
う。またマニアにPRするために専門誌や著名ソムリエによるビデオなどを
活用しています。いかに開発コンセプトが貫かれていたかを表しています。

■ニッチな市場を的確にイメージする。

そこへ向けた明確な製品コンセプトを作る。

自社の資源に応じたビジネスシステムを組み立てる。

コンセプトに則った販売施策を貫く。

こういったことが、この会社の成功要因ですね。

■さて、デバイスタイルホールディングスは今後どうするのでしょうか。

ワインセラーやエスプレッソマシーンでヒットを飛ばしたが、市場はそれほ
ど大きいものではありませんからすぐに成熟してしまいます。

さらに、2匹目のドジョウはそんなにいるものではありませんから、新たな
商品でヒットを連続する(高打率を維持する)のは難しいと言わざるを得ま
せん。

事業の関連性を保ちつつどのように品揃えを増やしていくのかが鍵になりま
すが、経営の梶取りは難しいでしょうね。。

記事によると、同社は、ワインセラーの欧州への輸出を検討しているようで
す。新市場開拓を志向しているわけです。

どのように会社を維持していくのかは興味のあるテーマですが、今回はこれ
までとします。

☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆

■ベトナムの話などを聞くと、郷愁に駆られますね。

いくらでも売れた。作れば作るほど売れた。どんどん工場を拡張しよう。

そういう時代に日本も生きてきたわけです。

■今はそうではない。

それを理解するのに、30年以上かかっている方も多いんですね。

覚悟してビジネスしていきましょうね。



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