小さな池の大きな魚

2009.03.12

(2009年3月12日メルマガより)

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■「なぜ、エグゼクティブはゴルフをするのか?」という本を読みました。

この本、30万部も売れているそうですねーー

こういう本があるということは分かっていたんですが、食指が動きませんで
した。ゴルフをしませんし。

今回は、文庫化されたので、移動時間の読み物に選んでみたわけです。

すると面白かったですよ。やはり売れている本です。

■これは、寓話や説話といった類です。

伝えたいメッセージを物語に乗せて語っています。しかも、非常に分かりや
すい寓話に託して。

こういう伝え方があるんですね。

■経営者の仕事は言葉そのものであると言われます。

言葉で伝えない限りは、顧客や従業員、取引先に伝わりません。

ただ、メッセージを正確に伝えるのは存外に難しいものです。

私も、自分の言葉が伝わらなくて、日々悩んでおりますが。

■例えば「あれこれ手を出そうとせずに、ポイントに絞りなさい」というこ
とを伝えたくても、アイデア主導の方に理解してもらうことは非常に難しい。

そんな時、この本の第12話「ボロボロのガレー船と3人の船長の航海術」ほ
ど分かりやすい例があるでしょうか?

私は文学好きですから、こういう寓話を馬鹿にしていた面がありました。ご
めんなさい。

■著者は、スペインの大手コンサルティング会社の社長だそうです。

さもありなん。

コンサルタントには寓話を語る能力も必要なのですね。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■「俺は、中小企業のおやじ」という本が面白いですよ。

なんちゅう題名やーーーと思いますが。

著者は、鈴木修。自動車メーカーのスズキの会長さんです。

内容は、鈴木会長の一代記。

この世界的な金融危機の時勢に、スズキは今期黒字決算の予定です。
(鈴木氏はたまたまだと発言していますが)

鈴木修氏は、創業社長ではありませんが、超がつくようなワンマン体制で、
スズキを育て上げた名物経営者ですから、その話には、興味深いものがあり
ます。

実際、示唆と刺激にあふれた内容となっています。

■鈴木会長のことは、前から面白いキャラクターの人だと思っていましたが、
やはりこの本を読んでみると面白い。

この「俺は、中小企業のおやじ」という題名そのものが、強烈な自負心を表
していると思いませんか?

この本に書かれている鈴木会長の負けん気や反骨心、信念といったものは、
まさに中小企業のおやじの迫力を感じさせます。

■鈴木氏は、もともとスズキ一族ではありません。婿養子として、鈴木家に
入った立場です。

サラリーマン生活を経た後、社長の婿としてスズキに入社し、世襲反対派を
封じ込めて社長になった人です。

普通なら萎縮してもよさそうな経歴ですが、強烈な個性を持つこの方には無
縁だったようです。

そういえば、松井証券の松井社長も婿養子でしたね。

強烈な個性とリーダーシップで会社を率いる社長が二人も婿養子だったわけ
です。

婿養子であろうと嫡男であろうと関係ないかも知れませんが、面白い一致だ
と思ったのであげておきます。

■鈴木氏は、入社直後から、会社は一族のものではないという考えの一派か
ら疎まれます。

それに対して、鈴木氏も持ち前の負けん気を発揮して、現場に混乱を引き起
こしたようです^^;

そもそも、黒と言えば、白と聞くような御仁ですから、現場のベテランの話
にそのまま従うはずもない。

自分の目で見て、考えたことしか信じないというスタイルです。一族でなく
ても、先輩や上司からすればやりにくかったでしょうなーー

本来の性質なのか、社内での立場の中から培われてきたのか。ともあれ、鈴
木氏の個性は、萎縮することなく拡大していったようです。

■同じ鈴木つながりではないですが、エステー株式会社の会長は、鈴木喬と
いう方です。

この方も面白い。

鈴木喬氏は、エステー化学(現エステー)の創業者の弟です。

といって、一緒に創業したわけではなく、技術者だった兄を見て「俺は同じ
ことはしない」と生命保険会社の営業マンとなった方です。

それが、兄に請われてエステー化学に入社し、社長にまでなってしまったと
いう経歴です。

この方も強烈な反骨心の持ち主です。

社長になってから、兄の拡大路線を踏襲せず、商品の絞込みを打ち出します。

それはいいものの「原点回帰」を主張する幹部たちを尻目に、新たな商品分
野への進出を推し進めます。

鈴木氏は「原点回帰など変化を嫌がる社内保守派の言い訳だ」と一蹴してい
ます。

確かに、新しい分野への挑戦は難しいもの。だからといって、抵抗勢力の言
うとおり、何もしないでいると徐々に萎んでいきます。

なぜなら顧客は刻々と変わっていくもの。顧客にあわせて企業も変化しなけ
ればなりません。

創業社長なら、失敗を積み重ねながら成功につなげていく「一勝九敗」の経
営でもいいのでしょうが、後継社長は失敗が許されないので、より難しい立
場におかれています。

鈴木喬社長は「俺は人事権を持ってるんだから強いぞ!」と強権を発動^^;
して、消臭商品への進出を決め、その分野で成功します。

まあでも、成功を収めたからいいようなものです。鈴木喬氏は後に「あれは
運だった」と述べています。

■自動車メーカーのスズキにとって僥倖だったのは、1979年に発売した初代
アルトが空前の大ヒットとなったことです。

当時、小さな車はお家芸だった日本でさえ、軽自動車はいずれなくなると言
われていました。

ファミリーカーが全盛の時代ですからね。そう思うのも仕方ない。

しかし鈴木修社長となって初めての車は、軽量コンパクト、低燃費、軽トラ
ックなみの荷台、軽作業から通勤まで対応、全国統一価格35万円、という特
徴が受けて、大ヒットとなります。

いわゆる2代目需要、あるいは実用需要を捉えたわけです。

今でも、アルトは、そのまま軽自動車の代名詞になっています。

■鈴木修社長には「どんな小さな市場でもいいから一番になる」という発想
があります。

これは、強者の戦略が機能できるような立場になるという「弱者の戦略」で
す。(ややこしい言い方ですが)

おそらく初代アルトが、皆が見捨てた軽自動車市場でナンバーワンとなった
という成功体験から来る発想でしょう。

他の自動車メーカーは「アルトは価格設定が失敗したんだろう。儲からない
はずだ」と無視していたようですが、実際には徹底したコストダウンを行っ
て、35万円でも儲かる車を作っていました。

自動車メーカーは組み立て業ですから、1台あたりの儲けはそう大きくない。
しかし、安定して販売することが出来れば、確実に儲けを出すことができま
す。

4位、5位のメーカーは、トップの動向によって黒字になったり赤字になった
り右往左往しなければなりませんが、トップ企業は自社で市場を把握するこ
とができ、安定的な供給を読むことができます。

安定した供給さえできれば、それに合わせて開発・生産・販売体制を作るこ
とが可能です。

鈴木社長は、強者の戦略の有効性を身をもって知ったのでしょう。

■今やスズキは「インドでも最も強い自動車メーカー」です。

これも1982年、誰もインド市場に魅力を感じていなかった当時、トップにな
れると見込んで、いち早く市場参入を決めた結果です。

小さな市場を選択して参入する。

市場に合わせた製品を企画・製造する。

生産体制を整備し、徹底したコストダウンで、儲かる体制にする。

これが、スズキのシンプルな勝ちパターンです。

インドの場合、市場が大きく育ったために巨大な利益を生む事業となりまし
たが、本来、小さな市場のままでも儲かる体制になっていたはずです。

同じようにハンガリーにも進出し、一定の成果を上げています。

(そういう意味では、タタ自動車が市場導入を目論む超低価格車を無視する
姿勢を見せているのが気になるところですが...)

■一方、鈴木喬会長率いるエステー株式会社は、消臭剤、防虫剤、除湿剤の
トップ企業です。(ヤフーファイナンスによる。売上高470億円、2008年3月
期)

こちらも、小さな市場でトップになることにこだわっています。

もともと、防虫剤に強く、その他の家庭用品でも広範囲に品揃えをして、実
績を上げていた企業ですが、鈴木喬社長になった時に「トップ以外はいらな
い」とGEのジャック・ウェルチのようなことを言って、品揃えを半分にし
てしまったそうです。

半ば無理やり消臭剤市場に進出し、トップを奪ってしまいました。

そのことについて鈴木会長は「消臭剤なんて誰もやらねえから、簡単にトッ
プになれたよ」と冗談なのか本気なのか分からない口調で語っていました。

しかし、この発言からも「ライバルの少ない小さな市場」でトップをとると
いう戦略発想があることが分かります。

家庭用消費財の場合、売り場を確保するということが最優先ですから、トッ
プになることで売り場を確保→新製品の投入→売り場拡大という流れに持っ
ていくのが、エステーの勝ちパターンでしょう。

エステーは、鈴木喬会長・小林社長の舵取りの元、従業員を減らしながら、
売上を拡大するということを年々実現しています。

■余談ですが、鈴木喬会長は「営業なんて信用しない」とも言っています。
なぜなら「あいつらは保守的だから」だそうです。

だから鈴木喬会長は「営業が反対するものを商品化する」「皆が賛成したら
やらない」と言っています。これも極端ですが。

スズキ自動車の鈴木修会長も実は「商品がすべて」とメーカーらしい考えを
書いています。

もちろん、私は「いい商品が売れるとは限らない」例をいっぱい見てきてい
ますので「商品がすべて」だとは思いません。

ただ、営業担当が今売れている商品をもっと売るという発想になるのは否め
ません。

これは、自己防衛本能につながることかも知れません。新しいものを売らさ
れるより、売れ筋を増やしてもらった方が楽ですから。

そういう意味では、エステーの会長もスズキの会長も、営業担当というもの
を本質でよく理解しているのでしょう。

ただ、この場合「商品がすべて」ではなく、「中小企業は社長が営業に責任
を持たなければならない」と言い換えた方がいいでしょう。

「俺が責任を持つから、これを売って来い」というわけです。

■それにしても、この二人の鈴木さん。濃いキャラクターですねーー

殆どの社長は野人みたいなもんだと誰かが言っていましたが、この二人は野
人そのままですな^^;

小さな企業を率いていくためには、強烈なリーダーシップが必要であるとい
う典型例なのでしょうか。

従業員は素直についていっているのでしょうかね。心配になりますな。

ただし、ワンマン経営のいい部分が出れば、会社は早いスピードで進んでい
きます。

スズキ自動車の鈴木修会長は、世界トップの自動車メーカーGMと提携した
折(非常に学ぶことが多かったそうですが...)あまりにも稟議に時間がかか
って決定しないGMの社内体制に業を煮やして

「スズキなら5分で決まる」

「トップダウンは、コストダウンだ!」と言い放ったそうです。

GMには、いたく受けたそうですよ^^

■中小企業=弱者ではありません。

どんな小さな市場でも、トップになれば、それは強者です。

弱者は、小さな市場でこそ強者になることができるのです。

ビデオリサーチ社が1977年~1993年の間、56のトップブランドを追跡調査
したデータによると、実に43ブランド(約77%)がトップを維持していました。

しかし、2位以下のブランドは目まぐるしく入れ替わっていたそうです。

これは、トップ(強者)の戦略が、弱者の戦略よりも有効に機能しているこ
とを示しています。

小さな会社でも強者を目指せ!

今日は、そのことを学んでくださいね。


(2009年3月12日メルマガより)

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■「なぜ、エグゼクティブはゴルフをするのか?」という本を読みました。

この本、30万部も売れているそうですねーー

こういう本があるということは分かっていたんですが、食指が動きませんで
した。ゴルフをしませんし。

今回は、文庫化されたので、移動時間の読み物に選んでみたわけです。

すると面白かったですよ。やはり売れている本です。

■これは、寓話や説話といった類です。

伝えたいメッセージを物語に乗せて語っています。しかも、非常に分かりや
すい寓話に託して。

こういう伝え方があるんですね。

■経営者の仕事は言葉そのものであると言われます。

言葉で伝えない限りは、顧客や従業員、取引先に伝わりません。

ただ、メッセージを正確に伝えるのは存外に難しいものです。

私も、自分の言葉が伝わらなくて、日々悩んでおりますが。

■例えば「あれこれ手を出そうとせずに、ポイントに絞りなさい」というこ
とを伝えたくても、アイデア主導の方に理解してもらうことは非常に難しい。

そんな時、この本の第12話「ボロボロのガレー船と3人の船長の航海術」ほ
ど分かりやすい例があるでしょうか?

私は文学好きですから、こういう寓話を馬鹿にしていた面がありました。ご
めんなさい。

■著者は、スペインの大手コンサルティング会社の社長だそうです。

さもありなん。

コンサルタントには寓話を語る能力も必要なのですね。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■「俺は、中小企業のおやじ」という本が面白いですよ。

なんちゅう題名やーーーと思いますが。

著者は、鈴木修。自動車メーカーのスズキの会長さんです。

内容は、鈴木会長の一代記。

この世界的な金融危機の時勢に、スズキは今期黒字決算の予定です。
(鈴木氏はたまたまだと発言していますが)

鈴木修氏は、創業社長ではありませんが、超がつくようなワンマン体制で、
スズキを育て上げた名物経営者ですから、その話には、興味深いものがあり
ます。

実際、示唆と刺激にあふれた内容となっています。

■鈴木会長のことは、前から面白いキャラクターの人だと思っていましたが、
やはりこの本を読んでみると面白い。

この「俺は、中小企業のおやじ」という題名そのものが、強烈な自負心を表
していると思いませんか?

この本に書かれている鈴木会長の負けん気や反骨心、信念といったものは、
まさに中小企業のおやじの迫力を感じさせます。

■鈴木氏は、もともとスズキ一族ではありません。婿養子として、鈴木家に
入った立場です。

サラリーマン生活を経た後、社長の婿としてスズキに入社し、世襲反対派を
封じ込めて社長になった人です。

普通なら萎縮してもよさそうな経歴ですが、強烈な個性を持つこの方には無
縁だったようです。

そういえば、松井証券の松井社長も婿養子でしたね。

強烈な個性とリーダーシップで会社を率いる社長が二人も婿養子だったわけ
です。

婿養子であろうと嫡男であろうと関係ないかも知れませんが、面白い一致だ
と思ったのであげておきます。

■鈴木氏は、入社直後から、会社は一族のものではないという考えの一派か
ら疎まれます。

それに対して、鈴木氏も持ち前の負けん気を発揮して、現場に混乱を引き起
こしたようです^^;

そもそも、黒と言えば、白と聞くような御仁ですから、現場のベテランの話
にそのまま従うはずもない。

自分の目で見て、考えたことしか信じないというスタイルです。一族でなく
ても、先輩や上司からすればやりにくかったでしょうなーー

本来の性質なのか、社内での立場の中から培われてきたのか。ともあれ、鈴
木氏の個性は、萎縮することなく拡大していったようです。

■同じ鈴木つながりではないですが、エステー株式会社の会長は、鈴木喬と
いう方です。

この方も面白い。

鈴木喬氏は、エステー化学(現エステー)の創業者の弟です。

といって、一緒に創業したわけではなく、技術者だった兄を見て「俺は同じ
ことはしない」と生命保険会社の営業マンとなった方です。

それが、兄に請われてエステー化学に入社し、社長にまでなってしまったと
いう経歴です。

この方も強烈な反骨心の持ち主です。

社長になってから、兄の拡大路線を踏襲せず、商品の絞込みを打ち出します。

それはいいものの「原点回帰」を主張する幹部たちを尻目に、新たな商品分
野への進出を推し進めます。

鈴木氏は「原点回帰など変化を嫌がる社内保守派の言い訳だ」と一蹴してい
ます。

確かに、新しい分野への挑戦は難しいもの。だからといって、抵抗勢力の言
うとおり、何もしないでいると徐々に萎んでいきます。

なぜなら顧客は刻々と変わっていくもの。顧客にあわせて企業も変化しなけ
ればなりません。

創業社長なら、失敗を積み重ねながら成功につなげていく「一勝九敗」の経
営でもいいのでしょうが、後継社長は失敗が許されないので、より難しい立
場におかれています。

鈴木喬社長は「俺は人事権を持ってるんだから強いぞ!」と強権を発動^^;
して、消臭商品への進出を決め、その分野で成功します。

まあでも、成功を収めたからいいようなものです。鈴木喬氏は後に「あれは
運だった」と述べています。

■自動車メーカーのスズキにとって僥倖だったのは、1979年に発売した初代
アルトが空前の大ヒットとなったことです。

当時、小さな車はお家芸だった日本でさえ、軽自動車はいずれなくなると言
われていました。

ファミリーカーが全盛の時代ですからね。そう思うのも仕方ない。

しかし鈴木修社長となって初めての車は、軽量コンパクト、低燃費、軽トラ
ックなみの荷台、軽作業から通勤まで対応、全国統一価格35万円、という特
徴が受けて、大ヒットとなります。

いわゆる2代目需要、あるいは実用需要を捉えたわけです。

今でも、アルトは、そのまま軽自動車の代名詞になっています。

■鈴木修社長には「どんな小さな市場でもいいから一番になる」という発想
があります。

これは、強者の戦略が機能できるような立場になるという「弱者の戦略」で
す。(ややこしい言い方ですが)

おそらく初代アルトが、皆が見捨てた軽自動車市場でナンバーワンとなった
という成功体験から来る発想でしょう。

他の自動車メーカーは「アルトは価格設定が失敗したんだろう。儲からない
はずだ」と無視していたようですが、実際には徹底したコストダウンを行っ
て、35万円でも儲かる車を作っていました。

自動車メーカーは組み立て業ですから、1台あたりの儲けはそう大きくない。
しかし、安定して販売することが出来れば、確実に儲けを出すことができま
す。

4位、5位のメーカーは、トップの動向によって黒字になったり赤字になった
り右往左往しなければなりませんが、トップ企業は自社で市場を把握するこ
とができ、安定的な供給を読むことができます。

安定した供給さえできれば、それに合わせて開発・生産・販売体制を作るこ
とが可能です。

鈴木社長は、強者の戦略の有効性を身をもって知ったのでしょう。

■今やスズキは「インドでも最も強い自動車メーカー」です。

これも1982年、誰もインド市場に魅力を感じていなかった当時、トップにな
れると見込んで、いち早く市場参入を決めた結果です。

小さな市場を選択して参入する。

市場に合わせた製品を企画・製造する。

生産体制を整備し、徹底したコストダウンで、儲かる体制にする。

これが、スズキのシンプルな勝ちパターンです。

インドの場合、市場が大きく育ったために巨大な利益を生む事業となりまし
たが、本来、小さな市場のままでも儲かる体制になっていたはずです。

同じようにハンガリーにも進出し、一定の成果を上げています。

(そういう意味では、タタ自動車が市場導入を目論む超低価格車を無視する
姿勢を見せているのが気になるところですが...)

■一方、鈴木喬会長率いるエステー株式会社は、消臭剤、防虫剤、除湿剤の
トップ企業です。(ヤフーファイナンスによる。売上高470億円、2008年3月
期)

こちらも、小さな市場でトップになることにこだわっています。

もともと、防虫剤に強く、その他の家庭用品でも広範囲に品揃えをして、実
績を上げていた企業ですが、鈴木喬社長になった時に「トップ以外はいらな
い」とGEのジャック・ウェルチのようなことを言って、品揃えを半分にし
てしまったそうです。

半ば無理やり消臭剤市場に進出し、トップを奪ってしまいました。

そのことについて鈴木会長は「消臭剤なんて誰もやらねえから、簡単にトッ
プになれたよ」と冗談なのか本気なのか分からない口調で語っていました。

しかし、この発言からも「ライバルの少ない小さな市場」でトップをとると
いう戦略発想があることが分かります。

家庭用消費財の場合、売り場を確保するということが最優先ですから、トッ
プになることで売り場を確保→新製品の投入→売り場拡大という流れに持っ
ていくのが、エステーの勝ちパターンでしょう。

エステーは、鈴木喬会長・小林社長の舵取りの元、従業員を減らしながら、
売上を拡大するということを年々実現しています。

■余談ですが、鈴木喬会長は「営業なんて信用しない」とも言っています。
なぜなら「あいつらは保守的だから」だそうです。

だから鈴木喬会長は「営業が反対するものを商品化する」「皆が賛成したら
やらない」と言っています。これも極端ですが。

スズキ自動車の鈴木修会長も実は「商品がすべて」とメーカーらしい考えを
書いています。

もちろん、私は「いい商品が売れるとは限らない」例をいっぱい見てきてい
ますので「商品がすべて」だとは思いません。

ただ、営業担当が今売れている商品をもっと売るという発想になるのは否め
ません。

これは、自己防衛本能につながることかも知れません。新しいものを売らさ
れるより、売れ筋を増やしてもらった方が楽ですから。

そういう意味では、エステーの会長もスズキの会長も、営業担当というもの
を本質でよく理解しているのでしょう。

ただ、この場合「商品がすべて」ではなく、「中小企業は社長が営業に責任
を持たなければならない」と言い換えた方がいいでしょう。

「俺が責任を持つから、これを売って来い」というわけです。

■それにしても、この二人の鈴木さん。濃いキャラクターですねーー

殆どの社長は野人みたいなもんだと誰かが言っていましたが、この二人は野
人そのままですな^^;

小さな企業を率いていくためには、強烈なリーダーシップが必要であるとい
う典型例なのでしょうか。

従業員は素直についていっているのでしょうかね。心配になりますな。

ただし、ワンマン経営のいい部分が出れば、会社は早いスピードで進んでい
きます。

スズキ自動車の鈴木修会長は、世界トップの自動車メーカーGMと提携した
折(非常に学ぶことが多かったそうですが...)あまりにも稟議に時間がかか
って決定しないGMの社内体制に業を煮やして

「スズキなら5分で決まる」

「トップダウンは、コストダウンだ!」と言い放ったそうです。

GMには、いたく受けたそうですよ^^

■中小企業=弱者ではありません。

どんな小さな市場でも、トップになれば、それは強者です。

弱者は、小さな市場でこそ強者になることができるのです。

ビデオリサーチ社が1977年~1993年の間、56のトップブランドを追跡調査
したデータによると、実に43ブランド(約77%)がトップを維持していました。

しかし、2位以下のブランドは目まぐるしく入れ替わっていたそうです。

これは、トップ(強者)の戦略が、弱者の戦略よりも有効に機能しているこ
とを示しています。

小さな会社でも強者を目指せ!

今日は、そのことを学んでくださいね。


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