商品の意味が変わる時

2006.07.06


(2006年7月6日メルマガより)

■ワールドカップは大詰めを迎えていますね。決勝は、イタリア対フランス。
面白そうなカードです。さすが、ヨーロッパ開催の試合だけあって、欧州選
手権みたいになっていますが。

■日本はやはり見事に負けてしまいました。その後、オシムの代表監督就任
や中田の引退など、大きな話題が続いたので忘れてしまいそうです。それに
しても川渕キャプテンの策士ぶりには驚嘆しますね。失言騒動で、自身の責
任問題を魔法のように回避してしまいました^^今や、彼の責任追求を叫ん
でいるのは、セルジオ越後氏ぐらいです。。。

■それにジーコ前監督。風のように去っていきました。「日本は体格で負け
た」などと血迷ったようなコメントを残して...。何なんでしょうか。

(編集後記は、また阪神タイガースの話題です。スミマセン)

☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆

■今週の週刊ダイヤモンドの中ほどに、50ページ近い広告特集が掲載されて
います。「女と男の腕時計2006」30万円台から1000万円を超えるものまで、
主に海外メーカーの高級腕時計が並んでいます。

噂には聞いていましたが、自動車よりも高い腕時計があるんですね。。

まあ、私が購入することはないでしょうが、腕時計というのは、こんなに種
類とデザインがあるんだーとしばし見惚れてしまいました。

■それにしても、50ページの広告とは気合が入っていますね。でも、考えた
ら、腕時計は専門の月刊誌まで刊行されているぐらいだからニーズがあると
いうことでしょう。

それとも1つ売れたら利幅が大きいので、十分ペイするというべきか。

いずれにしろ、この価格設定は凄まじい^^製造コストなどあってないよう
なもの。心理的な価格設定の魔術を見るようです。。

■丁度、今日の日経新聞に腕時計の記事が載っています。

腕時計といえば、セイコー、シチズンを代表とする日本企業の独壇場でした。
1980年代までは、精度の高いクオーツ式で、世界の市場を席巻し、圧倒的な
強さを誇っていたようです。

クオーツ式は大量生産が可能となり、価格優位性を持った日本企業の世界で
の地位はゆるがぬはずでした。

■ところが、日本企業が出荷する腕時計の数量は、10年前の1/3になってい
るということです。

なぜか。

あまりにも「ありふれた技術」となった時計は、簡単に他の企業にマネされ
てしまいます。低価格帯の商品は、人件費の安い国のメーカーの参入を許し
ます。それが1つ。

もう1つは、時間を見るために、腕時計を持つ必然性が薄れてきたのです。

■皆さんは、普段、腕時計をしますか?

たまにセミナーなどで聞くと、面白い傾向が見られます。

私のようなオールドボーイは、腕時計をするのが当たり前だと感じています。
ところが、20代の人に聞くと、かなりの数が必要ないと答えます。

そうです。今や、時計は携帯電話で確認するものなんですね。

■圧倒的に強い企業が技術を高め、生産性を向上させると、その技術はコモ
ディティ化していきます。

腕時計という枠の中で戦っているならば、ナンバーワン企業の競争優位は揺
るがないのですが、その技術が他の商品に流出するようになると話が違って
きます。

腕時計の必要性は低下していき、パイそのものが縮小していくのだから、そ
の中にいる企業は、どうしようもありません。

腕時計という商品ジャンルは完全に衰退期に入っています。

■「戦略は見えざるもの」という言葉を前回紹介しました。本当に重要なの
は「見えないもの」なのだと。

商品も形態だけを見ていると、分からないことがあります。この商品はなぜ
売れているのか。またなぜ売れなくなったのか。ヒットした理由というのは、
形態からでは見えないものです。

クオーツ式が市場を占拠した時、腕時計は「時間を正確に確認できるもの」
でした。

今は、腕時計に時間の正確さを求める人は減少しています。腕時計の「意味」
は明らかに変質しているのです。

■週刊ダイヤモンドの広告特集では、腕時計は「自己表現」だと言っていま
す。

オスカー・ワイルドの「人を見かけで判断しないのは子どもと愚か者だけだ」
という言葉まで紹介しながら、エグゼクティブは自己表現すべしと煽ってお
ります^^;

高級時計の中には、半月で5分狂うような代物もあるそうですが、それは関
係ない。

つけていることに意味がある。

自己表現なのですから「デザインが自分にぴったり」とか「このメーカーは
300年の歴史がある」とか「環境に配慮しているメーカーの姿勢に賛同した」
とか「中田もしている」とか「1000万円した」とか「祖父の代からこのメー
カーばかり」とか。合理性よりも物語性によって購入するわけです。

要するにファッションになったわけですね。

■市場の衰退は、新しい市場の始まりでもあります。

新しい物語性を創ることができれば、それで1つのニッチ市場が生まれます。

今、時計の世界では、「時計」という素材を基に、様々な物語作りが進んで
いるわけですね。

ニッチ市場は、中小企業のフィールドに他なりません。

多くの中小企業が高級腕時計の製造開発に携わってるわけです。

■取り残された大企業は、電波時計や、携帯電話とのコラボレーションなど、
技術開発に向かわざるを得ないでしょう。

合理性が聞く世界へ進まないと、コストを回収することはできないのが、変
革時の大企業の弱みです。

あるいは、資金のあるうちに他の分野に進出しなければなりません。

■いっせいに市場が成熟している日本の状況ですから、これから衰退期に入
る市場が続々と現れることでしょう。

その時、実は中小企業にとって、チャンスが多く生まれるはず。

腕時計の市場が参考になるところは多々あると思われます。

☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆

■これは現実なのだろうかという気持ちが今でもあります。

2年も経たないうちに再度リーグ優勝し、今年も優勝争いをしている阪神タ
イガースを見ていての感想です。

■私は、阪神が万年最下位だった暗黒の時代を経験しています。来る日も来
る日も来る日も来る日も来る日も負け続け(負負負勝負負勝雨負負...)、い
つの間にか、最下位になっている姿が目に焼きついています。

今の強いタイガースは本当だと信じていいのだろうか。ドッキリカメラじゃ
ないだろうか?

■高度成長期に「ゴジラ」や「日本沈没」などのパニック映画が流行ったの
は、日本人が潜在的に持っていた「こんなに成長していいのだろうか」とい
う不安を刺激したからだという説があります。

私も今、同じ不安にとらえられています。

■その不安をうまくガス抜きさせてくれた(フラフラのストッパー)久保田
が、いなくなってしまったので、余計に不安に駆られています。

■そんな私を妙に和ませてくれる本を発見しました。コンビニで売られてい
た「元・阪神 そしてミスター・タイガースは去った」(廣済堂文庫)とい
う本です。

これは阪神の暗黒時代を過ごし、タイガースを石持て追われるように去った
選手たちへのインタビュー集です。(江夏、仲田、郭李、中込、塩谷、萩原
...)

藤田平のページなんて涙なしには読めませんよ(T_T)

でも、そういいつつ精神のバランスが保たれて、ほっとしている今日この頃
です。




(2006年7月6日メルマガより)

■ワールドカップは大詰めを迎えていますね。決勝は、イタリア対フランス。
面白そうなカードです。さすが、ヨーロッパ開催の試合だけあって、欧州選
手権みたいになっていますが。

■日本はやはり見事に負けてしまいました。その後、オシムの代表監督就任
や中田の引退など、大きな話題が続いたので忘れてしまいそうです。それに
しても川渕キャプテンの策士ぶりには驚嘆しますね。失言騒動で、自身の責
任問題を魔法のように回避してしまいました^^今や、彼の責任追求を叫ん
でいるのは、セルジオ越後氏ぐらいです。。。

■それにジーコ前監督。風のように去っていきました。「日本は体格で負け
た」などと血迷ったようなコメントを残して...。何なんでしょうか。

(編集後記は、また阪神タイガースの話題です。スミマセン)

☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆

■今週の週刊ダイヤモンドの中ほどに、50ページ近い広告特集が掲載されて
います。「女と男の腕時計2006」30万円台から1000万円を超えるものまで、
主に海外メーカーの高級腕時計が並んでいます。

噂には聞いていましたが、自動車よりも高い腕時計があるんですね。。

まあ、私が購入することはないでしょうが、腕時計というのは、こんなに種
類とデザインがあるんだーとしばし見惚れてしまいました。

■それにしても、50ページの広告とは気合が入っていますね。でも、考えた
ら、腕時計は専門の月刊誌まで刊行されているぐらいだからニーズがあると
いうことでしょう。

それとも1つ売れたら利幅が大きいので、十分ペイするというべきか。

いずれにしろ、この価格設定は凄まじい^^製造コストなどあってないよう
なもの。心理的な価格設定の魔術を見るようです。。

■丁度、今日の日経新聞に腕時計の記事が載っています。

腕時計といえば、セイコー、シチズンを代表とする日本企業の独壇場でした。
1980年代までは、精度の高いクオーツ式で、世界の市場を席巻し、圧倒的な
強さを誇っていたようです。

クオーツ式は大量生産が可能となり、価格優位性を持った日本企業の世界で
の地位はゆるがぬはずでした。

■ところが、日本企業が出荷する腕時計の数量は、10年前の1/3になってい
るということです。

なぜか。

あまりにも「ありふれた技術」となった時計は、簡単に他の企業にマネされ
てしまいます。低価格帯の商品は、人件費の安い国のメーカーの参入を許し
ます。それが1つ。

もう1つは、時間を見るために、腕時計を持つ必然性が薄れてきたのです。

■皆さんは、普段、腕時計をしますか?

たまにセミナーなどで聞くと、面白い傾向が見られます。

私のようなオールドボーイは、腕時計をするのが当たり前だと感じています。
ところが、20代の人に聞くと、かなりの数が必要ないと答えます。

そうです。今や、時計は携帯電話で確認するものなんですね。

■圧倒的に強い企業が技術を高め、生産性を向上させると、その技術はコモ
ディティ化していきます。

腕時計という枠の中で戦っているならば、ナンバーワン企業の競争優位は揺
るがないのですが、その技術が他の商品に流出するようになると話が違って
きます。

腕時計の必要性は低下していき、パイそのものが縮小していくのだから、そ
の中にいる企業は、どうしようもありません。

腕時計という商品ジャンルは完全に衰退期に入っています。

■「戦略は見えざるもの」という言葉を前回紹介しました。本当に重要なの
は「見えないもの」なのだと。

商品も形態だけを見ていると、分からないことがあります。この商品はなぜ
売れているのか。またなぜ売れなくなったのか。ヒットした理由というのは、
形態からでは見えないものです。

クオーツ式が市場を占拠した時、腕時計は「時間を正確に確認できるもの」
でした。

今は、腕時計に時間の正確さを求める人は減少しています。腕時計の「意味」
は明らかに変質しているのです。

■週刊ダイヤモンドの広告特集では、腕時計は「自己表現」だと言っていま
す。

オスカー・ワイルドの「人を見かけで判断しないのは子どもと愚か者だけだ」
という言葉まで紹介しながら、エグゼクティブは自己表現すべしと煽ってお
ります^^;

高級時計の中には、半月で5分狂うような代物もあるそうですが、それは関
係ない。

つけていることに意味がある。

自己表現なのですから「デザインが自分にぴったり」とか「このメーカーは
300年の歴史がある」とか「環境に配慮しているメーカーの姿勢に賛同した」
とか「中田もしている」とか「1000万円した」とか「祖父の代からこのメー
カーばかり」とか。合理性よりも物語性によって購入するわけです。

要するにファッションになったわけですね。

■市場の衰退は、新しい市場の始まりでもあります。

新しい物語性を創ることができれば、それで1つのニッチ市場が生まれます。

今、時計の世界では、「時計」という素材を基に、様々な物語作りが進んで
いるわけですね。

ニッチ市場は、中小企業のフィールドに他なりません。

多くの中小企業が高級腕時計の製造開発に携わってるわけです。

■取り残された大企業は、電波時計や、携帯電話とのコラボレーションなど、
技術開発に向かわざるを得ないでしょう。

合理性が聞く世界へ進まないと、コストを回収することはできないのが、変
革時の大企業の弱みです。

あるいは、資金のあるうちに他の分野に進出しなければなりません。

■いっせいに市場が成熟している日本の状況ですから、これから衰退期に入
る市場が続々と現れることでしょう。

その時、実は中小企業にとって、チャンスが多く生まれるはず。

腕時計の市場が参考になるところは多々あると思われます。

☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆☆★☆

■これは現実なのだろうかという気持ちが今でもあります。

2年も経たないうちに再度リーグ優勝し、今年も優勝争いをしている阪神タ
イガースを見ていての感想です。

■私は、阪神が万年最下位だった暗黒の時代を経験しています。来る日も来
る日も来る日も来る日も来る日も負け続け(負負負勝負負勝雨負負...)、い
つの間にか、最下位になっている姿が目に焼きついています。

今の強いタイガースは本当だと信じていいのだろうか。ドッキリカメラじゃ
ないだろうか?

■高度成長期に「ゴジラ」や「日本沈没」などのパニック映画が流行ったの
は、日本人が潜在的に持っていた「こんなに成長していいのだろうか」とい
う不安を刺激したからだという説があります。

私も今、同じ不安にとらえられています。

■その不安をうまくガス抜きさせてくれた(フラフラのストッパー)久保田
が、いなくなってしまったので、余計に不安に駆られています。

■そんな私を妙に和ませてくれる本を発見しました。コンビニで売られてい
た「元・阪神 そしてミスター・タイガースは去った」(廣済堂文庫)とい
う本です。

これは阪神の暗黒時代を過ごし、タイガースを石持て追われるように去った
選手たちへのインタビュー集です。(江夏、仲田、郭李、中込、塩谷、萩原
...)

藤田平のページなんて涙なしには読めませんよ(T_T)

でも、そういいつつ精神のバランスが保たれて、ほっとしている今日この頃
です。



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