「孫子」を活用するための最大のキーワード

2015.01.08

(2015年1月8日メルマガより)



■昨年のはじめ、会社のホームページに「孫子」
に関するページをアップしました。

以前から孫子について興味があって、自分のセミナーや研修にとりいれたりしていたものですから、それをまとめたものです。

孫子が流行っているからと、狙ってアップしたものではありません。

それがこれ→http://www.createvalue.biz/column2/post-204.html

■ご存じかも知れませんが、昨年は大きな「孫子」ブームがありました。

今年も続いているのかな。

本屋さんにいけば、孫子関連の書籍が多く並んでいるはずです。

だから自分の興味と世間の関心が偶然重なっただけなのですが、ページをみた方からの問い合わせが多く、びっくりしました。

実は昨年だけで、数えてみると、15回ほど、孫子に関するセミナーを行いました。

業界団体や公的機関から呼ばれて行ったセミナーもありますし、企業内で行ったものもあります。

沖縄では、自分主催で行いました。

月に1回以上は孫子のことをどこかで語っているわけですから、これはいっぱしの専門家ですよ。

■ただ私は中国古典の専門家ではありません。

あくまで市井の研究者です。

だから原典の解釈を複合的に語るというには適していません。

言葉の意味を聞かれても答えられない場合がありますので悪しからず。

■ただ、営業の現場を知る者として、孫子を実践で使った経験は豊富だと思います。

私の「孫子セミナー」が喜ばれている理由というのは、その一点でしょう。

孫子の知恵を経営にどう役立てるのか?

私が語れるのはそれですからね。

■ちなみに孫子というのは、今から2500年前に成立した書物です。

軍事の専門家であった孫武という人が、呉の国へ自分を売り込むために行ったプレゼンテーションを書き記したものだと考えられています。

だから内容は多岐にわたるものの、分かりやすく体系化されています。

2500年前の書だからといって、侮ることなかれ。

実に切れ味鋭い内容で、今に至るまで古びることがありません。

2500年の間、軍事指導者だけではなく、政治家や経営者に広く読まれ続けてきたというのは、まさに奇跡的なことです。

■孫子を読んでまず気づくのは、兵法書といいながら、決して戦争を奨励していないこと。

軽々しく戦争をしてはいけない。

こういう言葉は繰り返し出てきます。

■ではなぜ戦争してはいけないのか?

孫子のいう理由は実に明快です。

戦争をすれば経済的に損をするからです。

ということは経済的なメリットがあるなら、戦争してもよいのか?

孫子は、それならしてもよいと答えています。

この理想主義を徹底して排した現実主義、功利主義の思想が、今に至るまで古びない要因でしょう。

■つまり孫子とは、戦争に勝つための書ではなく、国として生き残るための知恵を記した書なのです。

だから、必ずしも戦争に勝つことだけを主眼とはしていません。

戦争にならないように工夫して生き残るならばそれでよしです。

物騒な相手を策略で内部崩壊させることができれば、戦争をするよりも安くつきますからベターです。

そのためにスパイをうまく使うことを大いに奨励しています。

もっといいのは、守りを固めて、最初から敵に攻めても無駄だとあきらめさせることですね。

このように、孫子は現実的な思考で全編貫かれており、揺るぎません。

短い書物ですが、迷った時には手にとりたくなる書なのです。

■孫子の中で、私が着目するのは「城」という言葉です。

守りを固めた城は攻め落とすのに多大なコストがかかるので関わってはならない、と教えています。

逆に言えば、小さな国でも、城の守りを固くすれば、攻められる恐れを少なくすることができる。=生き残る可能性が高まるわけです。

この「城」とは何でしょうか。

■私の「孫子セミナー」は、孫子をビジネスに活用することを主眼としていますから、必ず次の質問をします。

「あなたのビジネスにとって城とは何ですか?」

これを考え切れるか、考えを途中で放棄するかが、孫子を活用できるかできないかの分水量となります。

■セミナーを受ける人は様々です。

が、面白いことに業種によって「城」の中身が変わります。

製造業は、やはり「技術」や「商品」という人が多い。「特許」もあります。

サービス業は「人材」が多い。武田信玄も「人は城、人は石垣」って言ってますしね。

銀行でも「人材」という答えが多いようですが、「法律」や「コンプライアンス」という声もありました。

■だけど、セミナー内の短い時間で思いつくことなどたかが知れています。

安直に出した答えを鵜呑みにしてはいけません。

ここは考えどころです。

なぜならここでいう「城」こそ、孫子を活用するための鍵であると同時に、我々のビジネスを強くするためのキーワードになるからです。

■昔の中国の城というのは、そびえ立つような城壁を張り巡らせたものすごく強固なものです。

さすが多民族が行き来する土地です。

相手は、進撃の巨人かも知れません。

そんな、言葉も通じない敵を相手にしていたら、平城など怖くて住めませんや。

中国では、城の守りを強固にしないと夜も眠れません。

逆に、攻める方は、さらに工夫をしないと話になりません。

そういうわけで、中国では城攻めの手段や技術が発達していきました。

■ということは、いくら塀を高くしたところで、土壁を厚くしたところで、いつかは破られてしまうでしょう。

攻める方も必死ですよ。

攻めあぐねているうちに、自分の空き城が攻め落とされるかも知れません。

お金がなくなって国力が弱まるかも知れません。

長引くのは愚の骨頂です。短期間で落とす方法を編み出してから攻めてくるに決まっています

それなのに、守る方が、うちは塀が高いから大丈夫だ。なんて思った時点で滅びへのカウントダウンが始まります。

■私が何を言わんとするかおわかりでしょうか。

要するに、ビジネスで孫子を活用するためには、キーワードである「城」のことを、技術とか商品とか特許などと表面的な捉え方をしてはいけないということです。

そんなものすぐにマネされますし、キャッチアップされてしまいます。

人材も同じ。その優秀な人が辞めればどうなりますか。

ビジネスの強さとは、そんなところにはないはずです。

だから、よく考えてください。

■ランチェスター戦略には、基本戦略として、差別化戦略とミート戦略があります。

あまりにも浸透した戦略ですので、多くの人がありふれたことのように聞いています。

が、ほとんどの人は本当の意味では理解していません。

差別化したらいいんだろ、真似したらいいんだろ、程度の解釈では、せっかくの学びの時間が無駄になってしまいます。

私が関わるところでも、強い、しぶとい企業というのは、強さが表面的ではありません。

その強さは、重層的で、体系的です。

だから表面だけ真似られても、びくともしないのです。

その意味をよく考えていただきたいと思います。

■ずるいようですが、今日はあえて、ここまでしか言いません。

簡単に聞いたことは、自分で出した答えほど、心に刻まれないということを、10年間の経験でいやというほど知っていますから。

それぐらい「城」という言葉は大切だと私は考えています。

もし自分なりの答えを見つけて、それを確認したいという方は、天満橋サロンで開催される私のセミナーにお越しください。http://goo.gl/BCi6NC

とことん強みを追求したいという方は「マン・ツー・マン コンサルティング」にお申込みください。http://goo.gl/fQTXdu

年もよろしくお願いいたします。

(2015年1月8日メルマガより)



■昨年のはじめ、会社のホームページに「孫子」
に関するページをアップしました。

以前から孫子について興味があって、自分のセミナーや研修にとりいれたりしていたものですから、それをまとめたものです。

孫子が流行っているからと、狙ってアップしたものではありません。

それがこれ→http://www.createvalue.biz/column2/post-204.html

■ご存じかも知れませんが、昨年は大きな「孫子」ブームがありました。

今年も続いているのかな。

本屋さんにいけば、孫子関連の書籍が多く並んでいるはずです。

だから自分の興味と世間の関心が偶然重なっただけなのですが、ページをみた方からの問い合わせが多く、びっくりしました。

実は昨年だけで、数えてみると、15回ほど、孫子に関するセミナーを行いました。

業界団体や公的機関から呼ばれて行ったセミナーもありますし、企業内で行ったものもあります。

沖縄では、自分主催で行いました。

月に1回以上は孫子のことをどこかで語っているわけですから、これはいっぱしの専門家ですよ。

■ただ私は中国古典の専門家ではありません。

あくまで市井の研究者です。

だから原典の解釈を複合的に語るというには適していません。

言葉の意味を聞かれても答えられない場合がありますので悪しからず。

■ただ、営業の現場を知る者として、孫子を実践で使った経験は豊富だと思います。

私の「孫子セミナー」が喜ばれている理由というのは、その一点でしょう。

孫子の知恵を経営にどう役立てるのか?

私が語れるのはそれですからね。

■ちなみに孫子というのは、今から2500年前に成立した書物です。

軍事の専門家であった孫武という人が、呉の国へ自分を売り込むために行ったプレゼンテーションを書き記したものだと考えられています。

だから内容は多岐にわたるものの、分かりやすく体系化されています。

2500年前の書だからといって、侮ることなかれ。

実に切れ味鋭い内容で、今に至るまで古びることがありません。

2500年の間、軍事指導者だけではなく、政治家や経営者に広く読まれ続けてきたというのは、まさに奇跡的なことです。

■孫子を読んでまず気づくのは、兵法書といいながら、決して戦争を奨励していないこと。

軽々しく戦争をしてはいけない。

こういう言葉は繰り返し出てきます。

■ではなぜ戦争してはいけないのか?

孫子のいう理由は実に明快です。

戦争をすれば経済的に損をするからです。

ということは経済的なメリットがあるなら、戦争してもよいのか?

孫子は、それならしてもよいと答えています。

この理想主義を徹底して排した現実主義、功利主義の思想が、今に至るまで古びない要因でしょう。

■つまり孫子とは、戦争に勝つための書ではなく、国として生き残るための知恵を記した書なのです。

だから、必ずしも戦争に勝つことだけを主眼とはしていません。

戦争にならないように工夫して生き残るならばそれでよしです。

物騒な相手を策略で内部崩壊させることができれば、戦争をするよりも安くつきますからベターです。

そのためにスパイをうまく使うことを大いに奨励しています。

もっといいのは、守りを固めて、最初から敵に攻めても無駄だとあきらめさせることですね。

このように、孫子は現実的な思考で全編貫かれており、揺るぎません。

短い書物ですが、迷った時には手にとりたくなる書なのです。

■孫子の中で、私が着目するのは「城」という言葉です。

守りを固めた城は攻め落とすのに多大なコストがかかるので関わってはならない、と教えています。

逆に言えば、小さな国でも、城の守りを固くすれば、攻められる恐れを少なくすることができる。=生き残る可能性が高まるわけです。

この「城」とは何でしょうか。

■私の「孫子セミナー」は、孫子をビジネスに活用することを主眼としていますから、必ず次の質問をします。

「あなたのビジネスにとって城とは何ですか?」

これを考え切れるか、考えを途中で放棄するかが、孫子を活用できるかできないかの分水量となります。

■セミナーを受ける人は様々です。

が、面白いことに業種によって「城」の中身が変わります。

製造業は、やはり「技術」や「商品」という人が多い。「特許」もあります。

サービス業は「人材」が多い。武田信玄も「人は城、人は石垣」って言ってますしね。

銀行でも「人材」という答えが多いようですが、「法律」や「コンプライアンス」という声もありました。

■だけど、セミナー内の短い時間で思いつくことなどたかが知れています。

安直に出した答えを鵜呑みにしてはいけません。

ここは考えどころです。

なぜならここでいう「城」こそ、孫子を活用するための鍵であると同時に、我々のビジネスを強くするためのキーワードになるからです。

■昔の中国の城というのは、そびえ立つような城壁を張り巡らせたものすごく強固なものです。

さすが多民族が行き来する土地です。

相手は、進撃の巨人かも知れません。

そんな、言葉も通じない敵を相手にしていたら、平城など怖くて住めませんや。

中国では、城の守りを強固にしないと夜も眠れません。

逆に、攻める方は、さらに工夫をしないと話になりません。

そういうわけで、中国では城攻めの手段や技術が発達していきました。

■ということは、いくら塀を高くしたところで、土壁を厚くしたところで、いつかは破られてしまうでしょう。

攻める方も必死ですよ。

攻めあぐねているうちに、自分の空き城が攻め落とされるかも知れません。

お金がなくなって国力が弱まるかも知れません。

長引くのは愚の骨頂です。短期間で落とす方法を編み出してから攻めてくるに決まっています

それなのに、守る方が、うちは塀が高いから大丈夫だ。なんて思った時点で滅びへのカウントダウンが始まります。

■私が何を言わんとするかおわかりでしょうか。

要するに、ビジネスで孫子を活用するためには、キーワードである「城」のことを、技術とか商品とか特許などと表面的な捉え方をしてはいけないということです。

そんなものすぐにマネされますし、キャッチアップされてしまいます。

人材も同じ。その優秀な人が辞めればどうなりますか。

ビジネスの強さとは、そんなところにはないはずです。

だから、よく考えてください。

■ランチェスター戦略には、基本戦略として、差別化戦略とミート戦略があります。

あまりにも浸透した戦略ですので、多くの人がありふれたことのように聞いています。

が、ほとんどの人は本当の意味では理解していません。

差別化したらいいんだろ、真似したらいいんだろ、程度の解釈では、せっかくの学びの時間が無駄になってしまいます。

私が関わるところでも、強い、しぶとい企業というのは、強さが表面的ではありません。

その強さは、重層的で、体系的です。

だから表面だけ真似られても、びくともしないのです。

その意味をよく考えていただきたいと思います。

■ずるいようですが、今日はあえて、ここまでしか言いません。

簡単に聞いたことは、自分で出した答えほど、心に刻まれないということを、10年間の経験でいやというほど知っていますから。

それぐらい「城」という言葉は大切だと私は考えています。

もし自分なりの答えを見つけて、それを確認したいという方は、天満橋サロンで開催される私のセミナーにお越しください。http://goo.gl/BCi6NC

とことん強みを追求したいという方は「マン・ツー・マン コンサルティング」にお申込みください。http://goo.gl/fQTXdu

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