強い現場を作る方法

2011.12.15

(2011年12月15日メルマガより)


■私は、自分のコンサルティングやセミナーの場では「経営は実行だ!」な
どと安易に考えることを諫めています。

まさにそれが根拠のない能天気な考えだと思うからです。

根拠や裏付けのない勢いに任せた行動などギャンブルと変わりません。

ギャンブルをいくら繰り返したところで、それが目標を達成する確率は、い
つまで経っても最初のままです。

ありていに言えば、ギャンブルは常に50%の確率で失敗します。

そんなものにビジネスという重大事の命運を託すことができるのでしょうか。

もちろん、しっかり考えて計算したとしても、失敗することはあります。

しかし、たとえ目標が未達に終わったとしても、根拠を持った行動は、後に
検証できる材料を得たことになります。

その行動は、失敗ではありません。最後に目標を達成するための布石と位置
付けられます。

■と、そうは言いながら、実際のところ、経営が実行であることは間違いあ
りません^^

いくら考えに考えたとしても、実行が伴わなければ、全く意味がない。

企業における戦略づくりの課題は、実行されるかどうかにかかっていると言
っても過言ではありません。

■正直な話...

コンサルタントとして飯を食っている者が作る戦略が、それほど突拍子のな
いものになるわけではありません。

たぶん、誰が作っても、同じようなものになるでしょう。

ある程度勉強した者なら、経営戦略やマーケティング戦略立案の手法は皆、
同じようなものに行きつきます。

それを作る際のロジックが同じものである限り、出てくるものは基本的に同
じです。

打ち出し方や装丁で、特別なもののように見える工夫をするぐらいです。

(むしろ、我流で変わったものを提供する人など信用できませんね)

■だとすれば、同じような戦略をもってしても、結果に優劣が出るというの
は、やはり実行されているか、いないかの差であるということになります。

そうなんですね。

我々は、どうすれば、戦略が実行されるかに日々心を砕いています。

人間を動かす「実行」という作業には、複雑な要素が絡んできますので、当た
り前のロジックを言えば、事足りるというわけではありません。

■日経ビジネスオンラインに、フランチャイズチェーンのパン屋さんのお話が
掲載されています。

「店長を売り場に送り出せ!リトルマーメイド流「強い店」の作り方」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110309/218913/

フランチャイズチェーンといえば、ビジネスを分かりやすく客観化、標準化
して、横展開するための仕組みです。

ビジネスを成功させる秘訣は、一発勝負に頼るのではなく、成功確率の高い
方策をコツコツ採用していくことだと私は考えていますから、シンプルな仕
組みで設計されたフランチャイズシステムは、成功のための究極の仕組みだ
と思います。

もっと言えば、フランチャイズチェーンでなくても、全てのビジネスは仕組
み化すべきです。

自分のビジネスが仕組みとして優れているかどうかの基準として、スムーズ
に横展開できるかどうかを考えてみるのもいいでしょう。

■チェーン展開に成功しているフランチャイズシステムには、全てのビジネ
スにとって参考になるものがあります。

少なくとも、現在の社会環境のもとでニーズを捉えた戦略と、それを収益に
結びつけるための仕組みを兼ね備えていないと、チェーン展開などできません。

だからビジネスを学ぶ人は、成功しているフランチャイズシステムを研究さ
れることをお勧めいたします。

もっとも、フランチャイズチェーンがそう簡単に、内部の仕組みを披露する
とは思えませんが。

■ところが、同じフランチャイズシステムを採用していても、うまくいく店
といかない店があります。

ここだけの話。

フランチャイズチェーンにコンサルティングや講演に招かれることもありま
すが、内情を聞いていると、うまくいかない店も多いようですよ。

同じシステムを採用しているのに、なぜそんな差異が出るのか?

これには、フランチャイズ本部も苦慮しているようです。

店側にも言い分があるようですね。

「マニュアルですべきことが多すぎて、余裕がない」

「不利な立地を紹介された」

「現状の利益では、人を雇えない」

■ご苦労はお察しいたしますが、それもよくある言い訳ですね。

「売れる商品がないから、実績が上がらない」

「優秀な営業がいないから、売上が立たない」

「便利なノウハウを教えてくれないから、動きようがない」

こういう類の言い訳に逃避する人は、ビジネスに対する姿勢を根本から改め
るべきでしょう。

■しかし、フランチャイズ本部が、そんな他人事のような批評をするわけに
はいかないので、何とか現場の改善をしようと試みます。

この記事にあるパン屋さんも、現場に漂う閉塞感に困っていたようです。

記事によれば、こちらのフランチャイズチェーンは、品質のよいパンを提供
することを第一に考えた仕組みを構築していたようです。

「美味しければ売れる...」と簡単にいけばいいのですが、ビジネスはそう単
純ではありません。

商品の品質など、マーケティング施策のほんの一部でしかありませんから、
その他の要素が疎かであれば、売れるわけがありません。

■案の状、こちらのパン屋さんでも、売上が思うように伸びない店が多くあ
ったらしい。

理由はいろいろあるでしょうが、記事には、売れ筋のパンが品切れになって
いることが多かったということを書いています。

なぜか。

単純な話ですが、パンを焼く係の店長が、売り場の状況を把握していなかっ
たからだそうです。

そんなアホな。と思われるかも知れませんが、売れない店には、そういう分
かりやすい綻びが散見されるものです。

特にフランチャイズシステムは、マニュアルがしっかりと組んであり、効率
性を高めているので、人員に余裕がありません。

製造担当者も販売担当者も、それぞれが「製造マター」「販売マター」だと
言いながら、自分の範疇を頑なに守っていたようです。

店側としても、せっかく出来上がったシステムを購入したのだから、マニュ
アルを守っていれば儲かる仕組みでなければ困ると思っていたのかも知れま
せん。

■困った本部がとった施策は「店長が15分ごとに店頭を見まわること」な
どといった新たな項目をマニュアルに付加することではありませんでした。

本質である「現場の店舗自身が、どうすれば売り上げが伸びるかを考えるこ
と」を奨励したようです。

新しいノウハウを提供します。ではなく、新しいノウハウを現場自ら考えて
ください。という方策です。

■抽象的な思考力が苦手なノウハウ至上主義者には甚だ評判の悪い施策であ
っただろうとお察しいたします。

しかし、この時、本部がとったやり方は、まさに王道です。

はっきり言って、実践ノウハウなど、役に立ちません。

なぜなら、ノウハウを自分で使いこなすためには、応用力がある程度必要と
なりますが、応用力がある人は、抽象的な思考に優れているために、自ら考
えてノウハウを作り出せます。

逆に手取り足取り教えてもらわなければならない人は、ノウハウを与えても
応用できないので、使いこなすことができません。常に具体的に指示を与え
てやらなければなりません。

それならば、遠まわりのようでも、抽象的な思考力に慣れてもらう訓練をし
た方が、結果的には早道で、しかも長続きします。

現場で考える。これほど正当的で効果の高い施策はあるのでしょうか。

■リトルマーメイドというパン屋さんが偉いのは、その一見地味な方策を1
年間やり続けたことです。

ノウハウを求める人は「自ら考える」ことなどバカにして受け入れようとし
ませんから、相当抵抗したはずです。

そうなんですね。実は、現場の抵抗勢力とは、既得権を侵されるという分か
りやすい理由であるよりも、今までの考え方や価値観を変えなければならな
いという抽象的な理由でも力を発揮します。

人間の価値観を変えるとは、それほどパワーのいることなんですね。

経営陣に覚悟がなければ、必ずや、必ずや、中途半端に終わってしまって、
現場を白けさせるだけに終わってしまいます。

そういう現場を私も嫌というほど見てきております^^;

■我々、コンサルタントの最も大きな仕事は、まさに現場を動かすことです。

単に戦略を作るだけなら、実は、誰でもできる。(それなりに勉強した者で
あれば...)

それを実行に結びつけるために何をするべきか。

それが、個々のコンサルタントの腕の見せ所です。

現場を動かすという作業は、コンサルティングの中でも非常に難しいなーー
と思うところであり、また一度経験するとやめられなくなるぐらい面白いと
ころでもあると請け負います。

■現場が一度考えを受け入れると、後は早い。

考えて行動する→小さな成果がでる→自信が確信になり、さらに考えて行動
するという正のスパイラルが現出します。

回転が始まれば、加速度がつくように、自ら回りだしますから、もう心配あ
りません。

コンサルタントとしては、楽ができます^^

考え方、価値観とは、そういう継続性があるものです。

その最初の一押しに力がいるので、諦めないで、やり通す。

これが、現場を強くするための最大の秘訣です。

今回の記事は、その非常に的確なヒントになるのではないでしょうか。

(2011年12月15日メルマガより)


■私は、自分のコンサルティングやセミナーの場では「経営は実行だ!」な
どと安易に考えることを諫めています。

まさにそれが根拠のない能天気な考えだと思うからです。

根拠や裏付けのない勢いに任せた行動などギャンブルと変わりません。

ギャンブルをいくら繰り返したところで、それが目標を達成する確率は、い
つまで経っても最初のままです。

ありていに言えば、ギャンブルは常に50%の確率で失敗します。

そんなものにビジネスという重大事の命運を託すことができるのでしょうか。

もちろん、しっかり考えて計算したとしても、失敗することはあります。

しかし、たとえ目標が未達に終わったとしても、根拠を持った行動は、後に
検証できる材料を得たことになります。

その行動は、失敗ではありません。最後に目標を達成するための布石と位置
付けられます。

■と、そうは言いながら、実際のところ、経営が実行であることは間違いあ
りません^^

いくら考えに考えたとしても、実行が伴わなければ、全く意味がない。

企業における戦略づくりの課題は、実行されるかどうかにかかっていると言
っても過言ではありません。

■正直な話...

コンサルタントとして飯を食っている者が作る戦略が、それほど突拍子のな
いものになるわけではありません。

たぶん、誰が作っても、同じようなものになるでしょう。

ある程度勉強した者なら、経営戦略やマーケティング戦略立案の手法は皆、
同じようなものに行きつきます。

それを作る際のロジックが同じものである限り、出てくるものは基本的に同
じです。

打ち出し方や装丁で、特別なもののように見える工夫をするぐらいです。

(むしろ、我流で変わったものを提供する人など信用できませんね)

■だとすれば、同じような戦略をもってしても、結果に優劣が出るというの
は、やはり実行されているか、いないかの差であるということになります。

そうなんですね。

我々は、どうすれば、戦略が実行されるかに日々心を砕いています。

人間を動かす「実行」という作業には、複雑な要素が絡んできますので、当た
り前のロジックを言えば、事足りるというわけではありません。

■日経ビジネスオンラインに、フランチャイズチェーンのパン屋さんのお話が
掲載されています。

「店長を売り場に送り出せ!リトルマーメイド流「強い店」の作り方」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110309/218913/

フランチャイズチェーンといえば、ビジネスを分かりやすく客観化、標準化
して、横展開するための仕組みです。

ビジネスを成功させる秘訣は、一発勝負に頼るのではなく、成功確率の高い
方策をコツコツ採用していくことだと私は考えていますから、シンプルな仕
組みで設計されたフランチャイズシステムは、成功のための究極の仕組みだ
と思います。

もっと言えば、フランチャイズチェーンでなくても、全てのビジネスは仕組
み化すべきです。

自分のビジネスが仕組みとして優れているかどうかの基準として、スムーズ
に横展開できるかどうかを考えてみるのもいいでしょう。

■チェーン展開に成功しているフランチャイズシステムには、全てのビジネ
スにとって参考になるものがあります。

少なくとも、現在の社会環境のもとでニーズを捉えた戦略と、それを収益に
結びつけるための仕組みを兼ね備えていないと、チェーン展開などできません。

だからビジネスを学ぶ人は、成功しているフランチャイズシステムを研究さ
れることをお勧めいたします。

もっとも、フランチャイズチェーンがそう簡単に、内部の仕組みを披露する
とは思えませんが。

■ところが、同じフランチャイズシステムを採用していても、うまくいく店
といかない店があります。

ここだけの話。

フランチャイズチェーンにコンサルティングや講演に招かれることもありま
すが、内情を聞いていると、うまくいかない店も多いようですよ。

同じシステムを採用しているのに、なぜそんな差異が出るのか?

これには、フランチャイズ本部も苦慮しているようです。

店側にも言い分があるようですね。

「マニュアルですべきことが多すぎて、余裕がない」

「不利な立地を紹介された」

「現状の利益では、人を雇えない」

■ご苦労はお察しいたしますが、それもよくある言い訳ですね。

「売れる商品がないから、実績が上がらない」

「優秀な営業がいないから、売上が立たない」

「便利なノウハウを教えてくれないから、動きようがない」

こういう類の言い訳に逃避する人は、ビジネスに対する姿勢を根本から改め
るべきでしょう。

■しかし、フランチャイズ本部が、そんな他人事のような批評をするわけに
はいかないので、何とか現場の改善をしようと試みます。

この記事にあるパン屋さんも、現場に漂う閉塞感に困っていたようです。

記事によれば、こちらのフランチャイズチェーンは、品質のよいパンを提供
することを第一に考えた仕組みを構築していたようです。

「美味しければ売れる...」と簡単にいけばいいのですが、ビジネスはそう単
純ではありません。

商品の品質など、マーケティング施策のほんの一部でしかありませんから、
その他の要素が疎かであれば、売れるわけがありません。

■案の状、こちらのパン屋さんでも、売上が思うように伸びない店が多くあ
ったらしい。

理由はいろいろあるでしょうが、記事には、売れ筋のパンが品切れになって
いることが多かったということを書いています。

なぜか。

単純な話ですが、パンを焼く係の店長が、売り場の状況を把握していなかっ
たからだそうです。

そんなアホな。と思われるかも知れませんが、売れない店には、そういう分
かりやすい綻びが散見されるものです。

特にフランチャイズシステムは、マニュアルがしっかりと組んであり、効率
性を高めているので、人員に余裕がありません。

製造担当者も販売担当者も、それぞれが「製造マター」「販売マター」だと
言いながら、自分の範疇を頑なに守っていたようです。

店側としても、せっかく出来上がったシステムを購入したのだから、マニュ
アルを守っていれば儲かる仕組みでなければ困ると思っていたのかも知れま
せん。

■困った本部がとった施策は「店長が15分ごとに店頭を見まわること」な
どといった新たな項目をマニュアルに付加することではありませんでした。

本質である「現場の店舗自身が、どうすれば売り上げが伸びるかを考えるこ
と」を奨励したようです。

新しいノウハウを提供します。ではなく、新しいノウハウを現場自ら考えて
ください。という方策です。

■抽象的な思考力が苦手なノウハウ至上主義者には甚だ評判の悪い施策であ
っただろうとお察しいたします。

しかし、この時、本部がとったやり方は、まさに王道です。

はっきり言って、実践ノウハウなど、役に立ちません。

なぜなら、ノウハウを自分で使いこなすためには、応用力がある程度必要と
なりますが、応用力がある人は、抽象的な思考に優れているために、自ら考
えてノウハウを作り出せます。

逆に手取り足取り教えてもらわなければならない人は、ノウハウを与えても
応用できないので、使いこなすことができません。常に具体的に指示を与え
てやらなければなりません。

それならば、遠まわりのようでも、抽象的な思考力に慣れてもらう訓練をし
た方が、結果的には早道で、しかも長続きします。

現場で考える。これほど正当的で効果の高い施策はあるのでしょうか。

■リトルマーメイドというパン屋さんが偉いのは、その一見地味な方策を1
年間やり続けたことです。

ノウハウを求める人は「自ら考える」ことなどバカにして受け入れようとし
ませんから、相当抵抗したはずです。

そうなんですね。実は、現場の抵抗勢力とは、既得権を侵されるという分か
りやすい理由であるよりも、今までの考え方や価値観を変えなければならな
いという抽象的な理由でも力を発揮します。

人間の価値観を変えるとは、それほどパワーのいることなんですね。

経営陣に覚悟がなければ、必ずや、必ずや、中途半端に終わってしまって、
現場を白けさせるだけに終わってしまいます。

そういう現場を私も嫌というほど見てきております^^;

■我々、コンサルタントの最も大きな仕事は、まさに現場を動かすことです。

単に戦略を作るだけなら、実は、誰でもできる。(それなりに勉強した者で
あれば...)

それを実行に結びつけるために何をするべきか。

それが、個々のコンサルタントの腕の見せ所です。

現場を動かすという作業は、コンサルティングの中でも非常に難しいなーー
と思うところであり、また一度経験するとやめられなくなるぐらい面白いと
ころでもあると請け負います。

■現場が一度考えを受け入れると、後は早い。

考えて行動する→小さな成果がでる→自信が確信になり、さらに考えて行動
するという正のスパイラルが現出します。

回転が始まれば、加速度がつくように、自ら回りだしますから、もう心配あ
りません。

コンサルタントとしては、楽ができます^^

考え方、価値観とは、そういう継続性があるものです。

その最初の一押しに力がいるので、諦めないで、やり通す。

これが、現場を強くするための最大の秘訣です。

今回の記事は、その非常に的確なヒントになるのではないでしょうか。

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