川淵三郎はなぜ他のスポーツ団体関係者のようにダークサイドに堕ちないのか?
2018.08.23
この夏の好ましくないトピックといえば、「アマスポーツ界における様々な不祥事」が記憶に新しいですね。
日大アメフト部による悪質タックル事件に始まる監督とコーチの強圧的な支配構造の露見は、世間に衝撃を与え、また多くの耳目を集めました。
さらには、日大そのものが、理事長による強圧的な支配により健全なガバナンスが行われているとは言い難いのではないかという報道もあり、この事件は尾を引いています。
しかし、その後に勃発した日本ボクシング連盟における不祥事の告発騒ぎは、日大アメフト部の事件を吹き飛ばしてしまった感があります。
なにしろ、当事者である日本ボクシング連盟の山根会長のキャラクターが強烈です。明石家さんまが「オモロさで負けた」と発言したぐらいですから。
確かに、あのキャラクターは、4、5年に一度、現れるか現れないかというぐらい特異なものでした。
ジャイアンとスネ夫の構図
なにしろ「わたしは、歴史に生きた、歴史の男です」と堂々と発言する人物です。
常識的な規範や客観的な自己認識から逸脱した存在であることがわかるというものです。
仲間には厚いのでしょうが、仲間ではないと思える相手には、躊躇なく攻撃する。威嚇し、怒鳴りつけ、無理を通そうとする。
もともとそういう性質を持っていたのでしょうが、この場合、加齢による要素も加わっています。
自分の言動がどのように波紋を広げ、人々に受け取られるのかを想像できなくなっているので、わがまま放題になっているようです。
ドラえもんでいうとジャイアンですな。歳とったジャイアンです。
だとすると、取り巻きの幹部連中は、スネ夫ですな。
一人のジャイアンと、複数のスネ夫がグループを作っている状態です。
この場合、ジャイアンは腹黒くありません。わがままで厄介な存在ではありますが、自分が悪いなんて微塵も思っていないでしょう。
腹黒いのはスネ夫です。たまに理不尽なことを言うジャイアンですが、機嫌さえとっておけば、嫌われ役をやってくれるので便利な存在だと思っていることでしょう。
炊きつければ、敵を躊躇なく踏みつぶしてくれます。
「やれやれ。ジャイアンには逆らえませんね」とでも言っておけば、自分に火の粉がかかることを避けられます。
問題があるのはボクシングだけではない
私はプロボクシングのファンですから、プロとアマボクシングの関係がうまくいっていないことは何となくは聞いていましたが、まさかアマ組織がこれほどひどいガバナンス(統治プロセス)だったとは、呆れるばかりです。
何やってんだ。と言いたくなりますが、その後の報道をみていると、どうやらひどいのはボクシングだけではないらしい。
いや、アマチュアだけではありません。
プロボクシングにおいても、日本ボクシングコミッションが、預かった健保金を不正に使用していた問題があったばかりです。
いったい日本のスポーツ組織はどうなってしまったのでしょうか。
再建請負人
そんな折、思い出すのが、川淵三郎という人です。
サッカーのプロリーグであるJリーグをチェアマンとして成功させた立役者であり、その後、バスケットボール協会の立て直しをやり遂げ、今や日本トップリーグ連携機構代表理事会長を務める人物です。
ちなみに日本トップリーグ連携機構とは、日本の団体球技リーグの運営強化を図る団体です。
アイスホッケー、アメフト、サッカー、ソフトボール、バスケットボール、バレーボール、ハンドボール、フィールドホッケー、フットサル、ラグビーユニオンが参加している日本の主要球技団体を束ねる機構です。
そこでも、川淵会長は、各団体のガバナンスの監視および立て直しに精力的に取り組んでいます。
なんだか物凄い偉い人になっていますよ。
御年81歳 川淵三郎という人
川淵三郎という人を見ていると、昭和の頑固おやじを思い起こさせます。
人となりとして、聞こえてくるのは、強引、剛腕、強権的、高圧的、独裁的。といったイメージです。
だから決していい評判ばかりではありません。
テレビで話しているのを聞いたことがありますが、その際も、キャスターからの意にそわない質問にいら立って、眉間に皺を寄せ、声を荒げておりました。
川淵氏自身は「自分が嫌われることで注目が集まる。だからわざとマスコミと対立する」なんて意味のことを仰っていますが、嘘だと思います。
あれは、本気で癇癪を爆発させているように見えました。
思った通りに事を進めようとし、うまくいかないと苛立って声を荒げる。。
という姿勢は、ボクシング連盟の山根会長と一緒じゃないか。と思ってしまいます。
ただ川淵三郎氏には、ゆるぎない実績がありますし、今も、スポーツ団体のガバナンス整備に力を発揮しておられると聞きます。
川淵三郎と山根会長。。この昭和のおやじ二人の間にはどのような違いがあるというのでしょうか?
川淵氏の華麗なる経歴
興味を持ったので、少し調べてみました。
川淵三郎氏は、1936年(昭和11年)生まれ。大阪府高石市出身です。(当時は泉北郡高石町)
高校でサッカーを始めて、早稲田大学に進学。大学リーグで活躍します。
卒業後は古河電機工業に入社。同社のサッカー部に所属します。
1964年の東京オリンピックに選手として出場。銅メダル獲得メンバーとなります。
その後、引退。
古川電気工業では、名古屋支店金属営業部長まで務めたということですから、会社員としての役割もきちんとやられていたようです。
1991年に退社すると、1993年のJリーグ開幕に向けて初代チェアマンとして尽力します。
その後の活躍はよく知られるところです。
日本サッカー協会会長(キャプテン)を務めた後、東京都教育委員、首都大学東京理事長を歴任。
2015年には、バスケットボール協会改革に立ち上がり、見事、プロリーグの一本化を成し遂げ、その後の興隆の礎を築きます。
そして今や、日本トップリーグ連携機構会長として、各スポーツ団体のガバナンス健全化に睨みを効かせています。
こうした実績をみれば、ボクシング協会も、川淵氏に立て直しを依頼すればいいやんと思えてきます。
大企業で営業部長を経験
川淵氏の経歴で着目すべきは、古河電気工業で営業部長まで務めたことです。
この経歴こそが、まずは、スポーツ団体にありがちな「そのスポーツしかやってこなかった人が経営陣」という事態から一線を画すものです。
営業マネージャーは、営業テクニックを持っているだけで務まる仕事ではありません。
営業メンバーの掌握と、営業プロセス全体をマネジメントすることが不可欠です。
そのためにはマネジメントに関する深い知見と統率力、メンバーを引っ張るリーダーシップが必要です。
私は「営業を究めた者は何でもできる」と考えていますが、川淵氏の活躍はその好例であると考えます。
理念を確立する
川淵氏の著作やインタビューをみてみると、団体を再建するためにまず最初にやることは「理念を確立すること」だと明言しています。
これは、経営層に近いところでビジネスに取り組んだ者特有の発言です。
ここでいう理念を別の言葉で言い換えると「社会における存在価値」すなわち、なぜその団体がこの世の中に必要なのか?を言い表したものです。
この意味での理念なくしては、組織や団体は健全な形で維持できません。
個人でも同じです。ビジネスする者が「儲けたらええやん」と思っているとダークサイドに堕ちるしかなくなってしまいます。
例えば、この20年から30年、名だたる大企業が、派閥争いのあげくに、企業価値を著しく棄損させてきた事例をいくつもみてきました。
シャープしかり、東芝しかり、パナソニックやソニーでさえそうです。日本の家電企業が世界で通用しなくなった裏には、顧客価値を創ることを忘れて、自分たちの権益を守ろうとした経営陣の原始人のような争いがあったということですから、なんとも情けない。
理念を軽視し、忘れてしまった企業の末路は実にみじめなものです。
理念がなければ組織は維持できない
スケールは小さくなりますが、各スポーツ団体における不祥事の根本は、トップ層が自身の保身や権益を守ることを優先させて、団体の存在意義を忘れていたことにあると言えます。
そうならないために、川淵氏が理念の確立を最優先させることは、げに合理的なやり方であると思います。
例えば、日本バスケットボール協会(JBA)の場合
理念は「バスケットボールの普及・振興と強化を図り、もって人々の心身の健全なる発展に寄与する」
ビジョンは「バスケットボールを愛する誰もが、バスケットボールを楽しめる環境を作る
全ての人々に感動と希望を与え、皆が誇れる日本代表チームを作る」
となっています。
このシンプルな言葉をお題目と捉える団体に未来はありません。これがあるから、取り組むべきことの優先順位を決めることができますし、発生する諸問題に対して、どのように接すればいいのかが分かります。少なくとも、優先順位を決める際の議論の前提とすることができます。
もしこの理念がなければ、優先順位を決めるのは、トップの腹一つとなってしまって、議論の余地がなくなります。
いくら理不尽な決定といえども、判断基準がないのですから仕方ない。トップの顔色をうかがうのみです。
それが、ガバナンス不全に陥った団体の姿です。
トップダウンの改革
理念が決まった後、どうするのか。
川淵氏のやり方は、トップダウンで強引に改革を進めるというものです。
判断基準があるのだから間違うことはないという理屈ですが、実際には、あまりの強引さに不平不満が頻発します。
バスケットボール改革においても、不満を持つグループからのリークらしき川淵批判記事が週刊誌に掲載されたりしました。
それでも改革に多少の不平不満はつきものです。
ここを民主的にやろうとすれば「総論賛成、各論反対」状態になってしまって、全く進まないでしょう。
多くのアマチュアスポーツ団体の問題点がここにあります。
実はアマチュアスポーツ団体の理事の多くは、報酬を得ていない善意の人が多いようです。
無報酬でやっている善意の人なのだから、改革が必要だと感じていても、自分が矢面に立って嫌われ役をやろうと思う人は極めて少ないでしょう。
それよりは、なるべく喧嘩にならないように、穏便に、合議制で進めていく方が、ストレスが少ない。
民主的ではあるものの、課題解決されないままに時間を過ごすことになってしまいます。
それに比べて、川淵氏のやりようは性急で、不満を抱く者を顧みることがありません。目的にむかって一直線です。
バスケットボールの場合、内紛のあげく意見の違うプロリーグが二つ存在する事態になっていました。世界のバスケット連盟から、これを統合させなければ、オリンピック出場を認めないと宣言されるに至りました。
内紛の末に生み出された利害団体双方の言い分を全部くみ取ることなど不可能です。
そこで、川淵氏は自分で落とし所を決めて、それを推し進めました。
双方不満はあったでしょうが、結果としてリーグ統一を果たし、オリンピック出場資格を得たのだから、バスケットボール界全体では利益を得ることができました。
川淵氏自身は「私欲のない独裁だ」と言っていますが、まさに川淵氏の強制力がなければ、達成できなかった課題であったと言えます。
理論武装する
もう一つ、川淵氏は、強引に物事を進めるからには、正当性がなければならない。だから根拠となる理論を完璧にしておく。と発言しています。
これもビジネスマンの感覚です。
特に川淵氏は、「最後の独裁者」を公言する読売グループの総帥・渡辺恒雄氏と論争を繰り広げました。
これはJリーグ発足当時、地域密着球団の理念を推し進めようとした川淵氏のことを渡辺氏が「空疎な理念」と批判したことに端を発しています。
プロ野球球団を持つ渡辺氏からすれば、企業の支援を重視していないように映るJリーグの在り方に憤懣やるかたない思いがあったようです。
さすがの川淵氏にとっても、相手は超大物です。しかも渡辺氏、ああ見えて、幅広い教養の持ち主ですから、論争にも強い。
それでも川淵氏は怯みませんでした。ヨーロッパにあるような地域コミュニティを中心としたサッカーチームを作り、ひいては地域にサッカー文化を根付かせたいという理念に自信を持っていたからです。
相手の教養に負けないように猛勉強をしながら論争を挑んだ川淵氏は、結果的に渡辺氏の主張を退けます。
世間的にも、渡辺氏の意見の方に批判が集まるようになりました。
このことが、川淵氏の知見や教養をいっそう高めることになり、さらにいうと、世間的な格を上げることになったのです。
外部人材の登用
さらにいうと、バスケットボール団体の改革が、これほど早く進んだのは、外部からの人材を多くとりいれたことが大きいと思います。
現在、日本バスケットボール連盟会長は、バレーボール出身者の三屋裕子氏です。
副会長の大河正明氏は、サッカーJリーグ関係者でした。
またリーグ統一に向けて細かなことまで実際に決めていったのは、弁護士の境田正樹氏だったようです。
いずれも川淵氏のネットワークから連れてきた人材です。
バスケットボール関係者からすれば、外部人材に乗っ取られたような気になって心穏やかではいられなかったようですが、それも仕方ありません。
なぜなら、内部人材だけでは、利害関係が入り組んでいるので、ジャイアンとスネ夫のグループが復活するかも知れません。そうなるとまた内紛が起きてしまいます。
落下傘で降りてきたような人材配置は、組織を落ち着かせるのに役立ったようです。
川淵三郎がダークサイドに堕ちない理由
こうしてみると、川淵三郎氏と、不祥事を起こすスポーツ団体のトップの違いは明らかです。
(1)まず川淵氏には、営業マネージャーとしての経験があり、そのため、組織を動かすためには「理念」が最も重要であることを知っていた。
(2)理念に基づく「正当性」を自らの行動規範とした。だから独裁的な強制力を発揮するに躊躇がなかった。
(3)難敵に対するため正当性の根拠を「理論」で固めた。そのため社会的、客観的な支持を得た。
(4)利害関係やしがらみのない「外部人材」を登用し、組織を統治させた。
いかがでしょうか。
不祥事を起こす組織には「理念」「正当性」「理論」「外部人材」がないはずです。
ともすればただの独裁者になってしまいそうな川淵氏が、「私欲ない人」と認められ、実績を上げることができるのは、この4つを押さえたからだと考えます。
逆にいえば、規範や制度で自らを縛り、ダークサイドに堕ちないようにするのが、営業マネージャーを経験した人の知恵なのかも知れません。
もう一つ。川淵氏をみていて思うのは、権威や権益に対する未練を感じないことです。
一度、独裁者になれば降りることができない。と昔からいわれています。権力にしがみつくトップが多い中、川淵氏は、仕事さえ終わればすぐに辞めてしまいます。
ですからここも重要です。
(5)課題解決と同時にトップの座を降り「短期政権」で終わらせた。
誰もが相応しいと思っていた日本バスケットボール協会会長就任も固辞したようです。
その潔さもまた、川淵氏の信頼感、安心感につながっていると思います。
≪参考≫
この夏の好ましくないトピックといえば、「アマスポーツ界における様々な不祥事」が記憶に新しいですね。
日大アメフト部による悪質タックル事件に始まる監督とコーチの強圧的な支配構造の露見は、世間に衝撃を与え、また多くの耳目を集めました。
さらには、日大そのものが、理事長による強圧的な支配により健全なガバナンスが行われているとは言い難いのではないかという報道もあり、この事件は尾を引いています。
しかし、その後に勃発した日本ボクシング連盟における不祥事の告発騒ぎは、日大アメフト部の事件を吹き飛ばしてしまった感があります。
なにしろ、当事者である日本ボクシング連盟の山根会長のキャラクターが強烈です。明石家さんまが「オモロさで負けた」と発言したぐらいですから。
確かに、あのキャラクターは、4、5年に一度、現れるか現れないかというぐらい特異なものでした。
ジャイアンとスネ夫の構図
なにしろ「わたしは、歴史に生きた、歴史の男です」と堂々と発言する人物です。
常識的な規範や客観的な自己認識から逸脱した存在であることがわかるというものです。
仲間には厚いのでしょうが、仲間ではないと思える相手には、躊躇なく攻撃する。威嚇し、怒鳴りつけ、無理を通そうとする。
もともとそういう性質を持っていたのでしょうが、この場合、加齢による要素も加わっています。
自分の言動がどのように波紋を広げ、人々に受け取られるのかを想像できなくなっているので、わがまま放題になっているようです。
ドラえもんでいうとジャイアンですな。歳とったジャイアンです。
だとすると、取り巻きの幹部連中は、スネ夫ですな。
一人のジャイアンと、複数のスネ夫がグループを作っている状態です。
この場合、ジャイアンは腹黒くありません。わがままで厄介な存在ではありますが、自分が悪いなんて微塵も思っていないでしょう。
腹黒いのはスネ夫です。たまに理不尽なことを言うジャイアンですが、機嫌さえとっておけば、嫌われ役をやってくれるので便利な存在だと思っていることでしょう。
炊きつければ、敵を躊躇なく踏みつぶしてくれます。
「やれやれ。ジャイアンには逆らえませんね」とでも言っておけば、自分に火の粉がかかることを避けられます。
問題があるのはボクシングだけではない
私はプロボクシングのファンですから、プロとアマボクシングの関係がうまくいっていないことは何となくは聞いていましたが、まさかアマ組織がこれほどひどいガバナンス(統治プロセス)だったとは、呆れるばかりです。
何やってんだ。と言いたくなりますが、その後の報道をみていると、どうやらひどいのはボクシングだけではないらしい。
いや、アマチュアだけではありません。
プロボクシングにおいても、日本ボクシングコミッションが、預かった健保金を不正に使用していた問題があったばかりです。
いったい日本のスポーツ組織はどうなってしまったのでしょうか。
再建請負人
そんな折、思い出すのが、川淵三郎という人です。
サッカーのプロリーグであるJリーグをチェアマンとして成功させた立役者であり、その後、バスケットボール協会の立て直しをやり遂げ、今や日本トップリーグ連携機構代表理事会長を務める人物です。
ちなみに日本トップリーグ連携機構とは、日本の団体球技リーグの運営強化を図る団体です。
アイスホッケー、アメフト、サッカー、ソフトボール、バスケットボール、バレーボール、ハンドボール、フィールドホッケー、フットサル、ラグビーユニオンが参加している日本の主要球技団体を束ねる機構です。
そこでも、川淵会長は、各団体のガバナンスの監視および立て直しに精力的に取り組んでいます。
なんだか物凄い偉い人になっていますよ。
御年81歳 川淵三郎という人
川淵三郎という人を見ていると、昭和の頑固おやじを思い起こさせます。
人となりとして、聞こえてくるのは、強引、剛腕、強権的、高圧的、独裁的。といったイメージです。
だから決していい評判ばかりではありません。
テレビで話しているのを聞いたことがありますが、その際も、キャスターからの意にそわない質問にいら立って、眉間に皺を寄せ、声を荒げておりました。
川淵氏自身は「自分が嫌われることで注目が集まる。だからわざとマスコミと対立する」なんて意味のことを仰っていますが、嘘だと思います。
あれは、本気で癇癪を爆発させているように見えました。
思った通りに事を進めようとし、うまくいかないと苛立って声を荒げる。。
という姿勢は、ボクシング連盟の山根会長と一緒じゃないか。と思ってしまいます。
ただ川淵三郎氏には、ゆるぎない実績がありますし、今も、スポーツ団体のガバナンス整備に力を発揮しておられると聞きます。
川淵三郎と山根会長。。この昭和のおやじ二人の間にはどのような違いがあるというのでしょうか?
川淵氏の華麗なる経歴
興味を持ったので、少し調べてみました。
川淵三郎氏は、1936年(昭和11年)生まれ。大阪府高石市出身です。(当時は泉北郡高石町)
高校でサッカーを始めて、早稲田大学に進学。大学リーグで活躍します。
卒業後は古河電機工業に入社。同社のサッカー部に所属します。
1964年の東京オリンピックに選手として出場。銅メダル獲得メンバーとなります。
その後、引退。
古川電気工業では、名古屋支店金属営業部長まで務めたということですから、会社員としての役割もきちんとやられていたようです。
1991年に退社すると、1993年のJリーグ開幕に向けて初代チェアマンとして尽力します。
その後の活躍はよく知られるところです。
日本サッカー協会会長(キャプテン)を務めた後、東京都教育委員、首都大学東京理事長を歴任。
2015年には、バスケットボール協会改革に立ち上がり、見事、プロリーグの一本化を成し遂げ、その後の興隆の礎を築きます。
そして今や、日本トップリーグ連携機構会長として、各スポーツ団体のガバナンス健全化に睨みを効かせています。
こうした実績をみれば、ボクシング協会も、川淵氏に立て直しを依頼すればいいやんと思えてきます。
大企業で営業部長を経験
川淵氏の経歴で着目すべきは、古河電気工業で営業部長まで務めたことです。
この経歴こそが、まずは、スポーツ団体にありがちな「そのスポーツしかやってこなかった人が経営陣」という事態から一線を画すものです。
営業マネージャーは、営業テクニックを持っているだけで務まる仕事ではありません。
営業メンバーの掌握と、営業プロセス全体をマネジメントすることが不可欠です。
そのためにはマネジメントに関する深い知見と統率力、メンバーを引っ張るリーダーシップが必要です。
私は「営業を究めた者は何でもできる」と考えていますが、川淵氏の活躍はその好例であると考えます。
理念を確立する
川淵氏の著作やインタビューをみてみると、団体を再建するためにまず最初にやることは「理念を確立すること」だと明言しています。
これは、経営層に近いところでビジネスに取り組んだ者特有の発言です。
ここでいう理念を別の言葉で言い換えると「社会における存在価値」すなわち、なぜその団体がこの世の中に必要なのか?を言い表したものです。
この意味での理念なくしては、組織や団体は健全な形で維持できません。
個人でも同じです。ビジネスする者が「儲けたらええやん」と思っているとダークサイドに堕ちるしかなくなってしまいます。
例えば、この20年から30年、名だたる大企業が、派閥争いのあげくに、企業価値を著しく棄損させてきた事例をいくつもみてきました。
シャープしかり、東芝しかり、パナソニックやソニーでさえそうです。日本の家電企業が世界で通用しなくなった裏には、顧客価値を創ることを忘れて、自分たちの権益を守ろうとした経営陣の原始人のような争いがあったということですから、なんとも情けない。
理念を軽視し、忘れてしまった企業の末路は実にみじめなものです。
理念がなければ組織は維持できない
スケールは小さくなりますが、各スポーツ団体における不祥事の根本は、トップ層が自身の保身や権益を守ることを優先させて、団体の存在意義を忘れていたことにあると言えます。
そうならないために、川淵氏が理念の確立を最優先させることは、げに合理的なやり方であると思います。
例えば、日本バスケットボール協会(JBA)の場合
理念は「バスケットボールの普及・振興と強化を図り、もって人々の心身の健全なる発展に寄与する」
ビジョンは「バスケットボールを愛する誰もが、バスケットボールを楽しめる環境を作る
全ての人々に感動と希望を与え、皆が誇れる日本代表チームを作る」
となっています。
このシンプルな言葉をお題目と捉える団体に未来はありません。これがあるから、取り組むべきことの優先順位を決めることができますし、発生する諸問題に対して、どのように接すればいいのかが分かります。少なくとも、優先順位を決める際の議論の前提とすることができます。
もしこの理念がなければ、優先順位を決めるのは、トップの腹一つとなってしまって、議論の余地がなくなります。
いくら理不尽な決定といえども、判断基準がないのですから仕方ない。トップの顔色をうかがうのみです。
それが、ガバナンス不全に陥った団体の姿です。
トップダウンの改革
理念が決まった後、どうするのか。
川淵氏のやり方は、トップダウンで強引に改革を進めるというものです。
判断基準があるのだから間違うことはないという理屈ですが、実際には、あまりの強引さに不平不満が頻発します。
バスケットボール改革においても、不満を持つグループからのリークらしき川淵批判記事が週刊誌に掲載されたりしました。
それでも改革に多少の不平不満はつきものです。
ここを民主的にやろうとすれば「総論賛成、各論反対」状態になってしまって、全く進まないでしょう。
多くのアマチュアスポーツ団体の問題点がここにあります。
実はアマチュアスポーツ団体の理事の多くは、報酬を得ていない善意の人が多いようです。
無報酬でやっている善意の人なのだから、改革が必要だと感じていても、自分が矢面に立って嫌われ役をやろうと思う人は極めて少ないでしょう。
それよりは、なるべく喧嘩にならないように、穏便に、合議制で進めていく方が、ストレスが少ない。
民主的ではあるものの、課題解決されないままに時間を過ごすことになってしまいます。
それに比べて、川淵氏のやりようは性急で、不満を抱く者を顧みることがありません。目的にむかって一直線です。
バスケットボールの場合、内紛のあげく意見の違うプロリーグが二つ存在する事態になっていました。世界のバスケット連盟から、これを統合させなければ、オリンピック出場を認めないと宣言されるに至りました。
内紛の末に生み出された利害団体双方の言い分を全部くみ取ることなど不可能です。
そこで、川淵氏は自分で落とし所を決めて、それを推し進めました。
双方不満はあったでしょうが、結果としてリーグ統一を果たし、オリンピック出場資格を得たのだから、バスケットボール界全体では利益を得ることができました。
川淵氏自身は「私欲のない独裁だ」と言っていますが、まさに川淵氏の強制力がなければ、達成できなかった課題であったと言えます。
理論武装する
もう一つ、川淵氏は、強引に物事を進めるからには、正当性がなければならない。だから根拠となる理論を完璧にしておく。と発言しています。
これもビジネスマンの感覚です。
特に川淵氏は、「最後の独裁者」を公言する読売グループの総帥・渡辺恒雄氏と論争を繰り広げました。
これはJリーグ発足当時、地域密着球団の理念を推し進めようとした川淵氏のことを渡辺氏が「空疎な理念」と批判したことに端を発しています。
プロ野球球団を持つ渡辺氏からすれば、企業の支援を重視していないように映るJリーグの在り方に憤懣やるかたない思いがあったようです。
さすがの川淵氏にとっても、相手は超大物です。しかも渡辺氏、ああ見えて、幅広い教養の持ち主ですから、論争にも強い。
それでも川淵氏は怯みませんでした。ヨーロッパにあるような地域コミュニティを中心としたサッカーチームを作り、ひいては地域にサッカー文化を根付かせたいという理念に自信を持っていたからです。
相手の教養に負けないように猛勉強をしながら論争を挑んだ川淵氏は、結果的に渡辺氏の主張を退けます。
世間的にも、渡辺氏の意見の方に批判が集まるようになりました。
このことが、川淵氏の知見や教養をいっそう高めることになり、さらにいうと、世間的な格を上げることになったのです。
外部人材の登用
さらにいうと、バスケットボール団体の改革が、これほど早く進んだのは、外部からの人材を多くとりいれたことが大きいと思います。
現在、日本バスケットボール連盟会長は、バレーボール出身者の三屋裕子氏です。
副会長の大河正明氏は、サッカーJリーグ関係者でした。
またリーグ統一に向けて細かなことまで実際に決めていったのは、弁護士の境田正樹氏だったようです。
いずれも川淵氏のネットワークから連れてきた人材です。
バスケットボール関係者からすれば、外部人材に乗っ取られたような気になって心穏やかではいられなかったようですが、それも仕方ありません。
なぜなら、内部人材だけでは、利害関係が入り組んでいるので、ジャイアンとスネ夫のグループが復活するかも知れません。そうなるとまた内紛が起きてしまいます。
落下傘で降りてきたような人材配置は、組織を落ち着かせるのに役立ったようです。
川淵三郎がダークサイドに堕ちない理由
こうしてみると、川淵三郎氏と、不祥事を起こすスポーツ団体のトップの違いは明らかです。
(1)まず川淵氏には、営業マネージャーとしての経験があり、そのため、組織を動かすためには「理念」が最も重要であることを知っていた。
(2)理念に基づく「正当性」を自らの行動規範とした。だから独裁的な強制力を発揮するに躊躇がなかった。
(3)難敵に対するため正当性の根拠を「理論」で固めた。そのため社会的、客観的な支持を得た。
(4)利害関係やしがらみのない「外部人材」を登用し、組織を統治させた。
いかがでしょうか。
不祥事を起こす組織には「理念」「正当性」「理論」「外部人材」がないはずです。
ともすればただの独裁者になってしまいそうな川淵氏が、「私欲ない人」と認められ、実績を上げることができるのは、この4つを押さえたからだと考えます。
逆にいえば、規範や制度で自らを縛り、ダークサイドに堕ちないようにするのが、営業マネージャーを経験した人の知恵なのかも知れません。
もう一つ。川淵氏をみていて思うのは、権威や権益に対する未練を感じないことです。
一度、独裁者になれば降りることができない。と昔からいわれています。権力にしがみつくトップが多い中、川淵氏は、仕事さえ終わればすぐに辞めてしまいます。
ですからここも重要です。
(5)課題解決と同時にトップの座を降り「短期政権」で終わらせた。
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- 2019.12.12:新人営業が自信を持つために最初にすること
- 2019.11.28:創業以来の危機に陥ったアシックスは復活できるのか?
- 2019.11.14:井上尚弥がはじめての苦戦から得たもの
- 2019.10.31:ユニクロ会長が怒る「失われた30年」から抜け出すことはできるのか?
- 2019.10.17:サマンサタバサはなぜ紳士服のコナカに買われたのか?
- 2019.10.03:中小零細企業の大半が不要だと言われてしまう理由
- 2019.09.19:ZOZO身売りに見た前澤氏の限界と可能性
- 2019.09.05:ビアードパパのすごい展開力
- 2019.08.22:マイクロソフトはなぜ比類なき復活を遂げたのか?
- 2019.08.08:空前絶後の幸運に見舞われながらも、それゆえに破滅した男の話。
- 2019.07.25:吉本が、これほどマネジメント能力がないとは驚いた
- 2019.07.11:ネットフリックスは、本気のディズニーに勝てるのか?
- 2019.06.27:ぺんてるとコクヨ またかよ!?と言いたくなるお家騒動がらみの揉め事
- 2019.06.13:驚異の高収益企業キーエンスの理由
- 2019.05.30:井上尚弥が導く異次元のボクシングビジネス
- 2019.05.16:WOWOWをV字回復させたサブスクビジネスの本質
- 2019.05.02:ランチェスター戦略で令和を生き抜く
- 2019.04.18:豊臣秀吉に学ぶ「人を動かす」秘訣
- 2019.04.04:令和のランチェスター戦略
- 2019.03.21:それでも生き残る!小さな会社の生き残り術
- 2019.03.07:少子高齢化と人口減少に直面する日本を破綻させなめに我々がすべきこと
- 2019.02.21:吉野家は過去の栄光を捨て去れるのか
- 2019.02.07:「サブスク」ビジネスの衝撃
- 2019.01.24:島田紳助や大前研一が提唱する成功理論・成功術
- 2019.01.10:平成が終わっても、人生は終わらない
- 2018.12.27:サーモス(THERMOS)V字回復の鍵は「接近戦」にあり
- 2018.12.13:カルロス・ゴーン事件が教える組織の腐り方
- 2018.11.29:RIZAPリバイバルプランは結果にコミットするか
- 2018.11.01:アマゾン・エフェクトに対抗する手段はあるのか
- 2018.10.04:ランチェスター戦略が示す3つのマジックナンバー
- 2018.09.20:ランチェスター戦略の中で、いちばん使えるところを教えます。
- 2018.09.06:ボクシング 井上尚弥にあって、山中慎介になかったもの
- 2018.08.23:川淵三郎はなぜ他のスポーツ団体関係者のようにダークサイドに堕ちないのか?
- 2018.08.09:半周遅れのヤフーによる起死回生の逆転戦略
- 2018.07.26:営業は「準備」が9割!
- 2018.07.12:サッカーW杯日本代表はなぜ躍進したのか?
- 2018.06.28:メルカリが破格の期待を集める5つの理由
- 2018.06.14:楽天が携帯電話事業にいまさら参入する理由
- 2018.05.31:スタジオアリスがさらに成長するための方法
- 2018.05.17:私が出会った優秀なコンサルタント
- 2018.05.03:サーモス(THERMOS)の奇跡はなぜ起きたのか?
- 2018.04.19:ワークマンは第二のユニクロになれるのか?
- 2018.04.05:これから営業職につく若い人に言いたいこと
- 2018.03.22:シリアルアントレプレナー「ブックオフ」「俺の」創業者の成功パターン
- 2018.03.08:サンマルクカフェにわざわざ行く理由があるのか?
- 2018.02.22:小さな事業者が新規開拓で成功する方法
- 2018.02.08:「なんでも酒やカクヤス」にみる局地戦の極意
- 2018.01.25:私が生き残っているのは「弱者の5大戦略」を実践してきたからです。
- 2018.01.11:2018年 君たちはどう生きるか(吉野源三郎や宮崎駿とは関係ありません)
- 2017.12.28:AIの時代に、どのような営業が生き残れるのか?
- 2017.12.14:ナイキもアシックスも「SHOE DOG」だ!
- 2017.11.30:TSUTAYAやDMMはしたたかに生き残っていくだろうが限界もある
- 2017.11.16:「シン・ゴジラ」って途中まで面白いけど、後半グダグダじゃないですか?
- 2017.11.02:織田信長が22年かけてできなかった天下統一を、豊臣秀吉がたった8年でできた理由
- 2017.10.19:電気自動車(EV)の時代に日本企業は生き残れるのか
- 2017.10.05:顧客満足度3年連続1位!ドトールコーヒーが最強か
- 2017.09.21:ヤマダ電機が生き残りを賭けて反攻開始!
- 2017.09.07:ドラッグストアが、コンビニを食い物にしている
- 2017.08.24:国内で敵なしのカルビーの将来が必ずしも明るくない理由
- 2017.08.10:君は内山高志を見たか
- 2017.07.27:金本知憲監督はすべての中間管理職の象徴だ
- 2017.07.13:自然界のランチェスター戦略
- 2017.06.29:回転寿司は群雄割拠の戦国時代に入った
- 2017.06.15:小さな会社のM&Aが日本を救う?
- 2017.06.01:AbemaTVは年間200億円の赤字から脱却できるのか?
- 2017.05.18:大阪・堺の超優良企業シマノは、これからも盤石なのか?
- 2017.05.04:知られざる成長産業 コインランドリー業界はどうなっているのか?
- 2017.04.20:新社会人に贈る「1万時間の法則」
- 2017.04.06:野村克也を超一流のプロ野球人にした3つの力
- 2017.03.23:風林火山を旗印に掲げた武田信玄は、戦略家ではなかったのか?
- 2017.03.09:ラスト・ワンマイルの表と裏をおさえよ
- 2017.02.23:鳥貴族の成長はこのまま∞に続くのか
- 2017.02.09:キングコング西野の絵本「えんとつ町のプペル」はなぜ炎上するほど売れているのか?
- 2017.01.26:アマゾンはどこから来てどこへ行くのか
- 2017.01.12:「孫子」を5つのポイントで整理した
- 2016.12.29:真田幸村はなぜ「日本一の兵」になったのか?
- 2016.12.15:セイコーマート・北の最強コンビニはどのようにできたのか
- 2016.12.01:クリスピー・クリーム・ドーナツの大量閉店は、前向きだったのですね
- 2016.11.17:ジーユーがユニクロを超える時、ファーストリテイリングは世界トップになる
- 2016.11.03:ピコ太郎はなぜ世界を席巻したのか?
- 2016.10.20:地域密着営業って何だろう?
- 2016.10.06:繁盛する居酒屋には、現場営業に必要なヒントが満載だ
- 2016.09.22:天下分け目といわれた関ヶ原の戦いはなぜ半日で決着がついたのか?
- 2016.09.08:「世界の山ちゃん」は世界に届くのか
- 2016.08.25:リオ五輪 男子柔道はなぜ躍進したのか?
- 2016.08.11:ポケモンGOは、何をGOしたのか?
- 2016.07.28:営業は純粋な「技術」であり、誰でも身に着けられるものである
- 2016.07.14:金本を信じよ!
- 2016.06.30:せっかく展示会出展しても成果の出ないやり方をしている企業が多すぎる
- 2016.06.16:小さな会社が生き残る秘訣は「ニッチであること」その他には...
- 2016.06.02:びっくりドンキーは弱者のエネルギーに満ちていた
- 2016.05.19:「同率勝算の規則」に則った唯一の成功法則
- 2016.05.05:レスターに学ぶ「奇跡のチーム」を作る3つの秘訣
- 2016.04.21:世紀のちゃぶ台返し!セブンに何があったのか
- 2016.04.07:新社会人に贈る あなたの人生を豊かにする秘訣
- 2016.03.24:コメダ珈琲店に人気があるのは理由がある
- 2016.03.10:小さくても生き残る「局所的な強者」の作り方
- 2016.02.25:「営業の仕組み」を身に着ければ、目標達成に苦しまなくなる
- 2016.02.11:子供に自慢できる人生を送りたいなら
- 2016.01.28:マクドナルドもスターバックスも日本市場をなめるな!
- 2016.01.14:「孫子の兵法」を企業経営に活かす方法
- 2015.12.31:結果を出す人は、手段を目的化している
- 2015.12.17:廃業寸前の負け犬集団が、常勝軍団に生まれ変わったわけ
- 2015.12.03:なぜ「世界トップ企業」を目指すのか?
- 2015.11.19:初めての著作は、なぜ「小説」になったのか?
- 2015.11.05:戦略は実行させなければ意味がない
- 2015.10.22:世界トップ企業への道は「差別化」が開く
- 2015.10.08:世界トップ企業になるために最初にしなければならないこと
- 2015.09.24:サーモス(THERMOS)はなぜ「廃業寸前」から世界トップ企業になったのか?
- 2015.09.10:営業には3つの役割がある
- 2015.08.27:楽天球団は、新しい野球を見せてくれ!
- 2015.08.13:ユニクロは、無印良品と提携せよ
- 2015.07.23:ノキアと日本電産 東西M&A巧者のやり方
- 2015.07.09:ワクワクする仕事しかやりません。
- 2015.06.25:ライザップはなぜ叩かれるのか?
- 2015.06.11:「けっこういい」よりも「並外れてダメ」がいい
- 2015.05.28:戦略には「感動」が必要だ
- 2015.05.14:「孔子」を学ぶ意味
- 2015.04.30:スカイマークはなぜ優遇されながら破綻したのか?
- 2015.04.16:セブンvsミスド 初戦の判定は
- 2015.04.02:任天堂はもう一度天下をとれるのか
- 2015.03.19:ファミマはセブンに勝てるのか?
- 2015.03.05:大塚家具の父と娘はどちらが正しいのか?
- 2015.02.19:成長しないビジネスのロールモデル
- 2015.02.05:100回勝負に持ち込めば絶対に勝てる
- 2015.01.22:キリンビバレッジは逆転できるのか?
- 2015.01.08:「孫子」を活用するための最大のキーワード
- 2014.12.31:「孫子の兵法」を学ぶ
- 2014.12.25:ハウステンボスはどのようにして再建されたのか?
- 2014.12.11:テラモーターズは、なぜオートバイ市場のトップ企業となったのか?
- 2014.11.27:人を動かすシンプルなメソッド
- 2014.11.13:嫌いな顧客を嫌いだと思わなくなる方法
- 2014.10.30:縄文時代が何年続いたか知ってます?
- 2014.10.02:阪神タイガースはなぜ優勝できないのか?
- 2014.09.18:創業塾でのQ&A
- 2014.08.21:コンビニのアイスクリームはどうなっているのか
- 2014.08.07:創業して10年続く人が持っている3つの資質
- 2014.07.24:私が「孫子」を使う理由
- 2014.07.10:「三国志」の戦いで勝敗が決する要因とは?
- 2014.06.26:「孫子の兵法」でみる2014年ワールドカップ日本代表の戦い
- 2014.06.12:マラドーナはなぜ三流監督で終わったのか?
- 2014.05.29:相性のいい顧客を探す方法
- 2014.05.15:営業が不得意な人は、営業なんてしない方が成果が上がる
- 2014.05.01:GoProは、強者になれるのか
- 2014.04.17:マクドナルドは、マイルドヤンキーを狙え!
- 2014.04.03:売れる仕組みが必要な理由
- 2014.03.20:営業プロセスがなければ組織は動かない
- 2014.03.06:ビジネスの設計図を作ろう
- 2014.02.20:彼を知り己を知れば...
- 2014.02.06:ビジョンは営業チームを一丸にする
- 2014.01.23:楽しくなければ営業じゃない!
- 2014.01.09:私がメルマガを書く「立ち位置」
- 2013.12.26:レゴは、なぜ世界第2位の玩具メーカーに復活したのか?
- 2013.12.12:コトラーに教えらえた初心に戻る
- 2013.11.28:日本のモノづくりを復活させるには
- 2013.11.14:レッドブルが世界で52億本も売れた「何か」
- 2013.10.31:ヤフーはどこに行こうとしているのか?
- 2013.10.17:飛び火マーケティングの時代-GoPro
- 2013.10.03:アップルは普通の企業になってしまった
- 2013.09.19:7年後、日本は巨大な展示会場になる
- 2013.09.05:店舗系ビジネスの弱者の戦略
- 2013.08.22:私がイチローから学ぶ3つのこと
- 2013.08.08:脱・人脈の営業
- 2013.07.25:ソーシャル時代の「真実の瞬間」
- 2013.07.11:統計は最強の営業マネジメントツールである
- 2013.06.27:新興宗教のビジネスモデル
- 2013.06.13:進化する教育システムに乗り遅れるな
- 2013.05.30:お医者さんや弁護士さんの営業戦略
- 2013.05.16:できる営業は、負け方が違う
- 2013.05.02:宮崎駿とスタジオジブリについて
- 2013.04.18:差別化は、マイナスせよ
- 2013.04.04:JAL再生にみる企業変革の王道
- 2013.03.21:第3回WBC終戦記念 がんばれプロ野球
- 2013.03.07:マイケル・ポーターの戦略はもう通用しないのか?
- 2013.02.21:王将の餃子は大阪を跳び出すか?
- 2013.02.07:営業チームマネジメントの第一歩
- 2013.01.24:失速したマクドナルドの次の一手は?
- 2013.01.10:阪神タイガースは暗黒時代に戻っていくのか
- 2012.12.27:衰退市場でトップを張る宝島社の戦略
- 2012.12.13:目標は、顧客総取り!
- 2012.11.29:答えのない問題に取り組めるのか
- 2012.11.15:手っ取り早く実績を上げるには
- 2012.11.01:プロ野球は、名選手しか監督になれないのか?
- 2012.10.18:世界王者が世界に挑戦!
- 2012.10.04:新・携帯電話版三国志
- 2012.09.20:安売りせずに売る方法
- 2012.09.06:脳内のリミットを外せ
- 2012.08.23:儲ける方法をタネ明かしする
- 2012.08.09:もうかるビジネスにはタネがある
- 2012.07.26:ステーキを売るな、○○を売れ!
- 2012.07.12:一流の営業になるために絶対に避けられない道
- 2012.06.28:顧客を創造するということ
- 2012.06.14:ビジネスが成立するための3つの要素
- 2012.05.31:理屈で捉えきれない会社もある
- 2012.05.17:戦術は現状を効率的にする。戦略は現状を破壊する
- 2012.05.03:物語風ビジネス書を読んでみよう
- 2012.04.19:市場価値より企業内価値を高めよう
- 2012.04.05:3つの起業家タイプが注意すること
- 2012.03.22:ソニーはどこへ行った?
- 2012.03.08:利益を上げるための最もシンプルな方法
- 2012.02.23:ランチェスター戦略を営業に活かすたった3つのプロセス
- 2012.02.09:日本の電機メーカーはどうすれば生き残れるのか
- 2012.01.26:心理学はビジネスに生かせるのか
- 2012.01.12:水戸黄門の終焉と大阪都構想
- 2011.12.29:「坂の上の雲」を越えていこう
- 2011.12.15:強い現場を作る方法
- 2011.12.01:なぜ落合博満はブレないのか?
- 2011.11.17:小さなお菓子屋さんが描く大きなストーリー
- 2011.11.03:理屈でメシは食えん!でいいの?
- 2011.10.20:iPhone vs iPhone
- 2011.10.06:本質からはじめよ!
- 2011.09.22:アマゾンにチャレンジ!
- 2011.09.08:さらば、スティーブ・ジョブズ
- 2011.08.25:マフィアにビジネスの極意を聞く
- 2011.08.11:たまにはビジネス小説でも読みましょうか
- 2011.07.28:なぜ我々にはマーケティングが必要なのか?
- 2011.07.14:「いい商品」って何ですか?
- 2011.06.30:カリスマ営業を有難がっても意味ないでしょう
- 2011.06.16:ネスプレッソが売れている理由
- 2011.06.02:孫子、ポーター、ランチェスター
- 2011.05.19:足腰の弱い欧米企業、頭の弱い日本企業
- 2011.05.05:斎藤佑樹はプロ野球で通用するか?
- 2011.04.21:ランチェスター戦略って役に立つの?
- 2011.04.07:温泉旅館を蘇らせるには
- 2011.03.24:弱い人をより弱くするのが戦略なのか
- 2011.03.10:タスク管理と時間管理のツール紹介
- 2011.02.24:プレーヤーからマネージャーへ
- 2011.02.10:110兆円の市場に遅れた日本
- 2011.01.27:物語と希望の深い関係
- 2011.01.13:グーグルVSアップル
- 2010.12.30:面白い戦略ストーリーの作り方
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- 2010.12.02:理屈のない実行はギャンブルですよ
- 2010.11.18:メイド・カフェの営業プロセス
- 2010.11.04:プロ野球球団運営を成功させるには
- 2010.10.21:勝ちパターンの作り方
- 2010.10.07:たまには「哲学」の話をしよう
- 2010.09.23:世紀末都市・アキバ
- 2010.09.09:コンビニ・オーナーというビジネス
- 2010.08.26:もし現場のオッチャンがポーターを学んだら
- 2010.08.12:坂の上に雲は見えない?
- 2010.07.29:システム思考って何だろう
- 2010.07.15:営業は「点取り屋」ではない!
- 2010.07.01:戦略はストーリーで語れ2
- 2010.06.17:戦略はストーリーで語れ
- 2010.06.03:アップルは本当に最強なのか?
- 2010.05.20:営業生産性を上げる構造とは
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- 2010.03.25:アップルとユニ・チャーム~変革企業の共通点
- 2010.03.11:無料のビジネスって何だ?
- 2010.02.25:営業に必要な戦略的思考
- 2010.02.11:狩猟民族の構想力に学ぼう
- 2010.01.28:農耕営業のススメ
- 2010.01.14:2010年は日本企業のアジア進出元年になる
- 2009.12.31:2009年の携帯とジーンズと餃子
- 2009.12.17:20歳の頃の自分に読ませたい本
- 2009.12.03:日本茶も海外進出している
- 2009.11.19:ダイソンはなぜ売れたのか?
- 2009.11.05:私の考える効率的な営業とは
- 2009.10.22:島田紳助の研究2
- 2009.10.08:フォロワー企業のゲーム
- 2009.09.24:地域密着企業の営業戦術
- 2009.09.10:地域密着企業の経営方法
- 2009.08.27:マクドナルド 一人勝ちの理由
- 2009.08.13:死せる孔明、生ける仲達を走らす
- 2009.07.30:農業は儲かるのか?
- 2009.07.16:キリン、サントリー、アサヒ、オリオン
- 2009.07.02:戦略2、戦術1の法則
- 2009.06.18:いい顧客、悪い顧客
- 2009.06.04:日本で一番大切にしたい会社の戦略
- 2009.05.21:それぞれの「1万時間」を過ごそう
- 2009.05.07:社会起業は一般の起業と何が違うのか?
- 2009.04.23:もし諸葛孔明が経営顧問だったら
- 2009.04.09:物語の力を知ろう
- 2009.03.26:祝!WBC日本代表優勝
- 2009.03.12:小さな池の大きな魚
- 2009.02.26:農業にチャンスあり
- 2009.02.12:機能と情緒--2つの差別化の方法
- 2009.01.29:営業は結果を追ってはいけない
- 2009.01.15:真似したくてもできない事情がある
- 2009.01.01:欲しいものを作ってくれるビジネス
- 2008.12.18:オール・ザット・競争戦略
- 2008.12.04:ゼロ距離を目指す
- 2008.11.20:10/13の市場でビジネスする
- 2008.11.06:ローカルヒーロー花盛り
- 2008.10.23:いい商品を、いい人から、安い値段で買いたい
- 2008.10.09:経営で必要な知恵はすべて三国志で学んだ
- 2008.09.25:HONDAが空を飛ぶ!
- 2008.09.11:緊急性にフォーカスせよ!
- 2008.08.28:楽天グループ迷走す
- 2008.08.14:エコカー開発競争
- 2008.07.31:儲けるための仕組みを作ろう
- 2008.07.17:「黒船」iPhoneの衝撃
- 2008.07.03:野球は言葉でするもんや
- 2008.06.19:大阪の小さなものづくり企業
- 2008.06.05:事業コンセプトにこだわる
- 2008.04.24:黒澤明はなぜ世界進出に失敗したのか?
- 2008.04.10:スタジオアリスに見る市場特化の行方
- 2008.03.13:山形の洋菓子店がフォーカスしたもの
- 2008.02.28:阪神タイガースは獣王無敵か?
- 2008.02.14:薄型テレビ市場2.0 競争の鍵はブランド力か
- 2008.01.31:アシックスの戦略、ナイキの戦略
- 2008.01.17:「日本一の村」改革に挑戦
- 2008.01.03:マネることは差別化の第一歩
- 2007.12.20:駄菓子屋さんの成功要因
- 2007.12.06:P&Gの戦略-強者はこれだけ有利だ
- 2007.11.22:浪速のグローバル企業
- 2007.11.08:良いモノを作りさえすれば売れるのか
- 2007.10.25:巨人軍の凋落は止められるか?
- 2007.10.11:"志"が歴史を変えた--三国志に寄せて
- 2007.09.27:縮小するアパレル市場で生き残るには
- 2007.09.13:ハンバーガー帝国興亡の行方は
- 2007.08.30:日本製航空機は羽ばたくか
- 2007.08.16:織田信長はなぜ徳川家康に正室と嫡男の処分を命じたのか
- 2007.08.02:中小企業にとって仕組みとは
- 2007.07.19:島田紳助の研究
- 2007.07.05:最強のビジネスモデルとは何か
- 2007.06.21:迷った時は最終ユーザーに聞け
- 2007.06.07:弱者には弱者の販売促進がある
- 2007.05.24:一発逆転を狙ってはいけない
- 2007.05.10:豆腐一丁からビジネスを考える
- 2007.04.26:戦略がなければ生き残れない
- 2007.04.12:飲料業界は激変の予感
- 2007.03.29:経営理念こそ究極の差別化
- 2007.03.27:ホッピーはなぜ復活したのか
- 2007.03.15:引越し業の差別化競争時代
- 2007.03.01:コンビニ 本格競争時代に突入
- 2007.02.15:一人勝ちのワナにはまった松下電器
- 2007.02.01:ワインブームのその後
- 2007.01.18:本業がなくなってしまったら
- 2007.01.04:すべてはデジタル化する
- 2006.12.21:携帯電話版三国志
- 2006.12.07:小さな旅行会社の成功法則
- 2006.11.23:織田信長の戦略
- 2006.11.09:小さな市場に焦点を絞る会社は強い
- 2006.10.26:弱者を貫いて強者となった企業
- 2006.10.12:市場シェアの獲り過ぎに注意
- 2006.09.28:小さな市場でヒットを飛ばす
- 2006.09.14:日本酒市場あれこれ
- 2006.08.31:小さな市場で戦え
- 2006.08.17:もう1つの成長産業
- 2006.08.03:ランチェスター戦略が示すこと
- 2006.07.20:チャンスがあることを皆が知っている市場
- 2006.07.06:商品の意味が変わる時
- 2006.06.22:サッカーW杯にみる「戦略とは」
- 2006.05.25:SMPを意識する
- 2006.05.11:"営業嫌い"は会社の責任だ
- 2006.04.27:営業の分かりやすいコトバとは
- 2006.04.13:残りの80%に富を再配分する
- 2006.03.30:とるに足りない80%
- 2006.03.16:狭く、深く掘り進めれば、視界は開ける
- 2006.03.02:日本の消費者は世界レベルに近づいている
- 2006.02.16:ノウハウを捨てよう!
- 2006.02.02:一番、損になることをしよう
- 2006.01.19:技術系小企業が生き残るには
- 2006.01.05:すでに起こった未来
- 2005.12.22:顧客接点がビジネスの命綱
- 2005.12.08:一点集中戦略の落とし穴
- 2005.11.24:松下電器の一点集中戦略
- 2005.10.27:2005年日本シリーズを斬る
- 2005.10.13:例外に注目せよ
- 2005.10.10:成長の壁を乗り越える
- 2005.09.29:常識を少しずらすとチャンスが生まれる
- 2005.09.15:見えない敵と戦うには
- 2005.09.01:最も怖いのは見えない敵だ
- 2005.08.18:不滅の営業手法
- 2005.07.22:いつまで川原で石を売るのですか?(3)
- 2005.07.07:いつまで川原で石を売るのですか?(2)
- 2005.06.23:いつまで川原で石を売るのですか?(1)
- 2005.06.09:年功序列の市場はもう無い
- 2005.05.26:バーガーキング復活
- 2005.03.03:オニツカ錐もみ商法とは(後編)
- 2005.02.17:オニツカ錐もみ商法とは(前編)
- 2005.02.03:売れないのではなく、売っていないんですよ
- 2005.01.20:中小企業が狙う中国市場とは
- 2005.01.05:常識にとらわれない戦略を戦う
- 2004.12.24:小さな企業は逆転の発想で戦え!
- 2004.12.09:ゲーム型競争時代は終わらない
- 2004.11.11:北欧企業にみるランチェスター戦略
- 2004.11.02:UTADA全米進出失敗を斬る
- 2004.08.22:韓国ドラマ、なぜ人気?
- 2002.09.07:戦略とは見えざるもの
- 2002.09.07:営業をシステムとして把握する
- 2002.09.07:組織営業を導入しよう
- 2002.09.07:SMPメソッドとは
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2019.07.16 2019年7月16日「はじめてのマネジメント入門」セミナー受講後アンケートの声です。※アンケート回収47名のうち、当セミナーの内容がビジネスに ①大いに役立つ15名、②役立つ31名、③あまり役に立たな...
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