AbemaTVは年間200億円の赤字から脱却できるのか?

2017.06.01

(2017年6月1日メルマガより)


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■先日(5月7日)、インターネットTVが「亀田興毅に勝ったら1000万」という企画を放送したのをご存じでしょうか。

亀田興毅とは、2年前に引退したプロボクサーです。ただのボクサーではありません。3兄弟全員が世界チャンピオンになったボクシングエリート一家の長男であり、自身はライトフライ級、フライ級、バンタム級の3階級制覇を成し遂げた人です。

その亀田興毅にボクシングで勝ったら1000万円の賞金が手に入るというなんとも無茶な企画です。

挑戦できるのは素人のみ。喧嘩自慢のヤンキーやホストやユーチューバーといった人たちが、挑戦者に選ばれました。

■まあ、結果は見えています。いくら引退したからといって、世界チャンピオンにまでなった人が喧嘩自慢の素人に負けるはずがありません。

試合前は挑戦者が不良ぶりを思いっきり発揮して煽りに煽っていましたが、試合になると亀田興毅のボディ1発でKO...と思いきや、とんでもないことが起こりました。

なんと試合が始まった瞬間に、サーバーがダウンして中継がストップしてしまったのです。

ツイッターには「亀田興毅がサーバーをKO!」というツイートが溢れましたとさ。

(この日、亀田興毅は4人と戦ったのですが、もちろん全勝。最後の一人は疲れてKOできませんでしたが...)

■この番組を企画放送したのが、サイバーエージェントとテレビ朝日が共同運営するAbemaTVです。

昨年から放送を開始し、週400万アクセスを集めるメディアでしたが、この日だけで1300万アクセスがあったのだとか。

想定外のアクセス数だったのでしょうね。しばらくは、停止した画面を眺めながら茫然としていたものですが、そのうちユーチューブでも放送していることを知り、そちらで視聴いたしました。

それにしてもこの番組。日曜日の18時から始まって、試合開始が20時頃。全部終わるのが、23時ですよ。

なんとも贅沢な時間の使い方です。今どき正規の世界タイトルマッチでも1時間枠でしか放映されないというのに、素人参加企画に5時間かけて、しかもサーバーダウンするほど注目を集めたのだから大したものです。

亀田興毅の知名度恐るべきというべきか、企画力の勝利というべきか。

■ちなみにこのAbemaTV、視聴は無料です。パソコンでも観ることができますし、スマホに専用アプリをダウンロードして観ることもできます。

常時、様々な番組を配信しており、ニュース、バラエティ、音楽、アニメ、ドラマ、ゴルフ、釣り、サッカー、格闘技、将棋、麻雀などのチャンネルがあります。CS放送のコンセプトに似ていますかね。

無料なので、収益は広告配信でまかなうモデルです。だから週400万アクセスでは赤字です。

黒字化の目安は、週1000万アクセス。つまり、毎週、亀田興毅企画クラスを放送しなければスポンサーが十分につかないということです。

それがかなわない現状、サイバーエージェント側は年間200億円の赤字を見込んでいると言われています。

■要するにAbemaTVは、スマホで観るテレビというコンセプトなんですね。

立ち上げの背景には、地上波テレビの衰退があります。

スマホに接することが生活の一部になった今日、テレビを見る時間が減り、相対的にスマホでできるゲームやラインに費やす時間が増えています。

特に若者のテレビ離れは顕著です。

テレビを見ているのは中高年層ばかり、ということになれば、テレビに広告を出稿するスポンサーが減るのも自然な流れです。

スマホゲームを提供するサイバーエージェントとテレビ朝日が、地上波テレビから離れようとしている層を何とか取り込もうとして立ち上げたのがAbemaTVだというわけです。

■今のところ番組はテレビやその他のメディアの焼き直しです。

仕方ないですね。いきなり独自性を出せと言われても難しい。今は実験段階でしょう。CS放送や他の動画配信サービスで人気のコンテンツに似たものを集めています。

ただし今の自主規制だらけの面白くない地上波テレビではなく、一昔前のなんでもありのテレビ番組を志向しているように思えます

そういえば「亀田興毅に勝ったら1000万」企画も、ガチンコファイトクラブ(テレビ朝日系)そっくりのテイストでしたしね。

ここは「矢追純一のUFO」とか「川口浩探検隊」とか「たけしのウルトラクイズ」とか、モニタリングみたいに生ぬるくない「ドッキリカメラ」とか、復活させてほしいものですな。

■これに対して、テレビの映画枠、ドラマ枠を取り込もうというのが、ネットフリックスなどの動画配信メディアです。

ネットフリックスやアマゾンプライムビデオ、huluなどは月額課金のビジネスモデルです。

月1000円弱の会費を払えば、多くの映画やドラマが見放題という分かりやすさです。

映画配信に関しては、これらのサービスには敵わないでしょう。AbemaTVとは別ジャンルと考えた方がよさそうです。

■一方、AbemaTVと比較されることが多いのは、2006年からドワンゴがサービスを提供しているニコニコです。

老舗だけに、早くからテレビに飽き足りないと考えていた層を多く取り込んできました。

ビジネスモデルは、月額課金と広告モデルの二本立て。今は、課金の方が大きいようですが。

ニコニコの特徴は双方向性です。生放送の画面にコメントを書き込める機能が人気です。場合によっては、タレントがコメントに反応する即時性があります。

動画を配信するタレントも、地上波テレビには出てこないような芸人やアングラな文化人など。

ニッチな分野を得意とするタレントとコアなファンが双方向で濃いコミュニティを形成する場を提供するのが、ニコニコのビジネスです。

個人的には、ニコニコには近寄りがたい雰囲気を感じます。ユーザーがコア過ぎるんですよね。安易に近づくと火傷しそうな気がします。

逆にいうとそれだけ結束の固いコミュニティが形成されているということですし、AbemaTVが狙う顧客層とはずれているといえるでしょう。

■ニコニコは2006年末にサービスの提供を開始して、黒字化したのは2010年だといわれています。

約3年。その間に蓄積した放送インフラ関連のノウハウが参入障壁となっています。

そうなんですね。要するに、動画配信サービスは、装置産業です。黒字化するまでの投資はそれなりにかかりますが、一度黒字化すれば儲かるビジネスです。

AbemaTVも同じです。亀田興毅企画でサーバーダウンしたことも、ノウハウとして蓄積されているはずです。

何年後かにAbemaTVが黒字化した折、他社が追随しようとしても、その期間のノウハウの蓄積が大きな参入障壁となっているでしょう

年200億円の赤字にもサイバーエージェントの藤田社長が強気なのは、ユーザーの視聴習慣もインフラへの投資も蓄積だという考えがあるからでしょう。

■結論をいうと、私は、AbemaTVの黒字化は達成できるだろうと考えています。

コンテンツがテレビ番組の焼き直しだなんて安易すぎるという意見もありますが、ニコニコやユーチューブほど素人っぽくないコンテンツはむしろ魅力です。

CS放送なみに趣味に特化したチャンネルが無料視聴できるというのは、ファンにとっては有難いことですよ。

AbemaTVそのものの知名度が上げるためのイベント企画を定期的に打ちながら、レギュラー番組の質を上げていけば、週1000万アクセスは達成できるでしょう。

なにしろ視聴習慣は蓄積ですから、藤田社長が腰を引かない限り、達成できないはずがありません。

さてもう一つの動画配信サービスであるユーチューブについても触れておきます。

世界最大の動画配信メディアにして、既に儲かるビジネスになっているユーチューブです。

今やユーチューバーなる存在まで生み出しており、彼らはインフルエンサー(その他の消費者への影響が大きい人)としてスポンサー企業の広告費用の行先になっています。

数年前までは素人動画があだ花のように持て囃されているだけなんて思うふしもありましたが、今は相当洗練されてきています。

それに、地上波テレビができないしやらないことも素人の強さでやってしまっています。

(縁日のくじびきに大当たりはあるのか?なんて言いながら数十万円使ってくじ引きをしまくる動画がありました。テキヤの怖いおじさんが出てきたりして面白かったなあ)

なにしろ中学生の間では、テレビタレントよりもユーチューバーの人気が高いぐらいです。

そんな売れっ子ユーチューバーを企業が放っておくはずがありません。超売れっ子になると、億を超える収入があるといいますから。

ユーチューブには視聴回数に応じて広告費が配分される仕組みがありますが、それは大した収入にはなりません。実際にはスポンサー企業からの収入がないとプロにはなれないでしょう。

だから、超売れっ子は別枠として、普通のユーチューバーは、専門家、ニッチ化していって、コアなファンをつかもうとしています。

ニコニコと同じような動きに思えますが、ユーチューバーの場合は広告スポンサーを意識せざるを得ないので、選ぶ分野も趣味的なものではありません。

メイクの専門家←化粧品会社がスポンサー

旅行の専門家←旅行会社がスポンサー

手作り弁当の専門家←食品会社がスポンサー

株主優待の専門家←証券会社がスポンサー

なんて感じですか。

メダカ育成の専門家がいてもいいですが、まさかペットショップがスポンサーにはならないでしょうね。だからそれはあくまで趣味としてのユーチューブ投稿です。

プロとしてのユーチューバーは、スポンサーがつく分野を見極めながら、しかし太鼓持ちにならないようなタレント性を持たなければなりません。それができる人がプロとして成立するということなんでしょう。

■というわけで、地上波テレビの衰退という地殻変動から始まった新しいビジネスの争奪戦は、三者三様です。

AbemaTVは、スマホで観るテレビというコンセプトで、スマホに移行した若い世代を取り込み、スポンサー企業を獲得しようとしています。

ニコニコは、もともとテレビに飽き足りないコアなファンを中心に強固なコミュニティを作り、ファンからの課金でビジネスを回しています。

ユーチューバーは、インフルエンサーを必要とする企業スポンサーを獲得すべく専門特化しようとしています。

企業側とすれば、専門特化したユーチューバーは確かに有難い存在なのでしょうが、使い途が限られてきます。

これに比べて「若者に人気のAbemaTV」なんて冠があれば、とりあえず広告費を割くことができますから、それはそれで便利でしょうね。

大成功するかどうかはわかりませんが、そこそこやるんじゃないかと思う次第です。

参考:亀田興毅企画ヒットさせたAbemaTVの豪胆 ネット放送局が地上波テレビに勝る武器
http://toyokeizai.net/articles/-/170875

参考:「200億円の赤字」でもAbemaTVから撤退しない理由と決意を、藤田晋社長が明かす
http://www.sbbit.jp/article/cont1/33607

参考:AbemaTVはニコニコといかに差別化するか? 将棋チャンネルから見るそれぞれの戦略
https://www.buzzfeed.com/jp/harunayamazaki/abematv-niconico?utm_term=.hyMXAEGwR#.uvKYE1Dx2

参考:YouTubeの「売れっ子」に大企業が群がる理由 若者への「狭いけど深い影響力」に期待集まる
http://toyokeizai.net/articles/-/166847


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■先日(5月7日)、インターネットTVが「亀田興毅に勝ったら1000万」という企画を放送したのをご存じでしょうか。

亀田興毅とは、2年前に引退したプロボクサーです。ただのボクサーではありません。3兄弟全員が世界チャンピオンになったボクシングエリート一家の長男であり、自身はライトフライ級、フライ級、バンタム級の3階級制覇を成し遂げた人です。

その亀田興毅にボクシングで勝ったら1000万円の賞金が手に入るというなんとも無茶な企画です。

挑戦できるのは素人のみ。喧嘩自慢のヤンキーやホストやユーチューバーといった人たちが、挑戦者に選ばれました。

■まあ、結果は見えています。いくら引退したからといって、世界チャンピオンにまでなった人が喧嘩自慢の素人に負けるはずがありません。

試合前は挑戦者が不良ぶりを思いっきり発揮して煽りに煽っていましたが、試合になると亀田興毅のボディ1発でKO...と思いきや、とんでもないことが起こりました。

なんと試合が始まった瞬間に、サーバーがダウンして中継がストップしてしまったのです。

ツイッターには「亀田興毅がサーバーをKO!」というツイートが溢れましたとさ。

(この日、亀田興毅は4人と戦ったのですが、もちろん全勝。最後の一人は疲れてKOできませんでしたが...)

■この番組を企画放送したのが、サイバーエージェントとテレビ朝日が共同運営するAbemaTVです。

昨年から放送を開始し、週400万アクセスを集めるメディアでしたが、この日だけで1300万アクセスがあったのだとか。

想定外のアクセス数だったのでしょうね。しばらくは、停止した画面を眺めながら茫然としていたものですが、そのうちユーチューブでも放送していることを知り、そちらで視聴いたしました。

それにしてもこの番組。日曜日の18時から始まって、試合開始が20時頃。全部終わるのが、23時ですよ。

なんとも贅沢な時間の使い方です。今どき正規の世界タイトルマッチでも1時間枠でしか放映されないというのに、素人参加企画に5時間かけて、しかもサーバーダウンするほど注目を集めたのだから大したものです。

亀田興毅の知名度恐るべきというべきか、企画力の勝利というべきか。

■ちなみにこのAbemaTV、視聴は無料です。パソコンでも観ることができますし、スマホに専用アプリをダウンロードして観ることもできます。

常時、様々な番組を配信しており、ニュース、バラエティ、音楽、アニメ、ドラマ、ゴルフ、釣り、サッカー、格闘技、将棋、麻雀などのチャンネルがあります。CS放送のコンセプトに似ていますかね。

無料なので、収益は広告配信でまかなうモデルです。だから週400万アクセスでは赤字です。

黒字化の目安は、週1000万アクセス。つまり、毎週、亀田興毅企画クラスを放送しなければスポンサーが十分につかないということです。

それがかなわない現状、サイバーエージェント側は年間200億円の赤字を見込んでいると言われています。

■要するにAbemaTVは、スマホで観るテレビというコンセプトなんですね。

立ち上げの背景には、地上波テレビの衰退があります。

スマホに接することが生活の一部になった今日、テレビを見る時間が減り、相対的にスマホでできるゲームやラインに費やす時間が増えています。

特に若者のテレビ離れは顕著です。

テレビを見ているのは中高年層ばかり、ということになれば、テレビに広告を出稿するスポンサーが減るのも自然な流れです。

スマホゲームを提供するサイバーエージェントとテレビ朝日が、地上波テレビから離れようとしている層を何とか取り込もうとして立ち上げたのがAbemaTVだというわけです。

■今のところ番組はテレビやその他のメディアの焼き直しです。

仕方ないですね。いきなり独自性を出せと言われても難しい。今は実験段階でしょう。CS放送や他の動画配信サービスで人気のコンテンツに似たものを集めています。

ただし今の自主規制だらけの面白くない地上波テレビではなく、一昔前のなんでもありのテレビ番組を志向しているように思えます

そういえば「亀田興毅に勝ったら1000万」企画も、ガチンコファイトクラブ(テレビ朝日系)そっくりのテイストでしたしね。

ここは「矢追純一のUFO」とか「川口浩探検隊」とか「たけしのウルトラクイズ」とか、モニタリングみたいに生ぬるくない「ドッキリカメラ」とか、復活させてほしいものですな。

■これに対して、テレビの映画枠、ドラマ枠を取り込もうというのが、ネットフリックスなどの動画配信メディアです。

ネットフリックスやアマゾンプライムビデオ、huluなどは月額課金のビジネスモデルです。

月1000円弱の会費を払えば、多くの映画やドラマが見放題という分かりやすさです。

映画配信に関しては、これらのサービスには敵わないでしょう。AbemaTVとは別ジャンルと考えた方がよさそうです。

■一方、AbemaTVと比較されることが多いのは、2006年からドワンゴがサービスを提供しているニコニコです。

老舗だけに、早くからテレビに飽き足りないと考えていた層を多く取り込んできました。

ビジネスモデルは、月額課金と広告モデルの二本立て。今は、課金の方が大きいようですが。

ニコニコの特徴は双方向性です。生放送の画面にコメントを書き込める機能が人気です。場合によっては、タレントがコメントに反応する即時性があります。

動画を配信するタレントも、地上波テレビには出てこないような芸人やアングラな文化人など。

ニッチな分野を得意とするタレントとコアなファンが双方向で濃いコミュニティを形成する場を提供するのが、ニコニコのビジネスです。

個人的には、ニコニコには近寄りがたい雰囲気を感じます。ユーザーがコア過ぎるんですよね。安易に近づくと火傷しそうな気がします。

逆にいうとそれだけ結束の固いコミュニティが形成されているということですし、AbemaTVが狙う顧客層とはずれているといえるでしょう。

■ニコニコは2006年末にサービスの提供を開始して、黒字化したのは2010年だといわれています。

約3年。その間に蓄積した放送インフラ関連のノウハウが参入障壁となっています。

そうなんですね。要するに、動画配信サービスは、装置産業です。黒字化するまでの投資はそれなりにかかりますが、一度黒字化すれば儲かるビジネスです。

AbemaTVも同じです。亀田興毅企画でサーバーダウンしたことも、ノウハウとして蓄積されているはずです。

何年後かにAbemaTVが黒字化した折、他社が追随しようとしても、その期間のノウハウの蓄積が大きな参入障壁となっているでしょう

年200億円の赤字にもサイバーエージェントの藤田社長が強気なのは、ユーザーの視聴習慣もインフラへの投資も蓄積だという考えがあるからでしょう。

■結論をいうと、私は、AbemaTVの黒字化は達成できるだろうと考えています。

コンテンツがテレビ番組の焼き直しだなんて安易すぎるという意見もありますが、ニコニコやユーチューブほど素人っぽくないコンテンツはむしろ魅力です。

CS放送なみに趣味に特化したチャンネルが無料視聴できるというのは、ファンにとっては有難いことですよ。

AbemaTVそのものの知名度が上げるためのイベント企画を定期的に打ちながら、レギュラー番組の質を上げていけば、週1000万アクセスは達成できるでしょう。

なにしろ視聴習慣は蓄積ですから、藤田社長が腰を引かない限り、達成できないはずがありません。

さてもう一つの動画配信サービスであるユーチューブについても触れておきます。

世界最大の動画配信メディアにして、既に儲かるビジネスになっているユーチューブです。

今やユーチューバーなる存在まで生み出しており、彼らはインフルエンサー(その他の消費者への影響が大きい人)としてスポンサー企業の広告費用の行先になっています。

数年前までは素人動画があだ花のように持て囃されているだけなんて思うふしもありましたが、今は相当洗練されてきています。

それに、地上波テレビができないしやらないことも素人の強さでやってしまっています。

(縁日のくじびきに大当たりはあるのか?なんて言いながら数十万円使ってくじ引きをしまくる動画がありました。テキヤの怖いおじさんが出てきたりして面白かったなあ)

なにしろ中学生の間では、テレビタレントよりもユーチューバーの人気が高いぐらいです。

そんな売れっ子ユーチューバーを企業が放っておくはずがありません。超売れっ子になると、億を超える収入があるといいますから。

ユーチューブには視聴回数に応じて広告費が配分される仕組みがありますが、それは大した収入にはなりません。実際にはスポンサー企業からの収入がないとプロにはなれないでしょう。

だから、超売れっ子は別枠として、普通のユーチューバーは、専門家、ニッチ化していって、コアなファンをつかもうとしています。

ニコニコと同じような動きに思えますが、ユーチューバーの場合は広告スポンサーを意識せざるを得ないので、選ぶ分野も趣味的なものではありません。

メイクの専門家←化粧品会社がスポンサー

旅行の専門家←旅行会社がスポンサー

手作り弁当の専門家←食品会社がスポンサー

株主優待の専門家←証券会社がスポンサー

なんて感じですか。

メダカ育成の専門家がいてもいいですが、まさかペットショップがスポンサーにはならないでしょうね。だからそれはあくまで趣味としてのユーチューブ投稿です。

プロとしてのユーチューバーは、スポンサーがつく分野を見極めながら、しかし太鼓持ちにならないようなタレント性を持たなければなりません。それができる人がプロとして成立するということなんでしょう。

■というわけで、地上波テレビの衰退という地殻変動から始まった新しいビジネスの争奪戦は、三者三様です。

AbemaTVは、スマホで観るテレビというコンセプトで、スマホに移行した若い世代を取り込み、スポンサー企業を獲得しようとしています。

ニコニコは、もともとテレビに飽き足りないコアなファンを中心に強固なコミュニティを作り、ファンからの課金でビジネスを回しています。

ユーチューバーは、インフルエンサーを必要とする企業スポンサーを獲得すべく専門特化しようとしています。

企業側とすれば、専門特化したユーチューバーは確かに有難い存在なのでしょうが、使い途が限られてきます。

これに比べて「若者に人気のAbemaTV」なんて冠があれば、とりあえず広告費を割くことができますから、それはそれで便利でしょうね。

大成功するかどうかはわかりませんが、そこそこやるんじゃないかと思う次第です。

参考:亀田興毅企画ヒットさせたAbemaTVの豪胆 ネット放送局が地上波テレビに勝る武器
http://toyokeizai.net/articles/-/170875

参考:「200億円の赤字」でもAbemaTVから撤退しない理由と決意を、藤田晋社長が明かす
http://www.sbbit.jp/article/cont1/33607

参考:AbemaTVはニコニコといかに差別化するか? 将棋チャンネルから見るそれぞれの戦略
https://www.buzzfeed.com/jp/harunayamazaki/abematv-niconico?utm_term=.hyMXAEGwR#.uvKYE1Dx2

参考:YouTubeの「売れっ子」に大企業が群がる理由 若者への「狭いけど深い影響力」に期待集まる
http://toyokeizai.net/articles/-/166847


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