テラモーターズは、なぜオートバイ市場のトップ企業となったのか?

2014.12.11

(2014年12月11日メルマガより)


■日本が強い製造分野で、
久しぶりに大きな地殻変動が起きるかもしれません。

それは自動二輪車。オートバイです。

ご存じだと思いますが、この分野は日本企業の独壇場です。

1位はホンダ。

2位はヤマハ。

3位はカワサキ。

4位はスズキ。

日本メーカー4社だけで世界の40%のシェアを占めており、他国のメーカーの追随を許していません。

■ちなみにオートバイは、日本では30万台の需要があります。

意外に小さい市場ですね。

ところが、アジア全体でいうと約5000万台。(世界の8割の需要がアジアです)

相当のビッグビジネスです。

その市場でトップ4を独占しているのですから、日本の4社は揃ってグローバル企業です。

その4社がガチガチに押さえている市場に切り込もうというのが、やはり日本のテラモーターズという会社です。

創業は、なんと2010年。

未だ、渋谷のレンタルオフィスに入居しているという丸っきりベンチャー企業ですが、既に日本でシェア1位を獲得しています。

こんなベンチャーがなぜ大手4社を向こうに回して、シェア1位となったのでしょうか?

■ここでランチェスター戦略を思い出してください。

そもそもランチェスター戦略を知らない人は、来年の私のセミナーを聞いてくださいね。

ランチェスター戦略には、「弱者の戦略」と「強者の戦略」があります。

自分の立場によって、どちらかを選ばないとダメなのですが、圧倒的に有利なのが、強者の戦略をとる企業です。

弱者でも勝てる!と安易に思ってはいけません。

強いから強者なのです。

■では、小さな会社はどうすればいいのか?

おわかりですね。

自分でも、強者になれるような市場を見つけることです。

ランチェスター戦略で勝つためのファーストステップは、「勝てる市場」を見つけることなのです。

■たとえば、アメリカのハーレーダビッドソンは、極端な高価格帯を勝てる市場としています。

もはやオートバイを単なる移動手段だとは捉えていません。

それはステイタスであり、ライフスタイルである。という商品の価値づけをしています。

そのために、ハーレーオーナーのコミュニティづくりを奨励し、そのライフスタイルを拡大させようとしています。

だから、オートバイを便利な移動手段であり、生活必需品であると位置づけているアジアの人たちにはまだなじみませんから、この市場はスル─です。

アジアの富裕層が増えてくるのを待っているのでしょう。

■一方のテラモーターズは、オートバイの市場に意外なスキマがあることを見つけました。

自動車は、ガソリンからハイブリッド車、電気自動車、燃料電池自動車と、次世代車へ移行しようとしているのに、オートバイは遅れている。

なぜか?

おそらく4社が市場を独占しているという業界構造に問題があると思われます。

自動車のように複数のメーカーがシェアを競っている状況であれば、いろいろな差別化をもって独自性を出そうとするでしょうが、オートバイの業界は今のところ安定しています。

ライバルといえば、アジアにおける中国やインドのメーカーたち。

どうやら同質化競争にはめこんでいるらしい。

■その状況で、大手4社が電気オートバイを手掛ける理由はありません。

もし、本気で電気オートバイを作れば、ガソリン車が売れなくなって、自社内の研究者や関連会社の人々が路頭に迷う事態になりかねません。

いつかは電気オートバイに切り替わるにしても、出来るだけ遅らせてソフトランディングを目指したいと思っていることでしょう。

■要するに、電気オートバイは、大手がやりたがらない分野です。

やろうと思えばできる。

駆動部が電気ならば、技術も単純で、実は作りやすいらしい。

今は台数が少ないので価格も高いですが、本気でやれば、価格も下がって、需要を喚起することもできるはずです。

企業側の事情で、やっていないだけなのです。

■テラモーターズはそこに目をつけました。

電気オートバイはユニットを組み立てるだけで、日本のメーカー得意のすりあわせもそれほど必要ないようです。

同社は設計を工夫することで10万円以下の電気オートバイを実現し、それは目論見通りヒットしました。

年間約3000台を販売し、それで国内首位。

かなり小さな市場ですが、首位は首位です。

小さなベンチャー企業でもトップに立てる市場があったということです。

■もちろんこんな暫定トップでは、いつひっくり返されるかも知れません。

テラモーターズの狙いは、トップの地位を固めた状態で、市場拡大の流れに乗ることです。

正直にいって、大手4社は、この台数程度では、相手にもしていないでしょう。

テラモーターズが、画期的な特許などを持っていれば別ですが、そうはいきますまい。

いつでもひっくりかえせると思っているはずです。

大手が油断をしているうちに、テラモーターズとしては、製造の仕組みと流通チャネルを押さえて、ブランドを作っておかないとダメです。

大手企業の後だしジャンケンは強烈ですからね。

市場に自分の「城」を作っておかないと、ひと吹きで飛ばされてしまいます。

■テラモーターズは同時に、アジアに進出しようとしています。

国内首位ではあまりにも小さいから、それは当然ですね。

しかも、アジアのベンチャー企業が、電気オートバイの美味しさに気づいて、本格的に取り組んで来たら、簡単に市場を押さえられてしまうかも知れません。

オートバイは日本企業に敵わないと思われているうちにやってしまわなければなりません。

むしろ、日本国内よりも、アジア市場を押さえることが先決です。時間勝負です。

アジアでも、大手4社の販売網は張り巡らされているでしょうが、こちらの方が、まだ提携相手もスキマもあるはずです。

成長市場であるアジアにおいては、ランチェスター地域戦略が、日本よりも効果をあげるはずですから、私がやりたいぐらいです。

ぜひ頑張っていただきたいものです。

■ただ、テラモーターズが、アジア市場を押さえるための資金は十分なのでしょうか。

たぶんこのために株式上場するのでしょうが、スピードが求められるだけに、そこが心配ですね。

今はコツコツと各国に拠点を作っているようですが、今後は、提携や買収を柔軟に行っていかなければなりません。

そのためには、資金力のある企業と組むこともアリなのかなと思うのですが、どうでしょう。

■いずれにしろ、また経過が楽しみな市場が現れました。

今後も見ていきたいと思いますので^^

(2014年12月11日メルマガより)


■日本が強い製造分野で、
久しぶりに大きな地殻変動が起きるかもしれません。

それは自動二輪車。オートバイです。

ご存じだと思いますが、この分野は日本企業の独壇場です。

1位はホンダ。

2位はヤマハ。

3位はカワサキ。

4位はスズキ。

日本メーカー4社だけで世界の40%のシェアを占めており、他国のメーカーの追随を許していません。

■ちなみにオートバイは、日本では30万台の需要があります。

意外に小さい市場ですね。

ところが、アジア全体でいうと約5000万台。(世界の8割の需要がアジアです)

相当のビッグビジネスです。

その市場でトップ4を独占しているのですから、日本の4社は揃ってグローバル企業です。

その4社がガチガチに押さえている市場に切り込もうというのが、やはり日本のテラモーターズという会社です。

創業は、なんと2010年。

未だ、渋谷のレンタルオフィスに入居しているという丸っきりベンチャー企業ですが、既に日本でシェア1位を獲得しています。

こんなベンチャーがなぜ大手4社を向こうに回して、シェア1位となったのでしょうか?

■ここでランチェスター戦略を思い出してください。

そもそもランチェスター戦略を知らない人は、来年の私のセミナーを聞いてくださいね。

ランチェスター戦略には、「弱者の戦略」と「強者の戦略」があります。

自分の立場によって、どちらかを選ばないとダメなのですが、圧倒的に有利なのが、強者の戦略をとる企業です。

弱者でも勝てる!と安易に思ってはいけません。

強いから強者なのです。

■では、小さな会社はどうすればいいのか?

おわかりですね。

自分でも、強者になれるような市場を見つけることです。

ランチェスター戦略で勝つためのファーストステップは、「勝てる市場」を見つけることなのです。

■たとえば、アメリカのハーレーダビッドソンは、極端な高価格帯を勝てる市場としています。

もはやオートバイを単なる移動手段だとは捉えていません。

それはステイタスであり、ライフスタイルである。という商品の価値づけをしています。

そのために、ハーレーオーナーのコミュニティづくりを奨励し、そのライフスタイルを拡大させようとしています。

だから、オートバイを便利な移動手段であり、生活必需品であると位置づけているアジアの人たちにはまだなじみませんから、この市場はスル─です。

アジアの富裕層が増えてくるのを待っているのでしょう。

■一方のテラモーターズは、オートバイの市場に意外なスキマがあることを見つけました。

自動車は、ガソリンからハイブリッド車、電気自動車、燃料電池自動車と、次世代車へ移行しようとしているのに、オートバイは遅れている。

なぜか?

おそらく4社が市場を独占しているという業界構造に問題があると思われます。

自動車のように複数のメーカーがシェアを競っている状況であれば、いろいろな差別化をもって独自性を出そうとするでしょうが、オートバイの業界は今のところ安定しています。

ライバルといえば、アジアにおける中国やインドのメーカーたち。

どうやら同質化競争にはめこんでいるらしい。

■その状況で、大手4社が電気オートバイを手掛ける理由はありません。

もし、本気で電気オートバイを作れば、ガソリン車が売れなくなって、自社内の研究者や関連会社の人々が路頭に迷う事態になりかねません。

いつかは電気オートバイに切り替わるにしても、出来るだけ遅らせてソフトランディングを目指したいと思っていることでしょう。

■要するに、電気オートバイは、大手がやりたがらない分野です。

やろうと思えばできる。

駆動部が電気ならば、技術も単純で、実は作りやすいらしい。

今は台数が少ないので価格も高いですが、本気でやれば、価格も下がって、需要を喚起することもできるはずです。

企業側の事情で、やっていないだけなのです。

■テラモーターズはそこに目をつけました。

電気オートバイはユニットを組み立てるだけで、日本のメーカー得意のすりあわせもそれほど必要ないようです。

同社は設計を工夫することで10万円以下の電気オートバイを実現し、それは目論見通りヒットしました。

年間約3000台を販売し、それで国内首位。

かなり小さな市場ですが、首位は首位です。

小さなベンチャー企業でもトップに立てる市場があったということです。

■もちろんこんな暫定トップでは、いつひっくり返されるかも知れません。

テラモーターズの狙いは、トップの地位を固めた状態で、市場拡大の流れに乗ることです。

正直にいって、大手4社は、この台数程度では、相手にもしていないでしょう。

テラモーターズが、画期的な特許などを持っていれば別ですが、そうはいきますまい。

いつでもひっくりかえせると思っているはずです。

大手が油断をしているうちに、テラモーターズとしては、製造の仕組みと流通チャネルを押さえて、ブランドを作っておかないとダメです。

大手企業の後だしジャンケンは強烈ですからね。

市場に自分の「城」を作っておかないと、ひと吹きで飛ばされてしまいます。

■テラモーターズは同時に、アジアに進出しようとしています。

国内首位ではあまりにも小さいから、それは当然ですね。

しかも、アジアのベンチャー企業が、電気オートバイの美味しさに気づいて、本格的に取り組んで来たら、簡単に市場を押さえられてしまうかも知れません。

オートバイは日本企業に敵わないと思われているうちにやってしまわなければなりません。

むしろ、日本国内よりも、アジア市場を押さえることが先決です。時間勝負です。

アジアでも、大手4社の販売網は張り巡らされているでしょうが、こちらの方が、まだ提携相手もスキマもあるはずです。

成長市場であるアジアにおいては、ランチェスター地域戦略が、日本よりも効果をあげるはずですから、私がやりたいぐらいです。

ぜひ頑張っていただきたいものです。

■ただ、テラモーターズが、アジア市場を押さえるための資金は十分なのでしょうか。

たぶんこのために株式上場するのでしょうが、スピードが求められるだけに、そこが心配ですね。

今はコツコツと各国に拠点を作っているようですが、今後は、提携や買収を柔軟に行っていかなければなりません。

そのためには、資金力のある企業と組むこともアリなのかなと思うのですが、どうでしょう。

■いずれにしろ、また経過が楽しみな市場が現れました。

今後も見ていきたいと思いますので^^

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