バーガーキング復活

2005.05.26


(2005年5月26日メルマガより)

■マクドナルドに次ぐ2位のファーストフードチェーンのバーガーキングが、
業績を回復させている。同社は、業績低迷が続き、過去14年間で、CEO
が10人交代する状況であったが、現在のグレッグ・ブレネマンCEOは、
立て直しに成功した模様。「ニューズウィーク」5月25日号の記事より。


■バーガーキングって、ご存知ですか?

アメリカでは、マクドナルドに次ぐ、2位のハンバーガーチェーンです。
(3位はウェンディーズ)
以前は日本にも進出していたのですが、2001年に撤退してしまいました。


■だけど「ウォッパー」(ワッパーと言う人も)という馬鹿でかいハンバー
ガーは、今でも、根強い人気を保っています。

インターネットで検索したら、結構、ファンがいるようです。
「アメリカで食べたぞ」とか「沖縄の基地の中にはまだあるらしい」とか、
写真入で、ブログに書いている人がいました。


■日本からは撤退してしまったバーガーキングですが、本国アメリカでは、
最近、長い低迷から脱して、復活を遂げつつあるようです。


■アメリカでは、1位のマクドナルドも好調です。

マクドナルドは、一般アメリカ人の消費ニーズを「健康」と読みました。

そこで、ジャンボサイズの製品を減らし、サラダをつけたセットを前面に出
すことで、業績を向上させています。


■こういう場合、2位の企業がどういう戦略をとればいいのか、わかります?

ランチェスター戦略では、強者の戦略を「ミート戦略」、弱者の戦略を「差
別化戦略」と説いています。

強者(1位企業)は、2位以下の企業のミート(真似)をすればいいのです。

ところが弱者(2位以下の企業)は、1位の真似をしていたら、つぶされてし
まいます。

考えても見てください。似たような商品が、同じ店で、同じ値段で、売って
いた場合、1位のよく知っている企業の商品を捨てて、後発のよく知らない
会社の商品を選ぼうと思いますか?

それなのに「あそこは儲かっているらしいから、真似してみよう」って安易
に考える企業のなんと多いことか!

いいですか。弱者は、強者と差別化しなければ生き残れません!


■バーガーキングは、あえて、ヘルシー路線の逆をいきました。

市場調査をすると、「18%のコアなファンが、売上の49%を占めている」
ことが分かりました。

コアなファンとは、毎日でもハンバーガーを食べていたい人たちのことです。

バーガーキングは、一般の健康を気にするお客さんを捨てて、この人たちに
ターゲットを絞りました。


■ずばり、顧客ターゲットは「18~34歳の男性で、アメリカンフットボ
ールが好きなセールスマンや事務員」

ここに「一点集中」することが業績回復の鍵となりました。


■商品開発のポイントはとにかく刺激を上げること。

スパイス好きにはペッパーたっぷりのチーズを挟んだチキンサンド、カフェ
イン40%増量のコーヒー、朝食には760キロカロリーのオムレツサンド
イッチという具合です。

まさに「健康度外視で売れ!」というわけです。


■もともとファーストフードチェーンのビジネスは「味」に対するこだわり
や繊細さよりも、マーケティング力で勝負が決まります。

つまり、顧客セグメントをどうするのか、ターゲットをどこに絞るのかとい
う根本的な戦略面で間違わないことが、決定的に重要なのです。

その点、強者マクドナルドの逆を張った戦略はシンプルで強固です。


■プロモーション戦略として、バーガーキングはAOLタイムワーナーや雑
誌「スポーツイラストレイテッド」と提携し、バーガーキングの店頭や様々
なメディア上で、相互プロモーションを展開しています。これはもちろん、
「18~34歳の男性で、アメリカンフットボールが好きなセールスマンや
事務員」にアクセスするための方法です。


■さらに面白いのは、「従順なニワトリ」という名のバーガーキングの広告
サイト。

ニワトリの扮装をした男が、ユーザーが打ち込む命令に応じて、様々なポー
ズをとるという趣向のライブサイトです。(実際は数パターンの録画)

実は、このサイト、ポルノ女優がユーザーの言うとおりの姿勢をとるという
アメリカでは一般的なアダルトサイトのパロディだそうです。

このギャグが受けて、初日に100万件のアクセスがあったということです。


■ここまで来れば、悪乗りというか、なんというか。

この遊び心も、明確なターゲット選定があってこそです。

戦略はシンプルに、実行はクレイジーに。これが成功の鉄則です。

それにしても、ゲーム感覚で、なんとも楽しそうですな。


■バーガーキングの現在のCEOであるグレッグ・ブレネマンは、16年赤
字だったコンチネンタル航空を立て直した手腕を買われて、現職に就任しま
した。

以前の職場でも「ビジネス客」にターゲットを絞るという戦略設計で、業績
を向上させました。

だから、この手法は、ブレネマン氏の得意な戦法なのかも知れませんね。


■ブレネマン氏が、ランチェスター戦略の理解者であったかどうか分かりま
せんが、あまりにも見事な「ランチェスター事例」ではありませんか。B


(2005年5月26日メルマガより)

■マクドナルドに次ぐ2位のファーストフードチェーンのバーガーキングが、
業績を回復させている。同社は、業績低迷が続き、過去14年間で、CEO
が10人交代する状況であったが、現在のグレッグ・ブレネマンCEOは、
立て直しに成功した模様。「ニューズウィーク」5月25日号の記事より。


■バーガーキングって、ご存知ですか?

アメリカでは、マクドナルドに次ぐ、2位のハンバーガーチェーンです。
(3位はウェンディーズ)
以前は日本にも進出していたのですが、2001年に撤退してしまいました。


■だけど「ウォッパー」(ワッパーと言う人も)という馬鹿でかいハンバー
ガーは、今でも、根強い人気を保っています。

インターネットで検索したら、結構、ファンがいるようです。
「アメリカで食べたぞ」とか「沖縄の基地の中にはまだあるらしい」とか、
写真入で、ブログに書いている人がいました。


■日本からは撤退してしまったバーガーキングですが、本国アメリカでは、
最近、長い低迷から脱して、復活を遂げつつあるようです。


■アメリカでは、1位のマクドナルドも好調です。

マクドナルドは、一般アメリカ人の消費ニーズを「健康」と読みました。

そこで、ジャンボサイズの製品を減らし、サラダをつけたセットを前面に出
すことで、業績を向上させています。


■こういう場合、2位の企業がどういう戦略をとればいいのか、わかります?

ランチェスター戦略では、強者の戦略を「ミート戦略」、弱者の戦略を「差
別化戦略」と説いています。

強者(1位企業)は、2位以下の企業のミート(真似)をすればいいのです。

ところが弱者(2位以下の企業)は、1位の真似をしていたら、つぶされてし
まいます。

考えても見てください。似たような商品が、同じ店で、同じ値段で、売って
いた場合、1位のよく知っている企業の商品を捨てて、後発のよく知らない
会社の商品を選ぼうと思いますか?

それなのに「あそこは儲かっているらしいから、真似してみよう」って安易
に考える企業のなんと多いことか!

いいですか。弱者は、強者と差別化しなければ生き残れません!


■バーガーキングは、あえて、ヘルシー路線の逆をいきました。

市場調査をすると、「18%のコアなファンが、売上の49%を占めている」
ことが分かりました。

コアなファンとは、毎日でもハンバーガーを食べていたい人たちのことです。

バーガーキングは、一般の健康を気にするお客さんを捨てて、この人たちに
ターゲットを絞りました。


■ずばり、顧客ターゲットは「18~34歳の男性で、アメリカンフットボ
ールが好きなセールスマンや事務員」

ここに「一点集中」することが業績回復の鍵となりました。


■商品開発のポイントはとにかく刺激を上げること。

スパイス好きにはペッパーたっぷりのチーズを挟んだチキンサンド、カフェ
イン40%増量のコーヒー、朝食には760キロカロリーのオムレツサンド
イッチという具合です。

まさに「健康度外視で売れ!」というわけです。


■もともとファーストフードチェーンのビジネスは「味」に対するこだわり
や繊細さよりも、マーケティング力で勝負が決まります。

つまり、顧客セグメントをどうするのか、ターゲットをどこに絞るのかとい
う根本的な戦略面で間違わないことが、決定的に重要なのです。

その点、強者マクドナルドの逆を張った戦略はシンプルで強固です。


■プロモーション戦略として、バーガーキングはAOLタイムワーナーや雑
誌「スポーツイラストレイテッド」と提携し、バーガーキングの店頭や様々
なメディア上で、相互プロモーションを展開しています。これはもちろん、
「18~34歳の男性で、アメリカンフットボールが好きなセールスマンや
事務員」にアクセスするための方法です。


■さらに面白いのは、「従順なニワトリ」という名のバーガーキングの広告
サイト。

ニワトリの扮装をした男が、ユーザーが打ち込む命令に応じて、様々なポー
ズをとるという趣向のライブサイトです。(実際は数パターンの録画)

実は、このサイト、ポルノ女優がユーザーの言うとおりの姿勢をとるという
アメリカでは一般的なアダルトサイトのパロディだそうです。

このギャグが受けて、初日に100万件のアクセスがあったということです。


■ここまで来れば、悪乗りというか、なんというか。

この遊び心も、明確なターゲット選定があってこそです。

戦略はシンプルに、実行はクレイジーに。これが成功の鉄則です。

それにしても、ゲーム感覚で、なんとも楽しそうですな。


■バーガーキングの現在のCEOであるグレッグ・ブレネマンは、16年赤
字だったコンチネンタル航空を立て直した手腕を買われて、現職に就任しま
した。

以前の職場でも「ビジネス客」にターゲットを絞るという戦略設計で、業績
を向上させました。

だから、この手法は、ブレネマン氏の得意な戦法なのかも知れませんね。


■ブレネマン氏が、ランチェスター戦略の理解者であったかどうか分かりま
せんが、あまりにも見事な「ランチェスター事例」ではありませんか。B

コラム

blog

代表者・駒井俊雄が発行するメルマガ「営業は売り子じゃない!」
世の中の事象を営業戦略コンサルタントの視点から斬っていきます。(無料)

記事一覧

blog

記事一覧

Customer Voice

記事一覧

このページのTOPへ