それでも生き残る!小さな会社の生き残り術

2019.03.21


(2019年3月21日メルマガより)



■前回のメルマガには過分な反響をいただきありがとうございました。


簡単に振り返ります。

世界でも類を見ないほどの人口減少に見舞われる日本が大変な危機に瀕していることは、疑いようのない事実です。

だからこそ我々は、危機を正視し、適切な振る舞いをしなければなりません。

現在の日本の経済は、1億人を超える人口に支えられています。この人口が減少すれば、経済規模が縮小し、税収も減るので、莫大な借金を返済することができなくなりますし、高齢者の福祉に回すお金もなくなります。

いま我々がしなければならないのは、一人一人の生産性を上げることです。なぜなら、日本の一人当たりGDPは、世界29位に過ぎません。これは先進国最低レベルです。

人材の質は世界4位とランクされているのに、一人当たりGDPが低いというのは、やり方が悪いということです。

やり方=戦略だと私は捉えています。

収益カツカツの事業を苦労して続けていても、劇的な売上向上は望みにくい。従業員を苦労させるだけです。

それよりも、それぞれ企業規模に応じて、成長性のある市場、競争の少ない市場を見つけて、いちはやくアジャストし、儲ける仕組みを作る。みながこのような戦略行動をとるようになれば、一人当たりの収益は上がります。

収益が上がれば、設備投資や人材投資も行えるようになります。そうなれば生産性向上の上昇スパイラルに乗ることができるでしょう。

といったことを前回のメルマガで書かせていただきました。


■前回のメルマガには、前向きな反響を多くいただき、本当に有難い限りです。

ただ「言っていることは分かるが、小さい会社には、新しい市場に乗り換えるなんて真似は怖くてできない」という意見もいただきました。

確かにそうでしょう。多くの経営者がそう思っているはずです。普通は、致命的なダメージを負わない程度に新規事業を始めます。

守備を意識した運営は、経営者として当然のことです。ただ、守備意識が強くなりすぎると、チャレンジしないのが一番安全だ、という結論になりますので、注意が必要です。度が過ぎた安全策は、短期的な延命にしかならないことを知っておかなければなりません。


そうは言っても、なんとかしのいで生きていくのが経営の命題です。

私がお付き合いした企業の中には、むしろ「うちの得意はシノギや」とばかりに開き直って、短期的延命策を繰り返す企業もありました。それはそれで清々しかった。

孫子も「戦って勝つのはベストではない。戦わずに勝つのがベストだ」と言っています。大きなリスクを背負うことなく、生き残っていくことができれば、それは最高の経営手法となるでしょう。

そこで今回は、小さな会社のリアルな生き残り策について書いてみたいと思います。

ぜひ最後まで読んでくださいね。

===============================================================

あらゆる事業者は、ナンバーワンを目指せ。

というのが、ランチェスター戦略の考え方です。ナンバーワンになれば、市場からの信頼が厚くなり、流通段階で優遇され、プライスリーダーになり、人材確保も優位となります。

まさにいいことづくめ。それが、ナンバーワンという地位なのです。

(ナンバーワンとは、同戦略の用語で、市場シェアにおいて、2位に√3倍以上の差をつけたトップ企業のことを指します)


「そんな無茶言うなよ。うちは小さな会社だから、ナンバーワンなんてとても無理」という声が聞こえてきそうですが、必ずしも超巨大市場でナンバーワンを目指せといっているわけではありません。

どんな小さな企業にも「勝てる市場」があるはずです。地域、顧客層、技術分野、業界、業態、時間帯。。。細かく見ていくと、上位企業が見逃している手薄な局面があり、つけ入る隙はあります。

その「勝てる市場」を見つけ、集中していくことが、戦略の第一歩となります。


ところが現実はそうではないんですな。小さな会社の多くがフォロワーに甘んじており、収益ギリギリのところで、日々を戦っておられます。

そんな消耗戦に自らを追い込むことが、日本の生産性を下げているというのは前回のメルマガに書いた内容でした。



小さな会社がフォロワーになる理由


フォロワーというのは「トップになる気がない下位企業」のことです。

特別なことをするのではなく、儲かっている企業の真似やおこぼれをもらうことで収益を上げようとします。

かつての松下電機(現パナソニック)のような販売力のある大企業が他社の真似をするのならば、それは立派な「強者の戦略」です。

しかし、小さな会社が儲かっている大企業の真似をしたところで、収益を上げられるはずがない。。。と思うところですが、けっこう多くの事業者がフォロワーの立場にいます。

実際、収益は低いし、市場が縮小する局面においては、赤字になってしまって成立しません。

それでもフォロワーでいるというのは、なにげに楽だからでしょう。

既に儲かっている企業の真似をして少しでもおこぼれがあるとすれば、後出しじゃんけんで賞品が貰えるようなものです。

たとえ儲けは少なくとも、生きていけるならそうすればいい。儲からなくなれば、また真似できる企業を探せばいい。と割り切れれば、これは立派な生き方です。

意識してフォロワーの立場を貫く企業は、実は、相当したたかなのかも知れませんよ。


二番煎じ


二番煎じというのは、ちょっと嫌な言い方ですね。でも実際のところ、二番煎じは世の中に数多あります。

書籍なんて、二番煎じだらけです。ちょっと売れた本があれば、似たテーマやテイストを持った書籍が次々登場し、本屋を埋め尽くしてしまいます。

しょせん二番煎じですから本家よりも売れることはない。賞味期限も短い。それでもなくならないのは、安易に稼げるからでしょう。


私の知っているある会社は、ひたすら百貨店やブランド店を回って売れている商品を集めてきて、類似品を安く作っては、ディスカウントストアや100円ショップに納入することを繰り返していました。それでけっこうな収益を上げていましたからしたたかです。


二番煎じ戦略が機能するのは、模倣できる技術力、生産力(あるいは協力会社)があることとに加え、大手企業が持たない独自の販売チャネルを持っていることが重要です。

例えば、ディスカウントストアや100円ショップなどは、大手企業があまり手を出しにくい販売チャネルです。

ネットやスマホ上の店など比較的新しい販売チャネルといち早くパイプを作ることができれば優位性となります。

もちろんかつての松下電機(現パナソニック)のように独自の販売チャネル(ナショナル・ショップ)を持っているならばなおよい。

販売チャネルが違えば、類似した商品を納入しても文句は言われません。むしろ喜ばれます。そんな独自の販売チャネルを持つことが、二番煎じ戦略を成立させやすくする条件となります。


下請け


一時期、大企業による下請け切りが社会問題となったために、中小製造業にとっては脱下請けこそが経営のテーマになりました。

もちろんそれは間違いではありません。元請け企業の言いなりになって生産設備を増強したのに、方針が変わったとか言って受注を減らされたら往生してしまいます。

ただ安定して仕事がある限り、大企業の下請けという立場がオイシイことは間違いがありません。

私が知っている製造業の多くは、大企業の下請け仕事を受注したことで経営基盤が固まり、次のステージに入っていきました。いま、脱下請けがテーマになっているとはいえ、下請け受注をやめたわけではありません。その収益をもとに新規事業に挑戦しておられます。

今でも、地方でえらい羽振りのいい企業があるなあと思っていたら、鴻海の下請け仕事をしている。とかいう話は時々聞きますね。

世の中から下請け仕事がなくなるわけではありません。必要性は増しています。

アップルやサムスンの製品が、日本の下請け企業なしには成り立たないのは周知の事実です。

これからも、電気自動車であったり、ドローンであったり、ロケットであったり、新しい製品分野が生まれると、日本の下請け製造業に対する期待と要望は高まっていくでしょう。

もちろん何も考えないで元請け企業の言いなりになっているのは危険です。自ら、どのような技術が必要で、どのような製品分野に需要があるのかは見極めていかなければなりません。

そのためにも営業機能が必要です。下請け企業こそ営業を強化しなければなりません。営業の仕事は、自社製品を売り込むだけではありません。顧客の本音を聞き出し、悩みを知り、本当に必要とされていることは何かを推し量るための情報を得ることの方が重要です。強い営業がよりよい製品や技術を作っていくのです。

もちろん高い技術力、生産力は必要ですが、それに加えて営業機能を強化することが下請け企業としての寿命を延ばします。


周辺需要


儲かっている企業の周辺需要を探して、それを満たすことも、フォロワーの生き方の一つです。

一つの産業が興ると、その周辺需要も含めて経済効果が波及していきます。

例えば電気自動車が普及する過程には、充電のための設備が不可欠です。家庭用のコンセントで充電できるとしても、屋外使用可能な延長コードや場合によっては電気工事が必要になってきます。

コインパーキングには充電設備を備えたところがでてくるでしょうし、コンビニやスーパーの駐車場でも充電設備を設置してくるでしょう。

過疎地などでは充電施設が不足してくるかも知れませんので、簡易発電装置の車内搭載が必要になってきます。

そうなれば、充電機器、変電機、発電機の製造販売需要、電気自動車用充電設備の設置工事需要、スーパーやコインパーキングへの販売営業需要などが発生します。

ついでにいうと、ガソリンスタンドのオーナーに向けて、跡地を利用した新規ビジネス需要も現れます。

何も時代の二歩も三歩も進む必要はありません。半歩先ぐらい。普及が本格化しそうだな。ぐらいのタイミングで、参入すれば大丈夫です。

その時に必要なのが、新規ビジネスにすばやくアジャストする組織の柔軟性です。


サポーター


勢いのある企業や産業に従事する人たちのお手伝いをする仕事です。

有名な小話ですが、ゴールドラッシュ(金山で金鉱脈を見つける宝探しのようなことがブームになった時代のこと)で儲けたのは、穴を掘るためのツルハシや、作業用ズボンを販売する業者だったと言われます。

ジーンズのリーバイスなどは、その頃に成功した企業だそうですよ。

そこまで大成功するのは稀でしょうが、儲けている企業のサポーターとなれば、儲け口はいろいろありそうです。

我々のようなコンサルタントは常にサポーターの立場で仕事をしています。

大企業の周りには多種多様なサポーターが存在します。人事、財務、税務、法務、生産、物流、それぞれに専門家が存在しており、有益なサポートを行うことで、企業に利益をもたらします。

私は営業関連のコンサルタントですが、少し前までは製造業の脱下請けが大きなテーマでした。いまは、下請け企業として大手企業とどうかかわっていくかも、主要テーマになっています。

もう少し経てば、営業組織にいかにAIを取り込んでいくのかがテーマになっていくのだと思います。

勢いのある会社ほど組織のバランスがいびつですから、サポートするネタはいっぱいあります。


ニッチトップ


フォロワーに飽き足らず、自らトップを目指す小さな会社もあるでしょう。その際、現実的なのが、ニッチ市場でトップになるという方法です。

ニッチとはくぼみのこと。ニッチ市場とはくぼみに発生したような小さな市場をいいます。

それこそ離島とか、先端技術分野であるとか、特定の職業向けビジネスであるとか、早朝だけの需要を取り込むとか。

そんな小さな市場ですから、大手企業は本気になって取り組んでいません。優先順位が低くほったらかしです。

そこでいちはやく地盤を作って、市場を制覇してしまえば、安定的な収益を上げることができます。

しょせんはニッチ市場ですから、大儲けはできませんが、小さくとも安定的な収益が上がるビジネスを作ることができれば、経営は楽になります。


ニッチトップ企業になるためにはいくつかの条件があります。まずは、ニッチな需要をキャッチする感性があることです。世の中の流れをよく見ておくことも必要ですし、やはり営業が得意先の情報などから、兆しを見つけることが大切です。つまり、強い営業力がここでも必要です。

技術分野のニッチトップになるためには、高度技術に対応できる力が必要です。特定の分野を磨き上げることで、それは可能なはずです。

さらに大切なのは、新需要を捉えてビジネスとして成立させる構成力です。ありていにいうと、儲ける仕組みを作る能力です。

そのためには組織を柔軟に再編する体制が必要です。


籠城


どうしても稼ぐネタが思いつかない。という場合は、余計なコストの流出を避けて閉じこもるのが身のためです。

穴熊のように身を丸めてじっとしれいれば、とりあえずは延命できます。

孫子も「堅牢な城がいちばん攻めにくい」と言っています。

経営における籠城とは、いまの顧客をとことん守り抜くということです。既存顧客とのつながりを密にし、顧客対応力を高め、アフターフォローに努め、ファンの固定化を徹底する。

これは私の考える「営業の仕組み」をまわす。という作業です。

既存顧客だけでビジネスが回れば、新規獲得コストが掛からならいので、収益率が高くなります。

もちろん既存顧客だけのビジネスは先細りしていきますので、新規顧客開拓は必須なのですが、とりあえず寿命を延ばすことはできますね。

生き残ることこそが経営のテーマ


いくつか小さな会社の生き残り策を書かせていただきましたが、たいていの場合、全部取り組んでいると思います。

普段は下請け仕事をして、二番煎じも辞さず、周辺需要を取り込む。籠城するように顧客基盤を固めて、チャンスがあればニッチトップを目指す。

生き残るためには、したたかに柔軟にならなければなりません。

総じて言えることは、フォロワーといえども安穏としていたら生きのこれないということです。

フォロワーの戦略なんてしょせん延命策だと言いましたが、考えてみれば経営なんてすべて延命策の繰り返しです。トップ企業だからといって永遠に安定しているなんてありません。

それならば、変化を見逃さずに、小さなチャンスを捉えながら、柔軟に生きる小さな会社の方法も立派な経営です。

二番煎じだとか延命策だとかネガティブワードを書いておいてなんですが、そんなものに惑わされないでください。

誰だって生き残ることに必死です。



(2019年3月21日メルマガより)



■前回のメルマガには過分な反響をいただきありがとうございました。


簡単に振り返ります。

世界でも類を見ないほどの人口減少に見舞われる日本が大変な危機に瀕していることは、疑いようのない事実です。

だからこそ我々は、危機を正視し、適切な振る舞いをしなければなりません。

現在の日本の経済は、1億人を超える人口に支えられています。この人口が減少すれば、経済規模が縮小し、税収も減るので、莫大な借金を返済することができなくなりますし、高齢者の福祉に回すお金もなくなります。

いま我々がしなければならないのは、一人一人の生産性を上げることです。なぜなら、日本の一人当たりGDPは、世界29位に過ぎません。これは先進国最低レベルです。

人材の質は世界4位とランクされているのに、一人当たりGDPが低いというのは、やり方が悪いということです。

やり方=戦略だと私は捉えています。

収益カツカツの事業を苦労して続けていても、劇的な売上向上は望みにくい。従業員を苦労させるだけです。

それよりも、それぞれ企業規模に応じて、成長性のある市場、競争の少ない市場を見つけて、いちはやくアジャストし、儲ける仕組みを作る。みながこのような戦略行動をとるようになれば、一人当たりの収益は上がります。

収益が上がれば、設備投資や人材投資も行えるようになります。そうなれば生産性向上の上昇スパイラルに乗ることができるでしょう。

といったことを前回のメルマガで書かせていただきました。


■前回のメルマガには、前向きな反響を多くいただき、本当に有難い限りです。

ただ「言っていることは分かるが、小さい会社には、新しい市場に乗り換えるなんて真似は怖くてできない」という意見もいただきました。

確かにそうでしょう。多くの経営者がそう思っているはずです。普通は、致命的なダメージを負わない程度に新規事業を始めます。

守備を意識した運営は、経営者として当然のことです。ただ、守備意識が強くなりすぎると、チャレンジしないのが一番安全だ、という結論になりますので、注意が必要です。度が過ぎた安全策は、短期的な延命にしかならないことを知っておかなければなりません。


そうは言っても、なんとかしのいで生きていくのが経営の命題です。

私がお付き合いした企業の中には、むしろ「うちの得意はシノギや」とばかりに開き直って、短期的延命策を繰り返す企業もありました。それはそれで清々しかった。

孫子も「戦って勝つのはベストではない。戦わずに勝つのがベストだ」と言っています。大きなリスクを背負うことなく、生き残っていくことができれば、それは最高の経営手法となるでしょう。

そこで今回は、小さな会社のリアルな生き残り策について書いてみたいと思います。

ぜひ最後まで読んでくださいね。

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あらゆる事業者は、ナンバーワンを目指せ。

というのが、ランチェスター戦略の考え方です。ナンバーワンになれば、市場からの信頼が厚くなり、流通段階で優遇され、プライスリーダーになり、人材確保も優位となります。

まさにいいことづくめ。それが、ナンバーワンという地位なのです。

(ナンバーワンとは、同戦略の用語で、市場シェアにおいて、2位に√3倍以上の差をつけたトップ企業のことを指します)


「そんな無茶言うなよ。うちは小さな会社だから、ナンバーワンなんてとても無理」という声が聞こえてきそうですが、必ずしも超巨大市場でナンバーワンを目指せといっているわけではありません。

どんな小さな企業にも「勝てる市場」があるはずです。地域、顧客層、技術分野、業界、業態、時間帯。。。細かく見ていくと、上位企業が見逃している手薄な局面があり、つけ入る隙はあります。

その「勝てる市場」を見つけ、集中していくことが、戦略の第一歩となります。


ところが現実はそうではないんですな。小さな会社の多くがフォロワーに甘んじており、収益ギリギリのところで、日々を戦っておられます。

そんな消耗戦に自らを追い込むことが、日本の生産性を下げているというのは前回のメルマガに書いた内容でした。



小さな会社がフォロワーになる理由


フォロワーというのは「トップになる気がない下位企業」のことです。

特別なことをするのではなく、儲かっている企業の真似やおこぼれをもらうことで収益を上げようとします。

かつての松下電機(現パナソニック)のような販売力のある大企業が他社の真似をするのならば、それは立派な「強者の戦略」です。

しかし、小さな会社が儲かっている大企業の真似をしたところで、収益を上げられるはずがない。。。と思うところですが、けっこう多くの事業者がフォロワーの立場にいます。

実際、収益は低いし、市場が縮小する局面においては、赤字になってしまって成立しません。

それでもフォロワーでいるというのは、なにげに楽だからでしょう。

既に儲かっている企業の真似をして少しでもおこぼれがあるとすれば、後出しじゃんけんで賞品が貰えるようなものです。

たとえ儲けは少なくとも、生きていけるならそうすればいい。儲からなくなれば、また真似できる企業を探せばいい。と割り切れれば、これは立派な生き方です。

意識してフォロワーの立場を貫く企業は、実は、相当したたかなのかも知れませんよ。


二番煎じ


二番煎じというのは、ちょっと嫌な言い方ですね。でも実際のところ、二番煎じは世の中に数多あります。

書籍なんて、二番煎じだらけです。ちょっと売れた本があれば、似たテーマやテイストを持った書籍が次々登場し、本屋を埋め尽くしてしまいます。

しょせん二番煎じですから本家よりも売れることはない。賞味期限も短い。それでもなくならないのは、安易に稼げるからでしょう。


私の知っているある会社は、ひたすら百貨店やブランド店を回って売れている商品を集めてきて、類似品を安く作っては、ディスカウントストアや100円ショップに納入することを繰り返していました。それでけっこうな収益を上げていましたからしたたかです。


二番煎じ戦略が機能するのは、模倣できる技術力、生産力(あるいは協力会社)があることとに加え、大手企業が持たない独自の販売チャネルを持っていることが重要です。

例えば、ディスカウントストアや100円ショップなどは、大手企業があまり手を出しにくい販売チャネルです。

ネットやスマホ上の店など比較的新しい販売チャネルといち早くパイプを作ることができれば優位性となります。

もちろんかつての松下電機(現パナソニック)のように独自の販売チャネル(ナショナル・ショップ)を持っているならばなおよい。

販売チャネルが違えば、類似した商品を納入しても文句は言われません。むしろ喜ばれます。そんな独自の販売チャネルを持つことが、二番煎じ戦略を成立させやすくする条件となります。


下請け


一時期、大企業による下請け切りが社会問題となったために、中小製造業にとっては脱下請けこそが経営のテーマになりました。

もちろんそれは間違いではありません。元請け企業の言いなりになって生産設備を増強したのに、方針が変わったとか言って受注を減らされたら往生してしまいます。

ただ安定して仕事がある限り、大企業の下請けという立場がオイシイことは間違いがありません。

私が知っている製造業の多くは、大企業の下請け仕事を受注したことで経営基盤が固まり、次のステージに入っていきました。いま、脱下請けがテーマになっているとはいえ、下請け受注をやめたわけではありません。その収益をもとに新規事業に挑戦しておられます。

今でも、地方でえらい羽振りのいい企業があるなあと思っていたら、鴻海の下請け仕事をしている。とかいう話は時々聞きますね。

世の中から下請け仕事がなくなるわけではありません。必要性は増しています。

アップルやサムスンの製品が、日本の下請け企業なしには成り立たないのは周知の事実です。

これからも、電気自動車であったり、ドローンであったり、ロケットであったり、新しい製品分野が生まれると、日本の下請け製造業に対する期待と要望は高まっていくでしょう。

もちろん何も考えないで元請け企業の言いなりになっているのは危険です。自ら、どのような技術が必要で、どのような製品分野に需要があるのかは見極めていかなければなりません。

そのためにも営業機能が必要です。下請け企業こそ営業を強化しなければなりません。営業の仕事は、自社製品を売り込むだけではありません。顧客の本音を聞き出し、悩みを知り、本当に必要とされていることは何かを推し量るための情報を得ることの方が重要です。強い営業がよりよい製品や技術を作っていくのです。

もちろん高い技術力、生産力は必要ですが、それに加えて営業機能を強化することが下請け企業としての寿命を延ばします。


周辺需要


儲かっている企業の周辺需要を探して、それを満たすことも、フォロワーの生き方の一つです。

一つの産業が興ると、その周辺需要も含めて経済効果が波及していきます。

例えば電気自動車が普及する過程には、充電のための設備が不可欠です。家庭用のコンセントで充電できるとしても、屋外使用可能な延長コードや場合によっては電気工事が必要になってきます。

コインパーキングには充電設備を備えたところがでてくるでしょうし、コンビニやスーパーの駐車場でも充電設備を設置してくるでしょう。

過疎地などでは充電施設が不足してくるかも知れませんので、簡易発電装置の車内搭載が必要になってきます。

そうなれば、充電機器、変電機、発電機の製造販売需要、電気自動車用充電設備の設置工事需要、スーパーやコインパーキングへの販売営業需要などが発生します。

ついでにいうと、ガソリンスタンドのオーナーに向けて、跡地を利用した新規ビジネス需要も現れます。

何も時代の二歩も三歩も進む必要はありません。半歩先ぐらい。普及が本格化しそうだな。ぐらいのタイミングで、参入すれば大丈夫です。

その時に必要なのが、新規ビジネスにすばやくアジャストする組織の柔軟性です。


サポーター


勢いのある企業や産業に従事する人たちのお手伝いをする仕事です。

有名な小話ですが、ゴールドラッシュ(金山で金鉱脈を見つける宝探しのようなことがブームになった時代のこと)で儲けたのは、穴を掘るためのツルハシや、作業用ズボンを販売する業者だったと言われます。

ジーンズのリーバイスなどは、その頃に成功した企業だそうですよ。

そこまで大成功するのは稀でしょうが、儲けている企業のサポーターとなれば、儲け口はいろいろありそうです。

我々のようなコンサルタントは常にサポーターの立場で仕事をしています。

大企業の周りには多種多様なサポーターが存在します。人事、財務、税務、法務、生産、物流、それぞれに専門家が存在しており、有益なサポートを行うことで、企業に利益をもたらします。

私は営業関連のコンサルタントですが、少し前までは製造業の脱下請けが大きなテーマでした。いまは、下請け企業として大手企業とどうかかわっていくかも、主要テーマになっています。

もう少し経てば、営業組織にいかにAIを取り込んでいくのかがテーマになっていくのだと思います。

勢いのある会社ほど組織のバランスがいびつですから、サポートするネタはいっぱいあります。


ニッチトップ


フォロワーに飽き足らず、自らトップを目指す小さな会社もあるでしょう。その際、現実的なのが、ニッチ市場でトップになるという方法です。

ニッチとはくぼみのこと。ニッチ市場とはくぼみに発生したような小さな市場をいいます。

それこそ離島とか、先端技術分野であるとか、特定の職業向けビジネスであるとか、早朝だけの需要を取り込むとか。

そんな小さな市場ですから、大手企業は本気になって取り組んでいません。優先順位が低くほったらかしです。

そこでいちはやく地盤を作って、市場を制覇してしまえば、安定的な収益を上げることができます。

しょせんはニッチ市場ですから、大儲けはできませんが、小さくとも安定的な収益が上がるビジネスを作ることができれば、経営は楽になります。


ニッチトップ企業になるためにはいくつかの条件があります。まずは、ニッチな需要をキャッチする感性があることです。世の中の流れをよく見ておくことも必要ですし、やはり営業が得意先の情報などから、兆しを見つけることが大切です。つまり、強い営業力がここでも必要です。

技術分野のニッチトップになるためには、高度技術に対応できる力が必要です。特定の分野を磨き上げることで、それは可能なはずです。

さらに大切なのは、新需要を捉えてビジネスとして成立させる構成力です。ありていにいうと、儲ける仕組みを作る能力です。

そのためには組織を柔軟に再編する体制が必要です。


籠城


どうしても稼ぐネタが思いつかない。という場合は、余計なコストの流出を避けて閉じこもるのが身のためです。

穴熊のように身を丸めてじっとしれいれば、とりあえずは延命できます。

孫子も「堅牢な城がいちばん攻めにくい」と言っています。

経営における籠城とは、いまの顧客をとことん守り抜くということです。既存顧客とのつながりを密にし、顧客対応力を高め、アフターフォローに努め、ファンの固定化を徹底する。

これは私の考える「営業の仕組み」をまわす。という作業です。

既存顧客だけでビジネスが回れば、新規獲得コストが掛からならいので、収益率が高くなります。

もちろん既存顧客だけのビジネスは先細りしていきますので、新規顧客開拓は必須なのですが、とりあえず寿命を延ばすことはできますね。

生き残ることこそが経営のテーマ


いくつか小さな会社の生き残り策を書かせていただきましたが、たいていの場合、全部取り組んでいると思います。

普段は下請け仕事をして、二番煎じも辞さず、周辺需要を取り込む。籠城するように顧客基盤を固めて、チャンスがあればニッチトップを目指す。

生き残るためには、したたかに柔軟にならなければなりません。

総じて言えることは、フォロワーといえども安穏としていたら生きのこれないということです。

フォロワーの戦略なんてしょせん延命策だと言いましたが、考えてみれば経営なんてすべて延命策の繰り返しです。トップ企業だからといって永遠に安定しているなんてありません。

それならば、変化を見逃さずに、小さなチャンスを捉えながら、柔軟に生きる小さな会社の方法も立派な経営です。

二番煎じだとか延命策だとかネガティブワードを書いておいてなんですが、そんなものに惑わされないでください。

誰だって生き残ることに必死です。


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