アップルとユニ・チャーム~変革企業の共通点

2010.03.25

(2010年3月25日メルマガより)

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■私事ですが、とうとうiPhoneを買ってしまいました。

ソニー贔屓の私としては、アップルのビジネスに取り込まれることを抵抗し
てきたのですが、誘惑には勝てませんでしたね^^;

■きっかけはツイッターを始めたことです。

よければフォローしてください^^→http://twitter.com/tkcv

始めたと言っても、大して使いこなしているわけではないのですが、いろん
な人の"つぶやき"を眺めていると、どうもiPhoneユーザーが多いというこ
とに気付きました。

これは想像していたよりも使えるらしい...

それに、孫正義氏のつぶやきなどを見ていると、どうにも使ってみたくなっ
たんですな。

てなわけで、購入してしまいました。

■まあ、直感的な使い勝手は、聞いてはいましたが、想像以上だったので驚
きましたね。

それよりも、iPhoneというのは、今やアップルが想像するよりも、凄いもの
になっているのかも知れません。

というのも、アップルはiPhoneで稼動するソフトの開発ツールを公開してお
り、多くの野心ある開発者が、ソフト開発を日々続けているのです。

まるで集合知の実験をしているようなもんですよ。

孫正義氏など、iPhoneのことを「人生をもっともエンジョイしたい全ての人
への、神からの贈り物」とつぶやいています^^

■電話には全く興味ないので、通話基本料がもったいない気もしますが^^;

集合知の現場に接していると思えば安いもんですな。

■というわけで、今回は、アップルともうひとつの優良企業であるユニ・チ
ャームについて書きたいと思います。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■アップルの勢いは止まるところを知りませんね。

驚くのは、アップルが金鉱脈のような儲かるビジネスを掘り当てて、それに
しがみついている企業ではないということです。

とにかく変革のスピードが速く、一つところに止まっていない。

参考「アップルの驚異的な収益構造の変化」
http://stockkabusiki.blog90.fc2.com/blog-entry-1055.html

今週号(2010年3月27日号)の週刊ダイヤモンドにも記事がありますが、ア
ップルがiPodを出すまでは、ウィンドウズにやられっ放しの感があるニッチ
なパソコンメーカーでした。

それが"天才"スティーブ・ジョブズの復帰により、アップルは劇的な変化
を遂げます。

まずは、2001年に、携帯用音楽プレーヤーiPodを発売。

当初は、自社のパソコン向けの周辺機器という位置づけだったのですが、ウ
ィンドウズ対応版を出すとともに、iTunesというオンライン音楽配信システ
ムを中心としたオープンなビジネスとして大化けしていきます。

このiPodビジネスは世界中でヒットし、あれほど強かったソニーのウォーク
マンを駆逐してしまいます。

■よく言われることですが、ソニーが技術力や構想力で必ずしも劣っていた
わけではありません。

もちろん技術力は、飛びぬけて優秀な会社ですし、音楽がいずれオンライン
配信中心になることは、分かり過ぎるほどわかっていたはずです。

ただし、音楽コンテンツの複雑な権利関係を整理することが難しく、技術的
には可能でもビジネス展開としては時期尚早であると考えていたのではない
でしょうか。

それをスティーブ・ジョブズはもの凄い突破力でやってのけたわけです「神
の交渉力」などという本もありましたが、要するに、並外れて強引なわけで
す^^;

ソニーのハワード・ストリンガーCEOが「アップルは怖くないが、スティ
ーブ・ジョブズは怖い」と言いたくなるわけですな。

■その後、アップルは、2007年に、多機能携帯電話iPhoneを発売。こちらは
世界の開発者にシステムを開放しているため、電話や音楽に止まらず多くの
機能追加が日々なされており、さながら集合知の実験場のようです。

アップルは、iPhoneという場を世界のコンテンツ開発者に提供することで、
場代を稼ぎ続ける「アップル経済圏」を作り上げたわけです。

次に、アップルはiPadの発売を控えており、スティーブ・ジョブズは、出版
や映像を含めたコンテンツ業界に革命を起こすと言われています。

彼の力ならさもありなん。というか、ジョブズ以外には、できない大事業で
しょう。

これはぜひともやり遂げていただきたいと思います。

■スティーブ・ジョブズのカリスマ性や悪評すれすれの強烈な個性について
はあちこちで語られていますが、多かれ少なかれ、経営者と言われる方は、
強烈な個性の持ち主が多いものです。

日経新聞の「私の履歴書」などを読んでいると、つくづく思います。

特に創業社長はユニークな方が多い。

個性が強すぎて、ハチャメチャな発言が多いきらいはありますが^^;

それでも、その発言の意図や根拠をよく考えてみると、理に適ったものであ
ることが分かることも多い。

お近づきになりたいかどうかはともかくとして、魅力的であることは間違い
ありません。

■今月の「私の履歴書」は、ユニ・チャーム創業者の高原慶一朗氏が担当し
ています。

これがすこぶる面白い。

ユニ・チャームが日本でも有数の優良企業であることは論を待たないと思い
ますが、その創業者がどういう人物であるかは、あまり知られていなかった
のではないでしょうか。

「履歴書」を読む限り、やはり個性的でパワフルな人のようです。

有り余るエネルギーというのは、成功者の一つの資質であることは間違いあ
りません。

ただし、それだけで成功できるとは思いません。

理に適った戦略がその裏に隠されているはずです。

■ユニ・チャームの前身は大成化工という会社です。

大きな成長と成功を願い、社会が必要とする製品を世に出す会社に化けたい
という意味を込めた社名で、もともとは建材メーカーです。

建材事業も順調であったようですが、さらなる成長を求めて、生理用品事業
に進出します。

当時(1960年代初頭)生理用品といえば、アンネというメーカーがほぼ寡占
状態でした。

そこに、素人考えで進出しようというのですから、無謀だと言われても仕方
なかったでしょう。

■それにしても、建材メーカーの経営者が、何を考えて、生理用品を製造販
売しようと思い立ったのでしょうか。

「私の履歴書」では、

1.故郷の産物である紙を生かせる。(強みの活用)

2.女性の悩みを解消したい。(ミッション)

3.今後、米国のように女性の社会進出が進むと巨大マーケットとなる。
(潜在ニーズの可能性)

などと書かれています。

「そこにニーズがあり、強みも生かせる」となれば、進出したくなるのも分
からないではありません。

ただし、その強みは、果たして確かな強みだと言えるのか?

結局、高原氏が最も魅力に感じたのは、潜在的な成長力だったということで
しょう。やはり本質的なアントレプレナー気質の人なんですね。

それにしても凄まじいチャレンジ精神です。

■さて、商品づくりについては、すぐに追いつけると自信を持っていたよう
です。

しかし、いいものが必ずしも売れるとは限らないのは、いつの世も同じです。

難しいのは、寡占状態の流通網にどうやって入り込むのか。

3月14日の「私の履歴書」では、導入期の営業活動について書かれており、
興味深く読みました。

■まず戦略面から言うと、攻略する地域を、中国地方に定めています。

先行するアンネがいくら寡占状態だといっても、日本全国にびっしりと流通
網を張り巡らせているわけではありません。当然、網の目がまばらなところ
が存在します。

弱者は、相手の手薄なところから攻めるのが鉄則です。

中国地方は、アンネが手薄なところだったのです。こうした戦略的な目標設
定がなされないと、折角の努力が無駄になってしまいます。

■次に戦術面。

7人の営業部隊を4人(山陽道チーム)と3人(山陰道チーム)に分けて、
キャラバン隊を組んで一気に攻略する手法をとっています。

各チームには、女性の営業員を配して、説得力を増すようにしています。

が、顧客から「男に、この商品の良さが分かるのか」と言われた時には、高
原氏は堂々と「私もしています!」と宣言したそうです。

実は、痔の痛みを緩和するのにいい商品でもあったのです。

■このキャラバン営業は、ランチェスター戦略ではローラー調査と呼んでい
るものに似ています。

ローラー調査は、販売ではなく、市場を正確に把握することに主眼を置いて
います。

一定の期間内に、対象地域のすべての事業所を回るというのが、ローラー調
査の特徴です。市場総点検活動とも呼んでいます。

この調査は、実践的な戦略を作る上で、必要不可欠なデータを集めるための
ものです。

あまり知られていないようですが、このローラー調査とその後の目標設定こ
そが、ランチェスター戦略の中でも最も実効性の高いと評価を得ている部分
であり、私自身がコンサルティングにおいて実感している部分でもあります。

ローラー調査を成功させ意味あるものにするコツは、全員で取り組むことと、
短期間で一気にやってしまうことです。

ダラダラしていたら、間延びして、なし崩し的に無意味なものになってしま
いますので。

■ユニ・チャームが、この時理解したのが、医療系の問屋にはアンネが販路
を確保しているものの、化粧雑貨系、紙系の問屋には、浸透していないとい
うことでした。

市場を調べると、相手の弱点が見えてくるという好例ですね。

その意味からも、こうした調査は一気にしてしまわなければなりません。ダ
ラダラしていれば、データの整合性がとりにくく、見えるものも見えなくな
ってしまうでしょうから。

こうして、ユニ・チャームは自社独自の流通網を構築するアイデアを得て、
その実行力を成果に結びつけるための戦略を作ることができたわけです。

■ユニ・チャームを有数の優良企業たらしめたのは、新たな市場への大胆な
挑戦、新たな市場での戦略構築力、実行力であるというのが私の解釈です。

なにしろ、もともと建材メーカーだった大成化工が、生理用品事業に進出し、
その後、ベビー用品(紙おむつ)、介護用品、ペット用品と事業を広げてい
っています。

それぞれの分野で収益を上げ、海外進出も果たしていることから見ると、創
業者である高原氏のアントレプレナー気質が、会社の性質となっているので
しょう。

自社の持てる技術を様々な分野に展開しているわけですから、理に適ってい
ますが、営業の難しさはどの分野でも同じです。常にゼロベースで考える必
要があります。

そこに勘や経験を持ちこむことは危険極まりないことです。

おそらく精緻な数値の積み上げがあると思いますが、このあたりはあまり語
られていませんね。

でも、必ず理屈を持って行動しています。それが成功するリーダーの条件で
ありますから。

■ユニ・チャームとアップル。スケールや質は違いますが、この2社に特徴
的なのは、それまでのビジネスを破壊するような新しい分野への挑戦を一定
期間ごとにやっていることです。

成長への飽くなき執念と言ってしまえば、簡単に聞こえますが、それぞれが
本業を破壊することもありえる難事業です。

ただ、彼らには、破壊しなければゆるやかに死んでいくだけだという危機意
識が強いのでしょうね。

ほんの小さな変化だけでも、すごい抵抗をするグループがどんな会社にもい
ることを私は見てきておりますから、この2社の挑戦意欲には、驚嘆してし
まいます。

やはり変化の時代には、トップの強烈なリーダーシップが必要不可欠である
という事例といえるのでしょうか。

この2社に共通するのは、トップが強烈な個性の持ち主であるということで
もありますね。


【オンラインセミナー】ランチェスター戦略入門編
http://goo.gl/ka0BBL



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ソニー贔屓の私としては、アップルのビジネスに取り込まれることを抵抗し
てきたのですが、誘惑には勝てませんでしたね^^;

■きっかけはツイッターを始めたことです。

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始めたと言っても、大して使いこなしているわけではないのですが、いろん
な人の"つぶやき"を眺めていると、どうもiPhoneユーザーが多いというこ
とに気付きました。

これは想像していたよりも使えるらしい...

それに、孫正義氏のつぶやきなどを見ていると、どうにも使ってみたくなっ
たんですな。

てなわけで、購入してしまいました。

■まあ、直感的な使い勝手は、聞いてはいましたが、想像以上だったので驚
きましたね。

それよりも、iPhoneというのは、今やアップルが想像するよりも、凄いもの
になっているのかも知れません。

というのも、アップルはiPhoneで稼動するソフトの開発ツールを公開してお
り、多くの野心ある開発者が、ソフト開発を日々続けているのです。

まるで集合知の実験をしているようなもんですよ。

孫正義氏など、iPhoneのことを「人生をもっともエンジョイしたい全ての人
への、神からの贈り物」とつぶやいています^^

■電話には全く興味ないので、通話基本料がもったいない気もしますが^^;

集合知の現場に接していると思えば安いもんですな。

■というわけで、今回は、アップルともうひとつの優良企業であるユニ・チ
ャームについて書きたいと思います。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■アップルの勢いは止まるところを知りませんね。

驚くのは、アップルが金鉱脈のような儲かるビジネスを掘り当てて、それに
しがみついている企業ではないということです。

とにかく変革のスピードが速く、一つところに止まっていない。

参考「アップルの驚異的な収益構造の変化」
http://stockkabusiki.blog90.fc2.com/blog-entry-1055.html

今週号(2010年3月27日号)の週刊ダイヤモンドにも記事がありますが、ア
ップルがiPodを出すまでは、ウィンドウズにやられっ放しの感があるニッチ
なパソコンメーカーでした。

それが"天才"スティーブ・ジョブズの復帰により、アップルは劇的な変化
を遂げます。

まずは、2001年に、携帯用音楽プレーヤーiPodを発売。

当初は、自社のパソコン向けの周辺機器という位置づけだったのですが、ウ
ィンドウズ対応版を出すとともに、iTunesというオンライン音楽配信システ
ムを中心としたオープンなビジネスとして大化けしていきます。

このiPodビジネスは世界中でヒットし、あれほど強かったソニーのウォーク
マンを駆逐してしまいます。

■よく言われることですが、ソニーが技術力や構想力で必ずしも劣っていた
わけではありません。

もちろん技術力は、飛びぬけて優秀な会社ですし、音楽がいずれオンライン
配信中心になることは、分かり過ぎるほどわかっていたはずです。

ただし、音楽コンテンツの複雑な権利関係を整理することが難しく、技術的
には可能でもビジネス展開としては時期尚早であると考えていたのではない
でしょうか。

それをスティーブ・ジョブズはもの凄い突破力でやってのけたわけです「神
の交渉力」などという本もありましたが、要するに、並外れて強引なわけで
す^^;

ソニーのハワード・ストリンガーCEOが「アップルは怖くないが、スティ
ーブ・ジョブズは怖い」と言いたくなるわけですな。

■その後、アップルは、2007年に、多機能携帯電話iPhoneを発売。こちらは
世界の開発者にシステムを開放しているため、電話や音楽に止まらず多くの
機能追加が日々なされており、さながら集合知の実験場のようです。

アップルは、iPhoneという場を世界のコンテンツ開発者に提供することで、
場代を稼ぎ続ける「アップル経済圏」を作り上げたわけです。

次に、アップルはiPadの発売を控えており、スティーブ・ジョブズは、出版
や映像を含めたコンテンツ業界に革命を起こすと言われています。

彼の力ならさもありなん。というか、ジョブズ以外には、できない大事業で
しょう。

これはぜひともやり遂げていただきたいと思います。

■スティーブ・ジョブズのカリスマ性や悪評すれすれの強烈な個性について
はあちこちで語られていますが、多かれ少なかれ、経営者と言われる方は、
強烈な個性の持ち主が多いものです。

日経新聞の「私の履歴書」などを読んでいると、つくづく思います。

特に創業社長はユニークな方が多い。

個性が強すぎて、ハチャメチャな発言が多いきらいはありますが^^;

それでも、その発言の意図や根拠をよく考えてみると、理に適ったものであ
ることが分かることも多い。

お近づきになりたいかどうかはともかくとして、魅力的であることは間違い
ありません。

■今月の「私の履歴書」は、ユニ・チャーム創業者の高原慶一朗氏が担当し
ています。

これがすこぶる面白い。

ユニ・チャームが日本でも有数の優良企業であることは論を待たないと思い
ますが、その創業者がどういう人物であるかは、あまり知られていなかった
のではないでしょうか。

「履歴書」を読む限り、やはり個性的でパワフルな人のようです。

有り余るエネルギーというのは、成功者の一つの資質であることは間違いあ
りません。

ただし、それだけで成功できるとは思いません。

理に適った戦略がその裏に隠されているはずです。

■ユニ・チャームの前身は大成化工という会社です。

大きな成長と成功を願い、社会が必要とする製品を世に出す会社に化けたい
という意味を込めた社名で、もともとは建材メーカーです。

建材事業も順調であったようですが、さらなる成長を求めて、生理用品事業
に進出します。

当時(1960年代初頭)生理用品といえば、アンネというメーカーがほぼ寡占
状態でした。

そこに、素人考えで進出しようというのですから、無謀だと言われても仕方
なかったでしょう。

■それにしても、建材メーカーの経営者が、何を考えて、生理用品を製造販
売しようと思い立ったのでしょうか。

「私の履歴書」では、

1.故郷の産物である紙を生かせる。(強みの活用)

2.女性の悩みを解消したい。(ミッション)

3.今後、米国のように女性の社会進出が進むと巨大マーケットとなる。
(潜在ニーズの可能性)

などと書かれています。

「そこにニーズがあり、強みも生かせる」となれば、進出したくなるのも分
からないではありません。

ただし、その強みは、果たして確かな強みだと言えるのか?

結局、高原氏が最も魅力に感じたのは、潜在的な成長力だったということで
しょう。やはり本質的なアントレプレナー気質の人なんですね。

それにしても凄まじいチャレンジ精神です。

■さて、商品づくりについては、すぐに追いつけると自信を持っていたよう
です。

しかし、いいものが必ずしも売れるとは限らないのは、いつの世も同じです。

難しいのは、寡占状態の流通網にどうやって入り込むのか。

3月14日の「私の履歴書」では、導入期の営業活動について書かれており、
興味深く読みました。

■まず戦略面から言うと、攻略する地域を、中国地方に定めています。

先行するアンネがいくら寡占状態だといっても、日本全国にびっしりと流通
網を張り巡らせているわけではありません。当然、網の目がまばらなところ
が存在します。

弱者は、相手の手薄なところから攻めるのが鉄則です。

中国地方は、アンネが手薄なところだったのです。こうした戦略的な目標設
定がなされないと、折角の努力が無駄になってしまいます。

■次に戦術面。

7人の営業部隊を4人(山陽道チーム)と3人(山陰道チーム)に分けて、
キャラバン隊を組んで一気に攻略する手法をとっています。

各チームには、女性の営業員を配して、説得力を増すようにしています。

が、顧客から「男に、この商品の良さが分かるのか」と言われた時には、高
原氏は堂々と「私もしています!」と宣言したそうです。

実は、痔の痛みを緩和するのにいい商品でもあったのです。

■このキャラバン営業は、ランチェスター戦略ではローラー調査と呼んでい
るものに似ています。

ローラー調査は、販売ではなく、市場を正確に把握することに主眼を置いて
います。

一定の期間内に、対象地域のすべての事業所を回るというのが、ローラー調
査の特徴です。市場総点検活動とも呼んでいます。

この調査は、実践的な戦略を作る上で、必要不可欠なデータを集めるための
ものです。

あまり知られていないようですが、このローラー調査とその後の目標設定こ
そが、ランチェスター戦略の中でも最も実効性の高いと評価を得ている部分
であり、私自身がコンサルティングにおいて実感している部分でもあります。

ローラー調査を成功させ意味あるものにするコツは、全員で取り組むことと、
短期間で一気にやってしまうことです。

ダラダラしていたら、間延びして、なし崩し的に無意味なものになってしま
いますので。

■ユニ・チャームが、この時理解したのが、医療系の問屋にはアンネが販路
を確保しているものの、化粧雑貨系、紙系の問屋には、浸透していないとい
うことでした。

市場を調べると、相手の弱点が見えてくるという好例ですね。

その意味からも、こうした調査は一気にしてしまわなければなりません。ダ
ラダラしていれば、データの整合性がとりにくく、見えるものも見えなくな
ってしまうでしょうから。

こうして、ユニ・チャームは自社独自の流通網を構築するアイデアを得て、
その実行力を成果に結びつけるための戦略を作ることができたわけです。

■ユニ・チャームを有数の優良企業たらしめたのは、新たな市場への大胆な
挑戦、新たな市場での戦略構築力、実行力であるというのが私の解釈です。

なにしろ、もともと建材メーカーだった大成化工が、生理用品事業に進出し、
その後、ベビー用品(紙おむつ)、介護用品、ペット用品と事業を広げてい
っています。

それぞれの分野で収益を上げ、海外進出も果たしていることから見ると、創
業者である高原氏のアントレプレナー気質が、会社の性質となっているので
しょう。

自社の持てる技術を様々な分野に展開しているわけですから、理に適ってい
ますが、営業の難しさはどの分野でも同じです。常にゼロベースで考える必
要があります。

そこに勘や経験を持ちこむことは危険極まりないことです。

おそらく精緻な数値の積み上げがあると思いますが、このあたりはあまり語
られていませんね。

でも、必ず理屈を持って行動しています。それが成功するリーダーの条件で
ありますから。

■ユニ・チャームとアップル。スケールや質は違いますが、この2社に特徴
的なのは、それまでのビジネスを破壊するような新しい分野への挑戦を一定
期間ごとにやっていることです。

成長への飽くなき執念と言ってしまえば、簡単に聞こえますが、それぞれが
本業を破壊することもありえる難事業です。

ただ、彼らには、破壊しなければゆるやかに死んでいくだけだという危機意
識が強いのでしょうね。

ほんの小さな変化だけでも、すごい抵抗をするグループがどんな会社にもい
ることを私は見てきておりますから、この2社の挑戦意欲には、驚嘆してし
まいます。

やはり変化の時代には、トップの強烈なリーダーシップが必要不可欠である
という事例といえるのでしょうか。

この2社に共通するのは、トップが強烈な個性の持ち主であるということで
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