ノキアと日本電産 東西M&A巧者のやり方

2015.07.23

■ノキアというのはしぶとい会社ですねー

なんとも驚きました。

参考:ノキア、携帯電話市場再参入の意向を明かす 新たな事業モデルを検討中
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44313

JBプレスの記事です。

記事によると、ノキアが、携帯電話に再参入するらしい。

北欧の会社というのは皆、こんなにしぶといもんなんですかね。

■ノキアが携帯電話事業そのものを売却したのが2013年です。

参考:フィンランド国民に衝撃広がる:ノキア携帯事業売却で
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MSKYUD6KLVRA01.html

その数年前までは、ノキアは、携帯電話シェア世界トップだったはずです。

それが、スマートフォンの急激な台頭に乗ることができずに、巨額赤字を計上。

あっさりと、事業売却することになりました。

■売却当初は、栄枯盛衰とか、奢れる平氏は久しからず、なんて言われたものです。

(嘘です。言われてません)

むしろ、その判断の潔さが賞賛されたほどです。

ノキアは、事業を通信インフラの設備などに絞り、生き残りをかけました。

その試みは成功しつつあるようです。

■それに比べて、ノキアから携帯電話事業を購入したマイクロソフトは、携帯電話事業からの撤退も噂されています。

マイクロソフト側は否定していますが、ノキアから買収した事業をうまく運営できていないことは事実のようです。

参考:マイクロソフト、数千人単位で携帯電話事業の人員削減へ─Windows Phoneへの影響は?
http://readwrite.jp/archives/24358

■それにしてもノキアですよ。

携帯事業からの撤退から2年も経たずに、再参入の噂が立つとは。

しかも計画は事実なのだとか。

(ただし、かつてのように製造販売するのではなく、設計案やブランド戦略を提供するコンサルのような事業で再参入するようです)

ノキアはフィンランドの企業です。創業時は製紙会社で、次にゴム長靴の製造などをしていたらしい。

多角化と絞り込みを繰り返しながら主力事業を変えてきました。

だから2013年の携帯事業売却もノキアにすれば慣れた道だったのかも知れません。

■ノキアは、いわゆるポジショニング戦略の使い手です。

ポジショニング戦略とは、自社の強みと他社の動向を鑑みて、立ち位置を決めるやり方です。

経営環境を常に相対的に見ているので、勝てると思えば躊躇しませんし、ヤバいと思えばすぐに撤退します。

言葉は悪いですが、トカゲがしっぽを切って逃げてしまうように、大胆に事業を整理することも厭いません。

まるで、織田信長を前にした三好三人衆のようです。

全くもって分かりにくい例えで申し訳ありませんが。

■これに対して、わが日本のM&A巧者は、リストラは一切しないと明言しています。

参考:日本電産永守社長は最強の経営者か「カス」鍛え電子部品帝国
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NQP7JJ6K50Y601.html

自ら「ほら吹き三兄弟」の一人と称する永守重信・日本電産社長です。

2030年に現在1兆円の売上高を10兆円にするとほらを吹いておられます。

※ほら吹き三兄弟とは、孫正義・ソフトバンク社長、柳井正・ファーストリテイリング社長、永守氏です。

ただそれもあながちでたらめでないのが、永守氏がM&Aに長けた経営者であることです。一時期は、赤字会社を買いまくって、バンバン再生していきました。

参考:日本電産、永守流「爆買い戦略」のすごみ 2030年度の売り上げ目標は10兆円!
http://toyokeizai.net/articles/-/58821

■日本電産のポジショニングは、モーター分野世界一。

どこかで「回るものは何でもモーターだ」って仰っておられましたから守備範囲はけっこう広いらしい。

直近の株主総会では、「自動車も飛行機もロケットもみんなモーターで飛ぶようになる。動くものにはすべてうちのモーターが使われている」などと答弁してました。

面白い人ですね。

要するに、産業部品の中にモーター需要を新たに創る(いまモーターが使われていない分野にモーターを持ち込む)ことで成長を目指します。

そのために、様々な技術を持つモーター関連企業を買収してきたわけです。

以前、永守氏の著書を読んだことがありますが、内容がランチェスター戦略そっくりだったことに驚きました。

おそらく、ポジショニング戦略としては、ランチェスター戦略を意識しているのだと思います。
http://www.createvalue.biz/seminar2/post-314.html

■そのポジショニング戦略を現実のものにしているのが、買収先企業を黒字化するリソース戦略(この場合は人材管理)の巧みさです。

人材管理については、どの本を読んでも、精神論的にしか書かれていません。多分に精神論的なアプローチをしているのでしょう。

参考:「90歳まではやる」永守重信の秘策 「これ以上叱ったら殺されるかもしれない」というまでやった若き日
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20140117/258406/?rt=nocnt

ただし、ただの根性論ではないようです。論理と精神論を使い分けながら、組織を動かしているようです。

京セラの稲盛和夫氏も似たようなアプローチをしていました。

人材管理のために精神論を使うことは有効なのだと私も考えています。コンサルティングでも、事情は同じだからです。

■永守氏は、買収した先の企業の人々に火をつけ、戦う集団に変えることを得意としているらしい。

その方法によりこれまで数多の会社を再生してきた実績があるので、自信があるのでしょう。

ここから先は大型M&Aを行って、10兆円を目指すそうです。

その手法なら、ほらが現実になるかも知れません。

■ノキアは、大規模なリストラを厭わずに、アコーディオンのように伸び縮みしながら、生き残ってきました。

日本電産は、小さな買収を繰り返し、着実に組織を強化しながら大きくなってきました。

対照的な二社ですが、いずれもM&Aをうまく使いながら経営しています。

どちらはいい悪いはありません。違いがあるということです。

これからも注視してまいります。

■ノキアというのはしぶとい会社ですねー

なんとも驚きました。

参考:ノキア、携帯電話市場再参入の意向を明かす 新たな事業モデルを検討中
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44313

JBプレスの記事です。

記事によると、ノキアが、携帯電話に再参入するらしい。

北欧の会社というのは皆、こんなにしぶといもんなんですかね。

■ノキアが携帯電話事業そのものを売却したのが2013年です。

参考:フィンランド国民に衝撃広がる:ノキア携帯事業売却で
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MSKYUD6KLVRA01.html

その数年前までは、ノキアは、携帯電話シェア世界トップだったはずです。

それが、スマートフォンの急激な台頭に乗ることができずに、巨額赤字を計上。

あっさりと、事業売却することになりました。

■売却当初は、栄枯盛衰とか、奢れる平氏は久しからず、なんて言われたものです。

(嘘です。言われてません)

むしろ、その判断の潔さが賞賛されたほどです。

ノキアは、事業を通信インフラの設備などに絞り、生き残りをかけました。

その試みは成功しつつあるようです。

■それに比べて、ノキアから携帯電話事業を購入したマイクロソフトは、携帯電話事業からの撤退も噂されています。

マイクロソフト側は否定していますが、ノキアから買収した事業をうまく運営できていないことは事実のようです。

参考:マイクロソフト、数千人単位で携帯電話事業の人員削減へ─Windows Phoneへの影響は?
http://readwrite.jp/archives/24358

■それにしてもノキアですよ。

携帯事業からの撤退から2年も経たずに、再参入の噂が立つとは。

しかも計画は事実なのだとか。

(ただし、かつてのように製造販売するのではなく、設計案やブランド戦略を提供するコンサルのような事業で再参入するようです)

ノキアはフィンランドの企業です。創業時は製紙会社で、次にゴム長靴の製造などをしていたらしい。

多角化と絞り込みを繰り返しながら主力事業を変えてきました。

だから2013年の携帯事業売却もノキアにすれば慣れた道だったのかも知れません。

■ノキアは、いわゆるポジショニング戦略の使い手です。

ポジショニング戦略とは、自社の強みと他社の動向を鑑みて、立ち位置を決めるやり方です。

経営環境を常に相対的に見ているので、勝てると思えば躊躇しませんし、ヤバいと思えばすぐに撤退します。

言葉は悪いですが、トカゲがしっぽを切って逃げてしまうように、大胆に事業を整理することも厭いません。

まるで、織田信長を前にした三好三人衆のようです。

全くもって分かりにくい例えで申し訳ありませんが。

■これに対して、わが日本のM&A巧者は、リストラは一切しないと明言しています。

参考:日本電産永守社長は最強の経営者か「カス」鍛え電子部品帝国
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-NQP7JJ6K50Y601.html

自ら「ほら吹き三兄弟」の一人と称する永守重信・日本電産社長です。

2030年に現在1兆円の売上高を10兆円にするとほらを吹いておられます。

※ほら吹き三兄弟とは、孫正義・ソフトバンク社長、柳井正・ファーストリテイリング社長、永守氏です。

ただそれもあながちでたらめでないのが、永守氏がM&Aに長けた経営者であることです。一時期は、赤字会社を買いまくって、バンバン再生していきました。

参考:日本電産、永守流「爆買い戦略」のすごみ 2030年度の売り上げ目標は10兆円!
http://toyokeizai.net/articles/-/58821

■日本電産のポジショニングは、モーター分野世界一。

どこかで「回るものは何でもモーターだ」って仰っておられましたから守備範囲はけっこう広いらしい。

直近の株主総会では、「自動車も飛行機もロケットもみんなモーターで飛ぶようになる。動くものにはすべてうちのモーターが使われている」などと答弁してました。

面白い人ですね。

要するに、産業部品の中にモーター需要を新たに創る(いまモーターが使われていない分野にモーターを持ち込む)ことで成長を目指します。

そのために、様々な技術を持つモーター関連企業を買収してきたわけです。

以前、永守氏の著書を読んだことがありますが、内容がランチェスター戦略そっくりだったことに驚きました。

おそらく、ポジショニング戦略としては、ランチェスター戦略を意識しているのだと思います。
http://www.createvalue.biz/seminar2/post-314.html

■そのポジショニング戦略を現実のものにしているのが、買収先企業を黒字化するリソース戦略(この場合は人材管理)の巧みさです。

人材管理については、どの本を読んでも、精神論的にしか書かれていません。多分に精神論的なアプローチをしているのでしょう。

参考:「90歳まではやる」永守重信の秘策 「これ以上叱ったら殺されるかもしれない」というまでやった若き日
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20140117/258406/?rt=nocnt

ただし、ただの根性論ではないようです。論理と精神論を使い分けながら、組織を動かしているようです。

京セラの稲盛和夫氏も似たようなアプローチをしていました。

人材管理のために精神論を使うことは有効なのだと私も考えています。コンサルティングでも、事情は同じだからです。

■永守氏は、買収した先の企業の人々に火をつけ、戦う集団に変えることを得意としているらしい。

その方法によりこれまで数多の会社を再生してきた実績があるので、自信があるのでしょう。

ここから先は大型M&Aを行って、10兆円を目指すそうです。

その手法なら、ほらが現実になるかも知れません。

■ノキアは、大規模なリストラを厭わずに、アコーディオンのように伸び縮みしながら、生き残ってきました。

日本電産は、小さな買収を繰り返し、着実に組織を強化しながら大きくなってきました。

対照的な二社ですが、いずれもM&Aをうまく使いながら経営しています。

どちらはいい悪いはありません。違いがあるということです。

これからも注視してまいります。

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