新社会人に贈る「1万時間の法則」

2017.04.20

(2017年4月20日メルマガより)


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■4月は、スタートの時期です。

多くの会社で新入社があり、新社会人が誕生しています。

私も、この時期は、新入社員の前でお話しなどすることが多くなります。

■何を隠そう、私はこの仕事がけっこう好きでしてね。

なにしろ、新社会人になる。というのは一生に一度しかないことです。

しかも、これから社会人生活を送ろうという人にとって、この一年は、何よりも重要な一年になるはずです。

そんな重要な局面にある人たちに、お話しするというのは、非常に責任を感じる仕事であると同時に、大きな栄誉であると感じています。

気合いが入る仕事です。

■新社会人にとって、今が、一番大切な時である。というのは本心から思うことです。

なぜなら、最初に関わった仕事が、その後の社会人生活に最も大きな影響を及ぼすから。

好きで選んだ職種でなかったとしても、否応なしに、その仕事を起点にこれからの社会人生活が始まるからです。

■新社会人にいちばん言いたいこと。

それは「どんな部署に配属されたとしても、早く覚悟を決めて、その道を究めること」です。

意に沿わない配属になるかも知れません。

思ってもみない地域になるかも知れません。

それでも、その職種、地域がこれからの人生の起点になるのです。

早く覚悟を決めて、一つのことに集中してください。

■などと偉そうに言っていますが、私が新社会人になった時は、どうにもうじうじ悩んでおりました。

私の場合、産業用ガス会社の中のステンレス魔法瓶を製造販売する事業部に営業として配属されました。

想像もしなかったことです。

そもそも営業がしたかったわけではありません。

営業なんて、エラそうにする客にとりあえず頭を下げて買ってもらう仕事だ、なんて思っていたぐらいですから。

なんで魔法瓶をチマチマ売って、人生を過ごさなければならないんだ、と貧乏くじを引いたつもりでいました。

■まったくもって、ダメ社員の典型です。

今の仕事が気に入らない。やる気にならない。マイナスオーラを出す。周りも呆れて放置する。不満分子だけで固まって傷をなめ合う。

そんなに嫌ならさっさと辞めて別の生き方を探ればいいのに、そこまで踏み切れない。

会社員としての時間は、多くても35年程度なのに、何を無駄に過ごしているというのでしょうか。

まあ、実際はそこまでネガティブなわけではありませんでしたが、受け身のまま過ごしていたのは確かだったと思います。

■しかし、ある時から、営業に本格的に取り組まなければならないと覚悟を決めました。

覚悟を決めた。なんて言うと大げさですね。

なんとなく背中に火がついて、真剣にやらなければならない状況に追い込まれました。

所属する事業部が危機的状況にあったという事情もありますし、自分自身も後がないという緊迫した気持ちがあったからです。

その時の詳しい状況についてはこちらをご参照ください。→「『廃業寸前』が世界トップ企業になった奇跡の物語」
https://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4827209693/lanchesterkan-22/ref=nosim

↑このことがあってからは、営業が面白くなりました。自分なりに勉強もしましたし、営業に真剣に取り組んだと思っています。

その真剣に取り組んだと思える時間が、いまの私を支えています。

■しかし、遅まきながらも気づいてよかった。

もし「営業なんて向いてない」「おれには他にふさわしい仕事がある」なんて逃げてばかりいたら、どうしようもない五十代になっていたことでしょう。

実際に、そうやって過ごしてきたとしか思えない人を何人か知っていますからね...

そう思うとぞっとします。

■いま思うと、本当にアホでしたね。

私はいま、営業ほど総合的な能力を必要とする職種はないと考えています。

営業をある程度真剣にやった人ならば、他のどんな仕事をしても成功します。

それだけではありません。

営業は、ビジネスの根幹を担う仕事です。

営業が弱ければ、会社は弱い。強い会社とは、営業が強い会社のことです。

技術部が開発部が製造部が企画部が財務部が総務部が何と言おうと、会社を動かしているのは営業です。

営業は人間が一生を賭けるべき仕事です。

それが人生の半分以上、営業に関わってきた私が心から思うことです。

営業なんて、嫌なやつにとりあえず頭を下げる仕事だと思っていた者とは思えないでしょうが^^;

■「1万時間の法則」をご存知ですか?

このメルマガでも何度かとりあげましたが、再度紹介させていただきます。この法則を、ぜひ新社会人に知ってほしいと思うからです。

1万時間の法則は、アメリカのビジネス書作家マルコム・グラッドウェルが提唱したもの。

参考:天才! 成功する人々の法則
https://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4062153920/lanchesterkan-22/ref=nosim

簡単にいうと、ビジネスやスポーツや芸術やあらゆる分野で卓越した業績を残した人には、1万時間の下積み時間がある、というもの。

グラッドウェル氏は多くの事例を調査した結果、例外なく、1万時間というマジックナンバーがあることを発見した。と主張しています。

どんな成功者もきっかり1万時間の下積み期間を経た頃に、覚醒したのだということです。

■まあ、はっきり言って、科学的な根拠のある法則ではありません。いわゆる俗説ですね。

ただ、この分かりやすい法則が、多くの人々の心を捉えました。

実際、各界で業績を上げた人たちが、この法則を支持しているのを目にしています。つまり経験則的に多くの支持を集めたわけです。

確かに、誰しも最初から天才的な能力を持っていたわけではない。誰にだって下積み時代があるはずです。

天才と凡人を分ける境界が、1万時間努力したか、しなかったか、ということであれば、誰しも希望があるというものです。

私は、1万時間の法則を知った時、直観的に「正しい正しくない。ではなく、この法則を信じた方が、人生は豊かになる」と感じました。

それ以来、この法則の信奉者です。

■1万時間とはどういう時間か。

もし1日1時間休まず努力するとして、約27年かかる計算です。

1日3時間なら約9年。

だけど、365日休みなしで3時間なにかに打ち込むって、不可能でしょうね。

だから、会社を終えたあと、趣味の何かを努力したとしても、モノになるのは、引退間際です。

普通はそれまでにくじけるでしょうね。

■しかし、その人が覚悟を決めて、いまの仕事に打ち込むならばどうなるのか。

たとえば1日8時間。それが週5日で40時間。年間で約2000時間。

これならば、かっきり5年で1万時間です。

社会人生活を豊かに過ごすには、何を打ち込めばいいのかは、一目瞭然ですよね。

■5年。というのは、経験的にいって絶妙の時間であると感じます。

私が何らかの成功者であるとは言いませんが、たとえ私レベルだとしても、営業に真剣に取り組む気になって、5年ぐらいで、それなりの自信がついたのは確かです。

私だけではありません。どの会社であっても、優秀だといわれる人が頭角を現すのは、5年~10年の間のはず。

私の場合、覚悟を決めるスタートが遅かったので、時間がかかりましたが、それでも10年目ぐらいには、営業とは何ぞや、なんて自分なりの意見を持つことができました。

1万時間がマジックナンバーである。というのはあながち間違いではないなと思う所以です。

■だから、覚悟を決めるなら早い方がいい。

早ければ早いほどいいわけです。

私はたまたま営業に配属されたから、営業の専門家になりましたが、製造でも開発でも総務でも財務でも、その仕事を究めると、次のキャリアを開くことができます。

先ほど、営業ができる人間は何でもできる。と言いましたが、それは他の職種でも同じかも知れません。

製造のプロ、開発のプロ、総務のプロ、財務のプロは、それぞれの立場から、ビジネス全体を見ることができるはずです。

その立場からの視点が独自性となり、会社や社会にとって、有用な存在になります。

■もっとも、1万時間を過ごしたからといって、成功するとは限りません。

そこは勘違いしないようにしてくださいね。

確かにそうです。スポーツや芸術の分野のように、埋めがたい才能の差があるかも知れません。

あるいは、力があったとしても運、不運の差で成功に至らない場合もあるでしょう。

ビジネスも同じです。素晴らしい能力を持った経営者がみな大成功するとは限りません。

必要条件であって、十分条件ではない。という言い方が正しいのかな。

要するに、この法則は、成功を約束するものではないが、成功するに至る"準備"が何であったかを示したものです。

■1万時間の法則は、様々な人にとりいれられて、いろんなバリエーションがあるようです。

面白いことを言っている人がいます。

元リクルート社フェローであり、現在は民間人校長として教育改革を実践する藤原和博氏です。彼の言っていることを、キングコングの西野氏が面白い!と紹介していたので、私も知りました。

参考:西野亮廣「僕はこれで100万人に1人を目指す」 「3つの分野」の掛け合わせで、天才に勝つ!
http://toyokeizai.net/articles/-/156341

藤原氏は「どんな人でも何かひとつのことに1万時間をかければ、必ず「100人に1人」になることができます」と言っています。

藤原氏独特の解釈ですね。ただその後が面白い。

ある分野で1万時間。別の分野で1万時間。これなら、100×100で、1万人に1人の人材になる。

さらに1万時間を過ごすと、1万×100で、100万人に1人の人材である。

100万人に1人!

これはもう日本代表クラスですな。

要するに、誰でもできる努力を戦略的に積み上げることによって、誰でも日本代表クラスの人材になれる、と藤原氏は言っているのです。

■ランチェスター戦略にしろ、孫子の兵法にしろ、競争戦略は、ライバルや顧客との関係性の中から、自らが生き残るために、どのようなポジションをとるのか、というところから始まります。

そのポジションを決める際に大きな手がかりになるのが、自らの強みというリソースです。

もし、自分が何らかの分野でそれなりの時間を蓄積していたというのなら、それは大きな強みとなり、アドバンテージとなります。

たとえば、私は創業者の支援をすることもありますが、創業時に大切になるのは、その人独自の強みにビジネスを組み立てることです。

強みとは要するに、その人がこれまで過ごしてきた時間を指します。

その人がどのような1万時間を過ごしてきたのか。

その強みを中心にビジネスを形作ることが、成功する創業の秘訣です。

逆にいうと、1万時間の積み上げのない人が、いきなり創業するといった場合、強みを何とするかに苦労します。

結局、アイデア勝負でスカスカの事業計画になってしまいます。

■思えば、新社会人の皆様は、これから何にだってなれる存在です。

100人に1人の人間にだって、1万人に1人の人間にだって、100万人に1人の人間にだってなれます。

本当にうらやましい。可能性だけなら、世界トップですよ。

ただし、会社内にいて何かを成し遂げるにしろ、創業して何かを目指すにしろ、それは皆様がこれからどういう時間を過ごしていくかです。

時間が1年過ぎることに、可能性は小さくなっていきます。

1万人に1人だと認められる人材と、10人並みの人材とでは、できる仕事が大きく異なってくるのは必然です。

皆様の人生を豊かで実り多くするために、どうかこれからの時間を大切にしてください。

幸運を祈ります。


(2017年4月20日メルマガより)


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■4月は、スタートの時期です。

多くの会社で新入社があり、新社会人が誕生しています。

私も、この時期は、新入社員の前でお話しなどすることが多くなります。

■何を隠そう、私はこの仕事がけっこう好きでしてね。

なにしろ、新社会人になる。というのは一生に一度しかないことです。

しかも、これから社会人生活を送ろうという人にとって、この一年は、何よりも重要な一年になるはずです。

そんな重要な局面にある人たちに、お話しするというのは、非常に責任を感じる仕事であると同時に、大きな栄誉であると感じています。

気合いが入る仕事です。

■新社会人にとって、今が、一番大切な時である。というのは本心から思うことです。

なぜなら、最初に関わった仕事が、その後の社会人生活に最も大きな影響を及ぼすから。

好きで選んだ職種でなかったとしても、否応なしに、その仕事を起点にこれからの社会人生活が始まるからです。

■新社会人にいちばん言いたいこと。

それは「どんな部署に配属されたとしても、早く覚悟を決めて、その道を究めること」です。

意に沿わない配属になるかも知れません。

思ってもみない地域になるかも知れません。

それでも、その職種、地域がこれからの人生の起点になるのです。

早く覚悟を決めて、一つのことに集中してください。

■などと偉そうに言っていますが、私が新社会人になった時は、どうにもうじうじ悩んでおりました。

私の場合、産業用ガス会社の中のステンレス魔法瓶を製造販売する事業部に営業として配属されました。

想像もしなかったことです。

そもそも営業がしたかったわけではありません。

営業なんて、エラそうにする客にとりあえず頭を下げて買ってもらう仕事だ、なんて思っていたぐらいですから。

なんで魔法瓶をチマチマ売って、人生を過ごさなければならないんだ、と貧乏くじを引いたつもりでいました。

■まったくもって、ダメ社員の典型です。

今の仕事が気に入らない。やる気にならない。マイナスオーラを出す。周りも呆れて放置する。不満分子だけで固まって傷をなめ合う。

そんなに嫌ならさっさと辞めて別の生き方を探ればいいのに、そこまで踏み切れない。

会社員としての時間は、多くても35年程度なのに、何を無駄に過ごしているというのでしょうか。

まあ、実際はそこまでネガティブなわけではありませんでしたが、受け身のまま過ごしていたのは確かだったと思います。

■しかし、ある時から、営業に本格的に取り組まなければならないと覚悟を決めました。

覚悟を決めた。なんて言うと大げさですね。

なんとなく背中に火がついて、真剣にやらなければならない状況に追い込まれました。

所属する事業部が危機的状況にあったという事情もありますし、自分自身も後がないという緊迫した気持ちがあったからです。

その時の詳しい状況についてはこちらをご参照ください。→「『廃業寸前』が世界トップ企業になった奇跡の物語」
https://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4827209693/lanchesterkan-22/ref=nosim

↑このことがあってからは、営業が面白くなりました。自分なりに勉強もしましたし、営業に真剣に取り組んだと思っています。

その真剣に取り組んだと思える時間が、いまの私を支えています。

■しかし、遅まきながらも気づいてよかった。

もし「営業なんて向いてない」「おれには他にふさわしい仕事がある」なんて逃げてばかりいたら、どうしようもない五十代になっていたことでしょう。

実際に、そうやって過ごしてきたとしか思えない人を何人か知っていますからね...

そう思うとぞっとします。

■いま思うと、本当にアホでしたね。

私はいま、営業ほど総合的な能力を必要とする職種はないと考えています。

営業をある程度真剣にやった人ならば、他のどんな仕事をしても成功します。

それだけではありません。

営業は、ビジネスの根幹を担う仕事です。

営業が弱ければ、会社は弱い。強い会社とは、営業が強い会社のことです。

技術部が開発部が製造部が企画部が財務部が総務部が何と言おうと、会社を動かしているのは営業です。

営業は人間が一生を賭けるべき仕事です。

それが人生の半分以上、営業に関わってきた私が心から思うことです。

営業なんて、嫌なやつにとりあえず頭を下げる仕事だと思っていた者とは思えないでしょうが^^;

■「1万時間の法則」をご存知ですか?

このメルマガでも何度かとりあげましたが、再度紹介させていただきます。この法則を、ぜひ新社会人に知ってほしいと思うからです。

1万時間の法則は、アメリカのビジネス書作家マルコム・グラッドウェルが提唱したもの。

参考:天才! 成功する人々の法則
https://www.amazon.co.jp/o/ASIN/4062153920/lanchesterkan-22/ref=nosim

簡単にいうと、ビジネスやスポーツや芸術やあらゆる分野で卓越した業績を残した人には、1万時間の下積み時間がある、というもの。

グラッドウェル氏は多くの事例を調査した結果、例外なく、1万時間というマジックナンバーがあることを発見した。と主張しています。

どんな成功者もきっかり1万時間の下積み期間を経た頃に、覚醒したのだということです。

■まあ、はっきり言って、科学的な根拠のある法則ではありません。いわゆる俗説ですね。

ただ、この分かりやすい法則が、多くの人々の心を捉えました。

実際、各界で業績を上げた人たちが、この法則を支持しているのを目にしています。つまり経験則的に多くの支持を集めたわけです。

確かに、誰しも最初から天才的な能力を持っていたわけではない。誰にだって下積み時代があるはずです。

天才と凡人を分ける境界が、1万時間努力したか、しなかったか、ということであれば、誰しも希望があるというものです。

私は、1万時間の法則を知った時、直観的に「正しい正しくない。ではなく、この法則を信じた方が、人生は豊かになる」と感じました。

それ以来、この法則の信奉者です。

■1万時間とはどういう時間か。

もし1日1時間休まず努力するとして、約27年かかる計算です。

1日3時間なら約9年。

だけど、365日休みなしで3時間なにかに打ち込むって、不可能でしょうね。

だから、会社を終えたあと、趣味の何かを努力したとしても、モノになるのは、引退間際です。

普通はそれまでにくじけるでしょうね。

■しかし、その人が覚悟を決めて、いまの仕事に打ち込むならばどうなるのか。

たとえば1日8時間。それが週5日で40時間。年間で約2000時間。

これならば、かっきり5年で1万時間です。

社会人生活を豊かに過ごすには、何を打ち込めばいいのかは、一目瞭然ですよね。

■5年。というのは、経験的にいって絶妙の時間であると感じます。

私が何らかの成功者であるとは言いませんが、たとえ私レベルだとしても、営業に真剣に取り組む気になって、5年ぐらいで、それなりの自信がついたのは確かです。

私だけではありません。どの会社であっても、優秀だといわれる人が頭角を現すのは、5年~10年の間のはず。

私の場合、覚悟を決めるスタートが遅かったので、時間がかかりましたが、それでも10年目ぐらいには、営業とは何ぞや、なんて自分なりの意見を持つことができました。

1万時間がマジックナンバーである。というのはあながち間違いではないなと思う所以です。

■だから、覚悟を決めるなら早い方がいい。

早ければ早いほどいいわけです。

私はたまたま営業に配属されたから、営業の専門家になりましたが、製造でも開発でも総務でも財務でも、その仕事を究めると、次のキャリアを開くことができます。

先ほど、営業ができる人間は何でもできる。と言いましたが、それは他の職種でも同じかも知れません。

製造のプロ、開発のプロ、総務のプロ、財務のプロは、それぞれの立場から、ビジネス全体を見ることができるはずです。

その立場からの視点が独自性となり、会社や社会にとって、有用な存在になります。

■もっとも、1万時間を過ごしたからといって、成功するとは限りません。

そこは勘違いしないようにしてくださいね。

確かにそうです。スポーツや芸術の分野のように、埋めがたい才能の差があるかも知れません。

あるいは、力があったとしても運、不運の差で成功に至らない場合もあるでしょう。

ビジネスも同じです。素晴らしい能力を持った経営者がみな大成功するとは限りません。

必要条件であって、十分条件ではない。という言い方が正しいのかな。

要するに、この法則は、成功を約束するものではないが、成功するに至る"準備"が何であったかを示したものです。

■1万時間の法則は、様々な人にとりいれられて、いろんなバリエーションがあるようです。

面白いことを言っている人がいます。

元リクルート社フェローであり、現在は民間人校長として教育改革を実践する藤原和博氏です。彼の言っていることを、キングコングの西野氏が面白い!と紹介していたので、私も知りました。

参考:西野亮廣「僕はこれで100万人に1人を目指す」 「3つの分野」の掛け合わせで、天才に勝つ!
http://toyokeizai.net/articles/-/156341

藤原氏は「どんな人でも何かひとつのことに1万時間をかければ、必ず「100人に1人」になることができます」と言っています。

藤原氏独特の解釈ですね。ただその後が面白い。

ある分野で1万時間。別の分野で1万時間。これなら、100×100で、1万人に1人の人材になる。

さらに1万時間を過ごすと、1万×100で、100万人に1人の人材である。

100万人に1人!

これはもう日本代表クラスですな。

要するに、誰でもできる努力を戦略的に積み上げることによって、誰でも日本代表クラスの人材になれる、と藤原氏は言っているのです。

■ランチェスター戦略にしろ、孫子の兵法にしろ、競争戦略は、ライバルや顧客との関係性の中から、自らが生き残るために、どのようなポジションをとるのか、というところから始まります。

そのポジションを決める際に大きな手がかりになるのが、自らの強みというリソースです。

もし、自分が何らかの分野でそれなりの時間を蓄積していたというのなら、それは大きな強みとなり、アドバンテージとなります。

たとえば、私は創業者の支援をすることもありますが、創業時に大切になるのは、その人独自の強みにビジネスを組み立てることです。

強みとは要するに、その人がこれまで過ごしてきた時間を指します。

その人がどのような1万時間を過ごしてきたのか。

その強みを中心にビジネスを形作ることが、成功する創業の秘訣です。

逆にいうと、1万時間の積み上げのない人が、いきなり創業するといった場合、強みを何とするかに苦労します。

結局、アイデア勝負でスカスカの事業計画になってしまいます。

■思えば、新社会人の皆様は、これから何にだってなれる存在です。

100人に1人の人間にだって、1万人に1人の人間にだって、100万人に1人の人間にだってなれます。

本当にうらやましい。可能性だけなら、世界トップですよ。

ただし、会社内にいて何かを成し遂げるにしろ、創業して何かを目指すにしろ、それは皆様がこれからどういう時間を過ごしていくかです。

時間が1年過ぎることに、可能性は小さくなっていきます。

1万人に1人だと認められる人材と、10人並みの人材とでは、できる仕事が大きく異なってくるのは必然です。

皆様の人生を豊かで実り多くするために、どうかこれからの時間を大切にしてください。

幸運を祈ります。


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