繁盛する居酒屋には、現場営業に必要なヒントが満載だ

2016.10.06

(2016年10月6日メルマガより)


■日経ビジネスオンラインで、楽コーポレーション宇野社長がコラムを連載しています。これがなかなか面白いので紹介いたします。

参考:楽コーポレーション 宇野隆史社長の「若者よ、一国一城の主になれ!」
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16nv/070100005/

楽コーポレーションとは、居酒屋「汁べゑ」を中心とする飲食店のグループです。人気の店だそうで。大阪にはないので知りませんでした(><)

宇野社長は小さな居酒屋運営から始めたたたき上げの創業者です。多店舗展開をしていますが、グループを大きくしようという意欲はあまりないようで、むしろ従業員に独立開業することを奨励しています。

だから楽コーポレーションには、独立開業したいという若者が集まり、宇野社長は彼らを育てようとします。さながら「宇野道場」です。

■宇野社長とはどういう人か。

学生時代から飲食店には興味があって、バイトなどを経験したようです。楽コーポレーションを始めたのが35歳の時。10席程度の小さな店からのスタートでした。

スナックの居抜き店舗だったそうで、立地もよくない。金がないので内装も自前です。白い壁に醤油を吹き付けたらいい感じになったとかいって笑っています。

メニューも印刷できないから手書きです。障子紙に書いて外に張り出していたら雨になると破れてしまう。仕方ないので雨が降るとメニューが変わる店にしたのだとか。

ある日、ビールの中瓶の値段を大瓶と同じ値段に間違えて書いてしまった。面倒くさいので小瓶も同じ値段に書き加えてメニューにした。つまり、小瓶、中瓶、大瓶が同じ値段。

お客さんが不思議そうに「小瓶を頼む人いるの?」と聞いてくるので「お客さんが第一号だね」と返すと、慌てて「いやいや大瓶をくれ」と応える。そういう会話が盛り上がることに、商売って面白いな、と思い始めたらしい。

参考:カリスマ親父社長の"だから飲食店はおもしろい"
http://www.gaisyoku.biz/pages/entre/lecture/uno_02.cfm

■要するに、徹底して現場力のある人です。どういう状況でも柔軟な「才覚」で、顧客との関係性を作ってしまう。

「一人目のお客さんが入ってくれたら飲食店は成功だね。別に、首根っこを抑えて連れてきたわけではなく、自分の意思で入ってくれたんだからね。そして、必ず何か食べて、飲んでくれる。その時におもしろいメニューがあったり、おもしろいオヤジがいて、次は友人を連れてこようと思ってくれれば大成功。飲食店は「合法的なネズミ講」だと思う。そのために、何をすればいいのかを身に付ければ成功は間違いない。」

まさにこれ以上の現場担当はいないでしょう。これは飲食業にとどまりません。接客業全般、営業はもちろん、すべての現場担当者が鏡にすべき姿勢です。

■宇野社長の「才覚」をあげてみます。

○きゅうり1本の注文を受けた時、テーブルにいった女の子が人数分、手で割って出す。

○ボロボロの店では、熱燗をボロボロのヤカンに入れて出す。

○お客さんごとにご飯の「マイふりかけ」をキープ。

○あまりに忙しい時は客に「迷惑をかけたから」と1000円返す。

○休む日に「国際会議出席のため休む」などと張り紙。休む理由が話題に。

○大根おろしを出す時におろし器を2種類用意して、どちらのおろし方がいいか尋ねる。

○裏メニューを作っておいて、お客さんに勧める。

○お客さんが残した食材を再調理して、サービスで出す。

○残った料理は、最後のお客さんにサービスで出す。

以上は、ネットの記事から抜き出したものです。宇野社長が実際にやったもの、やったらいいと思ったもの、他社がやっているのをみて感心したものなどが混在していますので、ご注意ください。

■宇野社長の問題意識は明白です。

小さな居酒屋が大手チェーンと同じことをしていたら勝てない。金をかけれないのだから、工夫しないとだめだ。

自分は小さな居酒屋のオヤジだという自己認識がブレていないので、その発言には、説得力と安心感があります。

そして常に現場で経験した者としての目線から発言するので、臨場感があり、納得させられます。

誰もが、こういう現場感覚を持ちたいと思うのではないでしょうかね。

■経営には、こうした現場感覚と、それをとりまとめるマネージメント感覚、および大きな方向性を決める感覚が必要です。

(要するに、実践、管理、戦略です)

超優秀な現場担当者であった宇野社長が、どのようにして約20店舗のマネジメントをするに至ったのか。

宇野社長は「プレーヤー」と「ディレクター」という言葉でそのあたりを説明しています。

参考:「惚れた」を伝える大人気居酒屋のつくり方
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16nv/070100005/070100002/

ちなみにプレーヤーとは、店での現場担当者。ディレクターとは店全体に目配りする者。

「例えば、ある料理が売れないとしたら、プレーヤーはそれについて悩む。だけど、そんな時はオレの中のディレクターに「売り方を教えてくださいよ」って、問いかける。すると、ちょっとの間、オレの中のプレーヤーは休むことができる。「お前の指示がおかしかったら、売れないんじゃないの?」なんてディレクターに文句を言う時だってある。今はもう実際に店に立つことはないけれど、こうやって2つの立場を切り替えながら考えていると、ストレスは溜まらない。」

プレーヤーとディレクター、二人一役をやっているという話です。自己マネジメントとしてもうまいやり方ですね。

ここで注目すべきは、プレーヤーはお客さんと関係性を作る役割、店の売上責任はディレクターにある、と考えていることです。

まさに営業とマネージャーの役割です。ビジネスはつながっていますねー

■私は「戦略がなければ生き残れない」を信条とし、戦略方向性の重要性を常に伝える仕事をしています。

しかし、実際のところ、戦略だけがあっても、現場の工夫や粘り、それをまとめるマネージャーが機能していなければ、戦略など画に描いた餅になってしまいます。

(逆に戦略がなくて現場だけが強い場合、短期的にはうまくいったりしますが、長期や拡大しようとしたときは破綻してしまいます)

だから3つすべてが必要なのですね。

宇野社長は、明らかに現場力の強い方です。記事には書かれていませんが、マネジメント力もあるのでしょう。

戦略もブレていません。約20店舗のオーナーとなった今でも、自分は小さな居酒屋だというポジションを変えようとせず、弱者の戦略を貫いています。

戦略については固定的すぎる(柔軟性がない)という懸念がありますが、それも生きる道です。戦略を転換せずに済む位置に自らを留めておくというやり方だということですから。

■それにしても宇野社長をみていると、現場で工夫することが楽しくてしかたがないという印象がありますね。

今でも店に出ているということですから、よほど好きなんですよ。

こういう人のことを「天職」に就いた人というのでしょうか。

念のため言っておきますが、天職とは、巡り合うようなものではありません。自分が好きで工夫しているうちに、その仕事が天職になっていくものです。

だとすれば、宇野社長の生き方からは、自分が携わる仕事を天職にするヒントも学べそうですね。


 


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■日経ビジネスオンラインで、楽コーポレーション宇野社長がコラムを連載しています。これがなかなか面白いので紹介いたします。

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楽コーポレーションとは、居酒屋「汁べゑ」を中心とする飲食店のグループです。人気の店だそうで。大阪にはないので知りませんでした(><)

宇野社長は小さな居酒屋運営から始めたたたき上げの創業者です。多店舗展開をしていますが、グループを大きくしようという意欲はあまりないようで、むしろ従業員に独立開業することを奨励しています。

だから楽コーポレーションには、独立開業したいという若者が集まり、宇野社長は彼らを育てようとします。さながら「宇野道場」です。

■宇野社長とはどういう人か。

学生時代から飲食店には興味があって、バイトなどを経験したようです。楽コーポレーションを始めたのが35歳の時。10席程度の小さな店からのスタートでした。

スナックの居抜き店舗だったそうで、立地もよくない。金がないので内装も自前です。白い壁に醤油を吹き付けたらいい感じになったとかいって笑っています。

メニューも印刷できないから手書きです。障子紙に書いて外に張り出していたら雨になると破れてしまう。仕方ないので雨が降るとメニューが変わる店にしたのだとか。

ある日、ビールの中瓶の値段を大瓶と同じ値段に間違えて書いてしまった。面倒くさいので小瓶も同じ値段に書き加えてメニューにした。つまり、小瓶、中瓶、大瓶が同じ値段。

お客さんが不思議そうに「小瓶を頼む人いるの?」と聞いてくるので「お客さんが第一号だね」と返すと、慌てて「いやいや大瓶をくれ」と応える。そういう会話が盛り上がることに、商売って面白いな、と思い始めたらしい。

参考:カリスマ親父社長の"だから飲食店はおもしろい"
http://www.gaisyoku.biz/pages/entre/lecture/uno_02.cfm

■要するに、徹底して現場力のある人です。どういう状況でも柔軟な「才覚」で、顧客との関係性を作ってしまう。

「一人目のお客さんが入ってくれたら飲食店は成功だね。別に、首根っこを抑えて連れてきたわけではなく、自分の意思で入ってくれたんだからね。そして、必ず何か食べて、飲んでくれる。その時におもしろいメニューがあったり、おもしろいオヤジがいて、次は友人を連れてこようと思ってくれれば大成功。飲食店は「合法的なネズミ講」だと思う。そのために、何をすればいいのかを身に付ければ成功は間違いない。」

まさにこれ以上の現場担当はいないでしょう。これは飲食業にとどまりません。接客業全般、営業はもちろん、すべての現場担当者が鏡にすべき姿勢です。

■宇野社長の「才覚」をあげてみます。

○きゅうり1本の注文を受けた時、テーブルにいった女の子が人数分、手で割って出す。

○ボロボロの店では、熱燗をボロボロのヤカンに入れて出す。

○お客さんごとにご飯の「マイふりかけ」をキープ。

○あまりに忙しい時は客に「迷惑をかけたから」と1000円返す。

○休む日に「国際会議出席のため休む」などと張り紙。休む理由が話題に。

○大根おろしを出す時におろし器を2種類用意して、どちらのおろし方がいいか尋ねる。

○裏メニューを作っておいて、お客さんに勧める。

○お客さんが残した食材を再調理して、サービスで出す。

○残った料理は、最後のお客さんにサービスで出す。

以上は、ネットの記事から抜き出したものです。宇野社長が実際にやったもの、やったらいいと思ったもの、他社がやっているのをみて感心したものなどが混在していますので、ご注意ください。

■宇野社長の問題意識は明白です。

小さな居酒屋が大手チェーンと同じことをしていたら勝てない。金をかけれないのだから、工夫しないとだめだ。

自分は小さな居酒屋のオヤジだという自己認識がブレていないので、その発言には、説得力と安心感があります。

そして常に現場で経験した者としての目線から発言するので、臨場感があり、納得させられます。

誰もが、こういう現場感覚を持ちたいと思うのではないでしょうかね。

■経営には、こうした現場感覚と、それをとりまとめるマネージメント感覚、および大きな方向性を決める感覚が必要です。

(要するに、実践、管理、戦略です)

超優秀な現場担当者であった宇野社長が、どのようにして約20店舗のマネジメントをするに至ったのか。

宇野社長は「プレーヤー」と「ディレクター」という言葉でそのあたりを説明しています。

参考:「惚れた」を伝える大人気居酒屋のつくり方
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/16nv/070100005/070100002/

ちなみにプレーヤーとは、店での現場担当者。ディレクターとは店全体に目配りする者。

「例えば、ある料理が売れないとしたら、プレーヤーはそれについて悩む。だけど、そんな時はオレの中のディレクターに「売り方を教えてくださいよ」って、問いかける。すると、ちょっとの間、オレの中のプレーヤーは休むことができる。「お前の指示がおかしかったら、売れないんじゃないの?」なんてディレクターに文句を言う時だってある。今はもう実際に店に立つことはないけれど、こうやって2つの立場を切り替えながら考えていると、ストレスは溜まらない。」

プレーヤーとディレクター、二人一役をやっているという話です。自己マネジメントとしてもうまいやり方ですね。

ここで注目すべきは、プレーヤーはお客さんと関係性を作る役割、店の売上責任はディレクターにある、と考えていることです。

まさに営業とマネージャーの役割です。ビジネスはつながっていますねー

■私は「戦略がなければ生き残れない」を信条とし、戦略方向性の重要性を常に伝える仕事をしています。

しかし、実際のところ、戦略だけがあっても、現場の工夫や粘り、それをまとめるマネージャーが機能していなければ、戦略など画に描いた餅になってしまいます。

(逆に戦略がなくて現場だけが強い場合、短期的にはうまくいったりしますが、長期や拡大しようとしたときは破綻してしまいます)

だから3つすべてが必要なのですね。

宇野社長は、明らかに現場力の強い方です。記事には書かれていませんが、マネジメント力もあるのでしょう。

戦略もブレていません。約20店舗のオーナーとなった今でも、自分は小さな居酒屋だというポジションを変えようとせず、弱者の戦略を貫いています。

戦略については固定的すぎる(柔軟性がない)という懸念がありますが、それも生きる道です。戦略を転換せずに済む位置に自らを留めておくというやり方だということですから。

■それにしても宇野社長をみていると、現場で工夫することが楽しくてしかたがないという印象がありますね。

今でも店に出ているということですから、よほど好きなんですよ。

こういう人のことを「天職」に就いた人というのでしょうか。

念のため言っておきますが、天職とは、巡り合うようなものではありません。自分が好きで工夫しているうちに、その仕事が天職になっていくものです。

だとすれば、宇野社長の生き方からは、自分が携わる仕事を天職にするヒントも学べそうですね。


 


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