もう1つの成長産業

2006.08.17


(2006年8月17日メルマガより)

■シニア関連ビジネスが21世紀の成長産業であることは皆さんご存知です。

様々な業界から、シニアビジネスへの参入が試みられています。

今や、シニアビジネスへの進出を考えない企業はないと言っても過言ではな
い。

そりゃそうです。ほとんどすべての産業が成熟化している日本にあって、数
少ない、しかも確実に成長が見込まれる産業領域ですから。

■ところで、もう1つ、確実に成長する産業領域があるのをご存知ですか?

シニアビジネスに関連するといえばします。

さて、何でしょう?





■分かりました?

人間は歳をとる。その後は...

そうですね。

鬼籍に入る。

つまり"死"に関する産業は、これから成長することが確実視されています。

■2005年に亡くなった方は111万人。今後、2%の割合で増加してい
くことが見込まれています。

ところが多くの人は、死に無頓着です。

死んだ後のことまで知っちゃいないということなんでしょうか。

■例えば、葬儀にいくらぐらいの費用がかかるかご存知ですか?

たぶんご存知ないでしょう。

もちろん私も知りません^^;


経験した人でも、たびたびあることではないので、それほど費用意識が高い
わけではありません。

ほとんどが葬儀屋さんの言い値で通っているはずです。

■「週刊ダイヤモンド」2006年8月5日号の記事によると、一昔前までは、そ
の場の雰囲気で値段を決めるのが一般的になっていたかのように書かれてい
ます。

「相手の家を見て、クルマを見て、役職を聞いてから値段を言え」という裏
マニュアルがあったそうですw

こんな業界を市場が許すのは、死という緊急事態であること、宗教性を帯び
た儀式であること、一生に何度も当事者になるものではないこと、などじっ
くり考える余裕がないという特殊な事情からなんでしょう。

しかし、それでも、こういうビジネスが常態化しているとすれば、由々しき
事態ですね。

こんな業界がいつまでも続くとは思えない。

元来、ビジネスは、顧客、企業、仕入先などが、適正な利益を分け合って成
り立つべきものです。

一方だけが、極端に儲けるビジネスは発展しませんし、消滅していきます。

(この類の噂が本当であれば)必然の需要とクレームをつけ難い特殊性に支
えられて、ぬくぬくと生きてきた業界と言われても仕方ないでしょう。

■腹を立てていても仕方ありませんね。そんな業界でも明朗会計を標榜する
会社は現れてきています。

その1つは、前出の「週刊ダイヤモンド」で紹介されているティアという会
社。こちらは"適正価格"を標榜し、同業者の妨害を受けながらも、商圏を
拡大しているようです。今年6月、葬儀ビジネスとして4番目の上場を果たし
ました。(名古屋セントレックス)

また1つは、日本初の外資系葬儀会社であるオールネイション・ソサエティ。
代表のジョン・キャム氏は「日本の葬儀業界は時代遅れだ」と主張しており、
価格の透明性と葬儀の「生前予約」(生前に葬儀の予約を受けるサービス。
追加費用がない)を武器に日本でのシェア拡大を狙っています。

こういう古い体質の業界は"革命児"が現れるチャンスです。適正利益とい
う他業界では当たり前の考え方が、革命になってしまうわけですから。

■2社とも名古屋圏を狙っているのが面白い。実は名古屋というのは、全国
平均の1.5倍の葬儀費用を掛ける地域です。だから、チャンスも多いと見
ているのでしょう。

これらを迎え撃つのが、互助会を背景にシェア30%を握る巨大企業である
愛知葬祭。11の支社と40の式場を持つ強者です。

どうやら、古い業界のしきたりに従うというチャレンジャーではなさそうな
ので、競争市場になることは避けられないでしょう。

もちろん、競合はこれだけではない。様々な異業種からの参入が予想されま
す。

新規参入業者は「価格の不透明性」「遺族や故人の意向の反映不足」「客観
的な評価の欠如」といった業界の弱みを突いてくることでしょう。

ランチェスター戦略の「強者の戦略」で言うと、愛知葬祭は、価格の透明性
や生前予約といった"弱者の武器"を無力化させるためにミート(真似)し
なければなりません。

すると、市場は一気に適正価格に向かっていくと思われます。

消費者にとっては喜ぶべきことですね。

■弱者の武器は、価格だけではありません。

マニュアル化された葬儀に飽き足らない顧客の要望に応えるべく、個性的な
オーダーメイドの葬儀をプロデュースする企業も現れています。こちらは、
ブライダル業からの転進組のアーバンフューネス・コーポレーション。

また「小さな市場に特化」「差別化」という考え方で言うなら、顧客層(例
えば富裕層、若年層、または外国人など)に特化した葬儀を行う企業、販売
方法(ネット受注のみなど)を差別化した企業、葬儀方法(仏教式、キリス
ト教式以外)を差別化した企業などが今後出てくるでしょう。

既にあるかも知れませんが。。

(「ガイアの夜明け」によると、遺族に代わって適当な葬儀社を探してくれ
る代行業も現れているようです)

競争が激化することは明らかです。

大変かも知れませんが、それが普通の業界ですよね。

■この業界、これからまだまだ波乱があると思われます。

注目して見ていましょう。


(2006年8月17日メルマガより)

■シニア関連ビジネスが21世紀の成長産業であることは皆さんご存知です。

様々な業界から、シニアビジネスへの参入が試みられています。

今や、シニアビジネスへの進出を考えない企業はないと言っても過言ではな
い。

そりゃそうです。ほとんどすべての産業が成熟化している日本にあって、数
少ない、しかも確実に成長が見込まれる産業領域ですから。

■ところで、もう1つ、確実に成長する産業領域があるのをご存知ですか?

シニアビジネスに関連するといえばします。

さて、何でしょう?





■分かりました?

人間は歳をとる。その後は...

そうですね。

鬼籍に入る。

つまり"死"に関する産業は、これから成長することが確実視されています。

■2005年に亡くなった方は111万人。今後、2%の割合で増加してい
くことが見込まれています。

ところが多くの人は、死に無頓着です。

死んだ後のことまで知っちゃいないということなんでしょうか。

■例えば、葬儀にいくらぐらいの費用がかかるかご存知ですか?

たぶんご存知ないでしょう。

もちろん私も知りません^^;


経験した人でも、たびたびあることではないので、それほど費用意識が高い
わけではありません。

ほとんどが葬儀屋さんの言い値で通っているはずです。

■「週刊ダイヤモンド」2006年8月5日号の記事によると、一昔前までは、そ
の場の雰囲気で値段を決めるのが一般的になっていたかのように書かれてい
ます。

「相手の家を見て、クルマを見て、役職を聞いてから値段を言え」という裏
マニュアルがあったそうですw

こんな業界を市場が許すのは、死という緊急事態であること、宗教性を帯び
た儀式であること、一生に何度も当事者になるものではないこと、などじっ
くり考える余裕がないという特殊な事情からなんでしょう。

しかし、それでも、こういうビジネスが常態化しているとすれば、由々しき
事態ですね。

こんな業界がいつまでも続くとは思えない。

元来、ビジネスは、顧客、企業、仕入先などが、適正な利益を分け合って成
り立つべきものです。

一方だけが、極端に儲けるビジネスは発展しませんし、消滅していきます。

(この類の噂が本当であれば)必然の需要とクレームをつけ難い特殊性に支
えられて、ぬくぬくと生きてきた業界と言われても仕方ないでしょう。

■腹を立てていても仕方ありませんね。そんな業界でも明朗会計を標榜する
会社は現れてきています。

その1つは、前出の「週刊ダイヤモンド」で紹介されているティアという会
社。こちらは"適正価格"を標榜し、同業者の妨害を受けながらも、商圏を
拡大しているようです。今年6月、葬儀ビジネスとして4番目の上場を果たし
ました。(名古屋セントレックス)

また1つは、日本初の外資系葬儀会社であるオールネイション・ソサエティ。
代表のジョン・キャム氏は「日本の葬儀業界は時代遅れだ」と主張しており、
価格の透明性と葬儀の「生前予約」(生前に葬儀の予約を受けるサービス。
追加費用がない)を武器に日本でのシェア拡大を狙っています。

こういう古い体質の業界は"革命児"が現れるチャンスです。適正利益とい
う他業界では当たり前の考え方が、革命になってしまうわけですから。

■2社とも名古屋圏を狙っているのが面白い。実は名古屋というのは、全国
平均の1.5倍の葬儀費用を掛ける地域です。だから、チャンスも多いと見
ているのでしょう。

これらを迎え撃つのが、互助会を背景にシェア30%を握る巨大企業である
愛知葬祭。11の支社と40の式場を持つ強者です。

どうやら、古い業界のしきたりに従うというチャレンジャーではなさそうな
ので、競争市場になることは避けられないでしょう。

もちろん、競合はこれだけではない。様々な異業種からの参入が予想されま
す。

新規参入業者は「価格の不透明性」「遺族や故人の意向の反映不足」「客観
的な評価の欠如」といった業界の弱みを突いてくることでしょう。

ランチェスター戦略の「強者の戦略」で言うと、愛知葬祭は、価格の透明性
や生前予約といった"弱者の武器"を無力化させるためにミート(真似)し
なければなりません。

すると、市場は一気に適正価格に向かっていくと思われます。

消費者にとっては喜ぶべきことですね。

■弱者の武器は、価格だけではありません。

マニュアル化された葬儀に飽き足らない顧客の要望に応えるべく、個性的な
オーダーメイドの葬儀をプロデュースする企業も現れています。こちらは、
ブライダル業からの転進組のアーバンフューネス・コーポレーション。

また「小さな市場に特化」「差別化」という考え方で言うなら、顧客層(例
えば富裕層、若年層、または外国人など)に特化した葬儀を行う企業、販売
方法(ネット受注のみなど)を差別化した企業、葬儀方法(仏教式、キリス
ト教式以外)を差別化した企業などが今後出てくるでしょう。

既にあるかも知れませんが。。

(「ガイアの夜明け」によると、遺族に代わって適当な葬儀社を探してくれ
る代行業も現れているようです)

競争が激化することは明らかです。

大変かも知れませんが、それが普通の業界ですよね。

■この業界、これからまだまだ波乱があると思われます。

注目して見ていましょう。

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