第3回WBC終戦記念 がんばれプロ野球

2013.03.21

(2013年3月21日メルマガより)


■第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は、
ドミニカの優勝で幕を閉じました。

日本は、3連覇ならず。残念でしたね。

ただWBC開催中は、野球の持つ迫力や緊張感、爽快感を存分に味わい、充実した時間を
過ごすことができました。

面白かったです。ありがとうございます。4年後も楽しみにしたいと思います。

■日本代表の準決勝プエルトリコ戦については、本当に残念です。勝てる試合を落として
しまったという感があります。

今さら、戦術面をとりあげても仕方ないのですが、一応、私なりの感想を述べさせていた
だきます。

敗因の最大のポイントは、大振りの目立つ打撃陣にありました。

稲葉、松田、中田。チャンスでことごとく三振で倒れたシーンは、打ち気を見透かされて
ボール球を振らされていました。

オランダ相手にホームランを打ちまくって勝ったために、日本の打撃陣は、特徴である右
打ちを忘れ、一発で決めようとしてしまったのでしょうか。

本来のバッティングを忘れていないのは、井端や内川など少数だけ。

いったいバッティングコーチはどういう指導をしていたのでしょうかね。

■もう一つは、能見を引っ張りすぎたこと。

確かにキレのあるストレートを投げていましたが、決め球のチェンジアップやフォークが
制球定まらない状態でしたから、1イニング抑えただけでも上出来でした。

それを続投させるとは、ピッチングコーチは何をやっていたのでしょうか。

まあ、でも、こういうことは些細なことですね。

■もっと重要なことは、戦う前の準備は万全であったかということですね。

第一に、代表監督とコーチ陣はこれでよかったのかという問題です。

結果についてとやかく言うつもりはありませんが、その選考方法に不透明感が残ります。

山本監督が選出される前に、最も相応しいと目されていた落合博満前中日監督があっさり
と辞退してしまいました。

落合氏の真意はわかりませんが、どうやら、自分は短期決戦向きの監督ではないと自己判
断したのだとも言われています。

確かに落合氏は、選手の基礎能力を徹底して鍛えて、長期的に強いチーム作りを行うこと
で実績を残してきた監督です。

ただ彼の選手を見る鋭い目は、短期決戦でも十分に通用したと思えますが、彼なりの判断
基準があったのだから仕方ありません。

■では、WBCのような短期決戦に向いている監督は誰なのか。

持てる手駒を有効に機能させる能力に長けているのは、野村克也氏でしょうかね。彼は、
短期決戦でも力を発揮するタイプの監督だったと思えます。

あるいは西武の渡辺久信監督、ロッテの西村徳文前監督なども、短期決戦に対応できる監
督ではないかと私は見ています。

逆にダメなのは、星野仙一楽天監督や、岡田彰布前オリックス監督などですね^^;

特に野村克也氏は代表監督をやりたくてやりたくて仕方ないのに、やらせてもらえなかっ
たわけですな。

どうにも野球界の政治的なしがらみは深いようです。

■山本浩二監督の取り柄は、人格者であることのようです。

だから、選手をはじめ、球界関係者が、一つにまとまることができました。

「浩二さんを男にしたい!」などという言葉が選手から自然に出てくる仁徳を持っています。

これが、野村克也氏なら、選手は半分ぐらいしか集まらなかったかも知れない^^;

それでも、野村克也のWBCにおける戦術を見てみたかった。案外、楽天とヤクルトの選手
だけで、十分戦えたかも知れませんよ。

■選手選考についても、もっとやりようがなかったのかと思いますね。

今回、自慢の投手陣が、半分ぐらいしかまともに使えませんでした。

どうも、WBC公式ボールへの対応に苦労したのと、大舞台での緊張感で十分に力が発揮
できなかった人が多かったようです。

逆に、吉見や成瀬など選から漏れた選手の好調さなどを聞くと、もったいなかったなーと
思いますね。

体調面、メンタル面ともに、緻密な選考方法はないものでしょうか。

■それにしても、今回の日本代表には、メジャーリーガーが一人も参加できませんでした。

ダルビッシュや岩隈がいれば、どれだけ楽だったことか。

イチローや青木なら、平常心を失わず、プエルトリコの投手陣を粉砕していたかも知れま
せん。

どうも、今回のWBCには、メジャー側からの政治的な圧力があったような気がしてなり
ませんね...

■WBCは、国際野球連盟が認定する国際大会ですが、その運営主体はメジャーリーグと
その選手会です。

ハッキリ言って、WBCは、MLBが世界へ進出するためのツールです。

参考:「プロ野球改造論 メジャーリーグに学ぶ新産業再生の手法」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20120423/231276/?leaf_kbn

上のリンクは、日経ビジネスオンラインに連載されている記事ですが、とても面白く参考
になるので一読をおススメいたします。

記事によると、近年のMLBの成長には目覚ましいものがあります。

1995年から現在まで日本プロ野球の収益はそれほど伸びていません。

ところが、メジャーリーグは実に4倍も収益を伸ばしています。

そこには、メジャーリーグのコミッショナー主導によるしたたかな成長戦略の着実な実行
があるわけです。

■メジャーリーグと日本プロ野球のビジネスの最も大きな違いは、コミッショナーの権限
にあるようです。

メジャーリーグのコミッショナーは、絶大な権限をもって、リーグ全体の収益を管理して
います。リーグとして儲けたお金を各球団に配分する仕組みです。

日本プロ野球は、各球団が個々に収益権限を持ち、逆にリーグに管理料を支払うような
仕組みです。

メジャーリーグには強い全体戦略があり、日本プロ野球は個別がバラバラの思惑で動いて
いる形です。

ありていにいえば、日本のプロ野球は、全体の発展よりも、各球団(の親会社)の儲けを
優先する姿勢から抜け出ていないのです。

■メジャーリーグがコミッショナー主導になったのは、1919年の八百長スキャンダル
がきっかけだったということです。

それまでは、日本のように各球団に運営は委ねられていましたが、リーグの危機に際して、
強いリーダーシップに託して切り抜けようと考えたのがいかにもアメリカらしい。

それ以来、歴代コミッショナーは外部の法曹関係者や政治家やビジネスマンから選ばれて、
それぞれの立場から、リーグと球団の権利関係の整備や、リーグ収益の仕組みづくり、
選手の年金制度構築などに尽力してきました。

特に、リーグ全体で放送権利を一括管理し、高く販売するというビジネスモデルを構築し
たことが、現在のメジャーリーグの収益を支えています。

■放送権料を高く販売するためには、個々の試合が面白くなければなりません。

どうすれば、試合が面白くなるのか?

答えは、各球団の戦力が均衡していることです。

メジャーリーグはこの考えにのっとり、様々な制度を作っています。

例えば、大きな戦力を持つためには、高額な選手年棒を支払わなければなりません。
ヤンキースなどは有名選手が多いので、年棒総額も高くなります。

日本においては、ヤンキースは企業努力で高い年棒を払って頑張っている、と捉えられる
ところですが、メジャーリーグは「ヤンキースがそんなにいい選手ばかり集めるのは不均
衡だ」と考えます。

だから、一定の額を超えた年棒を支払う球団には「ぜいたく税」と言われる課徴金の支払
いを命じています。

逆に弱くて儲けの少ない球団には、リーグからの分配金を厚くして、戦力の整備を促します。

こうした制度の甲斐あって、メジャーリーグの各球団の戦力は均衡し、優勝チームが毎年
変わるので、ファンは興味を失いません。

■こうして、面白い試合を演出することで、放送権料を高く販売することができるように
なりました。

しかし、アメリカ国内の放送局に販売するだけでは限界がありますので、次に考えること
は、世界に販売することです。

今回のWBCでも分かるように、メジャーリーグの選手は、アメリカだけではなく、世界
中から集められています。

今は、中南米の選手が多いようですね。

当然ながら、中南米の国は、メジャーリーグの放送権を購入するでしょう。

これをさらに拡大するためには、さらにアジアやヨーロッパから広く選手を集めて、メジ
ャーリーグの人気を高めたいわけです。

WBCは、そのメジャーリーグの世界拡大戦略に基づいた大会であるということです。

■第1回、第2回大会は、日本が優勝しました。

メジャーリーグ側とすれば、実は、これは望ましい結果です。アメリカが普通に優勝して
しまえば、世界の盛り上がりが望めませんが、アジアの国が優勝したということで、やれ
ばできるという機運が盛り上がりました。

アジアの国が連覇することは、アジア進出を目指すメジャーリーグ側とすれば都合のいい
ことですが、日本ばかりが優勝したら他の国は白けてしまいます。

今回、WBC運営側が、日本の戦力を削ぐような動きを行ったとしても不思議ではありま
せんね。日本人メジャーリーガー不在という事態にメジャーリーグ側の思惑が働いたので
はないかと言われるのは、そうした背景があります。

本当は、韓国、台湾とか、イタリア、オランダに頑張ってほしかったところでしょうが、
仕方ない。

今回、ドミニカが優勝したというのは、筋書きとしても、ビジネスとしても、順当な結果
だということでしょうね。

■日本中が、WBCに熱狂している時に、メジャーリーグは虎視眈々とビジネス展開を狙
っていたわけです。

ちなみに、メジャーリーグ側は、WBCの興行権やスポンサー権を読売グループに一括販
売しています。

読売側とすれば、儲かってよかったね、ということですが、長期的にみて、それで本当に
よかったのだろうかと心配になります。

■今のままでは、日本プロ野球は、マイナーリーグの一つという位置づけになっていくで
しょうし、なりつつあります。

実際、プロ野球の中で、力のある者はメジャーリーグに行く流れができていますし、ダル
ビッシュのようにはっきりと「日本では力と力の勝負ができない」と言う者もいます。

それでいいじゃないか、という考え方もあるでしょう。

だけど、それではダメだ。なんとかプロ野球を成長させようという方法を考えてみましょう。

■日本プロ野球がメジャーリーグの二軍にならずに、もう一つのメジャーになるためには
どうすればいいのか。

端的には、メジャーリーグと同程度の年棒を支払えるようにする必要があります。

だとすれば、今のようなビジネスモデルでは無理です。やはりメジャーリーグの良いとこ
ろは取り入れるべきだと考えます。

まずは

(1)コミッショナーの権限を大幅に強化して、全体の成長戦略を描くこと。

が急務です。

先ほども書いたように、プロ野球の問題は、球団やその親会社の利益を優先させるために、
全体の利益を拡大しきれていないところにあります。

リーグ全体でビジネスを管理するためには、コミッショナーの権限を拡大して、全体最適
のためのリーダーシップをとってもらわなければいけません。

コミッショナー主導で改革するならば、戦力均衡による好試合の演出、放送権利やライセ
ンス権利等の一括交渉、選手会側との労使交渉などを任せることができます。

球団側には、チケット販売の多チャネル化、チケット価格の柔軟化、球場におけるグッズ
販売や飲食等の強化、イベントの開催などに取り組んでいただき観客動員増とファン増加
に励んでいただきます。

全体戦略と地域戦略、双方が、それぞれの責任で動いてもらうわけです。

■このように日本国内での収益を最適化する仕組みができたなら、次に考えるべきは、
海外進出です。

なにしろメジャーリーグの収益性は、全世界をマーケットにしているところにありますから。

日本ができるのは、成長するアジアをマーケットとすること。これなら地の利でメジャー
リーグに負けません。

直近としてできるのは

(2)アジアシリーズ(日本、韓国、台湾、中国などの優勝チームによる大会)の位置づ
けを向上させること。

これがどうも盛り上がらないようですが、ならば、

(3)各国のリーグとの交流戦を公式戦に組み入れること。

に取り組んではどうでしょうか。

セパ交流戦のように、公式戦に無理やり組み込むのです。最初は日本側がすべて勝っても
いいので、やってみる。韓国や台湾のチームが勝つようになってくると、各国のリーグも
盛り上がるはずです。

(2)(3)とも、現在のプロ野球が持つスキルでできることです。

■次にするのが人材交流です。

こちらは時間がかかりそうですが、メジャーリーグがアジア市場を総取りしてしまう前に
やっておかなければなりません。

韓国、台湾、中国、オーストラリアだけではありません。

タイ、インドネシア、ベトナムなどにも広めて、アジア全体で野球人気を高めるようにし
なければなりません。

そのためには

(4)各国から積極的に選手を発掘して、プロ野球で活躍してもらうこと。

同時に、

(5)日本から指導者や選手を派遣して、各国リーグの実力を高めることです。

アジア人については、外国人枠など外してしまって、とにかく積極的に徴用するのです。

最初は、メジャーリーガーのような年棒は払えないかも知れませんが、マーケットをアジア
全体とすることで、それなりの収益が上がってくれば、年棒面でもメジャーに近づける
はずです。

日本の強力コンテンツである高校野球も活用しない手はありません

現在、アマの世界大会はありますが、それが今一つ盛り上がっていないので、否応なしに
盛り上げるために

(6)春夏の大会の中に、アジア枠を設けて、各国の高校代表に参加してもらうこと。

これなら日本国内での注目度は抜群ですから、日本人の目をアジアに向けることができます。
アジア側も、高校野球選手権大会の盛り上がりを感じ取ってもらって、子供の頃から野球
に取り組む機運を盛り上げてもらいます。

プロとアマではいろいろ壁があって難しいらしいですが、アマだけでも国際化を進めましょう。

最初は、アジア枠は1つでも構いませんが、定着すれば、各国から1校に参加してもらえ
ばいいでしょう。

今回も感じましたが、一回負ければ終りという勝ち抜き戦の緊張感と突破感は、得難い感
動をもたらします。

アジアの高校が、二回戦、三回戦へと進むようになると、各国の野球人気も高まるだろう
と期待します。

いい選手がいれば、日本プロ野球のドラフトで指名するので、人材発掘の場にもなるはず
です。

■暴論もありますが、要は、プロ野球が日本の枠を飛び出して、アジア全体で活躍するよ
うになってほしいということです。

将来的には、アジアリーグを創設して、日本地区、台湾地区、韓国地区等の優勝チームが、
アジアチャンピオンを目指して戦うという形を目指します。

既得権益にしがみつく日本人にリーダーシップがとれないというのなら、シンガポールや
マレーシアとかの優秀な人物にコミッショナーを依頼してもいいでしょう。

アジアリーグ全体が潤うようになって、初めてメジャーリーグに対抗できるようになるで
しょう。

パワーのメジャーリーグ。緻密さのアジアリーグ。などと特色を出せるようになれば並び
立つことも可能じゃないでしょうか。

まあでも、ナベツネ氏が退場した後は、日本のプロ野球も改革を勧めようという動きがあ
るはずですから、それを待つべきなんですかね。

早くしないと手遅れになりそうですが。

■日本の競争力という観点からみても、野球は、世界に通用する重要なコンテンツの一つ
です。

AKB48とともに、海外に展開して、日本のイメージを向上させるための先兵となって
ほしいですし、できると思います。

韓流ドラマのアジアでの人気を羨む必要はありません。自分の持てる強みで戦っていきま
しょう。

(2013年3月21日メルマガより)


■第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は、
ドミニカの優勝で幕を閉じました。

日本は、3連覇ならず。残念でしたね。

ただWBC開催中は、野球の持つ迫力や緊張感、爽快感を存分に味わい、充実した時間を
過ごすことができました。

面白かったです。ありがとうございます。4年後も楽しみにしたいと思います。

■日本代表の準決勝プエルトリコ戦については、本当に残念です。勝てる試合を落として
しまったという感があります。

今さら、戦術面をとりあげても仕方ないのですが、一応、私なりの感想を述べさせていた
だきます。

敗因の最大のポイントは、大振りの目立つ打撃陣にありました。

稲葉、松田、中田。チャンスでことごとく三振で倒れたシーンは、打ち気を見透かされて
ボール球を振らされていました。

オランダ相手にホームランを打ちまくって勝ったために、日本の打撃陣は、特徴である右
打ちを忘れ、一発で決めようとしてしまったのでしょうか。

本来のバッティングを忘れていないのは、井端や内川など少数だけ。

いったいバッティングコーチはどういう指導をしていたのでしょうかね。

■もう一つは、能見を引っ張りすぎたこと。

確かにキレのあるストレートを投げていましたが、決め球のチェンジアップやフォークが
制球定まらない状態でしたから、1イニング抑えただけでも上出来でした。

それを続投させるとは、ピッチングコーチは何をやっていたのでしょうか。

まあ、でも、こういうことは些細なことですね。

■もっと重要なことは、戦う前の準備は万全であったかということですね。

第一に、代表監督とコーチ陣はこれでよかったのかという問題です。

結果についてとやかく言うつもりはありませんが、その選考方法に不透明感が残ります。

山本監督が選出される前に、最も相応しいと目されていた落合博満前中日監督があっさり
と辞退してしまいました。

落合氏の真意はわかりませんが、どうやら、自分は短期決戦向きの監督ではないと自己判
断したのだとも言われています。

確かに落合氏は、選手の基礎能力を徹底して鍛えて、長期的に強いチーム作りを行うこと
で実績を残してきた監督です。

ただ彼の選手を見る鋭い目は、短期決戦でも十分に通用したと思えますが、彼なりの判断
基準があったのだから仕方ありません。

■では、WBCのような短期決戦に向いている監督は誰なのか。

持てる手駒を有効に機能させる能力に長けているのは、野村克也氏でしょうかね。彼は、
短期決戦でも力を発揮するタイプの監督だったと思えます。

あるいは西武の渡辺久信監督、ロッテの西村徳文前監督なども、短期決戦に対応できる監
督ではないかと私は見ています。

逆にダメなのは、星野仙一楽天監督や、岡田彰布前オリックス監督などですね^^;

特に野村克也氏は代表監督をやりたくてやりたくて仕方ないのに、やらせてもらえなかっ
たわけですな。

どうにも野球界の政治的なしがらみは深いようです。

■山本浩二監督の取り柄は、人格者であることのようです。

だから、選手をはじめ、球界関係者が、一つにまとまることができました。

「浩二さんを男にしたい!」などという言葉が選手から自然に出てくる仁徳を持っています。

これが、野村克也氏なら、選手は半分ぐらいしか集まらなかったかも知れない^^;

それでも、野村克也のWBCにおける戦術を見てみたかった。案外、楽天とヤクルトの選手
だけで、十分戦えたかも知れませんよ。

■選手選考についても、もっとやりようがなかったのかと思いますね。

今回、自慢の投手陣が、半分ぐらいしかまともに使えませんでした。

どうも、WBC公式ボールへの対応に苦労したのと、大舞台での緊張感で十分に力が発揮
できなかった人が多かったようです。

逆に、吉見や成瀬など選から漏れた選手の好調さなどを聞くと、もったいなかったなーと
思いますね。

体調面、メンタル面ともに、緻密な選考方法はないものでしょうか。

■それにしても、今回の日本代表には、メジャーリーガーが一人も参加できませんでした。

ダルビッシュや岩隈がいれば、どれだけ楽だったことか。

イチローや青木なら、平常心を失わず、プエルトリコの投手陣を粉砕していたかも知れま
せん。

どうも、今回のWBCには、メジャー側からの政治的な圧力があったような気がしてなり
ませんね...

■WBCは、国際野球連盟が認定する国際大会ですが、その運営主体はメジャーリーグと
その選手会です。

ハッキリ言って、WBCは、MLBが世界へ進出するためのツールです。

参考:「プロ野球改造論 メジャーリーグに学ぶ新産業再生の手法」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20120423/231276/?leaf_kbn

上のリンクは、日経ビジネスオンラインに連載されている記事ですが、とても面白く参考
になるので一読をおススメいたします。

記事によると、近年のMLBの成長には目覚ましいものがあります。

1995年から現在まで日本プロ野球の収益はそれほど伸びていません。

ところが、メジャーリーグは実に4倍も収益を伸ばしています。

そこには、メジャーリーグのコミッショナー主導によるしたたかな成長戦略の着実な実行
があるわけです。

■メジャーリーグと日本プロ野球のビジネスの最も大きな違いは、コミッショナーの権限
にあるようです。

メジャーリーグのコミッショナーは、絶大な権限をもって、リーグ全体の収益を管理して
います。リーグとして儲けたお金を各球団に配分する仕組みです。

日本プロ野球は、各球団が個々に収益権限を持ち、逆にリーグに管理料を支払うような
仕組みです。

メジャーリーグには強い全体戦略があり、日本プロ野球は個別がバラバラの思惑で動いて
いる形です。

ありていにいえば、日本のプロ野球は、全体の発展よりも、各球団(の親会社)の儲けを
優先する姿勢から抜け出ていないのです。

■メジャーリーグがコミッショナー主導になったのは、1919年の八百長スキャンダル
がきっかけだったということです。

それまでは、日本のように各球団に運営は委ねられていましたが、リーグの危機に際して、
強いリーダーシップに託して切り抜けようと考えたのがいかにもアメリカらしい。

それ以来、歴代コミッショナーは外部の法曹関係者や政治家やビジネスマンから選ばれて、
それぞれの立場から、リーグと球団の権利関係の整備や、リーグ収益の仕組みづくり、
選手の年金制度構築などに尽力してきました。

特に、リーグ全体で放送権利を一括管理し、高く販売するというビジネスモデルを構築し
たことが、現在のメジャーリーグの収益を支えています。

■放送権料を高く販売するためには、個々の試合が面白くなければなりません。

どうすれば、試合が面白くなるのか?

答えは、各球団の戦力が均衡していることです。

メジャーリーグはこの考えにのっとり、様々な制度を作っています。

例えば、大きな戦力を持つためには、高額な選手年棒を支払わなければなりません。
ヤンキースなどは有名選手が多いので、年棒総額も高くなります。

日本においては、ヤンキースは企業努力で高い年棒を払って頑張っている、と捉えられる
ところですが、メジャーリーグは「ヤンキースがそんなにいい選手ばかり集めるのは不均
衡だ」と考えます。

だから、一定の額を超えた年棒を支払う球団には「ぜいたく税」と言われる課徴金の支払
いを命じています。

逆に弱くて儲けの少ない球団には、リーグからの分配金を厚くして、戦力の整備を促します。

こうした制度の甲斐あって、メジャーリーグの各球団の戦力は均衡し、優勝チームが毎年
変わるので、ファンは興味を失いません。

■こうして、面白い試合を演出することで、放送権料を高く販売することができるように
なりました。

しかし、アメリカ国内の放送局に販売するだけでは限界がありますので、次に考えること
は、世界に販売することです。

今回のWBCでも分かるように、メジャーリーグの選手は、アメリカだけではなく、世界
中から集められています。

今は、中南米の選手が多いようですね。

当然ながら、中南米の国は、メジャーリーグの放送権を購入するでしょう。

これをさらに拡大するためには、さらにアジアやヨーロッパから広く選手を集めて、メジ
ャーリーグの人気を高めたいわけです。

WBCは、そのメジャーリーグの世界拡大戦略に基づいた大会であるということです。

■第1回、第2回大会は、日本が優勝しました。

メジャーリーグ側とすれば、実は、これは望ましい結果です。アメリカが普通に優勝して
しまえば、世界の盛り上がりが望めませんが、アジアの国が優勝したということで、やれ
ばできるという機運が盛り上がりました。

アジアの国が連覇することは、アジア進出を目指すメジャーリーグ側とすれば都合のいい
ことですが、日本ばかりが優勝したら他の国は白けてしまいます。

今回、WBC運営側が、日本の戦力を削ぐような動きを行ったとしても不思議ではありま
せんね。日本人メジャーリーガー不在という事態にメジャーリーグ側の思惑が働いたので
はないかと言われるのは、そうした背景があります。

本当は、韓国、台湾とか、イタリア、オランダに頑張ってほしかったところでしょうが、
仕方ない。

今回、ドミニカが優勝したというのは、筋書きとしても、ビジネスとしても、順当な結果
だということでしょうね。

■日本中が、WBCに熱狂している時に、メジャーリーグは虎視眈々とビジネス展開を狙
っていたわけです。

ちなみに、メジャーリーグ側は、WBCの興行権やスポンサー権を読売グループに一括販
売しています。

読売側とすれば、儲かってよかったね、ということですが、長期的にみて、それで本当に
よかったのだろうかと心配になります。

■今のままでは、日本プロ野球は、マイナーリーグの一つという位置づけになっていくで
しょうし、なりつつあります。

実際、プロ野球の中で、力のある者はメジャーリーグに行く流れができていますし、ダル
ビッシュのようにはっきりと「日本では力と力の勝負ができない」と言う者もいます。

それでいいじゃないか、という考え方もあるでしょう。

だけど、それではダメだ。なんとかプロ野球を成長させようという方法を考えてみましょう。

■日本プロ野球がメジャーリーグの二軍にならずに、もう一つのメジャーになるためには
どうすればいいのか。

端的には、メジャーリーグと同程度の年棒を支払えるようにする必要があります。

だとすれば、今のようなビジネスモデルでは無理です。やはりメジャーリーグの良いとこ
ろは取り入れるべきだと考えます。

まずは

(1)コミッショナーの権限を大幅に強化して、全体の成長戦略を描くこと。

が急務です。

先ほども書いたように、プロ野球の問題は、球団やその親会社の利益を優先させるために、
全体の利益を拡大しきれていないところにあります。

リーグ全体でビジネスを管理するためには、コミッショナーの権限を拡大して、全体最適
のためのリーダーシップをとってもらわなければいけません。

コミッショナー主導で改革するならば、戦力均衡による好試合の演出、放送権利やライセ
ンス権利等の一括交渉、選手会側との労使交渉などを任せることができます。

球団側には、チケット販売の多チャネル化、チケット価格の柔軟化、球場におけるグッズ
販売や飲食等の強化、イベントの開催などに取り組んでいただき観客動員増とファン増加
に励んでいただきます。

全体戦略と地域戦略、双方が、それぞれの責任で動いてもらうわけです。

■このように日本国内での収益を最適化する仕組みができたなら、次に考えるべきは、
海外進出です。

なにしろメジャーリーグの収益性は、全世界をマーケットにしているところにありますから。

日本ができるのは、成長するアジアをマーケットとすること。これなら地の利でメジャー
リーグに負けません。

直近としてできるのは

(2)アジアシリーズ(日本、韓国、台湾、中国などの優勝チームによる大会)の位置づ
けを向上させること。

これがどうも盛り上がらないようですが、ならば、

(3)各国のリーグとの交流戦を公式戦に組み入れること。

に取り組んではどうでしょうか。

セパ交流戦のように、公式戦に無理やり組み込むのです。最初は日本側がすべて勝っても
いいので、やってみる。韓国や台湾のチームが勝つようになってくると、各国のリーグも
盛り上がるはずです。

(2)(3)とも、現在のプロ野球が持つスキルでできることです。

■次にするのが人材交流です。

こちらは時間がかかりそうですが、メジャーリーグがアジア市場を総取りしてしまう前に
やっておかなければなりません。

韓国、台湾、中国、オーストラリアだけではありません。

タイ、インドネシア、ベトナムなどにも広めて、アジア全体で野球人気を高めるようにし
なければなりません。

そのためには

(4)各国から積極的に選手を発掘して、プロ野球で活躍してもらうこと。

同時に、

(5)日本から指導者や選手を派遣して、各国リーグの実力を高めることです。

アジア人については、外国人枠など外してしまって、とにかく積極的に徴用するのです。

最初は、メジャーリーガーのような年棒は払えないかも知れませんが、マーケットをアジア
全体とすることで、それなりの収益が上がってくれば、年棒面でもメジャーに近づける
はずです。

日本の強力コンテンツである高校野球も活用しない手はありません

現在、アマの世界大会はありますが、それが今一つ盛り上がっていないので、否応なしに
盛り上げるために

(6)春夏の大会の中に、アジア枠を設けて、各国の高校代表に参加してもらうこと。

これなら日本国内での注目度は抜群ですから、日本人の目をアジアに向けることができます。
アジア側も、高校野球選手権大会の盛り上がりを感じ取ってもらって、子供の頃から野球
に取り組む機運を盛り上げてもらいます。

プロとアマではいろいろ壁があって難しいらしいですが、アマだけでも国際化を進めましょう。

最初は、アジア枠は1つでも構いませんが、定着すれば、各国から1校に参加してもらえ
ばいいでしょう。

今回も感じましたが、一回負ければ終りという勝ち抜き戦の緊張感と突破感は、得難い感
動をもたらします。

アジアの高校が、二回戦、三回戦へと進むようになると、各国の野球人気も高まるだろう
と期待します。

いい選手がいれば、日本プロ野球のドラフトで指名するので、人材発掘の場にもなるはず
です。

■暴論もありますが、要は、プロ野球が日本の枠を飛び出して、アジア全体で活躍するよ
うになってほしいということです。

将来的には、アジアリーグを創設して、日本地区、台湾地区、韓国地区等の優勝チームが、
アジアチャンピオンを目指して戦うという形を目指します。

既得権益にしがみつく日本人にリーダーシップがとれないというのなら、シンガポールや
マレーシアとかの優秀な人物にコミッショナーを依頼してもいいでしょう。

アジアリーグ全体が潤うようになって、初めてメジャーリーグに対抗できるようになるで
しょう。

パワーのメジャーリーグ。緻密さのアジアリーグ。などと特色を出せるようになれば並び
立つことも可能じゃないでしょうか。

まあでも、ナベツネ氏が退場した後は、日本のプロ野球も改革を勧めようという動きがあ
るはずですから、それを待つべきなんですかね。

早くしないと手遅れになりそうですが。

■日本の競争力という観点からみても、野球は、世界に通用する重要なコンテンツの一つ
です。

AKB48とともに、海外に展開して、日本のイメージを向上させるための先兵となって
ほしいですし、できると思います。

韓流ドラマのアジアでの人気を羨む必要はありません。自分の持てる強みで戦っていきま
しょう。

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