レゴは、なぜ世界第2位の玩具メーカーに復活したのか?

2013.12.26

(2013年12月26日メルマガより)


■今年の残すところ、あと少し。いかがお過ごしでしょうか?


いいクリスマスを過ごされました?

うちは、まだ子供が小さいので、プレゼントは必須です。

子供へのプレゼントの定番といえば、レゴ(LEGO)でははいでしょうか。

たぶんご存じだとは思いますが、レゴというのは、小さなプラスチックのブロックの集合体からなる玩具です。組み合わせて、いろいろな形にすることができます。

様々な形や色のブロックが用意されており、組み合わせの創意工夫によって、多様な色彩や形を作り上げることができます。子供の創造力を育むといわれています。

手をつかって何かを作る遊びというと、子供の頃の粘土遊びを思い出しますが、レゴは手や服を汚さないので、安心して遊ばせることができます。

思えば、よく出来た玩具ですよ。

プレゼントが、毎回レゴというわけではありませんが、必ず候補には上ります。

あくまで、うちの場合ですが、他の家庭も似た状況があるのではないでしょうか。

私が子供の頃からレゴは存在したはずですが、これほど極めつけの定番玩具となっているとは、子供を持つまで気づきませんでした。

■今では、世界第2位の玩具メーカーになったというレゴですが、少し前までは、倒産寸前だったそうですね。

参考:倒産寸前だった「LEGO」が世界2位のおもちゃ会社に返り咲いた理由
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1312/12/news008.html

この記事によると、2004年頃のレゴは、倒産寸前の赤字だったとか。

まだ別の資料によると、1998年から2004年までの7年間のうち4度赤字を計上したとされています。

参考:サプライチェーンを起点とした「ブランド」企業の事業再生:レゴ・グループのケーススタディ
http://www.booz.com/media/file/mj4_004.pdf

そんな危機的状況からレゴが復活したのはなぜなのか?

実をいうと、2つの記事で理由が異なります^^;まあ、たぶん、複合的な要素が重なって、復活したということなんでしょうね。

今回は、このレゴの復活を、私なりの解釈で書いてみたいと思います。

■レゴの前身は、デンマークの木工業者でした。世界恐慌で売上を落としたこの業者が、木製の自動車玩具などを作って販売したのが始まりです。

レゴという名前は、デンマーク語の「よく遊べ」(Leg Godt)からとられたものです。

彼らがプラスティック製の組み立て玩具を扱いだしたのが、1947年。

1960年には、木製玩具を廃止して、プラスティック玩具に集中します。

その後、レゴは、世界的な供給網を作り上げ、世界的玩具メーカーになっていきます。

参考:LEGOに学ぶ、ブランドにおける「物語化」の力
http://innova-jp.com/blog/inbound-marketing/lego-branding/

■特筆すべきは、レゴの経営者が、早い時期から「子供の創造性をサポートする」というコンセプトを持っていたことです。

つまり、プラスティック製のブロックであれ、木製の自動車であれ、それは「子供の創造性をサポートする」という目的のための手段であったと規定することができます。

だから同社は現状の製品にこだわりません。常に新製品を作り続けて、売上の半分以上が毎年の新製品であるという状況を作り出していました。

そう考えれば、形の出来上がった木製自動車を廃止して、組み立て式のブロックに特化していったという経営判断にも納得がいきます。

同社はさらに、教育事業への進出、テーマパークの開設、子供服への進出、ソフトウェアの製造など事業拡大していきました。

初期のレゴの躍進は、このコンセプトを中心とした経営にあったと考えられますし、さらに後の復活劇も、底辺にはコンセプト回帰というテーマがあったはずです。

■ただそんなレゴにも大企業病が蔓延る時期があったようです。

先ほども書いたように、1998年から2004年頃までは、売上は拡大しているものの、利益は赤字がちでした。

この時期、様々なアイデアが出されても、各部門がそれぞれの立場から意見を述べるばかりで物事が進まないという状況があったようです。

全体のことを省みないで、部分最適を求める。総論賛成、各論反対。というのは、典型的な大企業病の症例です。レゴもいつしか官僚組織のようになっていたわけです。

■そこからどのように復活したのか?

様々な記事を読んでみると、主に3つの改革があったようです。

(1)サプライチェーンの改革

レゴは、世界展開する中で、独自の供給網を作り上げていきました。その時代には機能した供給網も、それが強固であればあるほど、環境の変化に対応しにくくなります。

上の記事によれば、レゴの供給網は、小さな小売店が販売の中心だった時代のもので、大規模小売店の時代にはコストがかかりすぎるものだったようです

この供給網を含めたサプライチェーンを時代に即したものにすることが第一の改革です。

(2)マネジメント体制の刷新

デンマークのローカル企業だったレゴが、世界企業になるためには、マネジメント層もグローバル化しなければなりません。

当初、デンマーク人だけで構成されていたマネジメント層を、グローバル化することが第二の改革です。

このあたり日本企業はまだできていないところが多いですね。

(3)顧客を経営に巻き込む

そして第三の改革が、ソーシャルの力を経営に取り込むことです。

レゴは、マーケティングの理念に則り、顧客に寄り添うことを目指しました。それを推し進めた結果が、経営に顧客を取り込むことです。

下記の記事によると、コアなファンが、企業内部の人間よりも、レゴの製品について思い入れがあり、詳しいことを知った経営陣が、アイデア出しにファンを呼び寄せました。

そんなファンの意見を取り入れて開発された製品が、現在のレゴの好調を支えています。

参考:ハッカーとも対話!玩具メーカー・レゴは顧客と一緒にビジネスを作る
http://diamond.jp/articles/-/4809

レゴはこれをさらに進めて、webサイト上で、ファン同士の交流やアイデア出しを後押しする施策をとっています

■ちなみに「子供の創造性をサポートする」というのがレゴのコンセプトだったはずですが、今は、大人向けの能力開発にも進出しています。

この進化も、コアなユーザーの観察から生み出されたビジネスだということですから、合点します。

ただ、大人向けの能力開発事業は、高額な研修という形で展開しているようですが、これは、レゴの躍進のきっかけになった「顧客を巻き込む」という姿勢と逆のクローズなビジネスです。

これはダメでしょう。広がらない。と私など思ってしまうのですが、いかがですかね。

■いずれにしろ、勢いのある企業は面白いですよ。

いい部分、悪い部分、見ながら、自分が生き残るヒントにしていきましょう。

私は、レゴの「顧客を巻き込む」という経営手法に注目します。

ソーシャルシフトとも、評価経済社会ともいわれる現代の状況に合わせた新しい経営手法だと思うからです。

この部分を特に注意して見ていきたいと思っています。

(2013年12月26日メルマガより)


■今年の残すところ、あと少し。いかがお過ごしでしょうか?


いいクリスマスを過ごされました?

うちは、まだ子供が小さいので、プレゼントは必須です。

子供へのプレゼントの定番といえば、レゴ(LEGO)でははいでしょうか。

たぶんご存じだとは思いますが、レゴというのは、小さなプラスチックのブロックの集合体からなる玩具です。組み合わせて、いろいろな形にすることができます。

様々な形や色のブロックが用意されており、組み合わせの創意工夫によって、多様な色彩や形を作り上げることができます。子供の創造力を育むといわれています。

手をつかって何かを作る遊びというと、子供の頃の粘土遊びを思い出しますが、レゴは手や服を汚さないので、安心して遊ばせることができます。

思えば、よく出来た玩具ですよ。

プレゼントが、毎回レゴというわけではありませんが、必ず候補には上ります。

あくまで、うちの場合ですが、他の家庭も似た状況があるのではないでしょうか。

私が子供の頃からレゴは存在したはずですが、これほど極めつけの定番玩具となっているとは、子供を持つまで気づきませんでした。

■今では、世界第2位の玩具メーカーになったというレゴですが、少し前までは、倒産寸前だったそうですね。

参考:倒産寸前だった「LEGO」が世界2位のおもちゃ会社に返り咲いた理由
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1312/12/news008.html

この記事によると、2004年頃のレゴは、倒産寸前の赤字だったとか。

まだ別の資料によると、1998年から2004年までの7年間のうち4度赤字を計上したとされています。

参考:サプライチェーンを起点とした「ブランド」企業の事業再生:レゴ・グループのケーススタディ
http://www.booz.com/media/file/mj4_004.pdf

そんな危機的状況からレゴが復活したのはなぜなのか?

実をいうと、2つの記事で理由が異なります^^;まあ、たぶん、複合的な要素が重なって、復活したということなんでしょうね。

今回は、このレゴの復活を、私なりの解釈で書いてみたいと思います。

■レゴの前身は、デンマークの木工業者でした。世界恐慌で売上を落としたこの業者が、木製の自動車玩具などを作って販売したのが始まりです。

レゴという名前は、デンマーク語の「よく遊べ」(Leg Godt)からとられたものです。

彼らがプラスティック製の組み立て玩具を扱いだしたのが、1947年。

1960年には、木製玩具を廃止して、プラスティック玩具に集中します。

その後、レゴは、世界的な供給網を作り上げ、世界的玩具メーカーになっていきます。

参考:LEGOに学ぶ、ブランドにおける「物語化」の力
http://innova-jp.com/blog/inbound-marketing/lego-branding/

■特筆すべきは、レゴの経営者が、早い時期から「子供の創造性をサポートする」というコンセプトを持っていたことです。

つまり、プラスティック製のブロックであれ、木製の自動車であれ、それは「子供の創造性をサポートする」という目的のための手段であったと規定することができます。

だから同社は現状の製品にこだわりません。常に新製品を作り続けて、売上の半分以上が毎年の新製品であるという状況を作り出していました。

そう考えれば、形の出来上がった木製自動車を廃止して、組み立て式のブロックに特化していったという経営判断にも納得がいきます。

同社はさらに、教育事業への進出、テーマパークの開設、子供服への進出、ソフトウェアの製造など事業拡大していきました。

初期のレゴの躍進は、このコンセプトを中心とした経営にあったと考えられますし、さらに後の復活劇も、底辺にはコンセプト回帰というテーマがあったはずです。

■ただそんなレゴにも大企業病が蔓延る時期があったようです。

先ほども書いたように、1998年から2004年頃までは、売上は拡大しているものの、利益は赤字がちでした。

この時期、様々なアイデアが出されても、各部門がそれぞれの立場から意見を述べるばかりで物事が進まないという状況があったようです。

全体のことを省みないで、部分最適を求める。総論賛成、各論反対。というのは、典型的な大企業病の症例です。レゴもいつしか官僚組織のようになっていたわけです。

■そこからどのように復活したのか?

様々な記事を読んでみると、主に3つの改革があったようです。

(1)サプライチェーンの改革

レゴは、世界展開する中で、独自の供給網を作り上げていきました。その時代には機能した供給網も、それが強固であればあるほど、環境の変化に対応しにくくなります。

上の記事によれば、レゴの供給網は、小さな小売店が販売の中心だった時代のもので、大規模小売店の時代にはコストがかかりすぎるものだったようです

この供給網を含めたサプライチェーンを時代に即したものにすることが第一の改革です。

(2)マネジメント体制の刷新

デンマークのローカル企業だったレゴが、世界企業になるためには、マネジメント層もグローバル化しなければなりません。

当初、デンマーク人だけで構成されていたマネジメント層を、グローバル化することが第二の改革です。

このあたり日本企業はまだできていないところが多いですね。

(3)顧客を経営に巻き込む

そして第三の改革が、ソーシャルの力を経営に取り込むことです。

レゴは、マーケティングの理念に則り、顧客に寄り添うことを目指しました。それを推し進めた結果が、経営に顧客を取り込むことです。

下記の記事によると、コアなファンが、企業内部の人間よりも、レゴの製品について思い入れがあり、詳しいことを知った経営陣が、アイデア出しにファンを呼び寄せました。

そんなファンの意見を取り入れて開発された製品が、現在のレゴの好調を支えています。

参考:ハッカーとも対話!玩具メーカー・レゴは顧客と一緒にビジネスを作る
http://diamond.jp/articles/-/4809

レゴはこれをさらに進めて、webサイト上で、ファン同士の交流やアイデア出しを後押しする施策をとっています

■ちなみに「子供の創造性をサポートする」というのがレゴのコンセプトだったはずですが、今は、大人向けの能力開発にも進出しています。

この進化も、コアなユーザーの観察から生み出されたビジネスだということですから、合点します。

ただ、大人向けの能力開発事業は、高額な研修という形で展開しているようですが、これは、レゴの躍進のきっかけになった「顧客を巻き込む」という姿勢と逆のクローズなビジネスです。

これはダメでしょう。広がらない。と私など思ってしまうのですが、いかがですかね。

■いずれにしろ、勢いのある企業は面白いですよ。

いい部分、悪い部分、見ながら、自分が生き残るヒントにしていきましょう。

私は、レゴの「顧客を巻き込む」という経営手法に注目します。

ソーシャルシフトとも、評価経済社会ともいわれる現代の状況に合わせた新しい経営手法だと思うからです。

この部分を特に注意して見ていきたいと思っています。

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