コンビニ 本格競争時代に突入

2007.03.01


(2007年3月1日メルマガより)

■80年代から90年代にかけて飛ぶ鳥を落とす勢いで拡大を続けてきたコ
ンビ二エンス・ストアも、曲がり角に来ています。

儲かる市場に多くの参入者があるのは当然ですが、もはや市場は飽和感にあ
ふれ、既存店舗の売上低下は避けようがありません。

■消費者にとっての「時間」という価値に着目し、それにあわせた店舗オペ
レーションを徹底してやり抜いた科学的手法には、多くの者が目を見張った
ものですが、それも昔話になりつつあります。

コンビニはありふれたものとなり、むしろ他業態店舗がポスト・コンビニと
して名乗りを上げています。

例えば弁当や惣菜を買うなら、食品スーパーに行ったほうが品揃えが豊富で
す。お茶も安い。食品スーパーの中には、深夜まで店を開けて、コンビニ需
要を取り込んでいる店もあります。

都市部なら、女性は、若い男性が雑誌を立ち読みしているコンビニを避けて、
ドラッグストアに立ち寄るようです。

こうしたアンチテーゼが出てくること自体、業態がひとかどのものになった
ということです。あとはゆるやかに衰退していくんですね。

■コンビニの2005年の業界規模は7兆円超。

1位:セブンイレブン。売上高2兆4987億円。営業利益率8.0%。

2位:ローソン。売上高1兆3617億円。営業利益率3.2%。

3位:ファミリーマート。売上高1兆317億円。営業利益率3.2%。

(「日経 業界地図2007年版」による)

ランチェスター戦略における市場シェア理論の通り、1位はダントツに儲か
っています。

そもそも成長期にはフォロワーは何も考えずについていくというのが多くの
業界の典型です。トップほどじゃないが、そこそこは儲かっているからいい
だろうというわけです。業界の馴れ合い状況ですね。

だからコンビニ業界も、ほとんどがトップランナーであるセブンイレブンの
コピーのような店ばかり。面白みはないものの、便利だからまあいいかとい
うことになっていました。

■ところが、成熟期に入るとそうはいきません。2位以下の企業は、売上低
下の影響を真っ先に被ります。もともと利益ののりしろが少ない分だけ、苦
しくなります。

そこで、コンビニ各社は、脱セブンイレブンを志向して、いっせいに店舗の
差別化をするようになりました。

■先陣を切ったのが、2位のローソン。健康志向の都市部ユーザーに向けて
「ナチュラルローソン」という店舗を作りました。

ちなみに2位の企業がこれをやったのは偉い。普通、2位は馴れ合い体質で
何もせず、3位以下が改革を起こすというのがパターンです。余談ですが。

これまでコンビニが苦手としていた主婦に向けて、低価格で生鮮品を品揃え
するのが「ローソンストア100」です。

他のコンビニチェーンも「99イチバ(サークルKサンクス)」「フードス
タイル(am/pmジャパン)」などの業態を開発しています。

都市部のオフィスビルに向けては「ファミマ!!」があります。こちらは、
オフィス需要を意識した品揃えを行い輸入雑貨店のような様相だということ
です。

その他、店舗数は少ないものの都市部の女性に向けた店舗開発が試行錯誤さ
れています。

要するに、これまでコンビニが売り逃していた主婦、都市部、女性、健康志
向の人などをターゲットにし始めたのです。

これはランチェスター戦略にいう「弱者の戦略」です。

■これに対して、あくまで既存店舗でニーズ把握に努めようというのがトッ
プのセブンイレブンです。

1位企業としては当然の策です。トップがあまりうろたえると、キリンラガ
ーを生にリニューアルするという"世紀のミスマーケティング"をして、ア
サヒビールに逆転を許したかつてのキリンビールのようになってしまいます。

もっとも「週刊ダイヤモンド2007/02/10」によるとセブンアイHDの鈴木会
長は「特定のターゲットを絞った店は、コンビニではない」と冷ややかに見
ているようですが、こういう発言自体が、警戒感の表れであると私には見え
ます。

実際、セブンイレブンは高齢者需要を意識して、宅配サービスなどを行う店
舗を作っています。また地域によって品揃えを変える試みも行っています。
これまでのコンビニ運営が曲がり角にきていることは身に沁みているはず。

本音をいうと、セブンイレブンのコピーをしてくれたら楽なんだけどなあと
いうことでしょう。

あまり変なことをされると、放っておくわけにはいきません。気になるイノ
ベーションはミート(まね)するというのが「強者の戦略」ですから、無関
心というわけにはいきませんね。

■セブンアイグループは、グループとしての規模を活かして、PB商品の開
発を進めています。これが機能すると、ますます利益率が上がり、他グルー
プとの差がつきそうです。

2位以下のコンビニとしては、既存のノウハウを破棄してでも、新業態開発
に挑まねばならない所以です。

現在のところ、新業態店をフランチャイズとして展開するまでに至った例が
少ないようですから、試みは始ったばかりということですが、そこからどん
なものが育つのか、注目してみていきたいところです。

■また、新たな成長市場であるアジア進出も試行されています。日系のコン
ビニはアジア市場に適応しやすいという話もあり、こちらでの陣取り合戦も
盛んですね。

成熟市場においては、否応なしに競争戦略の質の優劣が業績を左右します。

コンビニ業界も、本格的な「戦略」競争の時代に入ったわけです。

これからどうなっていくのか、楽しみですね。


(2007年3月1日メルマガより)

■80年代から90年代にかけて飛ぶ鳥を落とす勢いで拡大を続けてきたコ
ンビ二エンス・ストアも、曲がり角に来ています。

儲かる市場に多くの参入者があるのは当然ですが、もはや市場は飽和感にあ
ふれ、既存店舗の売上低下は避けようがありません。

■消費者にとっての「時間」という価値に着目し、それにあわせた店舗オペ
レーションを徹底してやり抜いた科学的手法には、多くの者が目を見張った
ものですが、それも昔話になりつつあります。

コンビニはありふれたものとなり、むしろ他業態店舗がポスト・コンビニと
して名乗りを上げています。

例えば弁当や惣菜を買うなら、食品スーパーに行ったほうが品揃えが豊富で
す。お茶も安い。食品スーパーの中には、深夜まで店を開けて、コンビニ需
要を取り込んでいる店もあります。

都市部なら、女性は、若い男性が雑誌を立ち読みしているコンビニを避けて、
ドラッグストアに立ち寄るようです。

こうしたアンチテーゼが出てくること自体、業態がひとかどのものになった
ということです。あとはゆるやかに衰退していくんですね。

■コンビニの2005年の業界規模は7兆円超。

1位:セブンイレブン。売上高2兆4987億円。営業利益率8.0%。

2位:ローソン。売上高1兆3617億円。営業利益率3.2%。

3位:ファミリーマート。売上高1兆317億円。営業利益率3.2%。

(「日経 業界地図2007年版」による)

ランチェスター戦略における市場シェア理論の通り、1位はダントツに儲か
っています。

そもそも成長期にはフォロワーは何も考えずについていくというのが多くの
業界の典型です。トップほどじゃないが、そこそこは儲かっているからいい
だろうというわけです。業界の馴れ合い状況ですね。

だからコンビニ業界も、ほとんどがトップランナーであるセブンイレブンの
コピーのような店ばかり。面白みはないものの、便利だからまあいいかとい
うことになっていました。

■ところが、成熟期に入るとそうはいきません。2位以下の企業は、売上低
下の影響を真っ先に被ります。もともと利益ののりしろが少ない分だけ、苦
しくなります。

そこで、コンビニ各社は、脱セブンイレブンを志向して、いっせいに店舗の
差別化をするようになりました。

■先陣を切ったのが、2位のローソン。健康志向の都市部ユーザーに向けて
「ナチュラルローソン」という店舗を作りました。

ちなみに2位の企業がこれをやったのは偉い。普通、2位は馴れ合い体質で
何もせず、3位以下が改革を起こすというのがパターンです。余談ですが。

これまでコンビニが苦手としていた主婦に向けて、低価格で生鮮品を品揃え
するのが「ローソンストア100」です。

他のコンビニチェーンも「99イチバ(サークルKサンクス)」「フードス
タイル(am/pmジャパン)」などの業態を開発しています。

都市部のオフィスビルに向けては「ファミマ!!」があります。こちらは、
オフィス需要を意識した品揃えを行い輸入雑貨店のような様相だということ
です。

その他、店舗数は少ないものの都市部の女性に向けた店舗開発が試行錯誤さ
れています。

要するに、これまでコンビニが売り逃していた主婦、都市部、女性、健康志
向の人などをターゲットにし始めたのです。

これはランチェスター戦略にいう「弱者の戦略」です。

■これに対して、あくまで既存店舗でニーズ把握に努めようというのがトッ
プのセブンイレブンです。

1位企業としては当然の策です。トップがあまりうろたえると、キリンラガ
ーを生にリニューアルするという"世紀のミスマーケティング"をして、ア
サヒビールに逆転を許したかつてのキリンビールのようになってしまいます。

もっとも「週刊ダイヤモンド2007/02/10」によるとセブンアイHDの鈴木会
長は「特定のターゲットを絞った店は、コンビニではない」と冷ややかに見
ているようですが、こういう発言自体が、警戒感の表れであると私には見え
ます。

実際、セブンイレブンは高齢者需要を意識して、宅配サービスなどを行う店
舗を作っています。また地域によって品揃えを変える試みも行っています。
これまでのコンビニ運営が曲がり角にきていることは身に沁みているはず。

本音をいうと、セブンイレブンのコピーをしてくれたら楽なんだけどなあと
いうことでしょう。

あまり変なことをされると、放っておくわけにはいきません。気になるイノ
ベーションはミート(まね)するというのが「強者の戦略」ですから、無関
心というわけにはいきませんね。

■セブンアイグループは、グループとしての規模を活かして、PB商品の開
発を進めています。これが機能すると、ますます利益率が上がり、他グルー
プとの差がつきそうです。

2位以下のコンビニとしては、既存のノウハウを破棄してでも、新業態開発
に挑まねばならない所以です。

現在のところ、新業態店をフランチャイズとして展開するまでに至った例が
少ないようですから、試みは始ったばかりということですが、そこからどん
なものが育つのか、注目してみていきたいところです。

■また、新たな成長市場であるアジア進出も試行されています。日系のコン
ビニはアジア市場に適応しやすいという話もあり、こちらでの陣取り合戦も
盛んですね。

成熟市場においては、否応なしに競争戦略の質の優劣が業績を左右します。

コンビニ業界も、本格的な「戦略」競争の時代に入ったわけです。

これからどうなっていくのか、楽しみですね。

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