コンビニのアイスクリームはどうなっているのか

2014.08.21

(2014年8月21日メルマガより)


■恥ずかしながら、私には、
飲んだ後にアイスクリームを食べたくなるという悪癖があります。

あー、おれもだー、という人はいませんかね^^;

あれは何でですかね。

中年男の身としては、不健康なこと甚だしい。

が、この癖はなかなか治らないんですよね。

酔っぱらった時はついついコンビニのアイスケースに寄ってしまいます。

■先日、某コンビニのアイスクリームケースを覗いていると、妙なものを見つけました。

「ガリガリ君 ナポリタン味」

ナポリタン味?

何やねん、それは!

受け狙いで、そういうものがあってもいいでしょうが、効率重視のコンビニで、冗談で作った商品をそのまま並べるという暴挙に愕然としました。

恐るべし、ガリガリ君。

■ガリガリ君は、赤城乳業という会社のヒット商品です。
http://www.akagi.com/

年間販売本数4億本以上というから、ほとんど国民食のようなアイスキャンデーです。

ホームページを見ると、何となく変な会社に見えますね^^

調べると、ガリガリ君には、「クレアおばさんのシチュー味」とか「ほとばしる青春の味」とか、突っ込まれることを前提にした種類のアイテムがあります。

一体、何なんだ。

赤城乳業は、従業員が約300名、売上高が350億円超という会社です。

その他のアイスクリーム製造企業に比べると小さな会社ですから、変なことをやらないとダメだと思っているのでしょう。

その甲斐あってか、売上は右肩上がりの勢いを見せています。

■これはまさに弱者の戦略です。

参考:「ガリガリ君」中堅企業だからこそ知恵を活かして販売戦略を練る
http://j-net21.smrj.go.jp/develop/foods/entry/2010122201.html

大手企業と同じような商品を出していたら、その中で目立つためには、莫大なプロモーション費用がかかってしまいます。

ガリガリ君の場合、わざと暑苦しいキャラクターを前面に出した上で、変な味、変なネーミング、変なコラボ企画を積極的に行い話題になることで、プロモーションしています。

ある意味、わざと突っ込まれる隙を作るという炎上マーケティングに似た手法であり、ソーシャルネットワークの特徴を活用したやり方です。

実にうまい。ガリガリ君こそソーシャル時代のお手本ですね。

もっとも赤城乳業が全面的にイロモノのような会社であるというわけではありません。

中心となる商品は、ソーダ味、コーラ味、グレープフルーツ味といった王道といってもいいアイテムで、味は評価されています。

念のため。

■それにしても、効率化の権化のようなコンビニが、冗談のような商品を置く理由は何でしょうか。

もともとワンコインで買えるアイスクリームは、町の駄菓子屋の定番商品でした。

それが、今ではコンビニの目玉商品です。

かつてバラエティに富み、アイテム数も多かったアイスクリームが、一部の定番商品に集約されていったのは、コンビニという売り場の特徴によるものです。

参考:アイス、新ブランドなぜ育たない 定番が圧倒的強さ
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO74976370Q4A730C1000000/

要するに、ちょっと売上が悪ければ外されてしまうコンビニ売り場で、新しいブランドをゼロから立ち上げようと挑戦するメーカーはないということです。

各社とも今売れている商品に経営資源を集中する方が、リスクも小さく、一定の売上を見込めるわけですし、そんな時に新ブランドを立ち上げようとして失敗すると、途端に売り場を他社にとられてしまいます。

■それなのに「ガリガリ君 ナポリタン味」を売り場に置くのは、コンビニ側にも効率化一辺倒では、立ちいかなくなるという危機感があるということではないか。

コンビニの売り場を見てみると分かりますが、今、野菜味のアイスクリームなるものが並んでいます。

これは、定番品ばかりが売れて、変化のない売り場に新しい流れを作ろうとするコンビニ側の試みであると映ります。

その中で「ガリガリ君 ナポリタン味」は、定番品の逆をいく発想の商品で、悪くいうと話題を作って客を呼ぶ赤城乳業の炎上マーケティングに、コンビニ側が乗っかっているということです。

それだけコンビニという業態も頭打ち感があるのですな。

■それにしても誰がコンビニのアイスクリームを買うのか。

昔の駄菓子屋のように、子供がコンビニでアイスクリームを買うという姿はあまり想像できません。

今のコンビニの主要顧客は高齢者です。つまり私を含む中高年の男女ということになります。

まず、コンビニの売り場で目立つのは、井村屋のあずきバーだとか、白くまアイスだとか、昔懐かしい商品です。

これを「ノスタルジー消費」というそうですね。

これらは、安定した売上を持つ定番商品なのでしょうが、その背景には、私のような中年男性が、昔から馴染みがあるという安心感があります。

飲酒の後、アイスクリームを食べたいと思う時、さすがに「ガリガリ君 ナポリタン味」には手が伸びません(ーー;

あれは見せ商品ですよ。

実際に売れるのは、昔から馴染んでいる商品や味だと思います。

いつしか私も飲酒後のアイスクリームに関して保守的になったもんですわ...

■もう一つの流れは、高級路線です。

ハーゲンダッツのような少し高級な商品もコンビニでは扱っています。

これは安いアイスクリームのケースではなく、違う場所にあることが多いようです。

夜食べる人のためにカロリーオフの商品もあるということは、やはり中高年や女性に向けた商品なんですね。

参考:「アイスクリーム市場」最新トレンド【1】ノスタルジック消費・ごほうび需要
http://president.jp/articles/-/13128

この高級路線は、夏場だけではなく、冬でも売れるという特徴があるので、コンビニにとってはおいしい商品です。

同じ定番商品なら、高級品の方が、棚効率がいいというものです。

■こうした定番品と高級品、話題品(ナポリタン味)、挑戦商品(野菜味)の組み合わせで、コンビニの売り場は成り立っているようです。

メーカー側から見れば、この4つの商品ジャンルの中のどこに席を持つかで売上が決まります。

大企業は大きな需要が見込める定番品に席を持とうとするでしょうし、小さな会社は高級品や話題品に活路を見出します。

定番品や高級品は確かにうまみがあるのですが、そのうちPB品が出てくるかも知れません。

メーカーも挑戦し続けないと、行き詰ってしまいますね。

■コンビニや量販店、スーパーのように効率性を重視するばかりでは、ジャンルが疲弊してしまいますね。

私としては、メーカーに頑張ってもらって、もっとバラエティ豊かなアイスクリーム文化を育ててほしい。

ということは、コンビニ以外の売り場を開拓する必要があります。

期待できるのは、グリコがやっているようなオフィスに冷蔵庫を置いて、アイスクリームを充填するような販売方法です。

あれは(多分)グリコの商品のみなのでしょうが、あらゆるメーカーのバラエティ豊かな品揃えを揃えてくれたらいいのになーと思います。

飲み屋の出口にそれを置いてくれたら、売れるんじゃないかなーー

だけどやはり、アイスクリームは子供にも食べてほしい。

スーパーで買ったパックのアイスを小分けで食べるばかりではなんとも味気ない。

昔の駄菓子屋のように、子供が硬貨を握って買いにいくような場所はないものでしょうか。

でもこういうのを中高年のノスタルジーっていうのでしょうね。

(2014年8月21日メルマガより)


■恥ずかしながら、私には、
飲んだ後にアイスクリームを食べたくなるという悪癖があります。

あー、おれもだー、という人はいませんかね^^;

あれは何でですかね。

中年男の身としては、不健康なこと甚だしい。

が、この癖はなかなか治らないんですよね。

酔っぱらった時はついついコンビニのアイスケースに寄ってしまいます。

■先日、某コンビニのアイスクリームケースを覗いていると、妙なものを見つけました。

「ガリガリ君 ナポリタン味」

ナポリタン味?

何やねん、それは!

受け狙いで、そういうものがあってもいいでしょうが、効率重視のコンビニで、冗談で作った商品をそのまま並べるという暴挙に愕然としました。

恐るべし、ガリガリ君。

■ガリガリ君は、赤城乳業という会社のヒット商品です。
http://www.akagi.com/

年間販売本数4億本以上というから、ほとんど国民食のようなアイスキャンデーです。

ホームページを見ると、何となく変な会社に見えますね^^

調べると、ガリガリ君には、「クレアおばさんのシチュー味」とか「ほとばしる青春の味」とか、突っ込まれることを前提にした種類のアイテムがあります。

一体、何なんだ。

赤城乳業は、従業員が約300名、売上高が350億円超という会社です。

その他のアイスクリーム製造企業に比べると小さな会社ですから、変なことをやらないとダメだと思っているのでしょう。

その甲斐あってか、売上は右肩上がりの勢いを見せています。

■これはまさに弱者の戦略です。

参考:「ガリガリ君」中堅企業だからこそ知恵を活かして販売戦略を練る
http://j-net21.smrj.go.jp/develop/foods/entry/2010122201.html

大手企業と同じような商品を出していたら、その中で目立つためには、莫大なプロモーション費用がかかってしまいます。

ガリガリ君の場合、わざと暑苦しいキャラクターを前面に出した上で、変な味、変なネーミング、変なコラボ企画を積極的に行い話題になることで、プロモーションしています。

ある意味、わざと突っ込まれる隙を作るという炎上マーケティングに似た手法であり、ソーシャルネットワークの特徴を活用したやり方です。

実にうまい。ガリガリ君こそソーシャル時代のお手本ですね。

もっとも赤城乳業が全面的にイロモノのような会社であるというわけではありません。

中心となる商品は、ソーダ味、コーラ味、グレープフルーツ味といった王道といってもいいアイテムで、味は評価されています。

念のため。

■それにしても、効率化の権化のようなコンビニが、冗談のような商品を置く理由は何でしょうか。

もともとワンコインで買えるアイスクリームは、町の駄菓子屋の定番商品でした。

それが、今ではコンビニの目玉商品です。

かつてバラエティに富み、アイテム数も多かったアイスクリームが、一部の定番商品に集約されていったのは、コンビニという売り場の特徴によるものです。

参考:アイス、新ブランドなぜ育たない 定番が圧倒的強さ
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO74976370Q4A730C1000000/

要するに、ちょっと売上が悪ければ外されてしまうコンビニ売り場で、新しいブランドをゼロから立ち上げようと挑戦するメーカーはないということです。

各社とも今売れている商品に経営資源を集中する方が、リスクも小さく、一定の売上を見込めるわけですし、そんな時に新ブランドを立ち上げようとして失敗すると、途端に売り場を他社にとられてしまいます。

■それなのに「ガリガリ君 ナポリタン味」を売り場に置くのは、コンビニ側にも効率化一辺倒では、立ちいかなくなるという危機感があるということではないか。

コンビニの売り場を見てみると分かりますが、今、野菜味のアイスクリームなるものが並んでいます。

これは、定番品ばかりが売れて、変化のない売り場に新しい流れを作ろうとするコンビニ側の試みであると映ります。

その中で「ガリガリ君 ナポリタン味」は、定番品の逆をいく発想の商品で、悪くいうと話題を作って客を呼ぶ赤城乳業の炎上マーケティングに、コンビニ側が乗っかっているということです。

それだけコンビニという業態も頭打ち感があるのですな。

■それにしても誰がコンビニのアイスクリームを買うのか。

昔の駄菓子屋のように、子供がコンビニでアイスクリームを買うという姿はあまり想像できません。

今のコンビニの主要顧客は高齢者です。つまり私を含む中高年の男女ということになります。

まず、コンビニの売り場で目立つのは、井村屋のあずきバーだとか、白くまアイスだとか、昔懐かしい商品です。

これを「ノスタルジー消費」というそうですね。

これらは、安定した売上を持つ定番商品なのでしょうが、その背景には、私のような中年男性が、昔から馴染みがあるという安心感があります。

飲酒の後、アイスクリームを食べたいと思う時、さすがに「ガリガリ君 ナポリタン味」には手が伸びません(ーー;

あれは見せ商品ですよ。

実際に売れるのは、昔から馴染んでいる商品や味だと思います。

いつしか私も飲酒後のアイスクリームに関して保守的になったもんですわ...

■もう一つの流れは、高級路線です。

ハーゲンダッツのような少し高級な商品もコンビニでは扱っています。

これは安いアイスクリームのケースではなく、違う場所にあることが多いようです。

夜食べる人のためにカロリーオフの商品もあるということは、やはり中高年や女性に向けた商品なんですね。

参考:「アイスクリーム市場」最新トレンド【1】ノスタルジック消費・ごほうび需要
http://president.jp/articles/-/13128

この高級路線は、夏場だけではなく、冬でも売れるという特徴があるので、コンビニにとってはおいしい商品です。

同じ定番商品なら、高級品の方が、棚効率がいいというものです。

■こうした定番品と高級品、話題品(ナポリタン味)、挑戦商品(野菜味)の組み合わせで、コンビニの売り場は成り立っているようです。

メーカー側から見れば、この4つの商品ジャンルの中のどこに席を持つかで売上が決まります。

大企業は大きな需要が見込める定番品に席を持とうとするでしょうし、小さな会社は高級品や話題品に活路を見出します。

定番品や高級品は確かにうまみがあるのですが、そのうちPB品が出てくるかも知れません。

メーカーも挑戦し続けないと、行き詰ってしまいますね。

■コンビニや量販店、スーパーのように効率性を重視するばかりでは、ジャンルが疲弊してしまいますね。

私としては、メーカーに頑張ってもらって、もっとバラエティ豊かなアイスクリーム文化を育ててほしい。

ということは、コンビニ以外の売り場を開拓する必要があります。

期待できるのは、グリコがやっているようなオフィスに冷蔵庫を置いて、アイスクリームを充填するような販売方法です。

あれは(多分)グリコの商品のみなのでしょうが、あらゆるメーカーのバラエティ豊かな品揃えを揃えてくれたらいいのになーと思います。

飲み屋の出口にそれを置いてくれたら、売れるんじゃないかなーー

だけどやはり、アイスクリームは子供にも食べてほしい。

スーパーで買ったパックのアイスを小分けで食べるばかりではなんとも味気ない。

昔の駄菓子屋のように、子供が硬貨を握って買いにいくような場所はないものでしょうか。

でもこういうのを中高年のノスタルジーっていうのでしょうね。

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