飛び火マーケティングの時代-GoPro

2013.10.17

(2013年10月17日メルマガより)


■前回のメルマガで、
iPhoneが相変わらず売れていることをお伝えしました。

参考:アップルは普通の企業になってしまった
http://www.createvalue.biz/column2/post-260.html

iPhoneに限らず、スマートフォンの売れ行きは凄まじいものがあります。

スマホ対応に乗り遅れた携帯電話の大手メーカーノキアが、端末機からの撤退を決めたほど。少し前までは、携帯電話端末機世界一だったノキアでさえスピードについていけなかったのです。

このように、今、多くの業界がスマホ対応に追われています。

■たとえばソニーは、スマートフォンに高級レンズをつけて「レンズだけのカメラ」と称するスマホを上梓しました。

参考:サムスンに"倍返し"できるのか?ソニーがカメラ技術で反撃開始(ダイヤモンド・オンライン)
http://diamond.jp/articles/-/42196

まあ、はっきり言って相当の奇策です。

誰が、レンズばかり目立つスマホをほしがるのか??

だけど、ソニーとすれば、これぐらいしかアップルやサムスンに対抗する手段がないので、賭けに出たというわけですな。

売れるか売れないかわかりません。たぶん売れない方の可能性が高いでしょうが、そのチャレンジ精神は尊重しなければなりません。

ソニーが追いつめられてこのような奇策に出なければならなくなったのは、デジタルカメラの市場をスマートフォンが食い荒らしているからです。

日経新聞の記事によれば、2012年のデジタルカメラの出荷台数は、前年比15%減の9810万台。

このうち、コンパクト機が多くを占めるレンズ一体型は同21.9%減の7800万台です。

さらにいうとレンズ一体型の2013年の予測は、6430万台と2012年に比べて、さらに17.6%減少する見込みとなっています。

あまりにも落ち込みのスピードが速い。

思えば、デジタルカメラの登場が、フィルム型カメラを駆逐してしまい、富士フィルムが業態転換せざるをえなくなったのが、つい10年前のことです。

そのデジタルカメラが、今度は駆逐されつつあるというのですから、市場の変化というのは非情です。

■ところがそんな衰退市場の中にあって、凄まじい勢いでシェアを伸ばしている機種があります。

それが「GoPro」というデジタルカメラです。ご存じでしょうか?

アメリカのベンチャー企業であるWoodman Labsが、2009年に発売した商品です。

まだ一般にはあまり知られていないでしょうね。

ところがこのカメラ、恐ろしい勢いで売れているようです。

なにしろ、シリーズ累計300万台を販売し、その価格が3~4万円と高い。

2012年の販売台数では、ソニーに次ぐ2位(13.7%)の位置にいるというのですから大したものです。

しかもその売れ方が、ユーザー参加型ともいうべきiPhoneのような売れ方をしているというのですから、これは興味があります。

参考:鴻海も投資 しぼむデジカメ市場の「革命児」、大ヒットの秘密(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK25033_V20C13A2000000/

参考:ビデオカメラの異端児「GoPro」、成功のからくり (日本経済新聞・有料会員限定)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK0301A_T01C13A0000000/

■GoProは、スポーツ時の撮影に特化した「アクションカメラ」といわれる商品です。

もともとは、創業者の趣味であったサーフィンの場面を撮るためのカメラを意図して制作されました。

だから軽量・コンパクト。身体やヘルメットに装着できるように設計されています。

サーフィンの時に撮影するので、防水は必須。その他、耐衝撃や防塵機能もついています。

逆に、デジカメの標準機能である手振れ防止やズームなどはありません。液晶モニターもありません。

コアなコンセプトやソフトウェアは自社設計ですが、それ以外は、ありもの部品を集めてくるので、結果として安く作ることができます。

営業の立場から言えば、スポーツ用品店などで販売するので、競合がなく、値段を高く設定することができます。(価格競争になるのは、競合他社がいるからです)

つまり、これは「安く作って高く売る」というメーカーの王道に沿った商品であるということです。

■最初は趣味的要素の強かった商品が、これほど拡大したのは、特定のコミュニティに「鋭く突き刺さった」からです。

サーフィンで波の中から見た風景を撮影するなど、どれだけ大掛かりなカメラ機材とプロの技術がいるのか分かりませんでした。

それがほんの2~3万円のカメラを買うだけで、簡単にできるようになったのですから、サーファーにとっては夢の商品です。

逆にいうと、趣味的な商品だったからこそ、サーフィンが好きな人の心をつかみました。

当初は、サーフィン好きな人たちが、楽しんで使用しているだけだったのでしょう。ところが、このカメラで撮った写真や動画がFACEBOOKやYOUTUBEに投稿されるうちに、評判が広がっていったようです。

人気は、他のスポーツ愛好者に飛び火して、燃え広がりました。

今では、スポーツだけではなく、テレビなどの制作現場でも広く使用されるようになったということです。

こうした売れ行きの経緯を見てみると、SNS時代の販売方法とはかくあるべしといいたくなりますね。

■ただし、特定のコミュニティから火がついて、燃え広がるという販売プロセスは、今に始まったことではありません。

鬼塚タイガー(現アシックス)のバスケットシューズ専用メーカーという最初の打ち出しは、この手法です。

バスケットボールの競技者に広がって、かれらの強いロイヤルティ(愛顧心)が、鬼塚タイガーのブランド力を支えました。

バスケットボール競技者のブランドに対する「共鳴」を見て、他スポーツの競技者も鬼塚タイガーに一目置くようになったのでしょう。

毛色は違いますが、格安チケットで売り出したHISも、海外と日本の内外価格差を利用するというマニアックというか身もふたもないというか少々うさんくさい商品仕入れの方法が、バックパッカーや学生に突き刺さり、ひいては低価格指向の顧客に広がっていきました。

つまり、特定のコミュニティに鋭く突き刺さる商品は、他のコミュニティに飛び火しやすいわけです。

さらに今は、SNSがあるので、特定のコミィニティのロイヤルティが拡散しやすくなっているといえます。

「アメトーク」が象徴しているのかもしれませんが、今は、ちょっとマニアックな趣味やファン心がウケて、拡散しやすい環境にあります。

(「あまちゃん」の人気も、こうした環境のなせるものだったと思いますね)

これはまさにランチェスター戦略のいう一点集中戦略です。

弱者の常套戦略である一点集中は、SNS時代に至って、さらに効果を大きくしているとこの事例は表しています。

いうなれば、飛び火マーケティングの時代になったということです。

■このGoProが面白いのは、ユーザー自身が、使い方を工夫して、自ら付加機能を開発しようという動きがあることです。

記事には、ラグビーボールの中にGoProを入れて撮影できるようにユーザーが開発を進めているとあります。

これは、アマゾンやグーグルといったweb2.0といわれたIT企業が得意とする拡大の手法で、自社技術をオープンにすることで、多くのユーザーや研究者の知恵を巻き込もうというやり方です。

同時に、これは初期のiPhoneにみられた分厚いファン層の盛り上がりに近いものがあると思わせます。

こうなってくると「アメトーク」で、GoPro好き芸人特集が企画されるのも近いと言いたくなりますな^^

■GoProの販売のポイントは、特定のコミュニティに鋭く突き刺さったというところです。

ニッチな、あるいはマニアックな需要層の共感や共鳴を得ると、ユーザーが、その商品に対する思い入れや使い方を拡散してくれます。

これはユーザー自身が、GoProにまつわる物語を作って、それを語る行為です。

物語は、拡散しやすい性質を持ちますので、そうなればしめたもの。盛り上がりは、飛び火していきます。

かつ今は、SNSの時代です。物語はより拡散しやすくなっています。

メーカー側は、その物語が飛び火したところを煽いで、燃え上がるような措置をとります。

GoProでいうと、周辺アクセサリの開発です。このメーカーは周辺アクセサリで儲けているので一石二鳥ですね。

逆に、飛び火を妨害するような行為はしてはいけません。

例えば、技術を囲い込んでクローズにしすぎたり、使い方を制限したりするような鎮火行為のことです。

■これはあらゆるビジネスで応用できるはずです。

先日のランチェスター戦略勉強会でも話し合ったのですが、参加者のビジネスにことごとく当てはめることができました。

ある特定の層に絞り込んで、そこに向けたビジネスを組み立てることで、より鋭く突き刺さるサービス展開が可能になります。

絞り込みすぎたら顧客がいなくなるという懸念はまるで杞憂でした

なぜなら我々は、そんなに大きなビジネスを展開しているわけではありません。特定の層に特化して十分に成り立ちます。

しかも、GoProの事例にみるように、絞り込んだ先には、実は大きな平野が開けています。

むしろ問題は、経年のうち、知らず知らずのうちに絞り込みが甘くなって、突き刺さるような鋭いサービスができなくなっていることでした。

まったくもって、絞り込みは拡散しやすい性質を持っていますね。

まさにエントロピーの法則通りですよ。

■大企業は、それなりの固定費を負担しなければならないので、GoProのような販売手法はとりにくいかも知れません。

社内で、サーフィン愛好者に向けて販売する、なんて企画書を出せば、「サーフィン愛好者って何人おるんや!」といって100%潰されるでしょうね。

出来ない理由を言っておけばとりあえずカッコはつきますし、リスクをとらないので失点もない。まさに大企業で出世するための王道パターンですよ。

しかし、きりもみのような一点集中から始めて、巨大市場を作り上げるというランチェスター戦略の手法を、通常のマーケティングの考え方で捨ててしまうのは、あまりにももったい。

大企業ができないのなら、中堅企業や中小企業の出番ですね。

固定費負担という大企業の最大の弱点をついた戦略展開を、中小企業がやらなくてどうするんだーーという話です。

■最初にソニーが「レンズだけのカメラ」を発売するという話をしました。

誰がそんなもの買うんだ??とバカにしましたが、実は密かに期待してもいます。

特定のコミュニティに突き刺さすというのは、本来、ソニーが得意としてきた売り方ではなかったでしょうか?

ウォークマンや、プレイステーションが売り出された時、誰がこんな巨大市場になると予測したことでしょうか。

どちらの商品も、担当者の強い思い、たぶんに趣味的でマニアックな思いが、反映されたものでした。

いつしかソニーも、組織構造に戦略を合わせる会社になってしまいましたが、今回の試みは、再び、戦略に組織の在り方を合わせようとするものだと期待しております

ソニーには、また台風の目になってもらって、市場をかきまわしてほしいものです。

それとともに、多くの中小企業が、あちこちで一点突破を果たし、戦国時代のような活力にあふれた大下剋上の時代を現出させてほしいと思います。

(2013年10月17日メルマガより)


■前回のメルマガで、
iPhoneが相変わらず売れていることをお伝えしました。

参考:アップルは普通の企業になってしまった
http://www.createvalue.biz/column2/post-260.html

iPhoneに限らず、スマートフォンの売れ行きは凄まじいものがあります。

スマホ対応に乗り遅れた携帯電話の大手メーカーノキアが、端末機からの撤退を決めたほど。少し前までは、携帯電話端末機世界一だったノキアでさえスピードについていけなかったのです。

このように、今、多くの業界がスマホ対応に追われています。

■たとえばソニーは、スマートフォンに高級レンズをつけて「レンズだけのカメラ」と称するスマホを上梓しました。

参考:サムスンに"倍返し"できるのか?ソニーがカメラ技術で反撃開始(ダイヤモンド・オンライン)
http://diamond.jp/articles/-/42196

まあ、はっきり言って相当の奇策です。

誰が、レンズばかり目立つスマホをほしがるのか??

だけど、ソニーとすれば、これぐらいしかアップルやサムスンに対抗する手段がないので、賭けに出たというわけですな。

売れるか売れないかわかりません。たぶん売れない方の可能性が高いでしょうが、そのチャレンジ精神は尊重しなければなりません。

ソニーが追いつめられてこのような奇策に出なければならなくなったのは、デジタルカメラの市場をスマートフォンが食い荒らしているからです。

日経新聞の記事によれば、2012年のデジタルカメラの出荷台数は、前年比15%減の9810万台。

このうち、コンパクト機が多くを占めるレンズ一体型は同21.9%減の7800万台です。

さらにいうとレンズ一体型の2013年の予測は、6430万台と2012年に比べて、さらに17.6%減少する見込みとなっています。

あまりにも落ち込みのスピードが速い。

思えば、デジタルカメラの登場が、フィルム型カメラを駆逐してしまい、富士フィルムが業態転換せざるをえなくなったのが、つい10年前のことです。

そのデジタルカメラが、今度は駆逐されつつあるというのですから、市場の変化というのは非情です。

■ところがそんな衰退市場の中にあって、凄まじい勢いでシェアを伸ばしている機種があります。

それが「GoPro」というデジタルカメラです。ご存じでしょうか?

アメリカのベンチャー企業であるWoodman Labsが、2009年に発売した商品です。

まだ一般にはあまり知られていないでしょうね。

ところがこのカメラ、恐ろしい勢いで売れているようです。

なにしろ、シリーズ累計300万台を販売し、その価格が3~4万円と高い。

2012年の販売台数では、ソニーに次ぐ2位(13.7%)の位置にいるというのですから大したものです。

しかもその売れ方が、ユーザー参加型ともいうべきiPhoneのような売れ方をしているというのですから、これは興味があります。

参考:鴻海も投資 しぼむデジカメ市場の「革命児」、大ヒットの秘密(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK25033_V20C13A2000000/

参考:ビデオカメラの異端児「GoPro」、成功のからくり (日本経済新聞・有料会員限定)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK0301A_T01C13A0000000/

■GoProは、スポーツ時の撮影に特化した「アクションカメラ」といわれる商品です。

もともとは、創業者の趣味であったサーフィンの場面を撮るためのカメラを意図して制作されました。

だから軽量・コンパクト。身体やヘルメットに装着できるように設計されています。

サーフィンの時に撮影するので、防水は必須。その他、耐衝撃や防塵機能もついています。

逆に、デジカメの標準機能である手振れ防止やズームなどはありません。液晶モニターもありません。

コアなコンセプトやソフトウェアは自社設計ですが、それ以外は、ありもの部品を集めてくるので、結果として安く作ることができます。

営業の立場から言えば、スポーツ用品店などで販売するので、競合がなく、値段を高く設定することができます。(価格競争になるのは、競合他社がいるからです)

つまり、これは「安く作って高く売る」というメーカーの王道に沿った商品であるということです。

■最初は趣味的要素の強かった商品が、これほど拡大したのは、特定のコミュニティに「鋭く突き刺さった」からです。

サーフィンで波の中から見た風景を撮影するなど、どれだけ大掛かりなカメラ機材とプロの技術がいるのか分かりませんでした。

それがほんの2~3万円のカメラを買うだけで、簡単にできるようになったのですから、サーファーにとっては夢の商品です。

逆にいうと、趣味的な商品だったからこそ、サーフィンが好きな人の心をつかみました。

当初は、サーフィン好きな人たちが、楽しんで使用しているだけだったのでしょう。ところが、このカメラで撮った写真や動画がFACEBOOKやYOUTUBEに投稿されるうちに、評判が広がっていったようです。

人気は、他のスポーツ愛好者に飛び火して、燃え広がりました。

今では、スポーツだけではなく、テレビなどの制作現場でも広く使用されるようになったということです。

こうした売れ行きの経緯を見てみると、SNS時代の販売方法とはかくあるべしといいたくなりますね。

■ただし、特定のコミュニティから火がついて、燃え広がるという販売プロセスは、今に始まったことではありません。

鬼塚タイガー(現アシックス)のバスケットシューズ専用メーカーという最初の打ち出しは、この手法です。

バスケットボールの競技者に広がって、かれらの強いロイヤルティ(愛顧心)が、鬼塚タイガーのブランド力を支えました。

バスケットボール競技者のブランドに対する「共鳴」を見て、他スポーツの競技者も鬼塚タイガーに一目置くようになったのでしょう。

毛色は違いますが、格安チケットで売り出したHISも、海外と日本の内外価格差を利用するというマニアックというか身もふたもないというか少々うさんくさい商品仕入れの方法が、バックパッカーや学生に突き刺さり、ひいては低価格指向の顧客に広がっていきました。

つまり、特定のコミュニティに鋭く突き刺さる商品は、他のコミュニティに飛び火しやすいわけです。

さらに今は、SNSがあるので、特定のコミィニティのロイヤルティが拡散しやすくなっているといえます。

「アメトーク」が象徴しているのかもしれませんが、今は、ちょっとマニアックな趣味やファン心がウケて、拡散しやすい環境にあります。

(「あまちゃん」の人気も、こうした環境のなせるものだったと思いますね)

これはまさにランチェスター戦略のいう一点集中戦略です。

弱者の常套戦略である一点集中は、SNS時代に至って、さらに効果を大きくしているとこの事例は表しています。

いうなれば、飛び火マーケティングの時代になったということです。

■このGoProが面白いのは、ユーザー自身が、使い方を工夫して、自ら付加機能を開発しようという動きがあることです。

記事には、ラグビーボールの中にGoProを入れて撮影できるようにユーザーが開発を進めているとあります。

これは、アマゾンやグーグルといったweb2.0といわれたIT企業が得意とする拡大の手法で、自社技術をオープンにすることで、多くのユーザーや研究者の知恵を巻き込もうというやり方です。

同時に、これは初期のiPhoneにみられた分厚いファン層の盛り上がりに近いものがあると思わせます。

こうなってくると「アメトーク」で、GoPro好き芸人特集が企画されるのも近いと言いたくなりますな^^

■GoProの販売のポイントは、特定のコミュニティに鋭く突き刺さったというところです。

ニッチな、あるいはマニアックな需要層の共感や共鳴を得ると、ユーザーが、その商品に対する思い入れや使い方を拡散してくれます。

これはユーザー自身が、GoProにまつわる物語を作って、それを語る行為です。

物語は、拡散しやすい性質を持ちますので、そうなればしめたもの。盛り上がりは、飛び火していきます。

かつ今は、SNSの時代です。物語はより拡散しやすくなっています。

メーカー側は、その物語が飛び火したところを煽いで、燃え上がるような措置をとります。

GoProでいうと、周辺アクセサリの開発です。このメーカーは周辺アクセサリで儲けているので一石二鳥ですね。

逆に、飛び火を妨害するような行為はしてはいけません。

例えば、技術を囲い込んでクローズにしすぎたり、使い方を制限したりするような鎮火行為のことです。

■これはあらゆるビジネスで応用できるはずです。

先日のランチェスター戦略勉強会でも話し合ったのですが、参加者のビジネスにことごとく当てはめることができました。

ある特定の層に絞り込んで、そこに向けたビジネスを組み立てることで、より鋭く突き刺さるサービス展開が可能になります。

絞り込みすぎたら顧客がいなくなるという懸念はまるで杞憂でした

なぜなら我々は、そんなに大きなビジネスを展開しているわけではありません。特定の層に特化して十分に成り立ちます。

しかも、GoProの事例にみるように、絞り込んだ先には、実は大きな平野が開けています。

むしろ問題は、経年のうち、知らず知らずのうちに絞り込みが甘くなって、突き刺さるような鋭いサービスができなくなっていることでした。

まったくもって、絞り込みは拡散しやすい性質を持っていますね。

まさにエントロピーの法則通りですよ。

■大企業は、それなりの固定費を負担しなければならないので、GoProのような販売手法はとりにくいかも知れません。

社内で、サーフィン愛好者に向けて販売する、なんて企画書を出せば、「サーフィン愛好者って何人おるんや!」といって100%潰されるでしょうね。

出来ない理由を言っておけばとりあえずカッコはつきますし、リスクをとらないので失点もない。まさに大企業で出世するための王道パターンですよ。

しかし、きりもみのような一点集中から始めて、巨大市場を作り上げるというランチェスター戦略の手法を、通常のマーケティングの考え方で捨ててしまうのは、あまりにももったい。

大企業ができないのなら、中堅企業や中小企業の出番ですね。

固定費負担という大企業の最大の弱点をついた戦略展開を、中小企業がやらなくてどうするんだーーという話です。

■最初にソニーが「レンズだけのカメラ」を発売するという話をしました。

誰がそんなもの買うんだ??とバカにしましたが、実は密かに期待してもいます。

特定のコミュニティに突き刺さすというのは、本来、ソニーが得意としてきた売り方ではなかったでしょうか?

ウォークマンや、プレイステーションが売り出された時、誰がこんな巨大市場になると予測したことでしょうか。

どちらの商品も、担当者の強い思い、たぶんに趣味的でマニアックな思いが、反映されたものでした。

いつしかソニーも、組織構造に戦略を合わせる会社になってしまいましたが、今回の試みは、再び、戦略に組織の在り方を合わせようとするものだと期待しております

ソニーには、また台風の目になってもらって、市場をかきまわしてほしいものです。

それとともに、多くの中小企業が、あちこちで一点突破を果たし、戦国時代のような活力にあふれた大下剋上の時代を現出させてほしいと思います。

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