廃業寸前の負け犬集団が、常勝軍団に生まれ変わったわけ

2015.12.17

(2015年12月17日メルマガより)


■10月30日に発売した初めての著作が、売れ行き好調です。


『「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語』
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4827209693/lanchesterkan-22/ref=nosim

11月30日には、第2刷が発行されました。

無名の著者の本が、増刷がかかるというのもたいへんなことです。

実は、昨日まで東京にいましたので、書店をいくつか訪ねてみました。

さすがに発売直後と同じように並んでいるわけではありませんが、それでも大きめの本屋さんには、平積みや面で陳列されていました。

本当に有難いことです。

こちらの方が、奇跡じゃないのか、と思えるほどです^^;

■出版元のぱる出版によると、大手企業による100冊単位のまとめ買いもあるのだとか。

社内研修などで使用されるのでしょうか。

本当に有難いと思います。

いつでも講演に伺いますので、ぜひ呼んでくださいね^^

■私の知り合いの企業様も、従業員に配布したいからとまとめ買いされたとお聞きしました。

話をお聞きしてみると、営業マンたちがやる気を出して一体化していくプロセスに感心し、それを社内の人たちに汲み取ってほしいと仰っていました。

本当にありがとうございます。

これぞまさに私が、この著書で書きたかったことでした。

■ちなみに、この本は、大手工業用ガスメーカー(日本酸素)の中の小さな傍流事業部(サーモス事業部)が、廃業寸前の状態から営業改革をなしとげ、世界トップ企業(サーモス株式会社)になっていく姿を描いたビジネス小説です。

主人公の成長、チームの団結とビジネスの成功を描きながら、戦略をどのようにして実践につなげていくのかを事実に即して書いています。

成功譚を語るビジネス小説でもあり、成功に至るビジネスメソッドを学ぶ本でもあるという二度おいしい著作となっております^^

■ただ、私が、この本をビジネスの解説本ではなく、小説形式にこだわったのは、プロセスを臨場感をもって受け取ってほしかったからです。

なぜなら、戦略やメソッドといわれるものは、意外に単純なものです。

いや、単純でなければ、実行できません。(だから複雑なメソッドは役に立ちません)

そのシンプルな戦略をいかにして確実に実行するかが、企業戦略の成否を分けます。

■しかしシンプルだからといって、実行されるとは限りません。

そこは人間の集団です。理屈では測れない複雑な感情や思惑で動くもの。

もし集団が一方向へ照準を合わせることができれば、凄まじいエネルギーとなります。

が、たいてい、人はバラバラな方向へエネルギーを発散させているものです。

それをほんの少しベクトルを合わせることで、企業は前身していきます。

そのプロセスを、この著書で書かせていただきました。

■物語では、チームのメンバーが、前を向くきっかけとして「目標」の存在があげられています。

それまで、サーモス事業部は赤字続きのダメ組織でした。見込みのあるやつらは、本業のガス事業部に引っ張られていって、残ったのは使えない「負け犬」ばかりという設定です。

どうせ自分たちはダメなんだと愚痴ばかり言っていた連中を、一方向へ向かせたのは、「世界トップ企業になる」という目標でした。

目標設定は、戦略づくりの第一歩です。

そもそも目標がなければ戦略さえ作ることができません。

だが、それ以上に重要なのは、目標は、メンバーの目線を一方向にむけるという効果があるということです

すなわち有効な目標は、それだけでチームのパワーを引き出すものなのです。

■ただし、現実には、目標があったからといって、皆がやる気を出すというわけではありません。

目標設定にも注意が必要です。

前年比105%なんて目標なら当たり前すぎてやる気にもなりません。

それはただのルーティンですな。

かといってあまりにも荒唐無稽な目標は逆に皆のやる気を削いでしまいます。

道は遠いが、やればできる。

あるいは、はるかかなたのゴールだが、皆が向かっていくべきだ。

そう思えるような目標でなければなりません。

■なぜサーモスにいた私たちは「世界一になる」という目標を自分たちのものとして受け入れることができたのか。

その当時のリーダーが、それほどカリスマ性があって皆を扇動したのか?

といえば、そうではありません。

サーモスには、今も昔も、そのようなタイプのリーダーはいないはずです。

ではどうしたのか?

著書には、あっさりと書かれているので、見逃されているかも知れませんが、実は、目標を決める前にも、小さな勝利を積み重ねることで、徐々に負け犬根性を払しょくしていたのです。(73ページあたりです)

■負け犬とは、負けるから負け犬です。

業績が下降する企業内には、そのような雰囲気が蔓延しています。

何をやってもうまくいかない。頑張るだけ無駄。それなら最初から本気でやらない方が傷つかずに済む。

それが負け犬の思考パターンでしょう。

そんな時に、高い目標を与えれば、皆ひねくれてそっぽを向くのは目に見えています。

ところが、たとえ小さくても成功体験を積み重ねれば、同じだけ自信も積み上ります。

大勢に影響を与えない局所的な勝利でも、人材育成という意味では実に大きな影響を持つものです。

そういう意味では、「弱者の戦略」を積み重ねることは、実に意味のあることなのです。

■当時のサーモスは、一足飛びにトップに立てるような状況ではありませんでした。

しかし、市場を小さく切り取って「局面」として捉えれば、勝てる場面は見つかるものです。

そんな小さなところで勝ってもしゃあないよとバカにするのか。

あるいは、与えられた条件の中で、どうにかして勝ちを拾っていくのか。

どちらが10年後に勝利者になっているのかは明白です。

■著作の中に書きましたが、当時、サーモスを指して「魔法瓶なんて小さいビジネスを真剣にやって何になる?」と小馬鹿にする人たちはいっぱいいました。

サーモス外にも、内部にもいました。

そういう人たちはいったいどうなったのでしょうか?

生々しいので言及は避けますが、想像に難くないと思います。

■そんな小さな勝利を積み重ねた私たちが、自分が進む道の果てには世界トップという地平がある、とイメージするのは自然なことです。

どんな大きな目標も今日の小さな一歩を積み重ねた先にたどり着けるものです。

最初は非効率で時間がかかっても仕方ありません。徐々に、効率的に動くコツを覚えて、歩幅も大きくなっていきます。

歩くスピードは加速度的に速くなっていきます。

そのためには、勝つこと。

勝って、前に進む自信を持つことです。

■戦略と実行は、どちらが欠けてもダメです。

戦略は実行のためにあり、実行はさらに大きな戦略を可能にします。

勝てる局面で確実に勝つ。

実に単純な思考ですが、これこそ戦略ポジションの上昇と人材リソースの高度化を同時に成し遂げられる非常に優れた思考法であるといえるでしょう。

そんな一人一人の前向きな気持ちの積み重ねが、実際に、会社を世界トップ企業にまで導いていったのです。

そのメカニズムとプロセスが、あの著書でお伝えできていれば幸いです。

(2015年12月17日メルマガより)


■10月30日に発売した初めての著作が、売れ行き好調です。


『「廃業寸前」が世界トップ企業になった奇跡の物語』
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4827209693/lanchesterkan-22/ref=nosim

11月30日には、第2刷が発行されました。

無名の著者の本が、増刷がかかるというのもたいへんなことです。

実は、昨日まで東京にいましたので、書店をいくつか訪ねてみました。

さすがに発売直後と同じように並んでいるわけではありませんが、それでも大きめの本屋さんには、平積みや面で陳列されていました。

本当に有難いことです。

こちらの方が、奇跡じゃないのか、と思えるほどです^^;

■出版元のぱる出版によると、大手企業による100冊単位のまとめ買いもあるのだとか。

社内研修などで使用されるのでしょうか。

本当に有難いと思います。

いつでも講演に伺いますので、ぜひ呼んでくださいね^^

■私の知り合いの企業様も、従業員に配布したいからとまとめ買いされたとお聞きしました。

話をお聞きしてみると、営業マンたちがやる気を出して一体化していくプロセスに感心し、それを社内の人たちに汲み取ってほしいと仰っていました。

本当にありがとうございます。

これぞまさに私が、この著書で書きたかったことでした。

■ちなみに、この本は、大手工業用ガスメーカー(日本酸素)の中の小さな傍流事業部(サーモス事業部)が、廃業寸前の状態から営業改革をなしとげ、世界トップ企業(サーモス株式会社)になっていく姿を描いたビジネス小説です。

主人公の成長、チームの団結とビジネスの成功を描きながら、戦略をどのようにして実践につなげていくのかを事実に即して書いています。

成功譚を語るビジネス小説でもあり、成功に至るビジネスメソッドを学ぶ本でもあるという二度おいしい著作となっております^^

■ただ、私が、この本をビジネスの解説本ではなく、小説形式にこだわったのは、プロセスを臨場感をもって受け取ってほしかったからです。

なぜなら、戦略やメソッドといわれるものは、意外に単純なものです。

いや、単純でなければ、実行できません。(だから複雑なメソッドは役に立ちません)

そのシンプルな戦略をいかにして確実に実行するかが、企業戦略の成否を分けます。

■しかしシンプルだからといって、実行されるとは限りません。

そこは人間の集団です。理屈では測れない複雑な感情や思惑で動くもの。

もし集団が一方向へ照準を合わせることができれば、凄まじいエネルギーとなります。

が、たいてい、人はバラバラな方向へエネルギーを発散させているものです。

それをほんの少しベクトルを合わせることで、企業は前身していきます。

そのプロセスを、この著書で書かせていただきました。

■物語では、チームのメンバーが、前を向くきっかけとして「目標」の存在があげられています。

それまで、サーモス事業部は赤字続きのダメ組織でした。見込みのあるやつらは、本業のガス事業部に引っ張られていって、残ったのは使えない「負け犬」ばかりという設定です。

どうせ自分たちはダメなんだと愚痴ばかり言っていた連中を、一方向へ向かせたのは、「世界トップ企業になる」という目標でした。

目標設定は、戦略づくりの第一歩です。

そもそも目標がなければ戦略さえ作ることができません。

だが、それ以上に重要なのは、目標は、メンバーの目線を一方向にむけるという効果があるということです

すなわち有効な目標は、それだけでチームのパワーを引き出すものなのです。

■ただし、現実には、目標があったからといって、皆がやる気を出すというわけではありません。

目標設定にも注意が必要です。

前年比105%なんて目標なら当たり前すぎてやる気にもなりません。

それはただのルーティンですな。

かといってあまりにも荒唐無稽な目標は逆に皆のやる気を削いでしまいます。

道は遠いが、やればできる。

あるいは、はるかかなたのゴールだが、皆が向かっていくべきだ。

そう思えるような目標でなければなりません。

■なぜサーモスにいた私たちは「世界一になる」という目標を自分たちのものとして受け入れることができたのか。

その当時のリーダーが、それほどカリスマ性があって皆を扇動したのか?

といえば、そうではありません。

サーモスには、今も昔も、そのようなタイプのリーダーはいないはずです。

ではどうしたのか?

著書には、あっさりと書かれているので、見逃されているかも知れませんが、実は、目標を決める前にも、小さな勝利を積み重ねることで、徐々に負け犬根性を払しょくしていたのです。(73ページあたりです)

■負け犬とは、負けるから負け犬です。

業績が下降する企業内には、そのような雰囲気が蔓延しています。

何をやってもうまくいかない。頑張るだけ無駄。それなら最初から本気でやらない方が傷つかずに済む。

それが負け犬の思考パターンでしょう。

そんな時に、高い目標を与えれば、皆ひねくれてそっぽを向くのは目に見えています。

ところが、たとえ小さくても成功体験を積み重ねれば、同じだけ自信も積み上ります。

大勢に影響を与えない局所的な勝利でも、人材育成という意味では実に大きな影響を持つものです。

そういう意味では、「弱者の戦略」を積み重ねることは、実に意味のあることなのです。

■当時のサーモスは、一足飛びにトップに立てるような状況ではありませんでした。

しかし、市場を小さく切り取って「局面」として捉えれば、勝てる場面は見つかるものです。

そんな小さなところで勝ってもしゃあないよとバカにするのか。

あるいは、与えられた条件の中で、どうにかして勝ちを拾っていくのか。

どちらが10年後に勝利者になっているのかは明白です。

■著作の中に書きましたが、当時、サーモスを指して「魔法瓶なんて小さいビジネスを真剣にやって何になる?」と小馬鹿にする人たちはいっぱいいました。

サーモス外にも、内部にもいました。

そういう人たちはいったいどうなったのでしょうか?

生々しいので言及は避けますが、想像に難くないと思います。

■そんな小さな勝利を積み重ねた私たちが、自分が進む道の果てには世界トップという地平がある、とイメージするのは自然なことです。

どんな大きな目標も今日の小さな一歩を積み重ねた先にたどり着けるものです。

最初は非効率で時間がかかっても仕方ありません。徐々に、効率的に動くコツを覚えて、歩幅も大きくなっていきます。

歩くスピードは加速度的に速くなっていきます。

そのためには、勝つこと。

勝って、前に進む自信を持つことです。

■戦略と実行は、どちらが欠けてもダメです。

戦略は実行のためにあり、実行はさらに大きな戦略を可能にします。

勝てる局面で確実に勝つ。

実に単純な思考ですが、これこそ戦略ポジションの上昇と人材リソースの高度化を同時に成し遂げられる非常に優れた思考法であるといえるでしょう。

そんな一人一人の前向きな気持ちの積み重ねが、実際に、会社を世界トップ企業にまで導いていったのです。

そのメカニズムとプロセスが、あの著書でお伝えできていれば幸いです。

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