"営業嫌い"は会社の責任だ

2006.05.11


(2006年5月11日メルマガより)

■みなさん、営業っていう仕事は好きですか?


■営業研修の時なんかに、よく、こういう質問をします。私は必ずします。

営業研修に参加するのは、新人営業が多いですね。あとは、ベテラン社員だ
けど、最近、営業に回された人とか。

みんな、どういう反応だと思います?


■ほとんどの場合、全員がこう言います。

「営業は嫌いです」


■はっきり言わない人も多いですが、恥ずかしそうに笑ったり、首をかしげ
たり。趣旨は「キライ」ということです。


■たまに、変わり者もいます。

「ぼくは好きです!」なんて、先頭で手を上げたりして。

そう、変わり者です。

無理してるのか、ポジティブシンキングを心がけているのか、営業をマスタ
ーして起業しようという魂胆があるのか。。。まあ、例外ですね。


■もっとも、私も現役時代、営業なんて好きじゃありませんでしたから、状
況を危惧しているわけでも何でもありません。普通のことです。


■はっきり言って、若い営業、経験の浅い営業が、営業嫌いになるのは、会
社の責任です。

私の思うところ、

1.思い込み

2.失敗体験

3.ホッタラカシ

この3連発で、若い社員は営業嫌いになり、早晩、営業部から消えていきま
す。


■1の思い込みとは「食わず嫌い」という奴です。

私が社会人になった頃は

「二流大学出身者が一流企業に入れば、必ず営業に回される」とか、

「東大出身者が"営業に行きたい"と申し出たら、"そんなのは、地方大学
のやつらにやらせるからいいよ"と言われた」とか、

都市伝説みたいな噂が飛び交っていました。

今はどうなんでしょうね?

つまり「営業は汚れ仕事だ」「左遷だ」「特別鈍感な特異体質の人がやる仕
事だ」などといった意識が一般の社員の底流にあるのではないでしょうか。

もともと日本は製造業が強い国であり、技術職の活躍が目立ってきたという
事情もありますから、仕方ないことなのかも知れませんが。

でも食わず嫌いは残念なことです。


■2の失敗体験。

多くの企業は、若い営業に「新規開拓」を担当させようとします。

営業の厳しさや顧客との機微、営業活動のダイナミズムを経験させようとい
うことなのかも知れません。

でも、これで大勢の若手がつぶされていきます。

なぜなら、新規開拓は失敗する確率が高い。ルート営業よりも、つらい目に
あうことが圧倒的に多いのです。

短期の研修で、新規開拓をさせるのはいいのですが、私の知る限り、2,3
年目の若手に新規開拓を担当させる例は目立ちます。

逆に言うと、ベテランが、楽なルート営業を既得権として放したがらないと
いうことです。

古参営業が、自分が苦労して育てた得意先に愛着があるのは当然でしょう。

だけど、経験もノウハウも度胸もあるベテラン社員は、本来は厳しい仕事を
するべきです。

私がいた前の会社では、"営業の天才"と異名をとる古参社員が、新規開拓
もクレーム処理も債権管理もみんな"若いやつ"にやらせて、自分は優良顧
客の御用聞き営業みたいなことをしていました。「この客はおれにしか扱え
ん」とか言いながら、実態は馴染みの担当者とつるんで遊んでいるだけ。

技術部から天下りのようにしてきた上司は、営業のことがわからないもので
すから「彼は、顧客によく溶け込んでいる」とか、寝ぼけたことを言ってい
ました。実際には、うるさ型の実力者の機嫌を損ねたくなかっただけなので
しょうが。。

その影で、若い営業が何人つぶれていったか。。。

新人営業にいきなり失敗体験を強要するようなマネジメントをすることが、
会社のためになるのでしょうか?


■3のホッタラカシ。

新人が悩んでいても、苦しんでいても、放置状態。。成績が悪ければ叱責し
たり、蔑視したり。。

かくして若手営業は、営業本来の意義や楽しさを知る前に、決定的に刷り込
まれてしまいます。「おれは、営業には向いてないよ」

これで、営業を好きになれと言う方がおかしい。

「バカな部下はいらない。優秀な奴だけ残ればいい」とうそぶく営業リーダ
ーがいましたが、彼こそ大バカです。

ライオンじゃあるまいし、子供を千尋の谷に突き落として、上ってくるのを
待つとでも言うのでしょうか。

採用にかけたコストを溝に捨てるような行為を平気でやる救いがたい計数感
覚です。

はっきり言って、これは、単に、そのリーダーに能力がないだけ。自分が勘
と経験と根性で生きてきたから、どうやって指導すればいいか分からないん
ですね。

こういう人は将校になってはいけない。ずーーーと兵隊でいなければならな
い。


■要するに、会社は営業に関しては、ノープラン、ノーアイデア。

完全に、営業という業務をブラックボックス化してしまい、特定の人々に任
せたという状態です。

これでは、若手営業を育てることもままならず、会社としての営業力を上げ
ることなど出来やしない。


■ではどうすればいいのか?


■難しいことではありません。

上の1,2,3は、結局、会社が営業に対して、「戦略」「管理」「実践」
をまじめに考えてこなかったことを表しています。


■営業マンを育成し、チームとしての営業力を上げるためには、SMPが必
要だと私は考えています。

SMPとは

Strategy(戦略)

Management(管理)

Practice(実践)

のこと。


■なにも特殊なことを言っているわけではありません。多くの営業やマーケ
ティングの理論が言っていることをまとめただけです。

いろんな営業チームや、営業マンを見てきて、最近、つくづくSMPが必要
だなあと思います。

なにしろ、勘、経験、根性という3Kが信頼できなくなった今、新たな指針
が必要です。

それがSMPだといいたいのです。

これらを理解し、バランスよく導入することが、営業力アップの秘訣だと言
えます。


■SMPのことをもう少し、分かりやすく言う必要がありますね。

ただ、長くなりますので、次回に続きます。。。


(2006年5月11日メルマガより)

■みなさん、営業っていう仕事は好きですか?


■営業研修の時なんかに、よく、こういう質問をします。私は必ずします。

営業研修に参加するのは、新人営業が多いですね。あとは、ベテラン社員だ
けど、最近、営業に回された人とか。

みんな、どういう反応だと思います?


■ほとんどの場合、全員がこう言います。

「営業は嫌いです」


■はっきり言わない人も多いですが、恥ずかしそうに笑ったり、首をかしげ
たり。趣旨は「キライ」ということです。


■たまに、変わり者もいます。

「ぼくは好きです!」なんて、先頭で手を上げたりして。

そう、変わり者です。

無理してるのか、ポジティブシンキングを心がけているのか、営業をマスタ
ーして起業しようという魂胆があるのか。。。まあ、例外ですね。


■もっとも、私も現役時代、営業なんて好きじゃありませんでしたから、状
況を危惧しているわけでも何でもありません。普通のことです。


■はっきり言って、若い営業、経験の浅い営業が、営業嫌いになるのは、会
社の責任です。

私の思うところ、

1.思い込み

2.失敗体験

3.ホッタラカシ

この3連発で、若い社員は営業嫌いになり、早晩、営業部から消えていきま
す。


■1の思い込みとは「食わず嫌い」という奴です。

私が社会人になった頃は

「二流大学出身者が一流企業に入れば、必ず営業に回される」とか、

「東大出身者が"営業に行きたい"と申し出たら、"そんなのは、地方大学
のやつらにやらせるからいいよ"と言われた」とか、

都市伝説みたいな噂が飛び交っていました。

今はどうなんでしょうね?

つまり「営業は汚れ仕事だ」「左遷だ」「特別鈍感な特異体質の人がやる仕
事だ」などといった意識が一般の社員の底流にあるのではないでしょうか。

もともと日本は製造業が強い国であり、技術職の活躍が目立ってきたという
事情もありますから、仕方ないことなのかも知れませんが。

でも食わず嫌いは残念なことです。


■2の失敗体験。

多くの企業は、若い営業に「新規開拓」を担当させようとします。

営業の厳しさや顧客との機微、営業活動のダイナミズムを経験させようとい
うことなのかも知れません。

でも、これで大勢の若手がつぶされていきます。

なぜなら、新規開拓は失敗する確率が高い。ルート営業よりも、つらい目に
あうことが圧倒的に多いのです。

短期の研修で、新規開拓をさせるのはいいのですが、私の知る限り、2,3
年目の若手に新規開拓を担当させる例は目立ちます。

逆に言うと、ベテランが、楽なルート営業を既得権として放したがらないと
いうことです。

古参営業が、自分が苦労して育てた得意先に愛着があるのは当然でしょう。

だけど、経験もノウハウも度胸もあるベテラン社員は、本来は厳しい仕事を
するべきです。

私がいた前の会社では、"営業の天才"と異名をとる古参社員が、新規開拓
もクレーム処理も債権管理もみんな"若いやつ"にやらせて、自分は優良顧
客の御用聞き営業みたいなことをしていました。「この客はおれにしか扱え
ん」とか言いながら、実態は馴染みの担当者とつるんで遊んでいるだけ。

技術部から天下りのようにしてきた上司は、営業のことがわからないもので
すから「彼は、顧客によく溶け込んでいる」とか、寝ぼけたことを言ってい
ました。実際には、うるさ型の実力者の機嫌を損ねたくなかっただけなので
しょうが。。

その影で、若い営業が何人つぶれていったか。。。

新人営業にいきなり失敗体験を強要するようなマネジメントをすることが、
会社のためになるのでしょうか?


■3のホッタラカシ。

新人が悩んでいても、苦しんでいても、放置状態。。成績が悪ければ叱責し
たり、蔑視したり。。

かくして若手営業は、営業本来の意義や楽しさを知る前に、決定的に刷り込
まれてしまいます。「おれは、営業には向いてないよ」

これで、営業を好きになれと言う方がおかしい。

「バカな部下はいらない。優秀な奴だけ残ればいい」とうそぶく営業リーダ
ーがいましたが、彼こそ大バカです。

ライオンじゃあるまいし、子供を千尋の谷に突き落として、上ってくるのを
待つとでも言うのでしょうか。

採用にかけたコストを溝に捨てるような行為を平気でやる救いがたい計数感
覚です。

はっきり言って、これは、単に、そのリーダーに能力がないだけ。自分が勘
と経験と根性で生きてきたから、どうやって指導すればいいか分からないん
ですね。

こういう人は将校になってはいけない。ずーーーと兵隊でいなければならな
い。


■要するに、会社は営業に関しては、ノープラン、ノーアイデア。

完全に、営業という業務をブラックボックス化してしまい、特定の人々に任
せたという状態です。

これでは、若手営業を育てることもままならず、会社としての営業力を上げ
ることなど出来やしない。


■ではどうすればいいのか?


■難しいことではありません。

上の1,2,3は、結局、会社が営業に対して、「戦略」「管理」「実践」
をまじめに考えてこなかったことを表しています。


■営業マンを育成し、チームとしての営業力を上げるためには、SMPが必
要だと私は考えています。

SMPとは

Strategy(戦略)

Management(管理)

Practice(実践)

のこと。


■なにも特殊なことを言っているわけではありません。多くの営業やマーケ
ティングの理論が言っていることをまとめただけです。

いろんな営業チームや、営業マンを見てきて、最近、つくづくSMPが必要
だなあと思います。

なにしろ、勘、経験、根性という3Kが信頼できなくなった今、新たな指針
が必要です。

それがSMPだといいたいのです。

これらを理解し、バランスよく導入することが、営業力アップの秘訣だと言
えます。


■SMPのことをもう少し、分かりやすく言う必要がありますね。

ただ、長くなりますので、次回に続きます。。。

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代表者・駒井俊雄が発行するメルマガ「営業は売り子じゃない!」
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