「いい商品」って何ですか?

2011.07.14

(2011年7月14日メルマガより)


■いい商品は売れる。。。と素直に信じられるならビジネスは分りやすいで
すね。

しかし、実際には、そう単純ではありません。いい商品なのに、売れる場合
もあれば、それほど優れているとは言い難いのに、よく売れる商品もありま
す。

こういう状況では、結局は売れた商品がいい商品なんだ!と決めてしまいた
くなりますね。

まるで、勝った方が正義なんだ!とうそぶくファンタジー映画の悪役のよう
ですが^^;

■かといって、売れない商品でも売るのが営業だ!などと言われたら困ります。

大前研一氏も「売れない商品でも売る」「文句も言わずに売る」というのは
アマチュア営業だ!と看過しています。

前回のメルマガにも書きましたが、営業はその在り様を突き詰めれば突き詰
めるほど、顧客側に組することになり、会社のエゴとは反する存在になって
いきます。

(参考)「カリスマ営業を有難がっても仕方ないでしょう」

「なんで、会社の都合を顧客に押し付けないとダメなんだ!」とまともな営
業は考えます。

思えば、私も、会社員時代は、こうした顧客志向と会社都合の狭間で悩んだ
ものでした。

例えば、もうすぐ新製品が出ると分っているのに、その情報を隠して旧製品
の在庫を売らなければならない時などです。

いい会社でしたけど、やはり一部の上司は、会社の言うこと聞くのが会社員
の務めだ!と言って、1ヵ月後には顧客が「一杯食わされた!」と思うよう
な商品を販売させようとしていました。

高圧的に来る上司の言うことは「お前の言うことなんか聞くかーー」と無視
していましたが、中には上手い人もいるんですね。

「駒井君、納得いかんのは分るけど、ぼくもツラいんや。何とか協力してく
れへんか。この通りや」と言われたら、さすがに悩みました。

単に指示の出し方の問題であって、内容は同じことなんですけどね...

■ピーター・ドラッカーは「マーケティングは、セリングを不要にすること
である」と発言しています。

この場合、セリングとは「売り込む、売りさばく、無理に売る」というニュ
アンスで捉えればいいのでしょう。

つまり、マーケティングの理論に従うなら、営業が「売れないものでも売る」
などと馬鹿な行動に走らなくても、売れていく状態を作ることができるはず
なのです。

でも、どうすればいいのでしょうか?

■まず言えることは、マーケティングは、単に「商品を売る」という行為だ
けを扱っていません。

1.事業の存在意義を明らかにする。目的を明確にする。(事業ミッション)

2.事業をとりまく環境を調べ分析する。(経営環境分析)

3.事業が向かう方向性を明確にする。(STP・事業ドメイン)

4.とるべき施策を具体化する。(マーケティング・ミックス)

5.行動、検証、再計画化を管理する。(PDCA)

というプロセスから成り立っています。

その具体的な施策も、商品だけではなく、価格、チャネル、プロモーション
にまで至ります。(4P)

だから商品さえよければ売れる、なんてことは、相当偏った意見だというこ
とになります。

このプロセスを回すことこそが「セリングを不要にする」ことにつながります。

ただ、ここまで話を広げてしまうと、このメルマガが終わらなくなってしま
うので、今回は書きません。

ご興味のある方は、ぜひ私の「マーケティング戦略セミナー」を受講くださ
い^^(といいながら予定はありませんが...)

■今日は、話を商品のことに絞りたいと思います。

そもそも「いい商品」とは何だろうか??

当然ながら、売り手側が考えるいい商品ではありません。買い手がいい商品
だと思わなければなりません。

買い手は、つまりお客さんは、どういう時に、それをいい商品だと思うので
しょうか?

■私は、ここに4つの要素があると考えています。

顧客がそれをいい商品だと思う4つの要素です。

まず1。

その商品が、顧客の欲求を満たす、あるいは悩みを解決するものであること。
言い換えれば、顧客の問題解決につながるもの。ということです。

これはまさに王道です。

マーケティング理論では、商品の本質は「問題解決のパッケージ」であると
考えます。

我々は、何かを購入する時、商品そのものを所有したいという動機を持つこ
とは稀です。

殆どの場合、その商品を活用することで、自分の悩みや欲求を解消しようと
期待しています。

有名な言葉ですが「1/4インチのドリルを買った者は、1/4インチの穴
を買ったのである」byセオドア・レビット。

顧客の問題を解決することができる商品は、その顧客にとって「いい商品」
であることは間違いありません。

■その2。

今、すぐに買いたい。というタイミングを捉えたものであること。

これが、いわゆる"緊急性"です。

砂漠の中での一杯の水は明らかにいい商品です。停電の中の懐中電灯もそう
です。

ガソリンがなくなりかけている時のガソリンスタンド。車検が切れかけてい
る時の車検サービス。

これほど分りやすい例ではなくても、人はそれぞれ、その商品がどうしても
欲しいというタイミングがあります。

テレビで好きなタレントが着ている服を見た時のネットサイトでも結構です。

タイミングによって凡庸な商品がいい商品に変わる時があります。

■以上の1と2に共通しているのは、一律ではないということ。顧客によっ
て千差万別です。

ここに昔のようにビジネスが単純ではなくなった理由があります。

要するに、成熟した日本市場において、人びとの欲求や悩みが多様化してい
るわけです。

今の東南アジアのように成長していた時期が日本にもありました。その頃な
らば、多くの人びとの価値観は、今より豊かになりたい、アメリカのような
生活水準に追いつきたい。ということで集合化することができましたが、今
はそうはいきません。

価値観も多様であれば、生き方も、抱える問題も多様となっています。

だから、営業が最も力を入れるべき仕事は「ヒアリング」です。顧客が何を
問題としているのか、顧客はどのタイミングで何を欲しいと感じているのか。
それを知ることが販売につながります。

■前回のメルマガにも書いたことですが、売れる営業、トップ営業、カリス
マ営業と言われる人たちは、一様に顧客の立場になって考えることを徹底し
ています。

押しが強いだけの営業がダメになったのは、成熟市場の現状を端的に表して
います。

今の顧客は、消費者も法人の購買担当者も含めて「所有したい」「皆も買っ
ているものだから」という理由では動きません。

複雑で多様化した顧客ニーズを満たすような商品だけが「いい商品」と認識
されるのです。

しかも、それは個人によって違う。100人の人が集まれば、100通りの
いい商品が存在するという難しさです。

■複雑な顧客の要望や悩みを吸い上げるのは、営業しかありません。

つまり、営業がいなければ、いい商品を作ることなど到底不可能なのです。

孫子は「国家にとって、用間(スパイ)こそ最も重要である」と言いました
が、まさに「企業にとって、(情報を集めてくる)営業こそ最も重要である」
というべきなのです。

■では、営業はひたすら顧客の御用聞きとなってヒアリングに徹するべきな
のか?

と言われれば、それも極端な意見です。

「近江商人の商売十訓」には「無理に売るな、客の好むものも売るな、客の
ためになるものを売れ」というくだりがありますが、これは現代にもそのま
ま通用する営業への教えとなります。

つまり、営業はただ単に顧客の目先の欲求を叶えるだけでは長期的には信用
されない。顧客自身も気づいていないような真の問題を解決するように心が
けよ、という教えです。

問題解決を行うためには、単なる御用聞きでは通用しません。やはり、顧客
のパートナーとして、対等の立場でヒアリングをする姿勢が必要です。

■私は、アプローチ、ヒアリング、プレゼンテーション、クロージングとい
う営業行動プロセスの中では、ヒアリングを最も重視すべきだと考えています。

それが「セリングを不要にする」ことにつながるからです。

ただし、本来、営業活動の見せ場だと考えられているプレゼンテーションの
場面でも、営業ができることは少なくありません。

顧客がそれをいい商品だと思う4つの要素。

その3。

希少性があること。

他にない。自社にしかない。という価値は、何にも代えがたいものです。

いくら前の1,2によっていい商品だと認識されたとしても、それがライバ
ル会社にもあるようなものであれば、結局は価格競争に持ち込まれてしまい
ます。

しかし、自社にしかない。という価値は、競争しようがありません。

だからこそ、メーカーは差別化しようとしますし、ベンダーは他にない商品
を仕入れようとします。

営業は、それを強く意識して、プレゼンテーションに臨まなければなりません。

全くのコピー商品ならともかく、どんな商品にもオリジナリティはあります。

どんなにありふれていると思える商品でも、どこかに他にはない特長がある
ものです。

営業が自社の商品に飽きていたのでは、顧客も買う気持ちにはならないでし
ょう。

どの方向から光を当てると、オリジナリティのある希少性に優れた商品と捉
えることができるのかを考え、それを提示しなければなりません。

もし、希少性が全くないのなら、どうすれば希少性を付加できるかを会社の
開発に意見すべきです。

上にも書きましたが、顧客のことを最も知っているのは、営業なのですから、
それが意見を上げない限り、会社は動きません。

■その4。

ストーリーがあること。

ここにこそ、営業の力が最大限発揮されるべきです。

ストーリーとは、その商品や会社自身の歴史、開発秘話、思いやビジョン、
背景にある様々なエピソードなどです。

ストーリーによって、ごく普通の無機質な商品が、いきいきと光り輝くこと
があります。

例えば、私が以前いた会社のある商品は、発売当初からそれほど売れている
わけではありませんでした。

機能満載で、使い方によってはものすごく便利な商品だったのですが、いろ
いろできます、というプレゼンテーションが分かりにくいものであったこと
は確かでした。

実は、そういう商品だったので、商品化する時も一悶着ありました。

開発担当の思い入れは凄まじく強かったのですが、その上司も営業担当者も
「そんなもん売れるかーー」「やめとけやめとけ」と小馬鹿にしていたぐら
いです。

販売店の意見を聞いた時も「こんな分かりにくい商品、売れませんよ。うち
は扱いませんから」と散々でした。

でも、開発担当者の執念が実ったわけですね。ついに商品化にこぎつけ、当
初思ったよりも売れる商品であることが分かりました。ただし、扱い販売店
が少ないので、そこそこの実績しか残せませんでした。

ところが、その商品が本当にブレイクしたのは、某テレビで、その開発秘話
そのものが取り上げられてからです。

我々営業は「便利な商品です。使い方はこうです」とばかりプレゼンしてい
たわけですが、そのテレビは、開発担当者の執念と挫折とその先の栄光を
(相当ドラマチックに)紹介していました。

テレビ番組の直接の影響はそれほど大きくなかったものの、この切り口は面
白いな、と感じた我々が、プレゼンテーションに「開発者の苦難」というス
トーリーを入れるようにしました。

すると、それに響いた購買担当者が、扱いをしてくれるようになり、今でも
この商品はロングセラーとなっています。

■このメルマガの中でも何度かストーリーの重要性はお話してきたつもりです。

(参考)「物語の力を知ろう」

どうも我々人間は、論理よりもストーリーに気持ちを動かされる特徴を持っ
ているようです。

文字のなかった時代、人々はストーリーとして歴史を記憶していたぐらいで
すから、我々の心性に馴染みやすいのですね。

記憶に残る。心が動く。他人に話したくなる。これがストーリーの特性です。

■まとめます。

いい商品とは何か?

それは、顧客が「いい」と思う商品のことです。

その要素は4つ。

1.それが顧客の問題解決につながるものであること。

2.緊急性があること。

3.希少性があること。

4.ストーリーがあること。

1,2については、営業はヒアリングを徹底して行うこと。

3,4については、営業はプレゼンテーションを工夫すること。

これが無ければ、営業は価格を下げるぐらいしか仕事がなくなります。

「いい商品」を作るのは、顧客と営業の共同作業である。と認識して、活動
してまいりましょう。


(2011年7月14日メルマガより)


■いい商品は売れる。。。と素直に信じられるならビジネスは分りやすいで
すね。

しかし、実際には、そう単純ではありません。いい商品なのに、売れる場合
もあれば、それほど優れているとは言い難いのに、よく売れる商品もありま
す。

こういう状況では、結局は売れた商品がいい商品なんだ!と決めてしまいた
くなりますね。

まるで、勝った方が正義なんだ!とうそぶくファンタジー映画の悪役のよう
ですが^^;

■かといって、売れない商品でも売るのが営業だ!などと言われたら困ります。

大前研一氏も「売れない商品でも売る」「文句も言わずに売る」というのは
アマチュア営業だ!と看過しています。

前回のメルマガにも書きましたが、営業はその在り様を突き詰めれば突き詰
めるほど、顧客側に組することになり、会社のエゴとは反する存在になって
いきます。

(参考)「カリスマ営業を有難がっても仕方ないでしょう」

「なんで、会社の都合を顧客に押し付けないとダメなんだ!」とまともな営
業は考えます。

思えば、私も、会社員時代は、こうした顧客志向と会社都合の狭間で悩んだ
ものでした。

例えば、もうすぐ新製品が出ると分っているのに、その情報を隠して旧製品
の在庫を売らなければならない時などです。

いい会社でしたけど、やはり一部の上司は、会社の言うこと聞くのが会社員
の務めだ!と言って、1ヵ月後には顧客が「一杯食わされた!」と思うよう
な商品を販売させようとしていました。

高圧的に来る上司の言うことは「お前の言うことなんか聞くかーー」と無視
していましたが、中には上手い人もいるんですね。

「駒井君、納得いかんのは分るけど、ぼくもツラいんや。何とか協力してく
れへんか。この通りや」と言われたら、さすがに悩みました。

単に指示の出し方の問題であって、内容は同じことなんですけどね...

■ピーター・ドラッカーは「マーケティングは、セリングを不要にすること
である」と発言しています。

この場合、セリングとは「売り込む、売りさばく、無理に売る」というニュ
アンスで捉えればいいのでしょう。

つまり、マーケティングの理論に従うなら、営業が「売れないものでも売る」
などと馬鹿な行動に走らなくても、売れていく状態を作ることができるはず
なのです。

でも、どうすればいいのでしょうか?

■まず言えることは、マーケティングは、単に「商品を売る」という行為だ
けを扱っていません。

1.事業の存在意義を明らかにする。目的を明確にする。(事業ミッション)

2.事業をとりまく環境を調べ分析する。(経営環境分析)

3.事業が向かう方向性を明確にする。(STP・事業ドメイン)

4.とるべき施策を具体化する。(マーケティング・ミックス)

5.行動、検証、再計画化を管理する。(PDCA)

というプロセスから成り立っています。

その具体的な施策も、商品だけではなく、価格、チャネル、プロモーション
にまで至ります。(4P)

だから商品さえよければ売れる、なんてことは、相当偏った意見だというこ
とになります。

このプロセスを回すことこそが「セリングを不要にする」ことにつながります。

ただ、ここまで話を広げてしまうと、このメルマガが終わらなくなってしま
うので、今回は書きません。

ご興味のある方は、ぜひ私の「マーケティング戦略セミナー」を受講くださ
い^^(といいながら予定はありませんが...)

■今日は、話を商品のことに絞りたいと思います。

そもそも「いい商品」とは何だろうか??

当然ながら、売り手側が考えるいい商品ではありません。買い手がいい商品
だと思わなければなりません。

買い手は、つまりお客さんは、どういう時に、それをいい商品だと思うので
しょうか?

■私は、ここに4つの要素があると考えています。

顧客がそれをいい商品だと思う4つの要素です。

まず1。

その商品が、顧客の欲求を満たす、あるいは悩みを解決するものであること。
言い換えれば、顧客の問題解決につながるもの。ということです。

これはまさに王道です。

マーケティング理論では、商品の本質は「問題解決のパッケージ」であると
考えます。

我々は、何かを購入する時、商品そのものを所有したいという動機を持つこ
とは稀です。

殆どの場合、その商品を活用することで、自分の悩みや欲求を解消しようと
期待しています。

有名な言葉ですが「1/4インチのドリルを買った者は、1/4インチの穴
を買ったのである」byセオドア・レビット。

顧客の問題を解決することができる商品は、その顧客にとって「いい商品」
であることは間違いありません。

■その2。

今、すぐに買いたい。というタイミングを捉えたものであること。

これが、いわゆる"緊急性"です。

砂漠の中での一杯の水は明らかにいい商品です。停電の中の懐中電灯もそう
です。

ガソリンがなくなりかけている時のガソリンスタンド。車検が切れかけてい
る時の車検サービス。

これほど分りやすい例ではなくても、人はそれぞれ、その商品がどうしても
欲しいというタイミングがあります。

テレビで好きなタレントが着ている服を見た時のネットサイトでも結構です。

タイミングによって凡庸な商品がいい商品に変わる時があります。

■以上の1と2に共通しているのは、一律ではないということ。顧客によっ
て千差万別です。

ここに昔のようにビジネスが単純ではなくなった理由があります。

要するに、成熟した日本市場において、人びとの欲求や悩みが多様化してい
るわけです。

今の東南アジアのように成長していた時期が日本にもありました。その頃な
らば、多くの人びとの価値観は、今より豊かになりたい、アメリカのような
生活水準に追いつきたい。ということで集合化することができましたが、今
はそうはいきません。

価値観も多様であれば、生き方も、抱える問題も多様となっています。

だから、営業が最も力を入れるべき仕事は「ヒアリング」です。顧客が何を
問題としているのか、顧客はどのタイミングで何を欲しいと感じているのか。
それを知ることが販売につながります。

■前回のメルマガにも書いたことですが、売れる営業、トップ営業、カリス
マ営業と言われる人たちは、一様に顧客の立場になって考えることを徹底し
ています。

押しが強いだけの営業がダメになったのは、成熟市場の現状を端的に表して
います。

今の顧客は、消費者も法人の購買担当者も含めて「所有したい」「皆も買っ
ているものだから」という理由では動きません。

複雑で多様化した顧客ニーズを満たすような商品だけが「いい商品」と認識
されるのです。

しかも、それは個人によって違う。100人の人が集まれば、100通りの
いい商品が存在するという難しさです。

■複雑な顧客の要望や悩みを吸い上げるのは、営業しかありません。

つまり、営業がいなければ、いい商品を作ることなど到底不可能なのです。

孫子は「国家にとって、用間(スパイ)こそ最も重要である」と言いました
が、まさに「企業にとって、(情報を集めてくる)営業こそ最も重要である」
というべきなのです。

■では、営業はひたすら顧客の御用聞きとなってヒアリングに徹するべきな
のか?

と言われれば、それも極端な意見です。

「近江商人の商売十訓」には「無理に売るな、客の好むものも売るな、客の
ためになるものを売れ」というくだりがありますが、これは現代にもそのま
ま通用する営業への教えとなります。

つまり、営業はただ単に顧客の目先の欲求を叶えるだけでは長期的には信用
されない。顧客自身も気づいていないような真の問題を解決するように心が
けよ、という教えです。

問題解決を行うためには、単なる御用聞きでは通用しません。やはり、顧客
のパートナーとして、対等の立場でヒアリングをする姿勢が必要です。

■私は、アプローチ、ヒアリング、プレゼンテーション、クロージングとい
う営業行動プロセスの中では、ヒアリングを最も重視すべきだと考えています。

それが「セリングを不要にする」ことにつながるからです。

ただし、本来、営業活動の見せ場だと考えられているプレゼンテーションの
場面でも、営業ができることは少なくありません。

顧客がそれをいい商品だと思う4つの要素。

その3。

希少性があること。

他にない。自社にしかない。という価値は、何にも代えがたいものです。

いくら前の1,2によっていい商品だと認識されたとしても、それがライバ
ル会社にもあるようなものであれば、結局は価格競争に持ち込まれてしまい
ます。

しかし、自社にしかない。という価値は、競争しようがありません。

だからこそ、メーカーは差別化しようとしますし、ベンダーは他にない商品
を仕入れようとします。

営業は、それを強く意識して、プレゼンテーションに臨まなければなりません。

全くのコピー商品ならともかく、どんな商品にもオリジナリティはあります。

どんなにありふれていると思える商品でも、どこかに他にはない特長がある
ものです。

営業が自社の商品に飽きていたのでは、顧客も買う気持ちにはならないでし
ょう。

どの方向から光を当てると、オリジナリティのある希少性に優れた商品と捉
えることができるのかを考え、それを提示しなければなりません。

もし、希少性が全くないのなら、どうすれば希少性を付加できるかを会社の
開発に意見すべきです。

上にも書きましたが、顧客のことを最も知っているのは、営業なのですから、
それが意見を上げない限り、会社は動きません。

■その4。

ストーリーがあること。

ここにこそ、営業の力が最大限発揮されるべきです。

ストーリーとは、その商品や会社自身の歴史、開発秘話、思いやビジョン、
背景にある様々なエピソードなどです。

ストーリーによって、ごく普通の無機質な商品が、いきいきと光り輝くこと
があります。

例えば、私が以前いた会社のある商品は、発売当初からそれほど売れている
わけではありませんでした。

機能満載で、使い方によってはものすごく便利な商品だったのですが、いろ
いろできます、というプレゼンテーションが分かりにくいものであったこと
は確かでした。

実は、そういう商品だったので、商品化する時も一悶着ありました。

開発担当の思い入れは凄まじく強かったのですが、その上司も営業担当者も
「そんなもん売れるかーー」「やめとけやめとけ」と小馬鹿にしていたぐら
いです。

販売店の意見を聞いた時も「こんな分かりにくい商品、売れませんよ。うち
は扱いませんから」と散々でした。

でも、開発担当者の執念が実ったわけですね。ついに商品化にこぎつけ、当
初思ったよりも売れる商品であることが分かりました。ただし、扱い販売店
が少ないので、そこそこの実績しか残せませんでした。

ところが、その商品が本当にブレイクしたのは、某テレビで、その開発秘話
そのものが取り上げられてからです。

我々営業は「便利な商品です。使い方はこうです」とばかりプレゼンしてい
たわけですが、そのテレビは、開発担当者の執念と挫折とその先の栄光を
(相当ドラマチックに)紹介していました。

テレビ番組の直接の影響はそれほど大きくなかったものの、この切り口は面
白いな、と感じた我々が、プレゼンテーションに「開発者の苦難」というス
トーリーを入れるようにしました。

すると、それに響いた購買担当者が、扱いをしてくれるようになり、今でも
この商品はロングセラーとなっています。

■このメルマガの中でも何度かストーリーの重要性はお話してきたつもりです。

(参考)「物語の力を知ろう」

どうも我々人間は、論理よりもストーリーに気持ちを動かされる特徴を持っ
ているようです。

文字のなかった時代、人々はストーリーとして歴史を記憶していたぐらいで
すから、我々の心性に馴染みやすいのですね。

記憶に残る。心が動く。他人に話したくなる。これがストーリーの特性です。

■まとめます。

いい商品とは何か?

それは、顧客が「いい」と思う商品のことです。

その要素は4つ。

1.それが顧客の問題解決につながるものであること。

2.緊急性があること。

3.希少性があること。

4.ストーリーがあること。

1,2については、営業はヒアリングを徹底して行うこと。

3,4については、営業はプレゼンテーションを工夫すること。

これが無ければ、営業は価格を下げるぐらいしか仕事がなくなります。

「いい商品」を作るのは、顧客と営業の共同作業である。と認識して、活動
してまいりましょう。


コラム

blog

代表者・駒井俊雄が発行するメルマガ「営業は売り子じゃない!」
世の中の事象を営業戦略コンサルタントの視点から斬っていきます。(無料)

記事一覧

blog

記事一覧

講演・セミナー実績

Customer Voice

記事一覧

このページのTOPへ