新・携帯電話版三国志

2012.10.04

(2012年10月4日メルマガより)


■10月早々、大きなニュースがありました。

ソフトバンクとイー・アクセスが、経営統合をするというのです。

言わずと知れた携帯電話キャリアの3位と4位です。その両者が統合することにより、一
気に2位に浮上します。

携帯電話の世界にソフトバンクが参入してから、この業界はダイナミックですね。

■ソフトバンクの発表によると、現在、携帯電話の契約者数からみたシェアは、

1位 NTTドコモ 6063万人 シェア44.3%

2位 au     3589万人 シェア26.5%

3位 ソフトバンク 3491万人 シェア25.7% (ウィルコム含む)

4位 イーモバイル 420万人  シェア3.1%

です。

ここで、3位と4位が合わさると、3911万人 シェア28.8%でauを抜きます。

孫正義社長は、今年中に4000万人を突破する!と宣言しています。

えらい勢いです。

■先日、iPhone5が発売されて、auの巻き返しが激しくなっていました。

あるニュースでは、ソフトバンクからauに乗り換えるiPhone顧客が、昨年の30
倍になるとのこと。母数は小さいでしょうが、30倍というのは衝撃です。

iPhoneといえばソフトバンクだ、という消費者のマインドシェアが揺らごうとして
いるこの時期に、経営統合のニュースは絶妙のタイミングでした。

巻き返しを高らかに謳おうとした出鼻をくじかれて、3位転落のニュースを大々的に報道
されたauは、ツライことですね。

■2位になったといっても、その差はわずかですから予断を許しません。

しかし、2位の地位で満足していたauに比して、ソフトバンクは1位を目指すことを宣
言しています。

ランチェスター戦略の射程距離理論でいえば、ドコモとソフトバンクの差は、1.5倍程
度ですから、逆転可能な数値です。(同理論によると、ルート3倍(1.7倍)引き離さ
れると、逆転は困難となります)

ポジションとしても、数値としても、ソフトバンクの1位獲りが、現実味を帯びてきました。

■2006年、ソフトバンクがボーダーフォンを買収した時は、契約者数は1500万人
程度でした。

その時、NTTドコモは5140万人でシェア53%、auは2565万人で26%です。

この時であれば、2位のauとドコモの差は、2倍以上開いており、逆転は困難な数値です。

ただし、ボーダーフォンはシェア16%ですから、2位のauをぎりぎり狙える位置にあ
りました。

しかし、ボーダーフォンは、じりじりとシェアを落としていました。だからソフトバンク
に売却されたのです。

ソフトバンクは大きな借金をして、えらい高い買い物(1兆7500億円)をしたのでは
ないかとみられていました。

もっとも、当時、PHSを含めた契約者総数は、9700万人程度。携帯電話の市場はま
だ拡大余地を残しており、キャッシュを稼ぎやすいビジネスなので、十分ペイできる買収
だとも評価されていました。

果たして、その後、2012年には、契約者総数が13500万人になっていますので、
40%近く市場拡大したことになります。

落ち目の3位キャリアを買収したソフトバンクがどのような戦略で臨んだのかは、以前
書いたことがありましたので繰り返しません。

参考:iPhone vs iPhone
http://www.createvalue.biz/column2/vs-1.html

突然業界を荒らしにきた外敵にauもドコモも翻弄されてしまいます。

そこでauは遅まきながらソフトバンクの最大の武器(iPhone)を手に入れて、ミ
ートします。

ガチガチの戦いではありますが、auはずっと増え続けていた流出顧客数を抑えることに
成功しました。

確かにiPhoneは、効果を発揮したのです。

結果として、昨年の10月から、今年の8月まで、auはシェアを維持しています。

ソフトバンクは勢いを保っているものの、auが反転の兆しを見せているので、今までの
ようにはいかないかも知れません。

■その上、iPhone5の発売で、ソフトバンクが慌てたのが、テザリング機能がつい
ていたからです。

テザリングとは、iPhone自身を外付けのモデムのように使って、パソコンをインタ
ーネット接続できるようにすることです。

テザリング機能が働けば、ポケットWIFIを別に買わなくてもiPhone5があれば、
外出先で構わずパソコンで作業してメールを送るようなことが可能となります。

実に便利な機能です。

ところが、ソフトバンクとすれば、通信機能に不安を持っているので、テザリング機能を
大量の顧客が利用すると、通信障害を起こす恐れがあります。

この点、通信機能に自信のあるauは、ノープロブレンと言って、ほくそ笑んでいました。
ようやく明瞭な差別化ポイントができたわけですから。

■それ以上に慌てたのがイーモバイルです。

以前から、イーモバイルが得意としていたポータブルWIFIルータは、競争激化で厳し
い戦いを強いられていました。

さらに今回、iPhone5にテザリング機能が付加されたことで、ポータブルWIFI
ルータの売れ行きに打撃があることは必至です。

イーモバイルもテザリングが可能なスマートフォンは販売していますが、今までのように、
安い、そこそこつながる、というだけでは、将来的に優位性は見出しにくいでしょう。

イーモバイルが、自身の売り時を測るようになるのは、自然の成り行きでした。

■それにしても、買収額に株価の3倍の値段をつける(1800億円)とは、孫正義氏は
相変わらずの勝負師ですね。

この買収によって、ソフトバンクは、イーモバイルの持つテザリング機能を可能とする通
信帯を手に入れます。

つまりソフトバンクのiPhone5もテザリング対応ができるようになり、auの優位
性を消すことができるのです。

さらに、国内2位の携帯電話キャリアの地位を得ることができます。

孫正義氏は「安い買い物だ」としきりに言っておりますが、この2つのメリットを考えれ
ば、そう言いたくなるのもうなづけます。

■ここで3社のポジションをもう一度整理します。

ソフトバンク発表の資料を参考にすると、同社とイー・アクセスが統合した後の位置づけは、

1位 NTTドコモ 6063万人 シェア44.3%

2位 ソフトバンク 3911万人 シェア28.8%(ウィルコム含む)

3位 au     3589万人 シェア26.5%

です。

■2位と3位の差はわずかですから、しばらくは厳しい争いが続くはずです。

が、今までの勢いからいっても、2位というポジションからいっても、ソフトバンク有利
は動きません。

私がソフトバンクなら、国内2位メーカーであることを高らかに宣伝して、消費者のマイ
ンドシェアを高め、auにミートします。

ミートとは、auの特徴を消すような商品やサービスを行うこと、ありていに言えば、真
似することです。

2位と3位の両者が同じ条件で戦えば、必ず2位が勝ちます。そのポジションの優位性を
発揮するのです。

そうすれば、auはじりじりとシェアを落としていくことでしょう。

■逆にauは、それを避けなければなりません。

そのためには、auらしさを打ち出して、ソフトバンクにない機能やサービスを作ること
です。

今までのように、ドコモと似たような料金体系、商品ラインアップでは、2位のソフトバ
ンクの思うつぼです。

そのためにも、自社が3社の中で最弱者であることを認識しなければなりません。

■ドコモはどうするべきか。

正直にいって、auが2位の時は安泰でした。なぜならauには、トップになる意思がな
かったからです。

auは、ドコモと横並びすることをやすやすと受け入れていました。

しかしソフトバンクは、トップを狙うという牙を隠していません。

ここはドコモとすれば重い腰を上げて、ソフトバンクを標的に、強者の戦略で戦うべきです。

要するに、ソフトバンクの武器を無力化すること。

具体的にいえば、早急に、iPhoneを取り扱うことです。

■ソフトバンクとすれば、今、ドコモにiPhoneを持たれることは怖い。

だから、しばらくは、トップを狙うという意思を隠しておく必要があるでしょう。

いわゆる陽動作戦です。(弱者の5大戦略の中の1つ)

おそらく孫正義氏は、ここ何年かは、業界の秩序維持を保つ方向で、動くはずです。孫子
の兵法の習得者であれば、そうするはずです。

ドコモをなるべく刺激しないようにしながら、auのシェアをじりじりと奪っていく動き
をするでしょう。

財務的に余裕のないソフトバンクとすれば、ドコモとの最終決戦の時までになるべく時間
を稼ぎたい。財務的な余裕を取り戻しておきたいわけです。

NTTドコモは、意思決定が複雑な組織ですので、ソフトバンクが動きを先鋭化させなけ
れば、とりあえず静観してくれるかも知れません。それに期待します。

■もし、このままソフトバンクの思い通りに進むと、どこかでauの身売り話が出てくる
でしょう。

その時こそが、ドコモとソフトバンクの最終決戦の火ぶたが落とされる時です。

その時に、ドコモと渡り合える体力をつけておかなければ、チャンスを逃してしまうでし
ょうから。

だから、その時までは、気持ちと逆の動きをしなければならない。それが陽動作戦です。

孫正義氏はランチェスター戦略と孫子の兵法の双方をとり込んで「孫の二乗の法則」なる
ものを自ら考案しているそうです。

もっとも、田岡信夫先生は、ランチェスター戦略を作る際に、孫子の兵法を相当参考にさ
れたということですので、そこにはあらかじめ孫子の兵法の考え方が織り込まれています。

孫正義氏の動きは、まさに兵法者の動きであり、ランチェスター戦略の習得者の動きであ
るとみています。

■ドコモは、そんな陽動作戦に騙されてはいけません。

まずは早急にiPhoneを取り扱うこと。

さらに、ソフトバンクの動きを注視して、人気のあるものはすぐに真似すること。

そして、auと気脈を通じておいて、ソフトバンクと連携しないようにさせることです。

ドコモがauを買収する必要まではありませんが、少なくとも、ソフトバンクに買収され
ないようにしておかなければなりません。

独占禁止法のからみがあるので厳しいかも知れませんが、適当な時期に業務提携して、機
種変更の相互乗り入れ可能ぐらいのサービスはやった方がいいでしょうね。

■まあしかし。この騒ぎの中で、最も利を得るのは、何をいわんや、アップルです。

彼らからすると、ドコモが扱ってくれれば、なお売れるわけですな。

すごいメーカーになったもんですよ。

もっとも、他の機種メーカーも、個性を重視するソフトバンクやauの存在が、チャンス
であることは確かです。

この機に乗じて、日本の機種メーカーも、勢力を伸ばしてもらいたいと思います。

(2012年10月4日メルマガより)


■10月早々、大きなニュースがありました。

ソフトバンクとイー・アクセスが、経営統合をするというのです。

言わずと知れた携帯電話キャリアの3位と4位です。その両者が統合することにより、一
気に2位に浮上します。

携帯電話の世界にソフトバンクが参入してから、この業界はダイナミックですね。

■ソフトバンクの発表によると、現在、携帯電話の契約者数からみたシェアは、

1位 NTTドコモ 6063万人 シェア44.3%

2位 au     3589万人 シェア26.5%

3位 ソフトバンク 3491万人 シェア25.7% (ウィルコム含む)

4位 イーモバイル 420万人  シェア3.1%

です。

ここで、3位と4位が合わさると、3911万人 シェア28.8%でauを抜きます。

孫正義社長は、今年中に4000万人を突破する!と宣言しています。

えらい勢いです。

■先日、iPhone5が発売されて、auの巻き返しが激しくなっていました。

あるニュースでは、ソフトバンクからauに乗り換えるiPhone顧客が、昨年の30
倍になるとのこと。母数は小さいでしょうが、30倍というのは衝撃です。

iPhoneといえばソフトバンクだ、という消費者のマインドシェアが揺らごうとして
いるこの時期に、経営統合のニュースは絶妙のタイミングでした。

巻き返しを高らかに謳おうとした出鼻をくじかれて、3位転落のニュースを大々的に報道
されたauは、ツライことですね。

■2位になったといっても、その差はわずかですから予断を許しません。

しかし、2位の地位で満足していたauに比して、ソフトバンクは1位を目指すことを宣
言しています。

ランチェスター戦略の射程距離理論でいえば、ドコモとソフトバンクの差は、1.5倍程
度ですから、逆転可能な数値です。(同理論によると、ルート3倍(1.7倍)引き離さ
れると、逆転は困難となります)

ポジションとしても、数値としても、ソフトバンクの1位獲りが、現実味を帯びてきました。

■2006年、ソフトバンクがボーダーフォンを買収した時は、契約者数は1500万人
程度でした。

その時、NTTドコモは5140万人でシェア53%、auは2565万人で26%です。

この時であれば、2位のauとドコモの差は、2倍以上開いており、逆転は困難な数値です。

ただし、ボーダーフォンはシェア16%ですから、2位のauをぎりぎり狙える位置にあ
りました。

しかし、ボーダーフォンは、じりじりとシェアを落としていました。だからソフトバンク
に売却されたのです。

ソフトバンクは大きな借金をして、えらい高い買い物(1兆7500億円)をしたのでは
ないかとみられていました。

もっとも、当時、PHSを含めた契約者総数は、9700万人程度。携帯電話の市場はま
だ拡大余地を残しており、キャッシュを稼ぎやすいビジネスなので、十分ペイできる買収
だとも評価されていました。

果たして、その後、2012年には、契約者総数が13500万人になっていますので、
40%近く市場拡大したことになります。

落ち目の3位キャリアを買収したソフトバンクがどのような戦略で臨んだのかは、以前
書いたことがありましたので繰り返しません。

参考:iPhone vs iPhone
http://www.createvalue.biz/column2/vs-1.html

突然業界を荒らしにきた外敵にauもドコモも翻弄されてしまいます。

そこでauは遅まきながらソフトバンクの最大の武器(iPhone)を手に入れて、ミ
ートします。

ガチガチの戦いではありますが、auはずっと増え続けていた流出顧客数を抑えることに
成功しました。

確かにiPhoneは、効果を発揮したのです。

結果として、昨年の10月から、今年の8月まで、auはシェアを維持しています。

ソフトバンクは勢いを保っているものの、auが反転の兆しを見せているので、今までの
ようにはいかないかも知れません。

■その上、iPhone5の発売で、ソフトバンクが慌てたのが、テザリング機能がつい
ていたからです。

テザリングとは、iPhone自身を外付けのモデムのように使って、パソコンをインタ
ーネット接続できるようにすることです。

テザリング機能が働けば、ポケットWIFIを別に買わなくてもiPhone5があれば、
外出先で構わずパソコンで作業してメールを送るようなことが可能となります。

実に便利な機能です。

ところが、ソフトバンクとすれば、通信機能に不安を持っているので、テザリング機能を
大量の顧客が利用すると、通信障害を起こす恐れがあります。

この点、通信機能に自信のあるauは、ノープロブレンと言って、ほくそ笑んでいました。
ようやく明瞭な差別化ポイントができたわけですから。

■それ以上に慌てたのがイーモバイルです。

以前から、イーモバイルが得意としていたポータブルWIFIルータは、競争激化で厳し
い戦いを強いられていました。

さらに今回、iPhone5にテザリング機能が付加されたことで、ポータブルWIFI
ルータの売れ行きに打撃があることは必至です。

イーモバイルもテザリングが可能なスマートフォンは販売していますが、今までのように、
安い、そこそこつながる、というだけでは、将来的に優位性は見出しにくいでしょう。

イーモバイルが、自身の売り時を測るようになるのは、自然の成り行きでした。

■それにしても、買収額に株価の3倍の値段をつける(1800億円)とは、孫正義氏は
相変わらずの勝負師ですね。

この買収によって、ソフトバンクは、イーモバイルの持つテザリング機能を可能とする通
信帯を手に入れます。

つまりソフトバンクのiPhone5もテザリング対応ができるようになり、auの優位
性を消すことができるのです。

さらに、国内2位の携帯電話キャリアの地位を得ることができます。

孫正義氏は「安い買い物だ」としきりに言っておりますが、この2つのメリットを考えれ
ば、そう言いたくなるのもうなづけます。

■ここで3社のポジションをもう一度整理します。

ソフトバンク発表の資料を参考にすると、同社とイー・アクセスが統合した後の位置づけは、

1位 NTTドコモ 6063万人 シェア44.3%

2位 ソフトバンク 3911万人 シェア28.8%(ウィルコム含む)

3位 au     3589万人 シェア26.5%

です。

■2位と3位の差はわずかですから、しばらくは厳しい争いが続くはずです。

が、今までの勢いからいっても、2位というポジションからいっても、ソフトバンク有利
は動きません。

私がソフトバンクなら、国内2位メーカーであることを高らかに宣伝して、消費者のマイ
ンドシェアを高め、auにミートします。

ミートとは、auの特徴を消すような商品やサービスを行うこと、ありていに言えば、真
似することです。

2位と3位の両者が同じ条件で戦えば、必ず2位が勝ちます。そのポジションの優位性を
発揮するのです。

そうすれば、auはじりじりとシェアを落としていくことでしょう。

■逆にauは、それを避けなければなりません。

そのためには、auらしさを打ち出して、ソフトバンクにない機能やサービスを作ること
です。

今までのように、ドコモと似たような料金体系、商品ラインアップでは、2位のソフトバ
ンクの思うつぼです。

そのためにも、自社が3社の中で最弱者であることを認識しなければなりません。

■ドコモはどうするべきか。

正直にいって、auが2位の時は安泰でした。なぜならauには、トップになる意思がな
かったからです。

auは、ドコモと横並びすることをやすやすと受け入れていました。

しかしソフトバンクは、トップを狙うという牙を隠していません。

ここはドコモとすれば重い腰を上げて、ソフトバンクを標的に、強者の戦略で戦うべきです。

要するに、ソフトバンクの武器を無力化すること。

具体的にいえば、早急に、iPhoneを取り扱うことです。

■ソフトバンクとすれば、今、ドコモにiPhoneを持たれることは怖い。

だから、しばらくは、トップを狙うという意思を隠しておく必要があるでしょう。

いわゆる陽動作戦です。(弱者の5大戦略の中の1つ)

おそらく孫正義氏は、ここ何年かは、業界の秩序維持を保つ方向で、動くはずです。孫子
の兵法の習得者であれば、そうするはずです。

ドコモをなるべく刺激しないようにしながら、auのシェアをじりじりと奪っていく動き
をするでしょう。

財務的に余裕のないソフトバンクとすれば、ドコモとの最終決戦の時までになるべく時間
を稼ぎたい。財務的な余裕を取り戻しておきたいわけです。

NTTドコモは、意思決定が複雑な組織ですので、ソフトバンクが動きを先鋭化させなけ
れば、とりあえず静観してくれるかも知れません。それに期待します。

■もし、このままソフトバンクの思い通りに進むと、どこかでauの身売り話が出てくる
でしょう。

その時こそが、ドコモとソフトバンクの最終決戦の火ぶたが落とされる時です。

その時に、ドコモと渡り合える体力をつけておかなければ、チャンスを逃してしまうでし
ょうから。

だから、その時までは、気持ちと逆の動きをしなければならない。それが陽動作戦です。

孫正義氏はランチェスター戦略と孫子の兵法の双方をとり込んで「孫の二乗の法則」なる
ものを自ら考案しているそうです。

もっとも、田岡信夫先生は、ランチェスター戦略を作る際に、孫子の兵法を相当参考にさ
れたということですので、そこにはあらかじめ孫子の兵法の考え方が織り込まれています。

孫正義氏の動きは、まさに兵法者の動きであり、ランチェスター戦略の習得者の動きであ
るとみています。

■ドコモは、そんな陽動作戦に騙されてはいけません。

まずは早急にiPhoneを取り扱うこと。

さらに、ソフトバンクの動きを注視して、人気のあるものはすぐに真似すること。

そして、auと気脈を通じておいて、ソフトバンクと連携しないようにさせることです。

ドコモがauを買収する必要まではありませんが、少なくとも、ソフトバンクに買収され
ないようにしておかなければなりません。

独占禁止法のからみがあるので厳しいかも知れませんが、適当な時期に業務提携して、機
種変更の相互乗り入れ可能ぐらいのサービスはやった方がいいでしょうね。

■まあしかし。この騒ぎの中で、最も利を得るのは、何をいわんや、アップルです。

彼らからすると、ドコモが扱ってくれれば、なお売れるわけですな。

すごいメーカーになったもんですよ。

もっとも、他の機種メーカーも、個性を重視するソフトバンクやauの存在が、チャンス
であることは確かです。

この機に乗じて、日本の機種メーカーも、勢力を伸ばしてもらいたいと思います。

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