新興宗教のビジネスモデル

2013.06.27

(2013年6月27日メルマガより)


■今回は「新宗教 儲けのカラクリ」島田裕巳著(宝島文庫)を紹介します。

http://amazon.co.jp/o/ASIN/4800207436/lanchesterkan-22/ref=nosim

国宝級の美術品の売買や、都心の一等地の売買などに宗教団体の名前がしばしば登場することはご存じのことと思います。

つまりそれらの宗教団体は、それだけの潤沢な資金を持っているということです。

一方で、檀家の減少に悩み、資金難に陥っている寺院も多いと聞きます。

どうして同じ宗教団体で、こうも資金力に差があるのか。

そもそも新興宗教団体はどのようにして、これだけの資金を集めているのか。

それをこの本はテーマにしています。

私なりに、ビジネスのヒントになった部分もありましたので、紹介いたします。

■宗教団体に対する批判の中で、課税対象でないのに、金儲けをしているというものがあります。

税金を払わなくてもいいというのは、企業にすれば羨ましい限りですが、これについては少し誤解があります。

課税されないのは、宗教行為に関する収入だけで、収益事業には(料率は少ないが)課税されるようになっています。

また宗教団体に務める人の給与などには、普通に課税されます。

なぜ宗教行為に関する収入には課税されないかというと、それは信者が自分のために使っているお金だからという考えがあります。

例えば、お寺の修理のために檀家が寄付をした場合、それは檀家が自分たちの宗教行為を行う場所を整備するための費用です。

そこに課税すると二重になってしまうと考えます。

同じように、お守りを購入した場合も、それは宗教行為の一環であり、商取引ではないとみなされます。

では、カレンダーの売買はどうか、CDやDVDはどうか、新聞はどうかと考えていけば、グレーの領域が増えていきますが、これは収益事業と見なされます。

細かくは、税務署や法律の判断に委ねられるようです。

■そもそも伝統的な宗教(神社や寺院など)は、商行為に近いようなことはあまりやっていません。

基本的に献金で成り立っています。

実は、昔は、神社や寺院は、土地を寄進されることが多く、そこからの収益で成り立っていました。

神田や寺田という名称は、まさに神社やお寺が所有する田を表しています。

ところが、明治維新後の宗教改革や戦後の農地改革により、神社や寺院から土地などの経済基盤が奪われてしまいました。

田舎のお寺などが資金難に陥るのは、農地改革で経済基盤を奪われたからであり、都会のお寺が比較的裕福なのは、農地改革の対象にはならなかったからだと思われます。

■ところが新興宗教団体は、最初から収益事業を手掛けないと成り立たない時代に生まれています。

だから、そうした団体は、伝統的な宗教にはない収益活動を行わざるを得ず、その結果、成功した団体は巨額な資金を得るようになりました。

我々が、なんとなく新興宗教にうさんくさいものを感じる理由の一つは、その資金集めのうまさによるものですが、ある意味、企業努力の賜物であるとも考えられるわけです。

逆に新興宗教側から見れば、伝統宗教のあり方は、怠慢に映るのでしょうね。

■では、宗教団体はどのようにして資金を集めているのか。

この本では、そのビジネスモデルを4つに分けています。

(1)献金型

(2)商材ビジネス型

(3)スーパーコンビニ型

(4)家元制度型

■(1)の献金型は、伝統宗教に見られるモデルです。

信者による献金(お布施)を基盤としています。

伝統宗教に多いということは、一般的な宗教のイメージに則した集金方法であり、シンプルです。

ただし、献金型のビジネスモデルは熱心な信者が多い時には有効に機能しますが、勢いが衰えてくれば途端に機能しなくなります。

集金の基盤が、信者の信仰心に根差しており、潔いとも言えますが、ビジネスモデルそのものに信者をつなぎとめる力がなく、経済基盤が弱くなりやすいともいえます。

ちなみにハーバード大学などのアメリカの有名教育機関は、この献金型のビジネスモデルです。

大学の場合、成功した卒業生が、大学に寄付をすることで経済基盤を成り立たせています。

同じく宗教団体でも、経済的に成功した信者が、献金してくれれば、大きな額が見込めます。

ということは、経済的な成功と信心が結びついていることが合理的です。つまり、現世利益をうたう宗教であり、かつ経済的成功のサポート機能があるということです。

例えば、大学の場合卒業生のネットワークが経済活動の助けになるように、信者のネットワークが経済的な恩恵を受けられるような仕組みを持っているということが必要になります。

一部の新興宗教で、信者のネットワークがビジネスの互助会のような役割を果たしていることがあるのは、献金を集めるために有効な仕組みであるということです。

■一般に、裕福な信者基盤を持たない新興宗教は、献金型ビジネスモデルに頼ることは合理的ではありません。

そこで(2)の商材ビジネス型ビジネスモデルを展開することになります。

例えば、低所得者層を信者の基盤にしている宗教団体では、会費無料をうたっています。

入信のための経済的なハードルを低く設定しているわけです。

ただ、そういう団体は、雑誌や新聞、著書などを用意しています。信者は、自分の経済状況や必要に応じて、そうしたものを購入する形になります。

これはまさに信者という質の高い見込み客をターゲットとした囲い込みビジネスであり、多くの成功した一般ビジネスに見られる形です。

このビジネスが成功するポイントの1つは、見込み客の数量と質の確保です。

見込み客の質とは、その会社に対するロイヤルティの高さです。そのためには、見込み客に対するサービスを惜しんではなりません。

宗教団体では、信者のための集会や悩み相談などを細やかに行うことで、ロイヤルティを高めています。

ポイントの2つめは、提供する商品やサービスの品揃えを多くして、なるべく継続的なものとすることです。

単価をあまり高くしてしまえば、見込み客が逃げてしまいますから、安い単価のものを数多く買えるようにしておきます。一番いいのは、継続的、定期的に少しずつ買えるようなものを提供することです。新聞とか、シリーズものの書籍とか、定期的な占いとかですね。

ここで見込み客の数が少なければ、単価を高く設定せざるを得ず、ロイヤルティを下げることになってしまいます。だから見込み客の数量も重要です。

■(3)のスーパー・コンビニ型は、商材ビジネス型の変形で、より薄利多売のモデルです。

この本では詳しく書かれていませんが、多分、信者のロイヤルティがそれほど高くなくても気軽に購入できるような価格設定のサービスを多数そろえており、入口も出口(信者をやめること)もハードルを低くしているのだと思います。

(2)のモデルが、見込み客を囲い込んで、深く付き合うことを目指すのとは対照に、(3)のモデルは、いっぱい集まってきて、浅く広く買ってもらうことに注力します。

ビジネス上(宗教団体としての)胡散臭さは薄れますが、逆にいうと経済基盤が強固ではないと言えます。

(1)(2)とも、顧客ロイヤルティ(信者の信仰心)の強さを前提としていますが、(3)は、どちらかというと、商品やサービスの魅力が前提です。

だから信者ではない一般人を集めるための企画力や訴求力が鍵となります。

■その意味では(4)の家元制度型は、ビジネスの仕組みそのものが、組織へのロイヤルティを高めるという優れたものです。

これは、修行等を積んだ者に免許皆伝して、ミニ教祖を作って、フランチャイズ展開していくというものです。

例えば、ある団体では、1時間1000円の宗教的なカウンセリング(?)を売りにしています。

このカウンセリング行為は、ある一定の資格者が、一般の信者に対して行うものですが、修行というか研修を受けることで、資格者になれる制度になっています。

だから、一般信者が運営側に回ることで、より組織への忠誠心を高めることとなります。

このビジネスモデルは一般のビジネスにも広く採用されています。

最も分かりやすいのがネットワークビジネスです。販売者と購買者が混然一体となったビジネスモデルは、営業につきものの心理的な障壁を取り除き、お互いが協力し合おうという雰囲気を作ります。

ネットワークビジネスでなくても応用できるはずです。このビジネスモデルは優れものですので、皆さん、考えてみて工夫してください。

■このように、新興宗教は、収入を得る手段を自ら作らなければならなかったゆえに、多くの優れたバリエーションが生み出されてきたようです。

これは、宗教家ではない者にも、大いに参考になるはずです。

特に宗教団体のビジネスは「形がないものを売る」ビジネスであり、サービス業化していかなければならない日本の製造業者は、学ばなければならない部分が多くあります。

私自身、いくつものヒントをもらうことができました^^

■なお、これら宗教団体は、ビジネスモデルの構築だけではなく、その実施運営にも参考になる点が多々ありました。

この本から抜き出しますと

まず(1)ビジネス行動の正当化が巧みです。

ビジネスは自分が儲けるため、というと、どこかに後ろめたい気持ちが残りますが、宗教団体では、それを宗教行為と結びつけて考えています。

要するに、ビジネス行為そのものや、献金行為そのものが、宗教的な喜びに結び付けられ、
使えば使うほど、儲ければ儲けるほど、宗教的に正しい、と思えるような教義になっているということです。

一般のビジネスでも、例えばマーケティングの理念は「社会貢献」です。営業マンは、会社を儲けさせるためといわれれば、白けてしまいますが、よりよい社会を作るためといわれれば、モチベーションが上がります。

もっともこの目的や行動の正当化が世間とずれればずれるほど胡散臭い団体だと思われますし、企業においてはブラック企業だと思われたりしますので、注意が必要です。

次に(2)目標達成に対するマネジメントが巧みです。

献金を集める際にも、漠然と集めるのではなく、目標金額と期限を決めて、それが各人に振り分けられるようです。

当然、途中経過が逐一公表され、各人の競争心を煽るようにできています。

これが毎月のノルマであれば高度成長期のモーレツ企業の形態になってしまいますが、特別なイベントとしてなされるので、盛り上がるようです。

最近は、ノルマ管理をおおっぴらにやる企業は減ってきていますので、逆に新鮮に映りますね。

■ただ宗教団体の問題は、逆に金が集まりすぎるということだそうですよ。

企業ならばそれは剰余金として処理するなり、特別ボーナスにするなり、やりようはありますが、宗教団体は本来、集まってくるお金は信者のものということですから、有り余るお金は邪魔になります。

それであちこちに土地を購入したり、高額な美術品を購入したり、ということになります。

一番ダメなのは、団体の幹部が集まったお金を私物化してしまうということですが、そういう団体は利権争いが絶えず、分裂してしまうので、分かりやすいらしいです。

むしろ伝統的な寺院などの方が、集まったお金を私物化しやすいようで、生臭坊主が発生することになります。

世間的な批判を浴びやすい新興宗教は、そういう幹部の行状には敏感ですから、お金が個人に渡らない仕組みを作っています。

彼らは、意外に、質素な生活をしているそうです。

■この本(「新宗教 儲けのカラクリ」島田裕巳著(宝島文庫))が好ましいのは、新興宗教を無理に批判するでもなく、擁護するでもなく、冷静な姿勢で書かれていることでした。
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4800207436/lanchesterkan-22/ref=nosim

特に私はビジネスの観点から読むことができて、面白かったですね。

参考にできるところは参考にして、今後のビジネス活動に活かしていきたいと思います。

(2013年6月27日メルマガより)


■今回は「新宗教 儲けのカラクリ」島田裕巳著(宝島文庫)を紹介します。

http://amazon.co.jp/o/ASIN/4800207436/lanchesterkan-22/ref=nosim

国宝級の美術品の売買や、都心の一等地の売買などに宗教団体の名前がしばしば登場することはご存じのことと思います。

つまりそれらの宗教団体は、それだけの潤沢な資金を持っているということです。

一方で、檀家の減少に悩み、資金難に陥っている寺院も多いと聞きます。

どうして同じ宗教団体で、こうも資金力に差があるのか。

そもそも新興宗教団体はどのようにして、これだけの資金を集めているのか。

それをこの本はテーマにしています。

私なりに、ビジネスのヒントになった部分もありましたので、紹介いたします。

■宗教団体に対する批判の中で、課税対象でないのに、金儲けをしているというものがあります。

税金を払わなくてもいいというのは、企業にすれば羨ましい限りですが、これについては少し誤解があります。

課税されないのは、宗教行為に関する収入だけで、収益事業には(料率は少ないが)課税されるようになっています。

また宗教団体に務める人の給与などには、普通に課税されます。

なぜ宗教行為に関する収入には課税されないかというと、それは信者が自分のために使っているお金だからという考えがあります。

例えば、お寺の修理のために檀家が寄付をした場合、それは檀家が自分たちの宗教行為を行う場所を整備するための費用です。

そこに課税すると二重になってしまうと考えます。

同じように、お守りを購入した場合も、それは宗教行為の一環であり、商取引ではないとみなされます。

では、カレンダーの売買はどうか、CDやDVDはどうか、新聞はどうかと考えていけば、グレーの領域が増えていきますが、これは収益事業と見なされます。

細かくは、税務署や法律の判断に委ねられるようです。

■そもそも伝統的な宗教(神社や寺院など)は、商行為に近いようなことはあまりやっていません。

基本的に献金で成り立っています。

実は、昔は、神社や寺院は、土地を寄進されることが多く、そこからの収益で成り立っていました。

神田や寺田という名称は、まさに神社やお寺が所有する田を表しています。

ところが、明治維新後の宗教改革や戦後の農地改革により、神社や寺院から土地などの経済基盤が奪われてしまいました。

田舎のお寺などが資金難に陥るのは、農地改革で経済基盤を奪われたからであり、都会のお寺が比較的裕福なのは、農地改革の対象にはならなかったからだと思われます。

■ところが新興宗教団体は、最初から収益事業を手掛けないと成り立たない時代に生まれています。

だから、そうした団体は、伝統的な宗教にはない収益活動を行わざるを得ず、その結果、成功した団体は巨額な資金を得るようになりました。

我々が、なんとなく新興宗教にうさんくさいものを感じる理由の一つは、その資金集めのうまさによるものですが、ある意味、企業努力の賜物であるとも考えられるわけです。

逆に新興宗教側から見れば、伝統宗教のあり方は、怠慢に映るのでしょうね。

■では、宗教団体はどのようにして資金を集めているのか。

この本では、そのビジネスモデルを4つに分けています。

(1)献金型

(2)商材ビジネス型

(3)スーパーコンビニ型

(4)家元制度型

■(1)の献金型は、伝統宗教に見られるモデルです。

信者による献金(お布施)を基盤としています。

伝統宗教に多いということは、一般的な宗教のイメージに則した集金方法であり、シンプルです。

ただし、献金型のビジネスモデルは熱心な信者が多い時には有効に機能しますが、勢いが衰えてくれば途端に機能しなくなります。

集金の基盤が、信者の信仰心に根差しており、潔いとも言えますが、ビジネスモデルそのものに信者をつなぎとめる力がなく、経済基盤が弱くなりやすいともいえます。

ちなみにハーバード大学などのアメリカの有名教育機関は、この献金型のビジネスモデルです。

大学の場合、成功した卒業生が、大学に寄付をすることで経済基盤を成り立たせています。

同じく宗教団体でも、経済的に成功した信者が、献金してくれれば、大きな額が見込めます。

ということは、経済的な成功と信心が結びついていることが合理的です。つまり、現世利益をうたう宗教であり、かつ経済的成功のサポート機能があるということです。

例えば、大学の場合卒業生のネットワークが経済活動の助けになるように、信者のネットワークが経済的な恩恵を受けられるような仕組みを持っているということが必要になります。

一部の新興宗教で、信者のネットワークがビジネスの互助会のような役割を果たしていることがあるのは、献金を集めるために有効な仕組みであるということです。

■一般に、裕福な信者基盤を持たない新興宗教は、献金型ビジネスモデルに頼ることは合理的ではありません。

そこで(2)の商材ビジネス型ビジネスモデルを展開することになります。

例えば、低所得者層を信者の基盤にしている宗教団体では、会費無料をうたっています。

入信のための経済的なハードルを低く設定しているわけです。

ただ、そういう団体は、雑誌や新聞、著書などを用意しています。信者は、自分の経済状況や必要に応じて、そうしたものを購入する形になります。

これはまさに信者という質の高い見込み客をターゲットとした囲い込みビジネスであり、多くの成功した一般ビジネスに見られる形です。

このビジネスが成功するポイントの1つは、見込み客の数量と質の確保です。

見込み客の質とは、その会社に対するロイヤルティの高さです。そのためには、見込み客に対するサービスを惜しんではなりません。

宗教団体では、信者のための集会や悩み相談などを細やかに行うことで、ロイヤルティを高めています。

ポイントの2つめは、提供する商品やサービスの品揃えを多くして、なるべく継続的なものとすることです。

単価をあまり高くしてしまえば、見込み客が逃げてしまいますから、安い単価のものを数多く買えるようにしておきます。一番いいのは、継続的、定期的に少しずつ買えるようなものを提供することです。新聞とか、シリーズものの書籍とか、定期的な占いとかですね。

ここで見込み客の数が少なければ、単価を高く設定せざるを得ず、ロイヤルティを下げることになってしまいます。だから見込み客の数量も重要です。

■(3)のスーパー・コンビニ型は、商材ビジネス型の変形で、より薄利多売のモデルです。

この本では詳しく書かれていませんが、多分、信者のロイヤルティがそれほど高くなくても気軽に購入できるような価格設定のサービスを多数そろえており、入口も出口(信者をやめること)もハードルを低くしているのだと思います。

(2)のモデルが、見込み客を囲い込んで、深く付き合うことを目指すのとは対照に、(3)のモデルは、いっぱい集まってきて、浅く広く買ってもらうことに注力します。

ビジネス上(宗教団体としての)胡散臭さは薄れますが、逆にいうと経済基盤が強固ではないと言えます。

(1)(2)とも、顧客ロイヤルティ(信者の信仰心)の強さを前提としていますが、(3)は、どちらかというと、商品やサービスの魅力が前提です。

だから信者ではない一般人を集めるための企画力や訴求力が鍵となります。

■その意味では(4)の家元制度型は、ビジネスの仕組みそのものが、組織へのロイヤルティを高めるという優れたものです。

これは、修行等を積んだ者に免許皆伝して、ミニ教祖を作って、フランチャイズ展開していくというものです。

例えば、ある団体では、1時間1000円の宗教的なカウンセリング(?)を売りにしています。

このカウンセリング行為は、ある一定の資格者が、一般の信者に対して行うものですが、修行というか研修を受けることで、資格者になれる制度になっています。

だから、一般信者が運営側に回ることで、より組織への忠誠心を高めることとなります。

このビジネスモデルは一般のビジネスにも広く採用されています。

最も分かりやすいのがネットワークビジネスです。販売者と購買者が混然一体となったビジネスモデルは、営業につきものの心理的な障壁を取り除き、お互いが協力し合おうという雰囲気を作ります。

ネットワークビジネスでなくても応用できるはずです。このビジネスモデルは優れものですので、皆さん、考えてみて工夫してください。

■このように、新興宗教は、収入を得る手段を自ら作らなければならなかったゆえに、多くの優れたバリエーションが生み出されてきたようです。

これは、宗教家ではない者にも、大いに参考になるはずです。

特に宗教団体のビジネスは「形がないものを売る」ビジネスであり、サービス業化していかなければならない日本の製造業者は、学ばなければならない部分が多くあります。

私自身、いくつものヒントをもらうことができました^^

■なお、これら宗教団体は、ビジネスモデルの構築だけではなく、その実施運営にも参考になる点が多々ありました。

この本から抜き出しますと

まず(1)ビジネス行動の正当化が巧みです。

ビジネスは自分が儲けるため、というと、どこかに後ろめたい気持ちが残りますが、宗教団体では、それを宗教行為と結びつけて考えています。

要するに、ビジネス行為そのものや、献金行為そのものが、宗教的な喜びに結び付けられ、
使えば使うほど、儲ければ儲けるほど、宗教的に正しい、と思えるような教義になっているということです。

一般のビジネスでも、例えばマーケティングの理念は「社会貢献」です。営業マンは、会社を儲けさせるためといわれれば、白けてしまいますが、よりよい社会を作るためといわれれば、モチベーションが上がります。

もっともこの目的や行動の正当化が世間とずれればずれるほど胡散臭い団体だと思われますし、企業においてはブラック企業だと思われたりしますので、注意が必要です。

次に(2)目標達成に対するマネジメントが巧みです。

献金を集める際にも、漠然と集めるのではなく、目標金額と期限を決めて、それが各人に振り分けられるようです。

当然、途中経過が逐一公表され、各人の競争心を煽るようにできています。

これが毎月のノルマであれば高度成長期のモーレツ企業の形態になってしまいますが、特別なイベントとしてなされるので、盛り上がるようです。

最近は、ノルマ管理をおおっぴらにやる企業は減ってきていますので、逆に新鮮に映りますね。

■ただ宗教団体の問題は、逆に金が集まりすぎるということだそうですよ。

企業ならばそれは剰余金として処理するなり、特別ボーナスにするなり、やりようはありますが、宗教団体は本来、集まってくるお金は信者のものということですから、有り余るお金は邪魔になります。

それであちこちに土地を購入したり、高額な美術品を購入したり、ということになります。

一番ダメなのは、団体の幹部が集まったお金を私物化してしまうということですが、そういう団体は利権争いが絶えず、分裂してしまうので、分かりやすいらしいです。

むしろ伝統的な寺院などの方が、集まったお金を私物化しやすいようで、生臭坊主が発生することになります。

世間的な批判を浴びやすい新興宗教は、そういう幹部の行状には敏感ですから、お金が個人に渡らない仕組みを作っています。

彼らは、意外に、質素な生活をしているそうです。

■この本(「新宗教 儲けのカラクリ」島田裕巳著(宝島文庫))が好ましいのは、新興宗教を無理に批判するでもなく、擁護するでもなく、冷静な姿勢で書かれていることでした。
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4800207436/lanchesterkan-22/ref=nosim

特に私はビジネスの観点から読むことができて、面白かったですね。

参考にできるところは参考にして、今後のビジネス活動に活かしていきたいと思います。

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