コメダ珈琲店に人気があるのは理由がある

2016.03.24

(2016年3月24日メルマガより)



■コメダ珈琲店の勢いが止まりませんね。


参考:なぜいま"昭和型"の喫茶店「コメダ珈琲店」が人気なのか
http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1602/26/news024.html

上記の記事によると、2016年1月末での店舗数は、667店。

スターバックスの1152店、ドトールコーヒーの1104店に続き、日本3位です。

スタバの店舗数は、無理やり増やした感が無きにしも非ずですが、コメダの勢いはどう判断すればよいのでしょうか。

■コメダ珈琲店の一号店は、1968年に名古屋で開店しています。

社長さんの名前は、加藤さん。米田さんではありません。

なぜコメダ珈琲店だったかというと、加藤さんの生家が米屋さんをしていたからだそうです。トリビア。

■名古屋は喫茶店の激戦区です。

コメダ珈琲店といえば、クロワッサン生地のパンに生クリームやアイスクリームをこれでもかと乗せたシロノワールなる食べ物や、ボリュームのやたら豊かなサンドイッチが思い浮かびますが、名古屋発祥だといえば、それもうなづけます。

なにしろ、名古屋の喫茶店のモーニングサービスは常軌を逸するほどサービス過剰だそうですからね。

そんなところで生き残ってきたチェーン店です。わかりやすい特徴があるわけですな。

■私も大阪のコメダ珈琲店は時々利用しています。

が、失礼な言い方になって申し訳ないですが、特にコーヒーが美味しいわけではありません。なんの変哲もない味です。

食べ物は確かにボリューミーです。

しかし、こちらも取り立てて美味しいということもない。

むしろ価格が高いので、割高感があるかも知れない。

総合的にみて、平均より少し上の満足感かな...というのが、私の印象です。

■では、なぜコメダ珈琲店を利用するのか。

これは一重に、リラックスできるからでしょうね。

肩ひじ張らない普段着で行ける気安さがあります。

少なくとも私はそうです。

■スターバックスも、第三の場所を提供することをコンセプトにしています。

が、あそこは非日常的なスタイリッシュさを演出しています。

居心地のよさを売りにはしていますが、どこか特別な場所、普段と違ったことをする場所です。

それに比べて、コメダ珈琲店は、ログハウス風の作りで非日常性を演出しながらも、昔ながらの懐かしい空間です。

要するに、日常により近い空間です。

だから家族でも気軽に行ける雰囲気を持っています。

■記事にある喫茶店の歴史を追ってみます。

日本で個人経営の喫茶店が全盛だったのは1960年代。コーヒー文化が日本に定着した主役となったのが、これら個人店です。それぞれの店のマスターが、技巧を凝らして、美味しいコーヒーを淹れてくれました。

1970年代、そんな喫茶店がチェーン化していきました。珈琲館やカフェコロラドや。そこそこの味と軽食を出す店です。

漫画喫茶が出てきたのもこのころです。あるいは、純喫茶だけではなく、食事を充実させた店もチェーン化していきました。

そんな時、1980年代に現れて、一世を風靡したのが、ドトールコーヒーを中心とするセルフの低価格店です。

コーヒーを短時間で飲むだけなら、十分な味と空間を実現していました。バブル期に向かっていく多忙なビジネスマンに受け入れられて、一気に喫茶店の主役となりました。

そんなセルフ店のアンチテーゼとして2000年代に登場したのが、スタバを中心としたシアトル系のコーヒーチェーン店です。

同じセルフ店でありながら、長居できる空間をコンセプトにすることで「食事はいらない。そこそこ美味しいコーヒーがあって、居心地よく過ごせたらいい」という顧客に受け入れられました。

つまりバブルが崩壊して、ちょっと疲れたビジネスマンや個人の居場所となりました。

■人口動態的に考えていくと、ドトール以降のチェーン店の動きがよくわかりますね。

ドトールが捉えたのは、多忙なビジネスマン。

スタバが捉えたのは、家庭や仕事場以外の居場所がほしいビジネスマン。

で、コメダが捉えているのが、引退した団塊の世代やファミリーです。

つまり、より時代に合致したターゲットを持っているのが、コメダです。

同店が、今後も伸びていくだろうと考えられる所以です。

■もっともスタバも、いつまでも都会のビジネスマンを相手にしているわけではありません。

スタバが、無理やりにも全国展開していった時、それを受け入れたのは、地方に在住する主婦や引退後の人たちであるはずです。

だから地方のスタバには、本来のスタイリッシュさが薄れているでしょう。

地方展開するためには、必要な変化なのですが、コンセプトが中途半端なまま展開しても魅力を十分に発揮することはできません。

スタバは今後、どのようにコンセプトを変化させていくのか興味のあるところです

■ともかくコメダは、現代的です。逆説的な言い方ですが。

団塊の世代が顧客ですから、昭和ノスタルジーも必然です。

サンドイッチがご馳走だった時の名残があるのもターゲット顧客に合致しています。

局面を見つけて、そこに戦略を作る。というのは、実に基本的な経営のやり方です。

食べ物にボリュームがある。席が広い。懐かしい雰囲気がある。という特徴は、枝葉にしかすぎません。

その幹は、明白なターゲット設定と、そこからつながるコンセプトです。

■上の記事では、コメダの人気は(スタバなどが象徴する)スタイリッシュ疲れなのかも知れないと書かれています。

が、私は、団塊の世代をターゲットにした店づくりというコンセプトが先にあって、それが体現した店づくりが、現役世代にも受け入れられたということだとみています。

いずれにしろ、数年で倍増したコメダの勢いは本物です。

これからも続くと思います。

■では、他の喫茶店はどうすればいいのか。

一つの方向性はコメダと同じ団塊の世代を狙うことです。

何もコメダだけに独占させておく手はありません。

流行ったものには、常にフォロワーが現れて、利益を分け合うものです。

よりノスタルジックに、より居心地のいい空間を演出することができれば、対抗できるかもしれません。

■もう一つは、団塊の世代の次を狙うということ。

いわゆる団塊ジュニア。もうすぐ50歳になる世代です。

バブル経済にぎりぎり乗り遅れた彼らが、青春期に憧れたものは何だったのでしょうか。

それを研究して、うまく捉えることができれば、ポストコメダ珈琲店になることができるかもしれません。

■ビジネスにおいて重要なことは「局面」を捉えること。

その上で、勝つための戦略を作ること。

それがよくわかる事例ですね。

ただし、コメダ珈琲店ほど流行ることを事前のコンセプトで予測するのは難しいことでしょう。

コンセプトを実現し、それが時代に受け入れられた。

こうなれば、一気にスケールアップするのは当然の戦略です。

行けるところまでやってほしいと思います。



(2016年3月24日メルマガより)



■コメダ珈琲店の勢いが止まりませんね。


参考:なぜいま"昭和型"の喫茶店「コメダ珈琲店」が人気なのか
http://www.itmedia.co.jp/business/articles/1602/26/news024.html

上記の記事によると、2016年1月末での店舗数は、667店。

スターバックスの1152店、ドトールコーヒーの1104店に続き、日本3位です。

スタバの店舗数は、無理やり増やした感が無きにしも非ずですが、コメダの勢いはどう判断すればよいのでしょうか。

■コメダ珈琲店の一号店は、1968年に名古屋で開店しています。

社長さんの名前は、加藤さん。米田さんではありません。

なぜコメダ珈琲店だったかというと、加藤さんの生家が米屋さんをしていたからだそうです。トリビア。

■名古屋は喫茶店の激戦区です。

コメダ珈琲店といえば、クロワッサン生地のパンに生クリームやアイスクリームをこれでもかと乗せたシロノワールなる食べ物や、ボリュームのやたら豊かなサンドイッチが思い浮かびますが、名古屋発祥だといえば、それもうなづけます。

なにしろ、名古屋の喫茶店のモーニングサービスは常軌を逸するほどサービス過剰だそうですからね。

そんなところで生き残ってきたチェーン店です。わかりやすい特徴があるわけですな。

■私も大阪のコメダ珈琲店は時々利用しています。

が、失礼な言い方になって申し訳ないですが、特にコーヒーが美味しいわけではありません。なんの変哲もない味です。

食べ物は確かにボリューミーです。

しかし、こちらも取り立てて美味しいということもない。

むしろ価格が高いので、割高感があるかも知れない。

総合的にみて、平均より少し上の満足感かな...というのが、私の印象です。

■では、なぜコメダ珈琲店を利用するのか。

これは一重に、リラックスできるからでしょうね。

肩ひじ張らない普段着で行ける気安さがあります。

少なくとも私はそうです。

■スターバックスも、第三の場所を提供することをコンセプトにしています。

が、あそこは非日常的なスタイリッシュさを演出しています。

居心地のよさを売りにはしていますが、どこか特別な場所、普段と違ったことをする場所です。

それに比べて、コメダ珈琲店は、ログハウス風の作りで非日常性を演出しながらも、昔ながらの懐かしい空間です。

要するに、日常により近い空間です。

だから家族でも気軽に行ける雰囲気を持っています。

■記事にある喫茶店の歴史を追ってみます。

日本で個人経営の喫茶店が全盛だったのは1960年代。コーヒー文化が日本に定着した主役となったのが、これら個人店です。それぞれの店のマスターが、技巧を凝らして、美味しいコーヒーを淹れてくれました。

1970年代、そんな喫茶店がチェーン化していきました。珈琲館やカフェコロラドや。そこそこの味と軽食を出す店です。

漫画喫茶が出てきたのもこのころです。あるいは、純喫茶だけではなく、食事を充実させた店もチェーン化していきました。

そんな時、1980年代に現れて、一世を風靡したのが、ドトールコーヒーを中心とするセルフの低価格店です。

コーヒーを短時間で飲むだけなら、十分な味と空間を実現していました。バブル期に向かっていく多忙なビジネスマンに受け入れられて、一気に喫茶店の主役となりました。

そんなセルフ店のアンチテーゼとして2000年代に登場したのが、スタバを中心としたシアトル系のコーヒーチェーン店です。

同じセルフ店でありながら、長居できる空間をコンセプトにすることで「食事はいらない。そこそこ美味しいコーヒーがあって、居心地よく過ごせたらいい」という顧客に受け入れられました。

つまりバブルが崩壊して、ちょっと疲れたビジネスマンや個人の居場所となりました。

■人口動態的に考えていくと、ドトール以降のチェーン店の動きがよくわかりますね。

ドトールが捉えたのは、多忙なビジネスマン。

スタバが捉えたのは、家庭や仕事場以外の居場所がほしいビジネスマン。

で、コメダが捉えているのが、引退した団塊の世代やファミリーです。

つまり、より時代に合致したターゲットを持っているのが、コメダです。

同店が、今後も伸びていくだろうと考えられる所以です。

■もっともスタバも、いつまでも都会のビジネスマンを相手にしているわけではありません。

スタバが、無理やりにも全国展開していった時、それを受け入れたのは、地方に在住する主婦や引退後の人たちであるはずです。

だから地方のスタバには、本来のスタイリッシュさが薄れているでしょう。

地方展開するためには、必要な変化なのですが、コンセプトが中途半端なまま展開しても魅力を十分に発揮することはできません。

スタバは今後、どのようにコンセプトを変化させていくのか興味のあるところです

■ともかくコメダは、現代的です。逆説的な言い方ですが。

団塊の世代が顧客ですから、昭和ノスタルジーも必然です。

サンドイッチがご馳走だった時の名残があるのもターゲット顧客に合致しています。

局面を見つけて、そこに戦略を作る。というのは、実に基本的な経営のやり方です。

食べ物にボリュームがある。席が広い。懐かしい雰囲気がある。という特徴は、枝葉にしかすぎません。

その幹は、明白なターゲット設定と、そこからつながるコンセプトです。

■上の記事では、コメダの人気は(スタバなどが象徴する)スタイリッシュ疲れなのかも知れないと書かれています。

が、私は、団塊の世代をターゲットにした店づくりというコンセプトが先にあって、それが体現した店づくりが、現役世代にも受け入れられたということだとみています。

いずれにしろ、数年で倍増したコメダの勢いは本物です。

これからも続くと思います。

■では、他の喫茶店はどうすればいいのか。

一つの方向性はコメダと同じ団塊の世代を狙うことです。

何もコメダだけに独占させておく手はありません。

流行ったものには、常にフォロワーが現れて、利益を分け合うものです。

よりノスタルジックに、より居心地のいい空間を演出することができれば、対抗できるかもしれません。

■もう一つは、団塊の世代の次を狙うということ。

いわゆる団塊ジュニア。もうすぐ50歳になる世代です。

バブル経済にぎりぎり乗り遅れた彼らが、青春期に憧れたものは何だったのでしょうか。

それを研究して、うまく捉えることができれば、ポストコメダ珈琲店になることができるかもしれません。

■ビジネスにおいて重要なことは「局面」を捉えること。

その上で、勝つための戦略を作ること。

それがよくわかる事例ですね。

ただし、コメダ珈琲店ほど流行ることを事前のコンセプトで予測するのは難しいことでしょう。

コンセプトを実現し、それが時代に受け入れられた。

こうなれば、一気にスケールアップするのは当然の戦略です。

行けるところまでやってほしいと思います。



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