任天堂はもう一度天下をとれるのか

2015.04.02

(2015年4月2日メルマガより)



■任天堂とDeNAが資本提携することを発表しました。


参考:任天堂、スマホ開拓へ転換  DeNAと資本提携、苦境打開「マリオ」解禁(日本経済新聞・有料記事)
http://www.nikkei.com/paper/article/?ng=DGKKASDZ17I2V_X10C15A3TI0000

任天堂の岩田社長は「時が来た」などと勇ましいことを言っておりますが、誰がどう見たって、動きが遅い。

なにしろ、任天堂の売上はピーク時に比べて、1/3程度。営業利益は3年連続赤字です。

参考:グラフでわかる企業財務 任天堂株式会社
http://financial-statements-analysis.blogspot.jp/2014/06/blog-post.html

ここに至るまで放置しておくとはいかにも悠長ですが、なにしろ1兆4千億円以上の利益剰余金がある会社ですから、のんびりしていてもいいんでしょうな。


■上のグラフを見てもらえばわかると思いますが、一時期の任天堂は凄まじかった。

Wiiなるゲーム機が大ヒットして、マッターホルンのごとき頂を作ったかと思うと、あれよあれよという間に下落してしまいました。

いかにゲーム産業の旬が短いかがわかるというものです。

しかし、その後を見てみると、Wii発売前の水準に戻っているわけですから、ピークの山がなかったと考えれば、順調に推移しているとみることもできます。

ピークがあったために、固定費が嵩んで、赤字になってしまったのですね。

なにごとも、急激なことはあきませんな。


■ところが、その間に、ゲーム業界の構造は大きく変わってしまいました。

スマートフォンの台頭です。

国内の家庭用ゲーム機の市場規模は約4千億円。これは減り続けています。

これに対して、成長著しいスマホゲームの市場規模は約7千億円とも言われます。

完全に逆転してしまいました。

つまり、ゲーム専用機でゲームをするか、スマホでゲームをするか、と問われたユーザーは「そら、スマホでやった方が便利やん」と答えたわけです。

いや、高度なゲームはゲーム専用機でしかできない!と主張するコアなゲームファンもいるでしょうが、圧倒的に多のは、どうせ暇つぶしなんだから、そこまで求めない。というライトなユーザーです。

これはどの業界も同じですね。結局、需要のボリュームゾーンは、こだわりのないライトなユーザー層です。

ゲーム業界最大手の任天堂とすれば、メインを張れないというのは、忌々しき事態であり、スマホゲームなんて邪道だーーとばかりは言っていられません。

これは、3年連続赤字という事象以上に深刻な事態です。

さすがに危機感を抱いて、オンラインゲーム大手のDeNAと組んだ次第です。

まあ、余裕のある会社ですから、手遅れというわけでもありません。


■一方のDeNAは、インターネットオークション「モバオク」の運営から始まり、その後、携帯電話用のオンラインゲーム「モバゲー」で大当たりした会社です。

プロ野球球団も持っています。

ところがこちらもガラケーの時代はよかったもののスマホの時代になるとヒット作を出すことができずに苦しんでいます。

ゲーム産業は毀誉褒貶が激しいということがここでもいえるわけですが、ゲームに偏重している売上構造なので、安穏としていられません。

一発逆転をするためには、どうしても任天堂のゲームキャラクターがほしかったようです。

ただし、任天堂のキャラクターを使って客寄せするだけのショボイ提携ならやらない方がマシです。

DeNAの社名が変わっても是とするぐらいの覚悟がほしいものです。


■そもそも任天堂がスマホゲームに進出したくなかったのは、主要ターゲットを子供やファミリーとしているからです。

かつてソニーがプレイステーションでわが世の春を謳歌していた時も、任天堂はブレずに、子供やファミリー向けの商品づくりを続けていました。

その方向性の確かさが、Wiiという大ヒット機を生んだわけです。

個人的には、こういうフォーカスをしている企業は好きですね^^

そんな任天堂ですから、スマホゲームは子供がするものじゃない。ファミリーでもない。という思いがあったことでしょう。

ただここまでスマホが普及してくれば、そうも言ってられません。子供も使うでしょうし、家族でSNSを共有することもあります。

このあたりが、スマホに参入するギリギリのタイミングだったのでしょうね。

「時が来た」というよりは「時間切れだ」と言った方が適切な決断です。


■しかしやるからには、これぞ任天堂のスマホゲーム!というものをやっていただきたい。

子供相手に、射幸心を煽って課金を促すようなビジネスはやってほしくありません。

子供を変な出会いのリスクに晒すようなゲームなどもってのほかです。

任天堂マークがついているからには、親も安心してやらせられるという健全な規範を作ってほしい。

そう願います。


■今回、DeNAと組んだのは、ネットワークゲームのインフラを利用したいことと、ソーシャルゲームビジネスのノウハウを学びたかったからだと聞いています。

が、どうにも手ぬるい。

さっさと合併するなり、買収するなりして、本格的に参入するべきです。

私なら、シャープに資本参加して、噂に上がっている「ニンテンドー・フォン」をさっさと作ります。

これはもちろん、子供用簡単携帯に、ゲームボーイ機能をつけたものです。

基本的にゲームはインストール時に課金。携帯電話料金と一緒に徴収します。

このニンテンドー・フォンで、小学生から中学生までをカバーします。

高校生以上には、DeNAのノウハウを活用して、スマホ用ソフトを開発します。

iPhoneであろうとアンドロイドであろうと、任天堂ソフトさえ入れれば、マイスマホがゲームボーイ化するようにしておきます。

家族でソフトは共有可。一家で一台ソフトを購入すれば、皆で使えるようになります。要するに、iTunesみたいなものを作ります。


■つまり、スマホゲームのためのプラットフォームを作るわけです。

そうすると、任天堂が得意な、ソフト開発会社を束ねて機械(場)を売るというビジネスに持ち込むことができます。

逆にいうと、プラットフォームビジネスでなければ任天堂の強みが活きません。ジリ貧になってしまうでしょう。

いまだに任天堂が、本当に売りたいのはゲーム専用機である。と言っているのは、たぶんスマホシフトしてしまっては売上や利益を維持できないという試算があるのだろうと思います。

しかし、ここで現状維持を言っても仕方ありません。現在のビジネスを否定するぐらいでないと、新しい価値は生み出せません。

ここは、ゲーム専用機などやめてしまって退路を断ち、ソーシャルゲームの新しい市場基準を作る!新しいスマホゲーム機のスタンダードになる!というつもりでやっていただきたいものだと思います。


■ただ問題は、DeNAが、任天堂と一緒になってしまったら、プロ野球はどうなってしまうのだろうか?ということです。

任天堂ベイスターズ?

任天堂スーパーマリオスターズ?

なんか強そうですねーー;

あんまり阪神タイガースを脅かすような存在にはなってほしくないなー

最大の懸念は、それですな。

(2015年4月2日メルマガより)



■任天堂とDeNAが資本提携することを発表しました。


参考:任天堂、スマホ開拓へ転換  DeNAと資本提携、苦境打開「マリオ」解禁(日本経済新聞・有料記事)
http://www.nikkei.com/paper/article/?ng=DGKKASDZ17I2V_X10C15A3TI0000

任天堂の岩田社長は「時が来た」などと勇ましいことを言っておりますが、誰がどう見たって、動きが遅い。

なにしろ、任天堂の売上はピーク時に比べて、1/3程度。営業利益は3年連続赤字です。

参考:グラフでわかる企業財務 任天堂株式会社
http://financial-statements-analysis.blogspot.jp/2014/06/blog-post.html

ここに至るまで放置しておくとはいかにも悠長ですが、なにしろ1兆4千億円以上の利益剰余金がある会社ですから、のんびりしていてもいいんでしょうな。


■上のグラフを見てもらえばわかると思いますが、一時期の任天堂は凄まじかった。

Wiiなるゲーム機が大ヒットして、マッターホルンのごとき頂を作ったかと思うと、あれよあれよという間に下落してしまいました。

いかにゲーム産業の旬が短いかがわかるというものです。

しかし、その後を見てみると、Wii発売前の水準に戻っているわけですから、ピークの山がなかったと考えれば、順調に推移しているとみることもできます。

ピークがあったために、固定費が嵩んで、赤字になってしまったのですね。

なにごとも、急激なことはあきませんな。


■ところが、その間に、ゲーム業界の構造は大きく変わってしまいました。

スマートフォンの台頭です。

国内の家庭用ゲーム機の市場規模は約4千億円。これは減り続けています。

これに対して、成長著しいスマホゲームの市場規模は約7千億円とも言われます。

完全に逆転してしまいました。

つまり、ゲーム専用機でゲームをするか、スマホでゲームをするか、と問われたユーザーは「そら、スマホでやった方が便利やん」と答えたわけです。

いや、高度なゲームはゲーム専用機でしかできない!と主張するコアなゲームファンもいるでしょうが、圧倒的に多のは、どうせ暇つぶしなんだから、そこまで求めない。というライトなユーザーです。

これはどの業界も同じですね。結局、需要のボリュームゾーンは、こだわりのないライトなユーザー層です。

ゲーム業界最大手の任天堂とすれば、メインを張れないというのは、忌々しき事態であり、スマホゲームなんて邪道だーーとばかりは言っていられません。

これは、3年連続赤字という事象以上に深刻な事態です。

さすがに危機感を抱いて、オンラインゲーム大手のDeNAと組んだ次第です。

まあ、余裕のある会社ですから、手遅れというわけでもありません。


■一方のDeNAは、インターネットオークション「モバオク」の運営から始まり、その後、携帯電話用のオンラインゲーム「モバゲー」で大当たりした会社です。

プロ野球球団も持っています。

ところがこちらもガラケーの時代はよかったもののスマホの時代になるとヒット作を出すことができずに苦しんでいます。

ゲーム産業は毀誉褒貶が激しいということがここでもいえるわけですが、ゲームに偏重している売上構造なので、安穏としていられません。

一発逆転をするためには、どうしても任天堂のゲームキャラクターがほしかったようです。

ただし、任天堂のキャラクターを使って客寄せするだけのショボイ提携ならやらない方がマシです。

DeNAの社名が変わっても是とするぐらいの覚悟がほしいものです。


■そもそも任天堂がスマホゲームに進出したくなかったのは、主要ターゲットを子供やファミリーとしているからです。

かつてソニーがプレイステーションでわが世の春を謳歌していた時も、任天堂はブレずに、子供やファミリー向けの商品づくりを続けていました。

その方向性の確かさが、Wiiという大ヒット機を生んだわけです。

個人的には、こういうフォーカスをしている企業は好きですね^^

そんな任天堂ですから、スマホゲームは子供がするものじゃない。ファミリーでもない。という思いがあったことでしょう。

ただここまでスマホが普及してくれば、そうも言ってられません。子供も使うでしょうし、家族でSNSを共有することもあります。

このあたりが、スマホに参入するギリギリのタイミングだったのでしょうね。

「時が来た」というよりは「時間切れだ」と言った方が適切な決断です。


■しかしやるからには、これぞ任天堂のスマホゲーム!というものをやっていただきたい。

子供相手に、射幸心を煽って課金を促すようなビジネスはやってほしくありません。

子供を変な出会いのリスクに晒すようなゲームなどもってのほかです。

任天堂マークがついているからには、親も安心してやらせられるという健全な規範を作ってほしい。

そう願います。


■今回、DeNAと組んだのは、ネットワークゲームのインフラを利用したいことと、ソーシャルゲームビジネスのノウハウを学びたかったからだと聞いています。

が、どうにも手ぬるい。

さっさと合併するなり、買収するなりして、本格的に参入するべきです。

私なら、シャープに資本参加して、噂に上がっている「ニンテンドー・フォン」をさっさと作ります。

これはもちろん、子供用簡単携帯に、ゲームボーイ機能をつけたものです。

基本的にゲームはインストール時に課金。携帯電話料金と一緒に徴収します。

このニンテンドー・フォンで、小学生から中学生までをカバーします。

高校生以上には、DeNAのノウハウを活用して、スマホ用ソフトを開発します。

iPhoneであろうとアンドロイドであろうと、任天堂ソフトさえ入れれば、マイスマホがゲームボーイ化するようにしておきます。

家族でソフトは共有可。一家で一台ソフトを購入すれば、皆で使えるようになります。要するに、iTunesみたいなものを作ります。


■つまり、スマホゲームのためのプラットフォームを作るわけです。

そうすると、任天堂が得意な、ソフト開発会社を束ねて機械(場)を売るというビジネスに持ち込むことができます。

逆にいうと、プラットフォームビジネスでなければ任天堂の強みが活きません。ジリ貧になってしまうでしょう。

いまだに任天堂が、本当に売りたいのはゲーム専用機である。と言っているのは、たぶんスマホシフトしてしまっては売上や利益を維持できないという試算があるのだろうと思います。

しかし、ここで現状維持を言っても仕方ありません。現在のビジネスを否定するぐらいでないと、新しい価値は生み出せません。

ここは、ゲーム専用機などやめてしまって退路を断ち、ソーシャルゲームの新しい市場基準を作る!新しいスマホゲーム機のスタンダードになる!というつもりでやっていただきたいものだと思います。


■ただ問題は、DeNAが、任天堂と一緒になってしまったら、プロ野球はどうなってしまうのだろうか?ということです。

任天堂ベイスターズ?

任天堂スーパーマリオスターズ?

なんか強そうですねーー;

あんまり阪神タイガースを脅かすような存在にはなってほしくないなー

最大の懸念は、それですな。

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