驚異の高収益企業キーエンスの理由

2019.06.13

(2019年6月13日メルマガより)



キーエンスの勢いが止まりません。

2019年3月期の決算によれば、売上高5870億円。営業利益3178億円。営業利益率は、なんと54%です。

これは7期連続の最高益更新でもありました。

一般に製造業といえば営業利益10%もあれば、高収益だと謳われます。

優良企業と目されているオムロンで営業利益8.9%、高収益で知られるファナックでも25.7%です。

それなのに、コンスタントに50%以上の営業利益を稼ぐキーエンスは、全く以て規格外です。

そんなの従業員を安い給与で使ってるんじゃないの?と疑いたくなりますが、この会社、報酬が高いことでも有名です。

従業員の平均収入は2088万円とか。それだけの報酬を支払いながらどうやって利益を上げ続けているというのでしょうか。


高収益の理由は、営業力


キーエンスは、自動制御機、測定機器などを製造販売するメーカーです。現在の本社は新大阪にあります。

自動制御機や測定機器は、自動化された工場のラインで使用される機器です。今の工場は高度に電子化されていますから、それを制御するコンピュータが必要ですし、あるいは自動で不良品を検知する装置が必要となります。そのような機器を扱っています。

ただ同社が単に出来合いの機器を販売しているだけでは、他のメーカーとあまり変わらない収益しか上げられないでしょう。

キーエンスが得意とするのは、ソリューションを含めた販売です。顧客企業の状況に応じて、どれだけラインを効率化できるのか、不良率を減らせるのかを提案します。もし年間数千万円分の不良品を削減することができれば、少々高い機器を購入しても充分もとがとれると工場側は考えるはずです。

キーエンスがやっているのは、顧客企業の個別事情に応じた特殊製品の販売なのか?

と思ってしまいそうですが、そうではありません。

実は、キーエンスは自社で製造工場を持たないファブレス経営を実施しています。自社でやるのは商品の企画、設計のみ。あとは協力工場に外注しています。

そんな企業が、いちいち商品の個別カスタマイズなんてやっていたら、経費倒れになってしまいます。

だから基本的に同社は、個別カスタマイズには応じていません。既製品の販売のみです。


ますますわからなくなってきましたね^^;

既製品を販売して、それだけ高く売れるとはどういうことか?

しかも、製造は外注に依頼しているわけですから、ものすごく高い品質で勝負する会社ではありません。

ということは、(1)既製品でも顧客が「欲しい!」と思えるような商品を他社に先駆けて販売する。

あるいは(2)既製品を使って顧客企業の問題を解決するような高度な提案をしている。

ということになります。


高度な提案をするためには営業の能力が高くなければなりません。また、顧客が欲しがる商品を企画するためには、それだけ濃い情報を集めてくる営業の力が必要です。

簡単に言ってしまえば、キーエンスとは、むちゃくちゃ営業力のある会社だということです。


ソリューション提案営業


一般に製造業といえば、技術力、生産力で勝負しようとしています。営業力は二の次という会社が多い。

元請け企業がしっかりしていて、その営業力の傘の下で製造だけしていればいいという状況では、それが合理的です。

ところが、キーエンスがユニークなのは、早い時期から下請け仕事に見切りをつけ、直接顧客開拓する道を選んだというところです。

自分で顧客を獲得するためには、営業力が必要です。小さい会社であればなおのこと、会社の看板に頼らなくてもいいほどの強い営業力が必要となります。あげくの果ては、生産力そのものも外部の協力工場に出してしまって、営業力で勝負する方向性をとりました。

製造業なのに、営業力で勝負しているというのがキーエンスの特殊性です。


じゃあ、一体、キーエンスはどんな営業をやっているのでしょうか?

このあたり、同社はあまり情報を表に出さない会社のようで、詳細はよくわかっていません。

ただ同社の営業の方や元社員の方から漏れ聞くところによると、そこまで特殊なことをやっているわけではないようです。

年収2000万円超の営業というと、なにか魔法のような凄いテクニックを持っているような気がしますが、そうではありません。むしろ、ごく一般的な当たり前のことをやっています。

基本的には「ソリューション提案営業」を、きっかりとしたプロセスに従って実行するスタイルです。

解説が必要ですね。

ソリューションとは、問題解決のこと。顧客の悩みや問題が、自社商品を使用することで解消する、というストーリーの提案をするのが、ソリューション提案営業です。

例えば、顧客企業が、原因のはっきりしない不良品の発生に悩んでいるとします。ある一定の割合で不良品が出るのは、製造業として仕方のないことではあるものの、不良品が出ることで、顧客に迷惑がかかるし、無駄なコストもかかります。

できれば不良品は出したくない。しかし、精密機械を作っていると、目に見えない感じ取れないほんの小さな傾きや傷が致命的な不具合を導き出すことがよくあるもの。それは製品ができたのち、不具合が発生してはじめて不良品だったとわかる類のものです。

ところが、ここに、人間では知覚できない微細な異常を感知してくれるセンサーがあればどうでしょう。製品として組み立てる前に、不具合の種を取り除いてしまえば、不良品を世に出さなくて済みます。

優秀な営業は、工場の製造工程を子細に調べ、どの工程のどの部分にセンサーを設置すれば、最も効率的に不良発生を塞げるかを提案します。しかも、そのセンサーを導入することで、年間どれぐらいのコストを削減できるのかまで明らかにします。

もしそのセンサーの購入費用が、コスト削減効果より充分に低いならば、その製品を購入することに何ら不合理はありません。

このように、顧客の抱えている問題がどのように解消されるのかを中心に説明するのが、ソリューション提案です。

もし同じ性能のセンサーを販売するとしても、単に製品の性能を説明するだけでは「この製品を買うとどんな得があるのか」は、顧客に考えてもらわなければなりません。

高い買い物をするのに、わざわざ「何の得になるのか」を自分で考えて、上司に説明し、説得しなければならないのは大変な負担です。

そんな面倒くさいことをするならば、いちばん安いやつを選んで「安いので、これにしました」と報告すれば、上司からの厳しい追及もなく楽ちんです。


営業をパターン化


ソリューション提案なんてムヅイわ!という声が聞こえてきそうですか。かなり能力のある営業にしかできないことだろうと思われるかも知れません。

しかし、いまは、ソリューション提案営業を行うための手順設計が、相当程度、明確にされています。

顧客の絞り込み方

最初の接触方法

信頼関係の作り方

顧客の問題を聞き出す方法

提案のパターン

契約に至る交渉術

契約後のフォロー

に至るまで、パターンを作りこむことが可能です。

パターンやマニュアルがあれば、営業センスのあるベテラン営業でなくても、丁寧に着実にやっていれば、ソリューション営業ができるようになっています。

もちろん創意工夫が必要な部分はあります。ベテランになれば、できることの幅や深さが違ってくるでしょう。

それは仕方ないことです。新人営業は、なるべく経験を積み、上司の指導を仰ぎ、教育訓練を真剣に受けて、練達していかなければなりません。

その育成システムを含めてパターンです。

キーエンスは、営業プロセスの標準化とその習得のための教育訓練を徹底しているようです。


やり過ぎ感のある営業マネジメント


キーエンスの営業の方に営業の方法について聞いたことがあります。

聞き取れたのは、概ね、一般的な営業プロセスに従って行動しているということでした。

一般的な、というのは、リストアップ、アプローチ、ヒアリング、プレゼンテーション、クロージング、アフターフォローという流れのことで、あらゆる営業にあてはまるプロセスのことです。

キーエンスの社内資料として、営業プロセスを図示したものを見せてもらいましたから確かです。

その時は「案外、普通なんだなあ」と思った記憶があります。


ただし、それを実行させるための営業マネジメントに特殊性がありました。

いや、特殊、というのは間違いです。

営業活動のために、目標を決め、それを行動計画に落とし込ませ、フィードバックさせる。というのは、ごく普通のマネジメントです。

ただし、その徹底ぶりが特殊だと言いたくなるものでした。

一般に、営業は一か月単位で目標達成することを求められます。ちょっと厳しい会社は10日ごと、一週間ごとに管理されます。

が、キーエンスは一日単位です。

毎朝、営業各人が今日の目標を公表し、午後にはその進捗状況について説明を求められます。

もちろん、目標というのは売上や利益だけではありません。目標利益を上げるためには、営業として何をしなければならないのか、その行動目標が求められます。

例えば、顧客を何件訪問するのか、何人のキーマンと会うのか、新規の電話アポは何件するのか、提案書は何件出すのか、フォロー訪問は何件するのか。

見込み客は何件確保しているのか、仕掛りの営業案件は何件あるのか、その進捗状況はどうなのか。

最終的な利益を出すためには、そのための行動が必要です。どの行動が、利益に結びつくのかは、会社内のデータを解析すれば、かなりの部分出てきます。

だから、営業は無駄な行動を極力避けて、利益に結びつく行動をとるように厳しく管理されます。

それがキーエンスの場合、徹底し過ぎて、追い立てるというか、追い詰めると言いたくなるような厳しさで行われるらしいです。

ここだけの話ですが、私が話を聞いたキーエンスの営業は、かなり疲弊しているように見えました。

決められたことをこなすのに精いっぱいで、全体的な戦略や方向性を考える余裕があるようには見えませんでした。

その時思い浮かべたのが「能く士卒の耳目を愚にして、之くこと無からしむ」という孫子の言葉でした。(兵隊にはあれこれ考えさせないようにして、逃亡させないようにする)

キーエンスというのは、孫子の忠実な実践企業なのかもしれませんな。


別のキーエンスの元営業が「いい思い出などひとつもない」と言っているのを聞いたことがあります。

合理的なマネジメントも度を越せば、非人間的になっていくのかも知れません。

キーエンスの平均勤続年数は約12年だといいますが、燃え尽きてしまうのも無理ありませんね。

給料が高いというのは、それ以上の仕事がついてくるということみたいです。


生き残るためには営業の力が必要


ここまで追い立てるようなマネジメントは賛成できません。

が、やらなさ過ぎるというのも問題ですよ。

キーエンスの営業方法が好業績に結び付いていることは、確かです。

参考にできる部分は、大いに参考にしなければなりません。

顧客第一主義の徹底。営業のプロセス化、標準化、目標を行動に落とし込む方法、行動をマネジメントする方法。

いずれも理にかなっています。

繰り返しますが、キーエンスが特殊なことをしているわけではありません。むしろその仕組みは、営業の基本原則をとことんまで突き詰めた結果です。

やり過ぎ感はあるものの、その効果は実証されたと考えます。


中小製造業に営業の仕組みを導入することは、私の本業です。

「キーエンスの方法をあなたの会社に」と言えば、キャッチーすぎますかね。

縮小する市場で生き残るためには、営業の力が必要不可欠です。

今からでも遅くありません。どうか営業機能の構築を目指してください。



≪参考≫





(2019年6月13日メルマガより)



キーエンスの勢いが止まりません。

2019年3月期の決算によれば、売上高5870億円。営業利益3178億円。営業利益率は、なんと54%です。

これは7期連続の最高益更新でもありました。

一般に製造業といえば営業利益10%もあれば、高収益だと謳われます。

優良企業と目されているオムロンで営業利益8.9%、高収益で知られるファナックでも25.7%です。

それなのに、コンスタントに50%以上の営業利益を稼ぐキーエンスは、全く以て規格外です。

そんなの従業員を安い給与で使ってるんじゃないの?と疑いたくなりますが、この会社、報酬が高いことでも有名です。

従業員の平均収入は2088万円とか。それだけの報酬を支払いながらどうやって利益を上げ続けているというのでしょうか。


高収益の理由は、営業力


キーエンスは、自動制御機、測定機器などを製造販売するメーカーです。現在の本社は新大阪にあります。

自動制御機や測定機器は、自動化された工場のラインで使用される機器です。今の工場は高度に電子化されていますから、それを制御するコンピュータが必要ですし、あるいは自動で不良品を検知する装置が必要となります。そのような機器を扱っています。

ただ同社が単に出来合いの機器を販売しているだけでは、他のメーカーとあまり変わらない収益しか上げられないでしょう。

キーエンスが得意とするのは、ソリューションを含めた販売です。顧客企業の状況に応じて、どれだけラインを効率化できるのか、不良率を減らせるのかを提案します。もし年間数千万円分の不良品を削減することができれば、少々高い機器を購入しても充分もとがとれると工場側は考えるはずです。

キーエンスがやっているのは、顧客企業の個別事情に応じた特殊製品の販売なのか?

と思ってしまいそうですが、そうではありません。

実は、キーエンスは自社で製造工場を持たないファブレス経営を実施しています。自社でやるのは商品の企画、設計のみ。あとは協力工場に外注しています。

そんな企業が、いちいち商品の個別カスタマイズなんてやっていたら、経費倒れになってしまいます。

だから基本的に同社は、個別カスタマイズには応じていません。既製品の販売のみです。


ますますわからなくなってきましたね^^;

既製品を販売して、それだけ高く売れるとはどういうことか?

しかも、製造は外注に依頼しているわけですから、ものすごく高い品質で勝負する会社ではありません。

ということは、(1)既製品でも顧客が「欲しい!」と思えるような商品を他社に先駆けて販売する。

あるいは(2)既製品を使って顧客企業の問題を解決するような高度な提案をしている。

ということになります。


高度な提案をするためには営業の能力が高くなければなりません。また、顧客が欲しがる商品を企画するためには、それだけ濃い情報を集めてくる営業の力が必要です。

簡単に言ってしまえば、キーエンスとは、むちゃくちゃ営業力のある会社だということです。


ソリューション提案営業


一般に製造業といえば、技術力、生産力で勝負しようとしています。営業力は二の次という会社が多い。

元請け企業がしっかりしていて、その営業力の傘の下で製造だけしていればいいという状況では、それが合理的です。

ところが、キーエンスがユニークなのは、早い時期から下請け仕事に見切りをつけ、直接顧客開拓する道を選んだというところです。

自分で顧客を獲得するためには、営業力が必要です。小さい会社であればなおのこと、会社の看板に頼らなくてもいいほどの強い営業力が必要となります。あげくの果ては、生産力そのものも外部の協力工場に出してしまって、営業力で勝負する方向性をとりました。

製造業なのに、営業力で勝負しているというのがキーエンスの特殊性です。


じゃあ、一体、キーエンスはどんな営業をやっているのでしょうか?

このあたり、同社はあまり情報を表に出さない会社のようで、詳細はよくわかっていません。

ただ同社の営業の方や元社員の方から漏れ聞くところによると、そこまで特殊なことをやっているわけではないようです。

年収2000万円超の営業というと、なにか魔法のような凄いテクニックを持っているような気がしますが、そうではありません。むしろ、ごく一般的な当たり前のことをやっています。

基本的には「ソリューション提案営業」を、きっかりとしたプロセスに従って実行するスタイルです。

解説が必要ですね。

ソリューションとは、問題解決のこと。顧客の悩みや問題が、自社商品を使用することで解消する、というストーリーの提案をするのが、ソリューション提案営業です。

例えば、顧客企業が、原因のはっきりしない不良品の発生に悩んでいるとします。ある一定の割合で不良品が出るのは、製造業として仕方のないことではあるものの、不良品が出ることで、顧客に迷惑がかかるし、無駄なコストもかかります。

できれば不良品は出したくない。しかし、精密機械を作っていると、目に見えない感じ取れないほんの小さな傾きや傷が致命的な不具合を導き出すことがよくあるもの。それは製品ができたのち、不具合が発生してはじめて不良品だったとわかる類のものです。

ところが、ここに、人間では知覚できない微細な異常を感知してくれるセンサーがあればどうでしょう。製品として組み立てる前に、不具合の種を取り除いてしまえば、不良品を世に出さなくて済みます。

優秀な営業は、工場の製造工程を子細に調べ、どの工程のどの部分にセンサーを設置すれば、最も効率的に不良発生を塞げるかを提案します。しかも、そのセンサーを導入することで、年間どれぐらいのコストを削減できるのかまで明らかにします。

もしそのセンサーの購入費用が、コスト削減効果より充分に低いならば、その製品を購入することに何ら不合理はありません。

このように、顧客の抱えている問題がどのように解消されるのかを中心に説明するのが、ソリューション提案です。

もし同じ性能のセンサーを販売するとしても、単に製品の性能を説明するだけでは「この製品を買うとどんな得があるのか」は、顧客に考えてもらわなければなりません。

高い買い物をするのに、わざわざ「何の得になるのか」を自分で考えて、上司に説明し、説得しなければならないのは大変な負担です。

そんな面倒くさいことをするならば、いちばん安いやつを選んで「安いので、これにしました」と報告すれば、上司からの厳しい追及もなく楽ちんです。


営業をパターン化


ソリューション提案なんてムヅイわ!という声が聞こえてきそうですか。かなり能力のある営業にしかできないことだろうと思われるかも知れません。

しかし、いまは、ソリューション提案営業を行うための手順設計が、相当程度、明確にされています。

顧客の絞り込み方

最初の接触方法

信頼関係の作り方

顧客の問題を聞き出す方法

提案のパターン

契約に至る交渉術

契約後のフォロー

に至るまで、パターンを作りこむことが可能です。

パターンやマニュアルがあれば、営業センスのあるベテラン営業でなくても、丁寧に着実にやっていれば、ソリューション営業ができるようになっています。

もちろん創意工夫が必要な部分はあります。ベテランになれば、できることの幅や深さが違ってくるでしょう。

それは仕方ないことです。新人営業は、なるべく経験を積み、上司の指導を仰ぎ、教育訓練を真剣に受けて、練達していかなければなりません。

その育成システムを含めてパターンです。

キーエンスは、営業プロセスの標準化とその習得のための教育訓練を徹底しているようです。


やり過ぎ感のある営業マネジメント


キーエンスの営業の方に営業の方法について聞いたことがあります。

聞き取れたのは、概ね、一般的な営業プロセスに従って行動しているということでした。

一般的な、というのは、リストアップ、アプローチ、ヒアリング、プレゼンテーション、クロージング、アフターフォローという流れのことで、あらゆる営業にあてはまるプロセスのことです。

キーエンスの社内資料として、営業プロセスを図示したものを見せてもらいましたから確かです。

その時は「案外、普通なんだなあ」と思った記憶があります。


ただし、それを実行させるための営業マネジメントに特殊性がありました。

いや、特殊、というのは間違いです。

営業活動のために、目標を決め、それを行動計画に落とし込ませ、フィードバックさせる。というのは、ごく普通のマネジメントです。

ただし、その徹底ぶりが特殊だと言いたくなるものでした。

一般に、営業は一か月単位で目標達成することを求められます。ちょっと厳しい会社は10日ごと、一週間ごとに管理されます。

が、キーエンスは一日単位です。

毎朝、営業各人が今日の目標を公表し、午後にはその進捗状況について説明を求められます。

もちろん、目標というのは売上や利益だけではありません。目標利益を上げるためには、営業として何をしなければならないのか、その行動目標が求められます。

例えば、顧客を何件訪問するのか、何人のキーマンと会うのか、新規の電話アポは何件するのか、提案書は何件出すのか、フォロー訪問は何件するのか。

見込み客は何件確保しているのか、仕掛りの営業案件は何件あるのか、その進捗状況はどうなのか。

最終的な利益を出すためには、そのための行動が必要です。どの行動が、利益に結びつくのかは、会社内のデータを解析すれば、かなりの部分出てきます。

だから、営業は無駄な行動を極力避けて、利益に結びつく行動をとるように厳しく管理されます。

それがキーエンスの場合、徹底し過ぎて、追い立てるというか、追い詰めると言いたくなるような厳しさで行われるらしいです。

ここだけの話ですが、私が話を聞いたキーエンスの営業は、かなり疲弊しているように見えました。

決められたことをこなすのに精いっぱいで、全体的な戦略や方向性を考える余裕があるようには見えませんでした。

その時思い浮かべたのが「能く士卒の耳目を愚にして、之くこと無からしむ」という孫子の言葉でした。(兵隊にはあれこれ考えさせないようにして、逃亡させないようにする)

キーエンスというのは、孫子の忠実な実践企業なのかもしれませんな。


別のキーエンスの元営業が「いい思い出などひとつもない」と言っているのを聞いたことがあります。

合理的なマネジメントも度を越せば、非人間的になっていくのかも知れません。

キーエンスの平均勤続年数は約12年だといいますが、燃え尽きてしまうのも無理ありませんね。

給料が高いというのは、それ以上の仕事がついてくるということみたいです。


生き残るためには営業の力が必要


ここまで追い立てるようなマネジメントは賛成できません。

が、やらなさ過ぎるというのも問題ですよ。

キーエンスの営業方法が好業績に結び付いていることは、確かです。

参考にできる部分は、大いに参考にしなければなりません。

顧客第一主義の徹底。営業のプロセス化、標準化、目標を行動に落とし込む方法、行動をマネジメントする方法。

いずれも理にかなっています。

繰り返しますが、キーエンスが特殊なことをしているわけではありません。むしろその仕組みは、営業の基本原則をとことんまで突き詰めた結果です。

やり過ぎ感はあるものの、その効果は実証されたと考えます。


中小製造業に営業の仕組みを導入することは、私の本業です。

「キーエンスの方法をあなたの会社に」と言えば、キャッチーすぎますかね。

縮小する市場で生き残るためには、営業の力が必要不可欠です。

今からでも遅くありません。どうか営業機能の構築を目指してください。



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