ダイソンはなぜ売れたのか?

2009.11.19

(2009年11月19日メルマガより)

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■今日の話は、実はよく分かっていません。

ダイソンというのは、イギリスの掃除機メーカーのことです。

1993年に英国で創業し、すぐにトップシェアを確保。

1998年には日本に進出。2006年には、金額ベースで約3割の市場シェアを確
保したということです。

掃除機などという成熟市場において、大きな市場シェアを確保するに至った
原因は何なのか?

私は答えを持っておりません。

皆さんにお聞きしたいと思っております^^;

■今回の元ネタは、日経オンラインに載っていた記事です。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20091104/208824/

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20061006/111258/

さらにその記事はもともと「日経情報ストラテジー2006年11月号」に掲載さ
れていたそうです。

■ダイソン社の創業者ジェームス・ダイソンは、イギリスでも有数の産業デ
ザイナーとして知られています。

ダイソン氏が掃除機にサイクロン技術を活用しようと思い立ったのはいつの
ことなのか私は知りません。

ただ、1983年頃には私財をなげうって、5000台以上の試作品を作っていたと
言われています。

ともあれ、1980年代中頃に、サイクロン技術により紙パックを不要とする掃
除機を開発しました。

もっとも最初にそれを受け入れたのは、本国イギリスではなく、日本の企業
でした。最初の製品は日本の通信販売で売り出したようです。

本国では、誰もダイソンの技術を買おうとしなかったために(恐らくは)仕
方なく、自分で工場を作って、自社ブランドで売り出したところ、1996年に
はイギリスで50%のシェアを獲得するに至っています。

他のメーカーはさぞ悔しがったことでしょうね。

■ダイソン氏の発言を聞くと「ものづくり重視」の姿勢が強く見られます。

曰く「市場開発活動に投資するより、研究開発への投資を優先する。顧客も
その方を喜ぶだろう。時間がかかるかもしれないが。最終的には収益性の高
い会社になる」

その発言の通り、研究開発には12~15%の投資を行っています。(自動
車メーカーでも4~5%程度です)

また品質管理でも、創業当初から「シックスシグマ」(モトローラが開発し
た品質管理手法)を導入し、水も漏らさぬ管理体制を作り上げようとしてい
ました。

ものづくりに賭ける執念は、まるで日本の製造業を見ているようです。

■ただし、多くの意見にあるように、ダイソンが売れたのは、商品力だけで
はないはずです。

イギリスでなぜ売れたのかは皆目分かりません。資料も足りませんし。

では、日本でなぜこれほどまで売れたのかをこれから考えていきましょう。

■マーケティングの4Pで見てみます。

まず商品。

いわゆるサイクロン式の紙パックのいらないタイプとして差別化されていま
す。

他のメーカーの掃除機はゴミをためる袋を必要としており、その取替えが面
倒であるのですが、ダイソン製はそれが不要です。

そのため、紙パックが目詰まりすることがないので「吸引力の変わらない、
ただひとつの掃除機」であるといえます。

もう一つの強みは、デザインです。

ダイソン氏そのものが優秀な産業デザイナーですし、同社は技術者がデザイ
ンも担当するというアプローチをとっているので、デザインに対するこだわ
りは、相当なものがあります。

日本での当初の売れ方も「おしゃれなニッチ家電」という位置づけだったは
ずでした。

■次に価格。

ダイソン製の掃除機は、他のメーカーの3~4倍の価格設定をしています。

なんぼなんでも売れるかいなーーという値段です^^;

ただしこの突拍子もない値段設定が、ライバル会社や顧客にとって、全く違
うジャンルの製品だと認識される要因になったと思われます。

だから日本の手ごわい家電メーカーと無用な軋轢を起こさなかったのではな
いかと私は見ています。

また顧客にとっても、価格帯そのものが差別化要因として捉えられたはずで
す。

結果として、新しい需要を喚起し、市場の規模拡大を招きました。

■チャネル。

デルのようなダイレクトチャネルを自社で構築することも出来たはずですが、
同社は通常の家電量販店をチャネルとしています。

ここは苦労したはずです。

高価格の根拠を顧客に納得してもらうには、相当の説明を必要とします。

それを家電量販店の社員にやってもらおうというのですから、気の遠くなる
ような地道な作業が必要だったはずです。

こんな商品が売れるかーーという気持ちは、顧客よりも小売の販売者の方が
強かったことでしょう。

それを売る気にさせるのは並大抵ではありません。

記事には「地道な作業を続けた」ようなことが書いてありますが、正直言っ
て、どのような活動をしたのか、知りたいものです。

営業コンサルタントとしては、ここが最も興味のあるところです。

しかし、一度売れるとなれば、小売店は非常に強い味方になったことでしょ
う。

なぜなら、1台で他の3~4倍の売上が上がる商品が、小売店にとっては美
味しい存在でないはずはない。

ある時期を境に、マイナスが一気にプラスに転じたはずです。

■プロモーション。

人的営業に関しては、現場に任せきりのような気がするのは私だけでしょう
か^^;

ただ同社のいう「自分たちはこれまでなかった新しい掃除機を売っている。
だから新しい売り方が必要なんだ」という言葉には含蓄があります。

確かに、日本の流通に詳しい営業部長など雇っていたら、他メーカーと同じ
土俵に立って今頃低利益で喘いでいたかも知れません。

結果として素人営業のアプローチが功を奏したといっていいでしょう。

■もう一つ、ダイソンのプロモーションで特徴的なのは「吸引力の変わらな
い、ただひとつの掃除機」というキャッチコピーです。

他社が使用イメージやメリットを顧客に伝えようとしているのに対して、ダ
イソン社のCMは、ジェームズ・ダイソンがひたすら掃除機の機能的優位性
を語るという硬派なものでした。

そして連呼される「ダイソン。吸引力の変わらない、ただひとつの掃除機」
というフレーズ。

私が分からないのは、ここです。

「吸引力」という機能的言語は、そんなに顧客に響くものなのか?

■マーケティングの世界では「顧客は商品がほしいのではない。商品から得
られる効用がほしいのだ」と言っています。

だからこそ常に、顧客の立場に立って、商品なりビジネスを見ていなかいと
見誤ってしまうと教えます。

ところが「吸引力」という言葉には、作り手の機能の押し付けが感じられま
す。

「消費者は、そんなに吸引力のことを悩みの種にしているのだろうか?」と
いう疑問が湧きます。

■実は、インターネットの口コミなどを見てみると、ダイソンの掃除機が、
特段吸引力に優れているわけではないとの意見が見られます。

「吸引力は確かに落ちないが、もともとの吸引力がそんなに強いわけではな
い」といった類です。

以前の事務所でダイソン製の掃除機を使っていましたが、確かに吸引力は普
通だったような気がします。

その事務所ではむしろ、デザイン製や高級であることを評価して使用してい
たようでした。(オーナーが見栄を張る人でしたから^^)

逆に言うと「他の掃除機は吸引力が落ちるのか」という疑問がありますが、
これも今の事務所ではパナソニックの掃除機を使っていますが、使用頻度が
低いこともありますが、吸引力が落ちたという実感はありません。

ということは、私に関しては、吸引力という切り口は的外れであるというこ
とです。

果たして、多くの主婦層は、吸引力を求めて、7~8万円の掃除機を購入し
ようとするのでしょうか?

■今回の記事を読んでいて感じるのは、チャネルである家電量販店の協力が
非常に大きいということです。

家電量販店にはメーカーが販売員を派遣するのが普通だったようですが、ダ
イソンはそんな慣習には無頓着に営業活動を行っていました。

家電量販店の社員が販売できるように、彼らを教育しようという試みです。

この地道な活動がいつしか効果を発揮したというのが記事の主張です。

そもそも販売員を派遣するメーカーには、小売店を教育しようという発想は
なかったことでしょう。

素人営業だからこそできたことです。

■ここでプラスに働いたのは、まずは高価格設定。

他メーカーの商品に比べて高いので、小売店も売り甲斐があります。

商品の販売数シェアは1割でも、金額シェアは3割というインパクトがあり
ますから、重点商品にしたくなります。

■もう一つは、掃除機の専業メーカーであるということ。

他の総合家電メーカーと違って、掃除機のことばかり考えていればいいので、
営業マン一人ひとりが持っている情報量が違うはずです。

「掃除機のことならダイソン社の人に聞け」と自然に思うことでしょう。

小売店にとってのダイソン社の位置づけは否応なしに高まっていきます。

■私の考える図式はこうです。

「吸引力が変わらない」という強引な切り口を連呼して、消費者に差別化意
識を植え付けた。

同時に、日本の家電量販店チャネルへ営業を集中し、売上貢献度と専門的知
識で特別な地位を得るに至った。

要するに、独特だが地道な営業活動により、市場に一定の地位を得たという
ことです。

■ただ先ほども言ったように「吸引力が変わらない」というコンセプトが、
消費者にそれほど響くものかどうかが疑問です。

ここがずれているとすれば、成功は長くは続きません。

日本のメーカーも「高価格帯でも売れるのだということが分かった」と言っ
ているようですから、このまま手をこまねいているわけではないでしょう。

また海外の他メーカーもデザイン製の優れた商品を通販チャネルなどに投入
してくる可能性があります。

一時的な成功に終わらないためにも、コンセプトの見直しが必要ではないか
と私は思っています。

■ダイソン氏は「シェアが伸びるのはうれしいことだが、目標を決めて台数
を増やすことは目的ではない。参入した国の顧客に商品を理解してもらい、
市場を有機的に成長させることこそが目的だ」とも言っています。

これはどちらかというと、既存市場に新規参入して競争するよりも、新たな
顧客を開拓し、市場を創造しようという考え方です。

まさに製造業によるマーケティングの理想といっていいと思います。

■果たして、このままダイソンは市場シェアを確保し続けることができるの
か。

「いい商品だから売れるはずだ」という姿勢が見え隠れするので、懐疑的な
意見を言いましたが、もしかすると、私が気づかない何かがあるのかも知れ
ません。

なぜダイソンはここまで売れたのか?

もし事情をご存知の方がおられましたら、教えていただけませんか^^



【オンラインセミナー】ランチェスター戦略入門編
http://goo.gl/ka0BBL


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■今日の話は、実はよく分かっていません。

ダイソンというのは、イギリスの掃除機メーカーのことです。

1993年に英国で創業し、すぐにトップシェアを確保。

1998年には日本に進出。2006年には、金額ベースで約3割の市場シェアを確
保したということです。

掃除機などという成熟市場において、大きな市場シェアを確保するに至った
原因は何なのか?

私は答えを持っておりません。

皆さんにお聞きしたいと思っております^^;

■今回の元ネタは、日経オンラインに載っていた記事です。

http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20091104/208824/

http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20061006/111258/

さらにその記事はもともと「日経情報ストラテジー2006年11月号」に掲載さ
れていたそうです。

■ダイソン社の創業者ジェームス・ダイソンは、イギリスでも有数の産業デ
ザイナーとして知られています。

ダイソン氏が掃除機にサイクロン技術を活用しようと思い立ったのはいつの
ことなのか私は知りません。

ただ、1983年頃には私財をなげうって、5000台以上の試作品を作っていたと
言われています。

ともあれ、1980年代中頃に、サイクロン技術により紙パックを不要とする掃
除機を開発しました。

もっとも最初にそれを受け入れたのは、本国イギリスではなく、日本の企業
でした。最初の製品は日本の通信販売で売り出したようです。

本国では、誰もダイソンの技術を買おうとしなかったために(恐らくは)仕
方なく、自分で工場を作って、自社ブランドで売り出したところ、1996年に
はイギリスで50%のシェアを獲得するに至っています。

他のメーカーはさぞ悔しがったことでしょうね。

■ダイソン氏の発言を聞くと「ものづくり重視」の姿勢が強く見られます。

曰く「市場開発活動に投資するより、研究開発への投資を優先する。顧客も
その方を喜ぶだろう。時間がかかるかもしれないが。最終的には収益性の高
い会社になる」

その発言の通り、研究開発には12~15%の投資を行っています。(自動
車メーカーでも4~5%程度です)

また品質管理でも、創業当初から「シックスシグマ」(モトローラが開発し
た品質管理手法)を導入し、水も漏らさぬ管理体制を作り上げようとしてい
ました。

ものづくりに賭ける執念は、まるで日本の製造業を見ているようです。

■ただし、多くの意見にあるように、ダイソンが売れたのは、商品力だけで
はないはずです。

イギリスでなぜ売れたのかは皆目分かりません。資料も足りませんし。

では、日本でなぜこれほどまで売れたのかをこれから考えていきましょう。

■マーケティングの4Pで見てみます。

まず商品。

いわゆるサイクロン式の紙パックのいらないタイプとして差別化されていま
す。

他のメーカーの掃除機はゴミをためる袋を必要としており、その取替えが面
倒であるのですが、ダイソン製はそれが不要です。

そのため、紙パックが目詰まりすることがないので「吸引力の変わらない、
ただひとつの掃除機」であるといえます。

もう一つの強みは、デザインです。

ダイソン氏そのものが優秀な産業デザイナーですし、同社は技術者がデザイ
ンも担当するというアプローチをとっているので、デザインに対するこだわ
りは、相当なものがあります。

日本での当初の売れ方も「おしゃれなニッチ家電」という位置づけだったは
ずでした。

■次に価格。

ダイソン製の掃除機は、他のメーカーの3~4倍の価格設定をしています。

なんぼなんでも売れるかいなーーという値段です^^;

ただしこの突拍子もない値段設定が、ライバル会社や顧客にとって、全く違
うジャンルの製品だと認識される要因になったと思われます。

だから日本の手ごわい家電メーカーと無用な軋轢を起こさなかったのではな
いかと私は見ています。

また顧客にとっても、価格帯そのものが差別化要因として捉えられたはずで
す。

結果として、新しい需要を喚起し、市場の規模拡大を招きました。

■チャネル。

デルのようなダイレクトチャネルを自社で構築することも出来たはずですが、
同社は通常の家電量販店をチャネルとしています。

ここは苦労したはずです。

高価格の根拠を顧客に納得してもらうには、相当の説明を必要とします。

それを家電量販店の社員にやってもらおうというのですから、気の遠くなる
ような地道な作業が必要だったはずです。

こんな商品が売れるかーーという気持ちは、顧客よりも小売の販売者の方が
強かったことでしょう。

それを売る気にさせるのは並大抵ではありません。

記事には「地道な作業を続けた」ようなことが書いてありますが、正直言っ
て、どのような活動をしたのか、知りたいものです。

営業コンサルタントとしては、ここが最も興味のあるところです。

しかし、一度売れるとなれば、小売店は非常に強い味方になったことでしょ
う。

なぜなら、1台で他の3~4倍の売上が上がる商品が、小売店にとっては美
味しい存在でないはずはない。

ある時期を境に、マイナスが一気にプラスに転じたはずです。

■プロモーション。

人的営業に関しては、現場に任せきりのような気がするのは私だけでしょう
か^^;

ただ同社のいう「自分たちはこれまでなかった新しい掃除機を売っている。
だから新しい売り方が必要なんだ」という言葉には含蓄があります。

確かに、日本の流通に詳しい営業部長など雇っていたら、他メーカーと同じ
土俵に立って今頃低利益で喘いでいたかも知れません。

結果として素人営業のアプローチが功を奏したといっていいでしょう。

■もう一つ、ダイソンのプロモーションで特徴的なのは「吸引力の変わらな
い、ただひとつの掃除機」というキャッチコピーです。

他社が使用イメージやメリットを顧客に伝えようとしているのに対して、ダ
イソン社のCMは、ジェームズ・ダイソンがひたすら掃除機の機能的優位性
を語るという硬派なものでした。

そして連呼される「ダイソン。吸引力の変わらない、ただひとつの掃除機」
というフレーズ。

私が分からないのは、ここです。

「吸引力」という機能的言語は、そんなに顧客に響くものなのか?

■マーケティングの世界では「顧客は商品がほしいのではない。商品から得
られる効用がほしいのだ」と言っています。

だからこそ常に、顧客の立場に立って、商品なりビジネスを見ていなかいと
見誤ってしまうと教えます。

ところが「吸引力」という言葉には、作り手の機能の押し付けが感じられま
す。

「消費者は、そんなに吸引力のことを悩みの種にしているのだろうか?」と
いう疑問が湧きます。

■実は、インターネットの口コミなどを見てみると、ダイソンの掃除機が、
特段吸引力に優れているわけではないとの意見が見られます。

「吸引力は確かに落ちないが、もともとの吸引力がそんなに強いわけではな
い」といった類です。

以前の事務所でダイソン製の掃除機を使っていましたが、確かに吸引力は普
通だったような気がします。

その事務所ではむしろ、デザイン製や高級であることを評価して使用してい
たようでした。(オーナーが見栄を張る人でしたから^^)

逆に言うと「他の掃除機は吸引力が落ちるのか」という疑問がありますが、
これも今の事務所ではパナソニックの掃除機を使っていますが、使用頻度が
低いこともありますが、吸引力が落ちたという実感はありません。

ということは、私に関しては、吸引力という切り口は的外れであるというこ
とです。

果たして、多くの主婦層は、吸引力を求めて、7~8万円の掃除機を購入し
ようとするのでしょうか?

■今回の記事を読んでいて感じるのは、チャネルである家電量販店の協力が
非常に大きいということです。

家電量販店にはメーカーが販売員を派遣するのが普通だったようですが、ダ
イソンはそんな慣習には無頓着に営業活動を行っていました。

家電量販店の社員が販売できるように、彼らを教育しようという試みです。

この地道な活動がいつしか効果を発揮したというのが記事の主張です。

そもそも販売員を派遣するメーカーには、小売店を教育しようという発想は
なかったことでしょう。

素人営業だからこそできたことです。

■ここでプラスに働いたのは、まずは高価格設定。

他メーカーの商品に比べて高いので、小売店も売り甲斐があります。

商品の販売数シェアは1割でも、金額シェアは3割というインパクトがあり
ますから、重点商品にしたくなります。

■もう一つは、掃除機の専業メーカーであるということ。

他の総合家電メーカーと違って、掃除機のことばかり考えていればいいので、
営業マン一人ひとりが持っている情報量が違うはずです。

「掃除機のことならダイソン社の人に聞け」と自然に思うことでしょう。

小売店にとってのダイソン社の位置づけは否応なしに高まっていきます。

■私の考える図式はこうです。

「吸引力が変わらない」という強引な切り口を連呼して、消費者に差別化意
識を植え付けた。

同時に、日本の家電量販店チャネルへ営業を集中し、売上貢献度と専門的知
識で特別な地位を得るに至った。

要するに、独特だが地道な営業活動により、市場に一定の地位を得たという
ことです。

■ただ先ほども言ったように「吸引力が変わらない」というコンセプトが、
消費者にそれほど響くものかどうかが疑問です。

ここがずれているとすれば、成功は長くは続きません。

日本のメーカーも「高価格帯でも売れるのだということが分かった」と言っ
ているようですから、このまま手をこまねいているわけではないでしょう。

また海外の他メーカーもデザイン製の優れた商品を通販チャネルなどに投入
してくる可能性があります。

一時的な成功に終わらないためにも、コンセプトの見直しが必要ではないか
と私は思っています。

■ダイソン氏は「シェアが伸びるのはうれしいことだが、目標を決めて台数
を増やすことは目的ではない。参入した国の顧客に商品を理解してもらい、
市場を有機的に成長させることこそが目的だ」とも言っています。

これはどちらかというと、既存市場に新規参入して競争するよりも、新たな
顧客を開拓し、市場を創造しようという考え方です。

まさに製造業によるマーケティングの理想といっていいと思います。

■果たして、このままダイソンは市場シェアを確保し続けることができるの
か。

「いい商品だから売れるはずだ」という姿勢が見え隠れするので、懐疑的な
意見を言いましたが、もしかすると、私が気づかない何かがあるのかも知れ
ません。

なぜダイソンはここまで売れたのか?

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