営業は顧客の課題を解決する仕事だ

2020.02.20

(2020年2月20日メルマガより)

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先日、営業を受ける機会が2度ありました。

1度は、先方の売り込みです。もう1度は、私からある商品を検討している旨を伝えて先方に来ていただきました。

結果として、いずれも、お断りすることになりました。

全く購入する気になれませんでした。


営業は、顧客の課題を解決するためにある


双方に言えるのは、まるで営業をわかっていないということです。

私は、営業をそれなりに経験した者は、どんな仕事だってできると考えています。

逆にいうと、営業を経験していない人は、できることが限られています。自分の専門分野に集中して、営業は他の人に任せる方がいいと思います。

その方も、売り込まれる方も、時間のムダですから。

特にものづくり一筋という方やクリエイターなどは、営業をしない方がいいですね。

ふだん、真面目にものづくりや作品づくりに取り組んでいる人が、こと営業活動になると、とたんに高く売りつけようとしたり、顧客を無視して価値観を押しつけようとしたり、自分勝手な営業をしてしまうのはなぜなのでしょうか。

その人の営業に対する浅い理解が、営業スタイルに現れてしまっています。

営業は、そんな怪しげなものではありません。


顧客にとって必要とは何か


そもそも顧客が代金を支払って商品やサービスを購入するのは、その商品やサービスが、顧客にとって必要なものだからです。

必要とは何か。詳しく言うと、顧客が抱えている課題を解決するために必要だということです。

具体的には次の3つです。


1.現状の不満を解消するために必要なものである。

人は誰しも、現状に様々な不満や不便を抱えています。

売上が停滞している。コストがこれ以上下がらない。不良率が高い。生産効率が悪い。従業員の定着率が低い。

そんな不満を解消するために有効な商品やサービスであれば、必要となります。


2.目標を達成するために必要なものである。

人の多くは、目標を持っています。

売上を今の倍にしたい。生産性を20%上げたい。競合よりもシェアを伸ばしたい。コストを15%落としたい。

その目標を達成するための商品やサービスであれば、必要となります。


3.将来の不安を払拭するために必要なものである。

人は様々なリスクを抱えています。

市場環境の変化により売上が急激に低下するかも知れない。重大な事故により生産施設が使えなくなるかも知れない。重要な部材の仕入れが滞るかも知れない。有能な従業員が退職するかも知れない。

そんな不安を未然に防ぐことができる商品やサービスであれば、必要となります。


自社の商品やサービスが、何等かの必要に当てはまらなければ、購入されることはありません。

いや、むしろ、購入してもらってはダメです。

営業のテクニックで必要ではない商品を購入させることができる場合もありますが、そんなことをすれば、営業の評価も会社の評判も早晩に失墜してしまいます。

長い関係を志向するなら、お互いが納得のいく取引を心がけなければなりません。


現状と理想を聞き出し、課題を導き出す


だから営業は、顧客がそれを本当に必要かどうか聞き出さなければなりません。

どうすれば、聞き出せるのでしょうか。

必要とは「目標の達成や、不安や不満、不便の解消のために必要だ」ということでした。

現状に不満や不安があったり、目標に届いていない現実があるから、理想の状態になるために、必要なのです。

つまり、必要とは、理想と現状のギャップを埋めるためのものであり、言い換えると、課題のことです。

回りくどい言い方で申し訳ありません。

必要=課題。課題とは、理想と現状のギャップのことです。

だから、現状と理想を理解することで、課題を導き出すことができます。

(1)現状についてヒアリングする。

現在の状況について、不満や不便はないか、不具合はないか、困っていることはないかを聞き出す。

(2)理想についてヒアリングする。

顧客が目標としていること、理想の将来像、どうなりたいかを聞き出す。

(3)課題について確認する。

現状と理想のギャップから課題を導き出し、顧客に確認する。


営業ヒアリングは、課題を導くまで行う


顧客が、自らの課題や要望を正確に理解しているとは限りません。いや、むしろ、意識していないことが殆どでしょう。

漠然とした不安や不満を抱いていて、何をどうすればいいのかわからない場合が多いはずです。

それを紐解いて、わかりやすく提示し、確認するのが営業の役割です。

営業ヒアリングとは、課題を導き出すことです。

よくヒアリングでは、どこまで聞き出せばいいのか、と質問されることがありますが、充分に課題を理解したと思えるまでは、ヒアリングを深めていかなければなりません。

どのように深めていくか、という部分が、営業としてのスキルになりますが、これままた別の機会にお話しいたします。


営業ができないならば、プロに依頼する


繰り返しになります。

現状と理想のギャップが課題です。

現状の不満や不便を解消し、理想の状態にするために、足りないものは何か。目標を達成するために必要なものとは何か。理想の将来像に向かうためにリスクとなっているものは何か。

それが、課題です。

顧客の課題を理解することなしに、工数がどれだけかかったとか、本来の価値はどれぐらいだとか、自分の都合を押し付けていたら、話が進みません。

そういう計算しかできない人は、しかるべき営業に依頼して、適切なマージンを支払って、顧客対応をしてもらってください。


(2020年2月20日メルマガより)

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先日、営業を受ける機会が2度ありました。

1度は、先方の売り込みです。もう1度は、私からある商品を検討している旨を伝えて先方に来ていただきました。

結果として、いずれも、お断りすることになりました。

全く購入する気になれませんでした。


営業は、顧客の課題を解決するためにある


双方に言えるのは、まるで営業をわかっていないということです。

私は、営業をそれなりに経験した者は、どんな仕事だってできると考えています。

逆にいうと、営業を経験していない人は、できることが限られています。自分の専門分野に集中して、営業は他の人に任せる方がいいと思います。

その方も、売り込まれる方も、時間のムダですから。

特にものづくり一筋という方やクリエイターなどは、営業をしない方がいいですね。

ふだん、真面目にものづくりや作品づくりに取り組んでいる人が、こと営業活動になると、とたんに高く売りつけようとしたり、顧客を無視して価値観を押しつけようとしたり、自分勝手な営業をしてしまうのはなぜなのでしょうか。

その人の営業に対する浅い理解が、営業スタイルに現れてしまっています。

営業は、そんな怪しげなものではありません。


顧客にとって必要とは何か


そもそも顧客が代金を支払って商品やサービスを購入するのは、その商品やサービスが、顧客にとって必要なものだからです。

必要とは何か。詳しく言うと、顧客が抱えている課題を解決するために必要だということです。

具体的には次の3つです。


1.現状の不満を解消するために必要なものである。

人は誰しも、現状に様々な不満や不便を抱えています。

売上が停滞している。コストがこれ以上下がらない。不良率が高い。生産効率が悪い。従業員の定着率が低い。

そんな不満を解消するために有効な商品やサービスであれば、必要となります。


2.目標を達成するために必要なものである。

人の多くは、目標を持っています。

売上を今の倍にしたい。生産性を20%上げたい。競合よりもシェアを伸ばしたい。コストを15%落としたい。

その目標を達成するための商品やサービスであれば、必要となります。


3.将来の不安を払拭するために必要なものである。

人は様々なリスクを抱えています。

市場環境の変化により売上が急激に低下するかも知れない。重大な事故により生産施設が使えなくなるかも知れない。重要な部材の仕入れが滞るかも知れない。有能な従業員が退職するかも知れない。

そんな不安を未然に防ぐことができる商品やサービスであれば、必要となります。


自社の商品やサービスが、何等かの必要に当てはまらなければ、購入されることはありません。

いや、むしろ、購入してもらってはダメです。

営業のテクニックで必要ではない商品を購入させることができる場合もありますが、そんなことをすれば、営業の評価も会社の評判も早晩に失墜してしまいます。

長い関係を志向するなら、お互いが納得のいく取引を心がけなければなりません。


現状と理想を聞き出し、課題を導き出す


だから営業は、顧客がそれを本当に必要かどうか聞き出さなければなりません。

どうすれば、聞き出せるのでしょうか。

必要とは「目標の達成や、不安や不満、不便の解消のために必要だ」ということでした。

現状に不満や不安があったり、目標に届いていない現実があるから、理想の状態になるために、必要なのです。

つまり、必要とは、理想と現状のギャップを埋めるためのものであり、言い換えると、課題のことです。

回りくどい言い方で申し訳ありません。

必要=課題。課題とは、理想と現状のギャップのことです。

だから、現状と理想を理解することで、課題を導き出すことができます。

(1)現状についてヒアリングする。

現在の状況について、不満や不便はないか、不具合はないか、困っていることはないかを聞き出す。

(2)理想についてヒアリングする。

顧客が目標としていること、理想の将来像、どうなりたいかを聞き出す。

(3)課題について確認する。

現状と理想のギャップから課題を導き出し、顧客に確認する。


営業ヒアリングは、課題を導くまで行う


顧客が、自らの課題や要望を正確に理解しているとは限りません。いや、むしろ、意識していないことが殆どでしょう。

漠然とした不安や不満を抱いていて、何をどうすればいいのかわからない場合が多いはずです。

それを紐解いて、わかりやすく提示し、確認するのが営業の役割です。

営業ヒアリングとは、課題を導き出すことです。

よくヒアリングでは、どこまで聞き出せばいいのか、と質問されることがありますが、充分に課題を理解したと思えるまでは、ヒアリングを深めていかなければなりません。

どのように深めていくか、という部分が、営業としてのスキルになりますが、これままた別の機会にお話しいたします。


営業ができないならば、プロに依頼する


繰り返しになります。

現状と理想のギャップが課題です。

現状の不満や不便を解消し、理想の状態にするために、足りないものは何か。目標を達成するために必要なものとは何か。理想の将来像に向かうためにリスクとなっているものは何か。

それが、課題です。

顧客の課題を理解することなしに、工数がどれだけかかったとか、本来の価値はどれぐらいだとか、自分の都合を押し付けていたら、話が進みません。

そういう計算しかできない人は、しかるべき営業に依頼して、適切なマージンを支払って、顧客対応をしてもらってください。


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代表者・駒井俊雄が発行するメルマガ「営業は売り子じゃない!」
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