20歳の頃の自分に読ませたい本

2009.12.17

(2009年12月17日メルマガより)

☆メルマガ登録はこちら


■先月、某国立大学のゼミでセミナーをさせていただきました。

私などが国立大学の教壇に立っていいんだろうかと思わなくはないですが、
あっさりと設定してくれました^^

その節はありがとうございました。Mさん。

私としては軽く戦略の基本をレクチャーしようと思っていたら「それではも
の足りないので、コンサルティングの実践事例を教えてください」との厳し
いご指摘を^^;

慌てましたが、なんとかやってまいりました。

いかがだったでしょうか。難しくなかったかな?

■それにしても、今回、学生の方々にお話しして感じたのは「みんな真面目
だなーー」ということです。

もちろんいい意味です。

彼らに比べたら、学生時代の私などチンピラのようなものでした^^;

自分の意見を持っていると言えばかっこいいですが、実際には好き嫌いで判
断して、理解できないものや複雑そうなものに対しては、無視を決め込んで
いました。

論理性のかけらもない。。。今思い出しても冷や汗が出ますな。

彼らのほうがずっと大人です。

特に男子学生は、素直で真面目で、頭が下がります。

その素直な態度で物事に接していれば、この先、もっともっと多くのことを
吸収できることと思いますよ。

これからも素直な驚きをもって何事にも接するようにしてくださいね。

■どうやら私にも、若い方に何かを伝えたい。正しい方向に進む手助けをし
たいという気持ちがあるようです。

いや。それはおこがましいか。

それよりも、20歳の頃の自分があまりにも無益な日々を過ごしていたのを深
く悔恨しています。

だから、その頃の自分に方向性を示したいと言っておきましょう。

私も歳をとったもんですな^^;

■もし20歳の頃の私に会ったとしたら。

今の私はこう言います。

1.長い時間の中でものごとを捉えろ。

2.常にものごとの全体像を見ろ。

3.目的をもって考え、行動しろ。

4.ものごとの原因と結果に注意を払え。

結局、この4つが「戦略」であり、人間が人間らしく生きるための鍵である
と思うからです。

(長期性、全体性、合目的性、プロセス性)

だから、若い人には、早いうちから戦略性を身に着けてもらいたい。

■戦略がなければ、ただのチンピラで終わってしまいます。

だって、上の逆をやってみてください。

1.刹那的に生きろ。

2.目先の利益を追え。

3.本能で動け。

4.結果だけを求めろ。

チンピラというか、野獣ですな^^;

■笑い事ではない。

昔の私の姿です。

そんな人間に説教しても聞きやしないでしょうがね。。。

うるさいとか言って、親父狩りに合ったりして。

なんぼなんでもそこまではしませんが。

■というわけで、いらん説教をするよりも、黙って一冊の本を手渡したいと
思います。

私が20歳の頃の自分に読んでほしい一冊は、ピーター・ドラッカーの「プ
ロフェッショナルの条件
」です。

これ以外はいりません。

現代は長い自己実現ブームがきているので、この手の本は多いのですが、あ
れこれ手を出すよりも、この一冊を繰り返し読んだ方がいいでしょう。

■ピーター・ドラッカーはご存知の通り「マネジメントの発明者」とも評さ
れる経営学者、社会学者です。(2005年逝去)

企業経営に携わる人ならば、避けては通れない知の巨人です。

日本でも人気が高く、本人も日本びいきのところがあったようです。

主に企業や非営利団体など組織の動きに興味のあったドラッカーでしたが、
個人の自己実現に関しても言及しています。

この本は、そんなドラッカーの膨大な著作の中から、個人の自己実現に関す
る箇所を抜き出して集めたものです。

だから全体な統一性に難がありますし、テーマの掘り下げが十分でないとこ
ろもあります。

しかし、それもまた読む者の想像力を刺激し、自分で整合性をとるべく研究
意欲を湧きたててくれると考えることもできます。

少なくとも、若い人には、段落間を埋めるぐらいの想像力を働かせてほしい
ものです。

■この本の中には、成果をあげるためにはどうすればいいのか、という知恵
が詰まっています。

「成果を上げる秘訣は...」

何だと思いますか?

ドラッカーはこう言っています。

「成果を上げる秘訣は、成果とは何かを知ることである」

要するに「目的を達成するためには、目的とは何かを決めなければダメだ」
と言っているわけです。

言われてみれば当たり前のことですが、20歳の頃の自分には衝撃を与える
言葉だと確信します。

自分なりのやり方で努力をしているつもりで、漠然と何者かになれるんじゃ
ないかと根拠のない自信を持っていた自分。

いつか坂を越えて、何か大きな広がりのある風景が見えるんだと勝手に思っ
ていた自分。

地図も持たずぐるぐる歩きまわっているだけなのに、都合よく宝のありかに
近づいていると思い込んでいた自分。

手痛い失敗をするまでは気づかないことなんでしょうが、歯がゆくて仕方あ
りません。

この本は、戦略の中の「目的を持つ」ことの重要性を雄弁に語ってくれてい
ます。

■繰り返しますが、人間と動物を分ける1つの理由が「目的・目標を自分で
設定できるかどうか」であると私は考えています。

本能にプログラムされた欲求に従うだけなら動物と変わりません。

人間は、自分で「幸福とは何か」を考え、「幸福になるにはどうすればいい
か」を設計し、遂行できる存在です。

もちろん本能が求める欲求は強力ですから無理に逆らうことは得策ではあり
ません。

しかし、その本能とうまく折り合いをつけ、昇華し、自分の設定した目標に
合わせることができる能力を人間は持っています。

私は米国NLP協会認定マスタープラクティショナーですからそのあたりの
スキルはよく知っています^^(普段は忘れていますが^^;

■面白いことに、青年の頃は、形而上の崇高な目標と卑近な欲望の両方を強
く持つ時期です。

私もそうでした。

一方で、人の役に立ちたい、大げさに言えば人類のために何かを成したいと
夢想しつつ、一方で、日々の欲望(金がほしい、もっと食べたい、もてたい、
刺激がほしい)に忠実でした。今でも若干そうですが^^;

自分を持て余すという感覚は青年期に特有のものではないでしょうか。

■そんな時に最も必要なのが「戦略的な思考」に他なりません。

端的にいえば、戦略とは目標(あるいは理想の状態)と現状とのギャップを
どのように埋めるかという方法のことです。

無駄に放出し続けているエネルギーに方向性を与えることです。

「無駄なことや、馬鹿なことにかまける時期も大切やでー」というのも一面
の真実であるように聞こえますが、同じエネルギーを使うなら建設的なこと
に使ってもらう方が社会的にも有益です。

私のように、青年期を思い出して、恥ずかしさに悶絶せずに済むようにして
ください^^;

■何かの本で読みましたが、人間は生まれた時には「好き・嫌い」という判
断基準しかないそうです。

ところが成長して小学生ぐらいになると「損・得」という概念を持つように
なります。

「損・得」というと算盤勘定のようでいいイメージには聞こえませんが、こ
こでは目的に合うか合わないかという計算であると捉えてください。(お母
さんを喜ばせたいから勉強するetc)

さらに成長すると「善・悪」という社会的な概念も覚えます。

青年期には、それらの抽象的な概念が自らの中で発展し、成熟していきます。

せっかくの成長期に、これまでの通り「好き・嫌い」だけで通し、論理的思
考を育てずに過ごすのか。

それとも抽象的な思考に悩みながらも、「目的」を設定して、それを達成す
る行き方を覚えるのか。

青年期の過ごし方一つで、その後の人間性の発展に大きな違いが表れること
になります。

無駄に過ごして欲しくないという所以です。

(大人になっても、即物的なことにしか興味のない人はいますから、怖いで
すよーー)

■そんなわけで、20歳の頃の私には、ドラッカーの「プロフェッショナル
の条件
」をじっくりと読んでもらい有益な人生について十分に思索してもら
いたいと思います。

私自身の"失われた10年"に思いを馳せつつ、そう願います^^;

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■ドラッカーの「プロフェッショナルの条件」を読む方は、ぜひ97ページの
「私の人生を変えた7つの経験」という章から読んでいただきたいと思いま
す。

そこにはドラッカー自身が若い頃から教訓にし、取り組んできた理念や行動
が書かれています。

1.何歳になっても目標とビジョンを持って行動する。

2.神々が観ているのだから、仕事に手抜きはしない。

3.1時期には、1つのことに集中して勉強し、マスターすることを続ける。

4.定期的に検証と反省を行うことを仕事の中に取り込む。

5.新しい仕事に取り組む時は、その仕事が要求しているものは何かを考え
る。

6.新しい行動を起こす時には、その行動の目標と期待するものを書き留め
ておき、一定の期間後に結果と比べる。(フィードバック分析)

7.自分が何によって評価されたいかを意識しておく。

短い言葉だけでは分かりにくいでしょうから、ぜひともドラッカーの人生の
折々の出来事や実感を持って、この章を読んでみてください。

この章を読むだけでも、必ず、人生を豊かにすることができるはずですから。


(2009年12月17日メルマガより)

☆メルマガ登録はこちら


■先月、某国立大学のゼミでセミナーをさせていただきました。

私などが国立大学の教壇に立っていいんだろうかと思わなくはないですが、
あっさりと設定してくれました^^

その節はありがとうございました。Mさん。

私としては軽く戦略の基本をレクチャーしようと思っていたら「それではも
の足りないので、コンサルティングの実践事例を教えてください」との厳し
いご指摘を^^;

慌てましたが、なんとかやってまいりました。

いかがだったでしょうか。難しくなかったかな?

■それにしても、今回、学生の方々にお話しして感じたのは「みんな真面目
だなーー」ということです。

もちろんいい意味です。

彼らに比べたら、学生時代の私などチンピラのようなものでした^^;

自分の意見を持っていると言えばかっこいいですが、実際には好き嫌いで判
断して、理解できないものや複雑そうなものに対しては、無視を決め込んで
いました。

論理性のかけらもない。。。今思い出しても冷や汗が出ますな。

彼らのほうがずっと大人です。

特に男子学生は、素直で真面目で、頭が下がります。

その素直な態度で物事に接していれば、この先、もっともっと多くのことを
吸収できることと思いますよ。

これからも素直な驚きをもって何事にも接するようにしてくださいね。

■どうやら私にも、若い方に何かを伝えたい。正しい方向に進む手助けをし
たいという気持ちがあるようです。

いや。それはおこがましいか。

それよりも、20歳の頃の自分があまりにも無益な日々を過ごしていたのを深
く悔恨しています。

だから、その頃の自分に方向性を示したいと言っておきましょう。

私も歳をとったもんですな^^;

■もし20歳の頃の私に会ったとしたら。

今の私はこう言います。

1.長い時間の中でものごとを捉えろ。

2.常にものごとの全体像を見ろ。

3.目的をもって考え、行動しろ。

4.ものごとの原因と結果に注意を払え。

結局、この4つが「戦略」であり、人間が人間らしく生きるための鍵である
と思うからです。

(長期性、全体性、合目的性、プロセス性)

だから、若い人には、早いうちから戦略性を身に着けてもらいたい。

■戦略がなければ、ただのチンピラで終わってしまいます。

だって、上の逆をやってみてください。

1.刹那的に生きろ。

2.目先の利益を追え。

3.本能で動け。

4.結果だけを求めろ。

チンピラというか、野獣ですな^^;

■笑い事ではない。

昔の私の姿です。

そんな人間に説教しても聞きやしないでしょうがね。。。

うるさいとか言って、親父狩りに合ったりして。

なんぼなんでもそこまではしませんが。

■というわけで、いらん説教をするよりも、黙って一冊の本を手渡したいと
思います。

私が20歳の頃の自分に読んでほしい一冊は、ピーター・ドラッカーの「プ
ロフェッショナルの条件
」です。

これ以外はいりません。

現代は長い自己実現ブームがきているので、この手の本は多いのですが、あ
れこれ手を出すよりも、この一冊を繰り返し読んだ方がいいでしょう。

■ピーター・ドラッカーはご存知の通り「マネジメントの発明者」とも評さ
れる経営学者、社会学者です。(2005年逝去)

企業経営に携わる人ならば、避けては通れない知の巨人です。

日本でも人気が高く、本人も日本びいきのところがあったようです。

主に企業や非営利団体など組織の動きに興味のあったドラッカーでしたが、
個人の自己実現に関しても言及しています。

この本は、そんなドラッカーの膨大な著作の中から、個人の自己実現に関す
る箇所を抜き出して集めたものです。

だから全体な統一性に難がありますし、テーマの掘り下げが十分でないとこ
ろもあります。

しかし、それもまた読む者の想像力を刺激し、自分で整合性をとるべく研究
意欲を湧きたててくれると考えることもできます。

少なくとも、若い人には、段落間を埋めるぐらいの想像力を働かせてほしい
ものです。

■この本の中には、成果をあげるためにはどうすればいいのか、という知恵
が詰まっています。

「成果を上げる秘訣は...」

何だと思いますか?

ドラッカーはこう言っています。

「成果を上げる秘訣は、成果とは何かを知ることである」

要するに「目的を達成するためには、目的とは何かを決めなければダメだ」
と言っているわけです。

言われてみれば当たり前のことですが、20歳の頃の自分には衝撃を与える
言葉だと確信します。

自分なりのやり方で努力をしているつもりで、漠然と何者かになれるんじゃ
ないかと根拠のない自信を持っていた自分。

いつか坂を越えて、何か大きな広がりのある風景が見えるんだと勝手に思っ
ていた自分。

地図も持たずぐるぐる歩きまわっているだけなのに、都合よく宝のありかに
近づいていると思い込んでいた自分。

手痛い失敗をするまでは気づかないことなんでしょうが、歯がゆくて仕方あ
りません。

この本は、戦略の中の「目的を持つ」ことの重要性を雄弁に語ってくれてい
ます。

■繰り返しますが、人間と動物を分ける1つの理由が「目的・目標を自分で
設定できるかどうか」であると私は考えています。

本能にプログラムされた欲求に従うだけなら動物と変わりません。

人間は、自分で「幸福とは何か」を考え、「幸福になるにはどうすればいい
か」を設計し、遂行できる存在です。

もちろん本能が求める欲求は強力ですから無理に逆らうことは得策ではあり
ません。

しかし、その本能とうまく折り合いをつけ、昇華し、自分の設定した目標に
合わせることができる能力を人間は持っています。

私は米国NLP協会認定マスタープラクティショナーですからそのあたりの
スキルはよく知っています^^(普段は忘れていますが^^;

■面白いことに、青年の頃は、形而上の崇高な目標と卑近な欲望の両方を強
く持つ時期です。

私もそうでした。

一方で、人の役に立ちたい、大げさに言えば人類のために何かを成したいと
夢想しつつ、一方で、日々の欲望(金がほしい、もっと食べたい、もてたい、
刺激がほしい)に忠実でした。今でも若干そうですが^^;

自分を持て余すという感覚は青年期に特有のものではないでしょうか。

■そんな時に最も必要なのが「戦略的な思考」に他なりません。

端的にいえば、戦略とは目標(あるいは理想の状態)と現状とのギャップを
どのように埋めるかという方法のことです。

無駄に放出し続けているエネルギーに方向性を与えることです。

「無駄なことや、馬鹿なことにかまける時期も大切やでー」というのも一面
の真実であるように聞こえますが、同じエネルギーを使うなら建設的なこと
に使ってもらう方が社会的にも有益です。

私のように、青年期を思い出して、恥ずかしさに悶絶せずに済むようにして
ください^^;

■何かの本で読みましたが、人間は生まれた時には「好き・嫌い」という判
断基準しかないそうです。

ところが成長して小学生ぐらいになると「損・得」という概念を持つように
なります。

「損・得」というと算盤勘定のようでいいイメージには聞こえませんが、こ
こでは目的に合うか合わないかという計算であると捉えてください。(お母
さんを喜ばせたいから勉強するetc)

さらに成長すると「善・悪」という社会的な概念も覚えます。

青年期には、それらの抽象的な概念が自らの中で発展し、成熟していきます。

せっかくの成長期に、これまでの通り「好き・嫌い」だけで通し、論理的思
考を育てずに過ごすのか。

それとも抽象的な思考に悩みながらも、「目的」を設定して、それを達成す
る行き方を覚えるのか。

青年期の過ごし方一つで、その後の人間性の発展に大きな違いが表れること
になります。

無駄に過ごして欲しくないという所以です。

(大人になっても、即物的なことにしか興味のない人はいますから、怖いで
すよーー)

■そんなわけで、20歳の頃の私には、ドラッカーの「プロフェッショナル
の条件
」をじっくりと読んでもらい有益な人生について十分に思索してもら
いたいと思います。

私自身の"失われた10年"に思いを馳せつつ、そう願います^^;

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■ドラッカーの「プロフェッショナルの条件」を読む方は、ぜひ97ページの
「私の人生を変えた7つの経験」という章から読んでいただきたいと思いま
す。

そこにはドラッカー自身が若い頃から教訓にし、取り組んできた理念や行動
が書かれています。

1.何歳になっても目標とビジョンを持って行動する。

2.神々が観ているのだから、仕事に手抜きはしない。

3.1時期には、1つのことに集中して勉強し、マスターすることを続ける。

4.定期的に検証と反省を行うことを仕事の中に取り込む。

5.新しい仕事に取り組む時は、その仕事が要求しているものは何かを考え
る。

6.新しい行動を起こす時には、その行動の目標と期待するものを書き留め
ておき、一定の期間後に結果と比べる。(フィードバック分析)

7.自分が何によって評価されたいかを意識しておく。

短い言葉だけでは分かりにくいでしょうから、ぜひともドラッカーの人生の
折々の出来事や実感を持って、この章を読んでみてください。

この章を読むだけでも、必ず、人生を豊かにすることができるはずですから。


コラム

blog

代表者・駒井俊雄が発行するメルマガ「営業は売り子じゃない!」
世の中の事象を営業戦略コンサルタントの視点から斬っていきます。(無料)

記事一覧

blog

記事一覧

Customer Voice

記事一覧

このページのTOPへ